以前の記事に関連する情報が昨年の12月に出されていたことを今日知りました。
「名古屋大学の先生が屋久杉の年輪ごとの14C(カーボン14)を測定したところ約1200年前の年輪から通常の約20倍の変動がみられた、というもの。つまり774-775年に放射線バーストが地球を襲っていたということを意味します。その原因については特定できていないのですが、巨大な太陽フレアというのがあり得る(著者の三宅先生は否定していますが)という意見もあります。」
と書いたのですが、どうやら巨大な太陽フレアが774年にあったと考えられる根拠があるようです。774年にイギリスで日没後の空に「赤い十字架」が出現したという記録を、昨年カリフォルニア大学サンディエゴ校の学生が発見しています。そこには
「A.D. 774. This year the Northumbrians banished their king, Alred, from York at Easter-tide; and chose Ethelred, the son of Mull, for their lord, who reigned four winters. This year also appeared in the heavens a red crucifix, after sunset; the Mercians and the men of Kent fought at Otford; and wonderful serpents were seen in the land of the South-Saxons.」
(抄訳)
「西暦774年。この年、ノーサンブリアはイースターにヨークからの国王、アレドを倒し、マルの息子エサーレドを彼らの王に選んだ。彼は4回の冬を越す間統治した。この年には日没後に空に赤い十字架が現れた。メルシャンとケントの人々はオトフォードで戦った。また素晴らしいへび座が南サクソンの国で見られた。」
と書かれています。この「赤い十字架」とは中国でいう「赤気」=赤いオーロラのことでしょう。低緯度で観察されるオーロラは赤いものです。
また、名古屋大の三宅先生らは屋久島の木の年輪にC14を急増させるほどのフレアの規模を推定する際、太陽フレアが太陽の全方向にエネルギーを放出するとして計算していたそうです。その計算ではこれまでに観測された最大級の太陽フレアの1000倍となっていました。しかし太陽フレアの影響は実際には限局された方向におこります。そのように計算しなおすと、約20倍の太陽フレアでC14を急増させることができることがわかったそうです。
このレベルの太陽フレアであれば、生物を絶滅させることはないと考えられるといいます。もちろん、皮膚がんや海における一次光合成は減少したかも知れませんが。あるいは原因不明の心臓発作による突然死はあったかもしれません。日本は奈良時代。そのころに歴史的大事件はないようですが、空海は774年に生まれています。太陽からの転生だったのでしょうか?