藤澤浮世絵館で開催中の浮世絵展「浮世絵に見る波・風・帆」を観てきました。
今回は、「東海道五十三次コーナー」・「藤澤宿コーナー」・「江の島コーナー」・「企画展示コーナー」の4コーナーで53点の作品が展示されていました。
江の島は、来年の東京五輪2020でセーリング会場となっていますが、浮世絵には江の島を主題にした作品が多く描かれ、海に浮かぶような江の島の波・風・帆が浮世絵への描写を期待していました。
「東海道五十三次コーナー」では、歌川国貞の「美人東海道」の作品19点、江戸日本橋から奥津までの名所美人画が展示されており、各宿場などの美人を主題にした絵図が見られます。
歌川国貞の「五十三次之内 品川之図」では、大名行列をバックに遊女が描かれています。
「五十三次之内 藤澤図」では、江の島一の鳥居や大鋸橋を背景に描かれています。
「五十三次之内 箱根之図」には、富士山と箱根の山が描かれています。
「五十三次之内 原ノ図」では、朝焼けの富士を仰ぎ見る美人が描かれています。
「藤沢宿コーナー」では、「東海道名所図会」の歌川国貞や広重など東海道五十三次の大津、大井川など名所旧跡や宿場の様子が描かれた作品11点が展示されています。
歌川国貞の「五十三次之内 宮之図」では、熱田神宮のおひざ元の宮宿の光景です。
歌川広重の「五十三次名所図会」では、大井川の渡し場の光景が描かれています。
「江の島コーナー」では、「江の島と波の描き方の変遷」を描いた9点が見られます。
勝川春章が描いた相州江之島の風景では、腰越から見た江の島と富士山が描かれて現代画に近い描写でした。
歌川広重の「相州江之島弁財天開帳参詣群衆之図」には、江の島参詣に向かう群衆の賑わいが描かれています。
同じく歌川広重の「相州江之島弁財天開帳参詣岩屋之図」では、岩屋側から見た岩場や参道の光景が描かれています。
「企画展示コーナー」では、「浮世絵にみる波・風・帆」として葛飾北斎の富岳三十六景や歌川広重の名所図会が展示されています。
その中の1点の歌川国芳の「為朝を救う図」では、荒波の中で烏天狗が為朝を救う構図が描かれています。
多くの浮世絵大作に描かれている藤澤宿の江の島の光景が描かれている作品でしたが、主題であった「波・風・帆」をテーマに最近描いたkormanの江の島のセーリング会場の「水彩画の波・風・帆」を描いてみまると、波の描写は難しさに苦労しました。
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