マダラヤンマ 生態写真集(2013~2021) 編集2022.1
マダラヤンマを撮り始めたのは2008年、真岡の産地に数年間通い、10年から上田の産地にも行き始めた
初期は専らホバリング狙いで、その後生殖活動を目的にして毎年9月に2、3回は上田に行くことにしている
交尾態 他のヤンマと比べ多産地では交尾の目撃が多いが、抽水植物の群落内に止まるので撮影機会は少ない
最初の交尾態は5年目の真岡で撮影した 同所での目撃例は少なく、3回撮影して♀はすべて青色型である
12年9月下旬 30℃近い暑い日 ♂の動きが激しくなって葦原から交尾態で飛び出し外縁に一瞬着地した
2012.9.29 栃木県
上田での撮影も6年目になった 29℃と暑いなか探雌が盛んで多数交尾を目撃、青色型♀2対の交尾態を撮影
交尾の時間帯は早朝から夕方まで多様で、大半は群落内で♂が♀を捕捉してすぐ近くに止まる
樹林に飛んだ後、池に戻って来る交尾態も見られるが、樹林内での探雌行動はまず見ることがない
15年9月中旬 群落内部の交尾態が風に煽られて外側に出て、約10分間止まった やっとゆっくり撮れた
2015.9.12 長野県
同じ日に数対の交尾態が撮影できることもあるが、目撃はしても撮れない年がある 要は止まる位置次第である
18年9月中旬 上と同じ日に交尾態3対を撮影した ♀は全て青色型 18年は生殖活動の目撃が多かった
2018.9.17 長野県
19年9月中旬 2回外して3回目に行って漸く交尾態3対を撮影した うち青色型♀の交尾
2019.9.20 長野県
ルリボシヤンマ属の青色型、即ち♂型♀は他種では少ない存在でも本種は普通に見られ、上田は緑色型が少ない
緑色型♀の交尾、産卵は15年に初めて撮影、以来産卵は度々目撃しているが、次の交尾撮影は18年になった
18年9月中旬 2日続きで生殖活動が活発でこの日は交尾態4対を撮影 3対が緑色型♀でそのうちの2対
別個体 風に煽られ3回移動した
2018.9.18 長野県
交尾後の連結態 交尾後の連結態の行動パターン3例を検証する
交尾態は、縄張り♂の干渉や風によって移動することが多いので、交尾終了まで見届けられる観察例は少ない
交尾時間は15分から20分、交尾を解くとアオヤンマやサラサヤンマに見られるように連結態で一旦静止する
静止時間は短く、多くは15秒以内に分かれるが、2分以上の目撃例もある(アオヤンマは大抵30秒以上)
他種では♀が♂から逃れるように先に飛立つが、本種は連結態で飛立ち、数秒後に空中で分かれるケースが多い
連結態のまま群落内を飛ぶ♀はそのまま産卵に移行すると思われ、♂の警護飛翔はこの一連の行動と推察する
繁みに消えるので追跡は困難であるが、♀が池を離れる様子はなく、おそらく通常は休止した後に産卵する
(1例目)19年の上田 交尾態3対を撮影した日 ガマの群落から飛び出して枯れ茎に止まった 気温25℃
19年9月中旬 交尾時間はやや長く約22分間
交尾を解いて♀がじわりと腹部を伸ばす
交尾解除7秒後で飛立つ寸前 ♀の腹部が伸びた途端に連結態のまま飛立って一瞬で放れた
2019.9.20 長野県
(2例目)15年の上田 午前、午後に交尾態を撮影 午前は交尾解除後♀が暴れ即刻飛び去った 気温29℃
以下は午後の交尾態 交尾解除後約2分間連結態のまま静止 静止時間はこれまでの観察で最長であった
15年9月中旬 ガマの群落内にいた交尾態が飛立って一旦見失ったが、数分後近くに戻っていた
再発見してから約7分後に交尾を解く
約1分経過しても飛立たず、横から撮影 ♂は連結態で飛ぶべく♀を促すように見え、約1分後に連結態で飛立つ
2015.9.12 長野県
(3例目)19年の栃木 9月末日で30℃を超える残暑厳しい日 ♂の姿さえ見ない池で交尾態が静止していた
19年9月下旬 14時頃ガマの群落内の交尾態を発見
発見から約12分後 ♀が暴れて交尾を解いた瞬間から連写
37秒後 連結態のまま飛立ち群落内に消えた
2019.9.30 栃木県
青色型♀の斑紋 上の♀は斑紋に違和感があるとおり腹部第2節側面が青く、このタイプの目撃はこれのみである
