無知の知

ほたるぶくろの日記

リスクのスキマ

2011-06-19 12:50:59 | 日記
昨日の記事を読んで、ドンッという地震が確かにあったなあ、とおもいました。3.11のしばらくあとだったか、東京湾北部であった地震だったとおもいます。

中米、南米の陥没は大規模なのでびっくりしました。しかもその陥没が埋め戻してもまた起きているとは。一応水が石灰岩を浸食しておこる、と説明されてはいますが。

つまり、太陽も地球も生きている(変化している)ということなのでしょう。不動なものなどこの世にはありえないのです。常に何らかの変化、反応が起こっている。どんな小さな範囲のことであっても、自然の成り行きを制御し尽くすのはほとんど不可能なのです。これは日々実験を行っている人間の実感です。常に「ある程度」。誤差が結果にひどい影響を与えない程度に制御するので精一杯です。

これは原発でも同じでしょう。規模や程度は違いますが、必ず不確定、不備、ぶれがでます。それが引き起こす結果をも見切った上で何事かを為すのが、英知というものでしょう。

最近、物理専門の方達の活動にずっと注目しています。彼らは科学者としての良心の発露としてネットやtwitter上で様々な情報発信をされています。本当に素晴らしいことだとおもいます。
最近、学習院大学理学部の田崎晴明先生が「放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説」というHPを開設されました。参考にされてください。

中川先生もがんについて「チーム・ナカガワ」のブログで解説されています。私も大筋では同様に考えています。人はがんから逃げることはできない。それは生きている限り、日々生成される大変に危険な活性酸素(それでいて免疫系細胞は殺菌のために有効利用しているのですけれど)のようなもの。絶対にがんを避けよう。全面戦争だ。殲滅だ。とは「生きている」ことをやめることにつながりかねません。冗談でいうのですが「生きているのは健康に悪い」のです。中川先生のおっしゃるとおり人生は致死率100%です。

もちろん、多少発がんリスクを下げることはできます。今現在の問題でいえば放射性物質を「なるべく」避ける。清潔を保つ。微生物の作り出す毒素というのはばかにできないもので、強力な発がん物質があります。たとえばピーナッツかびのアフラトキシンは強烈です。さらにヘリコバクター・ピロリ菌は日本人の胃癌の原因であることも分かってきました。また発がんウイルスではB、C型肝炎ウイルス、HTLV(成人T細胞白血病)、ヒトパピローマウイルスが現在のところはっきりとしています。

しかし、これらの発がんリスクも「リスク」なのです。不思議にも100%ではありません。そこが生物科学が難しいと同時に面白い点です。必ず偶然に左右される「スキマ」があるのです。そこは未知の不思議な空間ですね。いまや、そこに様々な不思議思想や魔物思想がはびこっているのだとおもいます。しかしこの「スキマ」にこそ、われわれが自由としていただいている、祖先との接点の場があるのだとおもいます。感謝の気持ちで余計な連中を追い出して、「スキマ」を御先祖さまがたに活躍の場として提供していけるといいですね。