ヤンマ探索記

トンボの観察記録です。

タイトルはヤンマですが、トンボなら何でも撮ります。
勿論、ヤンマが優先です。

アオモンイトトンボ 番外編

2019-03-10 | イトトンボ科番外編

敢えて撮らないトンボ(その3)

関東平野で一番多く見られるイトトンボはアオモンイトトンボ。やはり敢えて撮らないトンボです。
ただし交尾態だけは何度も撮っていました。目撃数が多いうえに交尾時間が長いので自然にカメラが向くのでしょう。

交尾態の♂に襲い掛かる♂


動じることなく交尾を継続

2009.7 都区内

交尾態 ♀は♂と同色型

2008.7 千葉県松戸市


2018.5 都区内

同色型で青色の♀ 明らかに青味が強い個体

2017.5 都区内

交尾態 ♀は異色型

2009.6 千葉県野田市


2008.8 都区内

異色型で褐色味が強い♀

2017.6 都区内

交尾態 ♀は未成熟

2018.4 都区内

♀ 同色型 産卵

2008.8 都区内


2007.7 都区内

♀ 異色型 産卵

2016.5 都区内

獰猛さで知られるアオモンイトトンボがイトトンボを捕食するシーンはたまに見ても、殆ど撮影していませんでした。
画像は羽化して飛立ったイトトンボを♂が捕えたシーンです。襲われたのは同種のようですが、不詳。

♂ 静止 捕食



2018.5 都区内

♂ 静止

2007.9 都区内


2008.6 都区内

胸部の青味が強い♂ ♀程多くないが時々見かける

2012.5 横浜市

以下は♀の静止画像です。同色型の♀は単体でいるとフィールドでは♂と識別が困難です。

♀ 同色型 青味が強い個体 静止 捕食

2018.6 都区内

♀ 異色型 静止

2008.9 都区内

異色型の♀未成熟は鮮やかなオレンジ色で、アジアイトトンボの♀未成熟によく似ています。
アジアイトトンボは2017年12月に掲載。

♀ 未成熟 静止 オレンジ色から緑色に変化過程の個体

2016.5 都区内

♀ 未成熟 静止

2014.6 都区内



同 捕食

2018.6 都区内

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セスジイトトンボ・ムスジイトトンボ 番外編

2018-03-11 | イトトンボ科番外編

思い出のトンボ(その4)

過去の画像から、思い出のトンボです。最終回は、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ。

オオイトトンボを含めたクロイトトンボ属3種のうち、この2種の目撃は少なく交尾、産卵がなかなか撮影できません。
シーズン前は撮れるうちにと思いつつ、毎年時期を逸してしまいます。3種を比較しながら過去の画像を振り返ります。
前回、失念したオオイトトンボだけは何度か撮影機会があり、オオイトトンボの記事は14年7月にも掲載しています。

画像を確認するうち、従来あまり記載していない識別に言及することになりましたが、個体差があり、あくまで目安です。

<セスジイトトンボ> 交尾態

2015.6 長野県上田市

<セスジイトトンボ> ♂ 静止


♂ 静止 特徴は三角形状の眼後紋、多くの個体に見られる肩黒条内の淡色条、尾部上付属器の形状


♂ 半成熟 静止 腹部第8節背面に黒い斑紋がある個体

2009.7 埼玉県杉戸町

♂ 静止 腹部第8節背面に一対の点状の斑紋が見られる個体

2011.6 埼玉県嵐山町

以下、オオイトトンボ♂と比較してみます。

<セスジイトトンボ> 一般に見られる♂ 

2009.7 埼玉県杉戸町

上 セスジイトトンボ♂、下 オオイトトンボ♂。

眼後紋の形状が異なり、オオイトトンボの多くの個体は後頭条が明瞭で、肩黒条内に淡色条はありません。
通常は腹部第8節背面に黒い斑紋があり、これを見れば撮影中でも識別できますが、斑紋がない個体もいます。
セスジイトにも黒い斑紋が見られる個体(3つ上の画像)がいますが、通常オオイトのように明瞭ではありません。

