きのうTABOは大会でいつも道場に来ている小6の3段の子と同じパートだった。序盤から優勢でTABOが勝った。悔しかったのだろう。その対局のあとで、その子は私のところに来て「74同歩ならぼくがまだよかったんだけど…3段だからぼくは強いんだけど」と言った。私にはその子の気持ちがよくわかったので、「うんうん、そうだね」と相槌をうった。それから予選落ちして帰るまでに時間があったので、TABOはしばらくその子と指していた。そしたらその子が指しながら「ほうほう、そういう手が指せたら3段あげてもいいですよ」「いやだなあ、初段ごときに3段様が負けるとは」などと言った。まあいつものことなので、誰も気にも止めなかったのだが、先生なら叱るだろうなあ、と思ったので、「先生だったら叱るような発言だよ」と言ってはおいた。その子は妹と弟の面倒をよくみるやさしい子だ。とにかく将棋が好きで、遠くから三股道場に通ってきている。もし負けを素直に認められたら、もっと強くなるのになあ、と思う。せっかくこんなに将棋が好きなのにもったいない。道場の仲間の中でいつもその子が一番の段位なので、「ぼくが一番」が捨てられない。段位のせいで、負けても「ぼくが一番」というよりどころ、逃げ道ができてしまっているような気がする。TABOや他の子たちが同じ3段になったら、「一番」がなくなってもっと強くなるかも…。
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