行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

野菊・カントウヨメナ

2010-10-18 23:00:08 | 花,植物
いわゆる野菊と呼ばれるもの,
ノコンギク,ユウカギク,ヨメナ,カントウヨメナ,ハコネギクなど,
いろいろとあるようです。
どれもよく似た花をつけ,その正確な判別はなかなか難しいようです。



写真,多摩丘陵の草原にて(10/11)。
一茎一花に見えるほど花数が少なく,鋸葉ではありません。
この2点からハコネギクかなと思いましたが,
カントウヨメナも一茎につく花数が少なく,
花に近い葉は鋸葉にはならないとあります。
標高の低いこんなところにハコネギクがあるはずもなく,
場所から考えてもカントウヨメナ(関東嫁菜)のようです。



仲を引き裂かれ,不幸のまま死んでしまった2歳年上の従姉,
民子を追憶した小説「野菊の墓」,
いつ読んでも泣けてくる小説です。
千葉県の松戸市付近が舞台の100年以上前の純愛物語です。
ある日のこと,二人は山畑に綿を収穫に出かけることになりました。
その道の途中,野菊の好きな野菊のような17歳の民子に
15歳の政夫が摘んで渡した一握りの野菊,
それはカントウヨメナであろうと推測されています。
写真(10/11),蝶はアカタテハチョウ,イヌタデの赤い花穂がたくさんありました。



小説では,政夫が野菊を摘んだところは
そばに水蕎麦蓼がたくさんあると書かれています。
水蕎麦蓼とはミゾソバのこと,したがってそこは水辺だったのでしょう。
物語から100年過ぎた今,用水路の岸辺に野菊とミゾソバが
並んで咲いているのを見つけました(稲城市,10/17)。
ヨモギの花も認められます。
100年前もこんな風景だったのでしょうか。

一握り君にささげし嫁菜かな
道端の凛と一輪 野菊かな
コメント
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