上の交尾態の♀の腹部側面を改めて検証 第2節が完全に青色
通常の青色型♀ 第2節側面は黄色で青色が少し交じる程度であり、第3節以降が青色
2019.9.20 長野県
なかには第3節側面まで黄色の個体も見られる 上記2例目の♀は第3節に黄色みがある
2015.9.12 長野県
産卵 産卵は交尾と同程度目撃しても、抽水植物の群落内の水面際で行うので、大概は見通せず撮影は難しい
(以下、撮影地の記載がないものは上田の同じ溜池)
15年9月中旬 交尾を多数目撃した日に初撮影 水面の枯れ茎に産卵する緑色型♀ 明るい所でストロボなし
2015.9.12
18年9月中旬 青色型♀の交尾態3対を撮影した日の夕方 約20秒間ガマに被らずに撮れた緑色型♀の産卵
2018.9.17
♀の目撃は大概一瞬で群落内部の追跡はまず不可能であるが、10分間以上に亘り産卵行動を見る機会があった
数十秒から長くて2分間の産卵と1分から2分間の休止を見える範囲で繰り返し、最後は♂に捕捉された
18年9月中旬 産卵休止する緑色型♀ 連日産卵に遭遇して、この日は青色型と緑色型の2♀を撮影
2018.9.18
青い複眼の緑色型♀ 交尾撮影が少ない緑色型♀は産卵の撮影機会は多く、青色の複眼の個体も記録している
15年9月中旬 緑色型で複眼が青色の♀を別の日に2回撮影 斑紋を見ると別個体で目撃はこの年の2♀のみ
夕方、しばらくの間警護する♂のすぐ下で産卵した青い複眼の緑色型♀ 近い範囲を移動して約4分間産卵
2015.9.12
1週間後の14時頃、ほぼ同じ一角で青い複眼の緑色型♀を再び撮影 ガマの隙間に約1分間姿を見せた
同日15時20分頃目撃の交尾態 ♀は複眼が青い緑色型で斑紋は黄色みが強い 上と同一個体の可能性がある
2015.9.19
通常の緑色型♀の複眼 青色部分は認められない
2018.9.18
16年9月初旬 交尾の目撃がない日、午前中に若い青色型♀が産卵 撮れたのは上から覗いた正面のみ
2016.9.10
青色型♀の産卵は度々目撃しても満足に撮影できていない サンプルが少ないが背面の斑紋を検証した
腹部第2、3節側面の青い斑紋について前述したが、2節背面後部の斑紋も青色から黄色まで個体差がある
18年9月中旬の青色型♀ 2節背面後部の斑紋が鮮やかな青色の個体 同側面の一部は青色でも基調は黄色
2018.9.18
15年9月中旬撮影の連結態の青色型♀ 一般的な第2節背面後部の青い斑紋
上と同じ日、ガマの群落内で休止する青色型♀ 風が吹いて姿が見える状態 この個体の同斑紋は青色が弱い
2015.9.12
休止する♂ ♂は群落内部で時々探雌飛翔したり休止して♀を待つ 30℃を超えると活動しないことが多い
主に群落の外側に止まった時に撮影した♂の様子
2015.9.12
2017.9.8
2020.9.27
2021.9.21
2020.9.22
2019.9.20
♂は本種の特徴である水平姿勢からほぼ垂直まで様々な傾斜角度で静止する
2020.9.27
2021.9.21
2016.9.10
2019.9.19
2021.9.15
2020.9.22
樹木でも水平姿勢 何度もぶら下がる動きを見せて結局この姿勢で止まった♂
2016.9.10
樹木にぶら下がることもあるが、目撃例は少ない 探雌行動中に一瞬静止した♂
2013.9.12 栃木県
探雌飛翔 ♂は群落内の♀を探してガマの間を短いホバリングを交えて飛ぶ ♀を察知すると活発に飛び回る
2018.9.18
2016.9.15
2020.9.27
2019.9.19
2021.9.24
縄張り占有 ガマの群落や隣接の開けた草原の上空で、安定した長いホバリングをして縄張り占有行動をする
朝夕が多いが、間断なく飛ぶ日もあり、28℃を超えたり20℃近くに下がると、夕方には飛ばない日がある
ホバリングは侵入する♂がいないと数分間続き、飛翔安定度はカトリヤンマ程ではないが、ルリボシヤンマ以上
2017.9.8
2017.9.8
2018.9.18
2021.9.24
2015.9.12
2021.9.24
2020.9.23
2019.9.19
2015.9.19
2018.9.18