知人が出展されている現代書道展『第27回 白峰社役員書展』を観に銀座の展示会場へ出かけてきました。
これまでは、松坂屋別館で開催されていたが、銀座松坂屋が休館となったので銀座東京セントラル美術館での開催となっていました。
広い会場には、大作74点が展示されていましたが、役員の書家ばかりの作品展故にどの作品も立派なものばかりで、離れがたいほど魅力一杯でした。
現代書は、古典書道のようにある書体で手本の文字列を書く臨書とは異なり、何を表現するかの作者の意志が伝わってくるようで、その筆の流れや造形が実に興味深いものがありますね・・
中でもベテラン書家の作品には、何を書くかを決める過程で心揺れ動き、さらにその表現方法にも拘りがあり、迷いが出てくることが多いそうですね・・・
この右の作品では、「いかりといのり」 と書かれていますが、その時の心情を書き紙の素材にも拘っての作品だそうで、単に美的表現だけではなく、作者が何を訴えているかを読み取って欲しいと伺いました。
中央の「鎮魂 復興の祈りを込めて被災地に・・・」と綴られていますが、丁度3.11の東日本大震災の被災された知人を想いながら、気持ちを書かれたそうで、「鎮魂」の文字が立体的に表現されたのも思いを込められているそうです。
多くの大作の中で特に目に付いたのは、 「さんさんと夜の海に降る雪見れば、雪はわたつみの暗さを知らず・・・・」と見事な筆跡と墨色の濃淡と空間が何とも言えないものを感じました。
さらに、魅かれたのは、墨絵のような筆の流れが見事な作品で「無心」ですが、筆を巻くように書かれた表現にも心打たれましたね。
これを一度絵の具で描いてみたらどんなものになるのでしょうか?
時を忘れて、大作に見入っていましたが、現代書道は躍動感溢れる墨で描いたアートですね・・・
会場でいろいろ制作に関わるお話を伺いありがとうございました