<オオイトトンボ> 一般に見られる♂ 

2009.7 栃木県真岡市

♂ 静止


腹部第8節背面の黑斑紋が点状で殆ど見られない個体

2014.7 都区内

腹部第8節背面の黒斑紋の形状は、大別して以下の2パターンが見られます。14年7月上旬は同じ池で混在していました。

連結態 ♂ 一般に見られるウサギの耳状に見える黒斑紋

2009.7 都区内

連結態 ♂ 黒斑紋が細い個体 夏型か否かは不明

2014.7 都区内

次に、オオイトトンボ♂とムスジイトトンボ♂を比較してみます。

<オオイトトンボ> 一般に見られる♂ 

2009.7 都区内

上 オオイトトンボ♂、下 ムスジイトトンボ♂。

ㇺスジイトトンボの眼後紋は細く小さく通常後頭条はありません。また、腹部第8節背面に黒い斑紋がある個体はいません。
肩黒条内に淡色条が僅かにある個体、ない個体(2つ下の画像)がいますが、セスジイトとは眼後紋の違いが明らかです。
ムスジイトは、一見して複眼及び体色のブルーが鮮やかで、フィールドでも他の2種より目立ちます。

<ムスジイトトンボ> 一般に見られる♂ 肩黒条内に短い淡色条がある個体

2011.7 都区内

<ムスジイトトンボ> 一般に見られる♂ 肩黒条内に淡色条がない個体

2010.6 都区内

続いて♀の画像です。セスジイトトンボ、ムスジイトトンボの♀は、♂と異なり背隆線の黒条内に淡色条があります。
セスジイトトンボ♀の多くは黄緑色ですが、稀に青色の♂型が見られます。

<セスジイトトンボ> ♀ 静止 眼後紋は♂と同じ三角形状、後頭条は明瞭


♀ 静止 青色型

2015.6 長野県上田市

09年7月中旬の埼玉、セスジイトトンボの♂、♀が数頭が見られた草叢に珍しくムスジイトトンボの♀が潜んでいました。
♂と成熟♀は見られず、撮影中はセスジイトと思い込んでいましたが、後程画像を見て気が付きました。

同所にいたセスジイトトンボ♀とムスジイトトンボ♀をを比較してみます。いずれも成熟前の個体です。

<セスジイトトンボ> ♀ 半成熟






上 セスジイトトンボ♀、下 ムスジイトトンボ♀。

両種とも背隆線の黒条と肩黒条内に淡色条があり、それぞれ緑色の強い個体と褐色を帯びた個体がいます。
成熟前のセスジイトの褐色みのある個体は、成熟前のムスジイトとよく似ていますが、♂同様、眼後紋で識別できます。

<ムスジイトトンボ> ♀ 半成熟 眼後紋は♂同様細く小さい



2009.7 埼玉県杉戸町

ムスジイトトンボ♀の多くの個体は胸部の褐色が目立ち、成熟すると腹部側面が美しい瑠璃色になります。
稀に青色型がいるとされますが、見たことはありません。以下は成熟♀です。単体の画像がないので、すべて連結態です。

