ヤンマ探索記

トンボの観察記録です。

タイトルはヤンマですが、トンボなら何でも撮ります。
勿論、ヤンマが優先です。

コシボソヤンマ 生態写真集

2023-01-03 | ●コシボソヤンマ生態写真集

コシボソヤンマ  生態写真集(2010~22) 撮影地・記載のないものは神奈川県  編集2021.1 改訂2023.1

交尾態  産卵する♀を縄張りの♂が捕えて交尾するシーンは度々目撃しても、樹上高く消えるので撮影機会は少ない 

2011年、横浜の円海山周辺の一つの沢で、対岸の樹木に着地する交尾態を見届けることができて初めて撮影した

着地点は遠く高く暗い梢 日没までの1時間、試行錯誤してピントが合う角度はここのみであった

2011.8.7 

次は4年後で同じ地点 反復飛翔する♂の縄張りに♀が飛来して即交尾態になった ♀の行動は交尾目的としか思えない

近くても見上げる高さで枝が入り込んだ奥 まず探すのに一苦労、再び日が沈むまで撮影に苦戦した

2015.8.14 

5年経過して再び同じ地点で撮影 毎度見上げる位置で同じような写真であるが、この場所以外では撮れていない 

産卵に来た♀を縄張り♂が捕捉して幾分撮りやすい位置に止まった 6分後に落下したように見えて行方不明に



2020.8.9 

20年から行き始めた沢では交尾の目撃例が多く、20年、21年に3回撮影したものの相当高いうえ角度も限られた

21年の2回目に撮影した交尾態 限られた角度からのみ見通せる枝に止まる交尾態を発見

2021.8.20

22年は以前から撮影していた沢のいつもより下流の地点 相変わらず高い枝ながら3年連続で撮影できた

やはり枝が入り込んでいて、何時までたっても横から撮れないままでいる



2022.8.12

連結態  産卵撮影中に♂が連結するシーンに何度か遭遇しているが、飛翔する連結態にピントが合った試しがない

産卵中の♀を捉えて交尾態になり一旦近くの樹木に止まったものの、即移動して交尾を解いた

2016.8.24

産卵  ♀は神出鬼没でポイントで待てば撮れるというものでなく飛来しない日も多い 落着くまでは相当敏感である

流れから1m以上の高さにある朽木に産卵する♀ ミルンヤンマが好むような場所


雨が強まって雨宿り この後雷雨になって飛び去った

2012.8.12 

川添いの朽木で産卵する♀ 8月下旬になると流れに沿って転々と移動して産卵する傾向が強い

2014.8.21 

小川を跨ぐ朽木で産卵する♀ 徐々に移動して下側に姿を隠し約57分間の長い産卵になった



2017.8.12 

珍しくストロボなしで撮れる場所で産卵



2021.8.24

20年から新しく観察を始めた沢 通過するばかりで産卵のヒット率は低いが、この日は3♀がポイントに飛来した


別個体


産卵移動

2021.8.30

流れにある朽木で産卵する♀ 流れの中では落着かず、数分もしないうちに移動することが多い




別個体

2018.9.8 

♂の接近を警戒して翅を閉じる

2014.8.16 

終盤の産卵 産卵場所が定まらず転々と移動した老熟♀が漸く落着いて後翅が水に浸かる状態で産卵

2016.9.17 

上記のとおり、流れや岸辺の朽木を好み、落着いた産卵の目撃例は朽木が圧倒的に多いが、土や苔への産卵も見られる

泥土に産卵する♀ 移動後も泥土に拘って産卵した



2017.9.5 

人工物の橋柱に産卵する2♀

2017.9.3 


2017.8.19 

地色の赤褐色が強い個体

2014.8.21 

赤褐色がさらに目立つ個体

2019.8.25 

♀の複眼  コシボソヤンマを撮り始めて2年目に複眼が緑色の♀を撮影した 以来、複眼の色に関心を持って見ている

産卵に気付かず驚かせてしまった♀がすぐ上の梢に一時避難 約20分後に屈伸を始めて降りてきた


すっかり落着いて1時間以上産卵 





2010.8.22 

上の♀の複眼は褐色部がなく滅多に見ない完全な緑色であった 複眼の色は個体差が大きく、以下数例を並べて比較した

褐色が目立つ複眼 意外に少ない

2013.9.8 

目撃例が多いのは灰色に近いオリーブ色の複眼 成熟度との関連は不明であるが、シーズン後半によく見ている

2017.9.5 


2017.8.19

基調は褐色で一部に緑色が見られる複眼 緑色の度合いは多様であるが、特段珍しいわけではない

2012.8.12 

緑色が強い複眼 これと比較しても冒頭の♀の複眼の色は明らかに異なる

2017.8.12 

産卵の一時休止  産卵中に不用意に接近して驚かせると近くの梢に避難するが、数分から長くて20分程で産卵を再開する

一時避難した♀

2017.8.19 

赤褐色の強い♀



2014.8.21 

産卵場所で一時休止する♀

2017.8.19 

縄張り行動  観察地では8月初旬の夕方、数mの狭い範囲で水面すれすれを往復飛翔して縄張り占有する♂が見られる

曇天で薄暗い日は15時前から縄張り飛翔が始まるので、ぎりぎり自然光での撮影が可能



2018.8.4 

縄張りに他の♂が侵入するとバトルになる 隣の♂の縄張りの境界でも度々争いが見られる

2015.8.14 

目視が殆ど不可能な日没後も縄張り飛翔が続く 流れに段差がある所では飛翔速度が多少遅くなるようだ

2016.8.4 

8月中旬を過ぎると、広い範囲を流れに沿って丹念に探雌するパターンが多くなるが、往復飛翔する♂も目撃する



2016.8.12 


2018.8.4 


2019.8.9 


2022.8.12

体をひねって方向転換する♂ 頭部は水平を保っている

2022.8.8

♀の気配を察して一瞬のホバリングを交えて探雌する♂

2017.8.12 

縄張り中の一時休止  全姿が見えない所に止まることが多く探すのに苦労する 大きく傾斜した状態で止まる傾向が強い

縄張り争いの後、一方の♂が流れ沿いの草木で一時休止するパターンをよく見る

2012.8.26 

水浴びして流れ近くで休止する♂ 腹部が濡れている 探雌行動中は止まっても大概は数分で飛立つ

2019.8.21 


2014.8.16 

ぶら下がり  暑い日は探雌行動中に暗い場所の低木に静止後、ぶら下がりヤンマ状態で完全に休止に至ることがある 

1時間以上休止した♂ 自然光で撮影

2012.8.26 


2018.8.18 

縄張り飛翔開始前 流れ沿いの樹木で休止する♂

2020.8.14

青い複眼の♂の目撃は神奈川では滅多にないが、休止中の個体を撮影している 以下は通常の複眼の♂との比較

通常タイプの複眼の♂ 


青みの強い複眼の♂ 





2020.8.21 

おそらく産卵後、暗い林縁の低木で休止する♀

2020.8.9 


2019.8.16 

川から離れた林内で、池を覆う高い枝にいた未成熟♂ 翅の先端の褐色斑が生ずる前の段階の♂の目撃は滅多にない



2021.7.25 東京都

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする