検査院調査に「裏金」隠ぺい、96―98年に岐阜県
長年にわたる組織的な裏金作りが発覚した岐阜県が、1996~98年に会計検査院が全都道府県を対象に行った旅費の支出に関する調査に対し、毎年、不適正な経理処理を隠蔽(いんぺい)する報告をしていたことが8日、わかった。
このニュースを聞いて会計検査院の態度にあきれはてた。
というのも、高山市の都市計画施設屠畜場「新飛騨食肉センター」に対し、農水省から約8億3千万円、厚生労働省から16億円、岐阜県が8億5千万円、飛騨地区旧20市町村が約12億5千万円、追加が約3億円、高山市は用地取得に約4億円。その他を含め合計約54億円の補助金交付を得て整備された施設は完成後、なんと、飛騨農協系の飛騨ミート農業協同組合連合会にそっくり丸投げされていた。
当時の農林水産大臣は武部勤、厚生労働大臣は坂口力、岐阜県知事は梶原拓、高山市長土野守、全農会長は大池裕、飛騨農協の会長兼務の各構成員だった。
この報告内容は、東京都港区西麻生3丁目にある、農畜産振興事業団の報告である。
これらのみごと? な、談合の成立・公金横領である。
あとで判明したのだが、飛騨食肉センターの建設費は総額約34億円。差額20億円は使途不明のままとなっている。
この件で会計検査院より照会があり、筆者は担当という「ナオノ」という職員の質問に電話で応じ、求められて関係文書をダンボール箱につめ、宅配便で送付した。
農畜産振興事業団の補助金給付に中枢で関った職員数名はこのあといちはやく退職してしまった。
数件の新聞社、週刊誌から照会があったが、結果は何の音沙汰もなし。みごとに潰されてしまったのだった。強腕政治家の横槍だったという。
岐阜県の腐敗ぶりはいうまでもないが、会計検査院も腐っている。