<ムスジイトトンボ> 連結態 ♀

2012.5 横浜市

連結態 ♀


連結態 ♀ 胸部が緑色の個体


連結産卵

2010.6 都区内

連結産卵 ストロボ撮影では♀の腹部側面の瑠璃色が際立つ

2012.5 横浜市

連結態を撮影すれば識別はより明確ですが、セスジイトトンボの連結は次の画像しかありません。河川にいた個体です。

<セスジイトトンボ> 連結態 産卵休止

2011.6 埼玉県嵐山町

オオイトトンボの♀は、胸部の黒条内に淡色条が入らず全体的に黒みが目立つので上の2種とは明らかに印象が異なります。
黄緑色の他、青色の♂型も普通に見られます。

以下はオオイトトンボです。まずは連結産卵、この3種とクロイトトンボは、共通して時に潜水産卵が見られます。

<オオイトトンボ> 連結産卵 ♀は潜水

2008.7 都区内

♀ 静止 眼後紋の形状、後頭条は♂とほぼ同じ


♀ 静止 青色型

2010.7 千葉県野田市

連結態

2009.7 都区内

連結態 ♀は青色型

2014.7 都区内

オオイトトンボ♀とセスジイトトンボ、ムスジイトトンボ♀との識別は容易ですが、厄介なのはクロイトトンボ♀です。
各地で最も普通に見られるクロイトですが、単体の成熟♀には意外に出会えず、画像がありません。連結態で比較します。
連結態を見れば一目瞭然ですが、♀のみに着目すると酷似しています。クロイトも黄緑色と青色の♀が普通に見られます。

上 オオイトトンボ 下 クロイトトンボの連結態。

<クロイトトンボ> 連結態 ♀は青色型

2011.6 都区内

見比べると肩黒条の太さがやや異なりますが、結局、眼後紋の大小、後頭条の有無で識別することになります。
3種と♂の違いが明確なクロイトトンボは、今回採り上げていませんが、以下は参考までに眼後紋が分かる♂と♀の画像です。
いずれも成熟前ですが、♀についても成熟個体よりクロイトの特徴が捉えやすいようです。

クロイトトンボの記事は14年6月、クロイトトンボ属の残る1種オオセスジイトトンボの記事は14年7月に掲載しています。

<クロイトトンボ> ♂ 半成熟 胸部に青白紛が生じる前の個体


♀ 半成熟 静止 

2009.7 埼玉県杉戸町

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オゼイトトンボ・オオイトトンボ 番外編

2018-02-25 | イトトンボ科番外編

記事の訂正

前回のエゾイトトンボ・オゼイトトンボの記事で、オゼイト異色型♀の連結態としてオオイトトンボの画像を掲出しました。

13年7月の撮影時、同じ池でルリイトトンボ、エゾイトトンボが見たため、てっきりオオイトをオゼイトと誤認しました。
思い込んだまま時が経過し、今般過去の画像を探して掲出するにあたり確認せずに使用、指摘を受けて気付いた次第です。
エゾイトとオゼイトの識別を記載しておきながら、閲覧された方々に対し不注意をお詫びします。

前回の記事は訂正済みで削除した画像は以下のとおりです。♂、♀いずれからもオオイトトンボの特徴が見てとれます。

<オオイトトンボ> 連結産卵


連結態 産卵移動




移精


交尾態

2013.7 青森市弘前市

以下、オゼイトトンボとオオイトトンボを比較しておきます。

<オゼイトトンボ> ♂ 

2016.6 新潟県十日町市

上 オゼイトトンボ♂、下 オオイトトンボ♂。

眼後紋、後頭条は♂、♀とも似ていますが、♂は腹部第2節背面の斑紋が異なり、オオイトは通常第8節背面に黒斑があります。

<オオイトトンボ> ♂

2014.7 都区内

<オゼイトトンボ> ♀ 同色型

2016.6 新潟県十日町市

上 オゼイトトンボ♀、下 オオイトトンボ♀。

どちらも同色型、異色型の♀がいます。♀は腹部第8節から10節背面の斑紋を比較すれば識別できます。

<オオイトトンボ> ♀ 同色型

2014.7 都区内

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エゾイトトンボ・オゼイトトンボ 番外編

2018-02-19 | イトトンボ科番外編

思い出のトンボ(その3)

過去の画像から、思い出のトンボです。3回目はエゾイトトンボとオゼイトトンボ。

北方系のイトトンボは、当然北に遠征しないと撮影できませんが、これらの種を狙って行ったことはありません。
目的のトンボは別にあり、撮影は本命を外した時か待つ余裕がある時に限られ、大概は前者で苦々しく思い出します。

11年6月中旬、新潟遠征時に多数のエゾイトトンボを見ました。初回の撮影で、交尾、産卵個体を探し回りました。
近時は見かけても殆どカメラを向けていません。11年(一部は12年)の同じ地区2ヵ所の池の画像を振り返ります。

