昨日、安倍政権発足後の初の施政方針が衆議院で述べられ、注目して読み返してみると、総じてこれまで述べられてはいたが、この国の危機的状況を脱して「強い日本」を再生するんだという意欲が伝わってきた。
昨今のメデイアの世論調査では、内閣支持率も70%にまで上昇しているそうであるが、発足して3ヵ月を経て着実にその成果が見えつつあり、期待を持って見守っていきたいと考えている。
三本の矢の「金融緩和」と「財政出動」の矢は、既に放たれてその成果が見え始めており、株価も11,600円前後、円相場も92円/$を推移しており、各社の業績予想も情報修正が行われていると聞く。
今、この国の喫緊の課題は、デフレを脱却して「経済再生」と「財政再建の道筋をつける」、「外交・安全保障体制の確立」と考えているが、しっかりと且つ早急に議論をスタートさせて、道筋を示してほしいものである。
財政出動では、何よりも東日本大震災からの復旧・復興に全力を注いで、被災者が望む復興へのスケジュールを示してもらいたい。
方針には、「強靭な国づくり」・「世界一安心な国、日本」を創ると述べられているが、具体的な施策の実行が待ったなしである。
もっとも関心を持ったのは、エネルギー施策であるが、エネルギーの安定供給とエネルギーコスト低減は、経済再生には不可欠の問題であり、「安全が確認された原発は再稼働する」と明言されており、再稼働が円滑に進むよう国民や関係団体への説明・説得に全力を挙げて欲しいところ・・・
対案のない原発反対や電気料金値上げ反対には賛同しかねるが、全知全能を駆使して経済再生することが、「強い日本」の絶対条件である。
与野党ともに党利党略にとらわれず「強い国・日本」に向けて真剣な議論を尽くしてもらいたい。
国民一人一人の意識も、私利私欲の利害得失ばかりが目に付いており、例えば震災の瓦礫処理についても、自分のところだけはダメの意見ばかりで、「世のため・・他人のために」という意見が聞こえないのは、実に寂しいところである。
あの戦後の復興時の姿は見られないのである。言葉だけではなく、相互扶助による「自立」に向けて、政治家の強いリーダーシップに期待したい。