<エゾイトトンボ> 交尾態 ♀は同色型



2011.6 新潟県十日町市

翌12年も新潟に遠征、別の池で交尾態を撮影しています。オオトラフトンボの待機中、足元にいた交尾態です。
真下に、獲物を狙ってじっと動かない蛙がいました。顛末は時間切れで不明です。

交尾態 ♀は同色型




交尾態 ♀は異色型

2012.6 新潟県十日町市

連結産卵 ♀は異色型




クロイトトンボ♂が攻撃


クロイトトンボは2頭に




1頭が♀の翅に掴みかかる 




連結態 産卵休止




連結産卵 ♀は同色型




連結態 産卵休止




2ヵ所の池ではエゾイトトンボとオゼイトトンボが混生していましたが、この時は前者が圧倒的に優勢でした。
以下はオゼイトトンボの連結態です。その後も行っていますが、同地区で異色型の♀は一度も目撃していません。

同所のオゼイトトンボの記事は16年6月、福島で撮影したエゾイトトンボの記事を15年7月に掲載しています。

<オゼイトトンボ> 連結態 ♀は同色型




同じエゾイトトンボ属で類似する2種、エゾイトトンボ、オゼイトトンボを比較してみます。
♂は腹部第2節背面の斑紋で識別しますが、腹部の青色斑紋の太さが目立つエゾは背面から一見して判定可能です。

<エゾイトトンボ> ♂


上 エゾイトトンボ♂、下 オゼイトトンボ♂。

<オゼイトトンボ> ♂


単独の♀は見ていませんが、単体でいると♀の識別は容易でありません。画像は連結態の同色型♀の拡大です。
眼後紋の違いでは分かり難いものの、腹部第8節から10節背面の斑紋を見比べると識別できます。

<エゾイトトンボ> ♀ 連結態


上 エゾイトトンボ♀、下 オゼイトトンボ♀。

<オゼイトトンボ> ♀ 連結態 

2011.6 新潟県十日町市

本来は普通に見られるはずですが、オゼイトトンボの異色型♀を一度も見なかったので、他県での画像を探してみました。

<オゼイトトンボ> 連結態


最後の画像は、エゾイトトンボの連結に干渉するオゼイトトンボ♂です。

左がエゾイトトンボ、右がオゼイトトンボ

2013.6 青森県青森市

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キイトトンボ 番外編

2018-01-04 | イトトンボ科番外編

しばらく撮っていないトンボ(その2)

しばらく撮っていないトンボの過去の画像です。2回目はキイトトンボ。

トンボを撮り始めて最初に関心を持ったイトトンボは、一番目立ち独特の飛び方をして探雌するキイトトンボでした。
結構苦労して、09年に交尾、産卵を撮影しましたが、早いうちに撮れたため10年を最後に撮影していません。

次に目標にしたベニイトトンボは、最初遠征までしましたが、都内の生息地数ヵ所を知って毎年撮影機会があります。
いつでも撮れると思っていたキイトトンボは、狙って行かないと出会えず、長い年月が経過してしまいました。

イトトンボを積極的に撮っていた08年から10年までの画像です。

交尾態





2009.7 千葉県市川市

交尾態 ♀は緑色型

2010.7 香川県まんのう町

連結産卵








連結を解いた直後

2009.7 千葉県市川市

連結態 産卵休止




♀ 静止 連結産卵中に襲われたとみられる♂の腹部を付けた緑色型♀

2009.7 栃木県真岡市

連結態




連結態 ♀は緑色型

2010.8 東京都日野市

♂ 静止

2009.7 千葉県市川市

♂ 静止 捕食

2009.7 栃木県真岡市


2010.8 東京都日野市

♂ 未成熟 静止



2008.7 千葉県市川市

♀ 静止 緑色型

2008.8 東京都立川市


2008.8 静岡県磐田市

♀ 未成熟 静止



2008.7 千葉県市川市

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