会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

2010年 航空機事故増えた

2011-01-09 19:40:29 | 航空業界
ワシントンの航空宇宙博物館に行って,飛行機の歴史や,実物なんかを見てきたんですが,ここ10年くらいでみても,かなりの航空交通量は増えているんですね。まあ,当然なのかも知れませんが,日本の成長が止まって,日本にいると歴史が止まったか,みたいな気がしてしまいますが,世界は大きな成長を遂げているわけでして。

で,航空事故ってどうなってんの,ってことなんですな。仕事で飛行機に乗る機会の多い人なら気になってるとこなんじゃないでしょうか。あたしゃ遊びに行くときに乗るだけですが。

Airline-Crash Deaths Rose 13% in 2010, Study Reveals

Jan. 4 (Bloomberg) -- Airliner crashes killed 828 people last year, 13 percent more than in 2009, as the number of fatal accidents rose by five to 28, a study released today shows.

去年の航空機事故で死んだひとは828人。前年比13%の増加。死亡事故件数は5件増えて28件。

The fatality figure was 4 percent worse than last decade’s annual average of 794 deaths, aviation consultant Ascend said in a report. The highest toll involved a Boeing Co. 737 flown by Air India Express, which overshot the runway on landing in Mangalore in May, killing 152 passengers and six crew.

ここ10年での平均値が794人の死亡なんで,4%多かった。

While the four worst crashes, accounting for 472 deaths, or 65 percent of the total, involved western-built jets, they also featured carriers from emerging economies where infrastructure is more basic, precision-landing gear may be absent, the natural environment is often hazardous and corporate oversight is less developed, Ascend safety director Paul Hayes said from London.

472人が死に,死亡の65%を占める死亡上位4大事故は,西側のジェット機によるものだが,航空会社が新興国である,という点に特徴づけられる。インフラはより基本的なものにとどまり,精密着陸装置は装備されていないことがあるし,自然環境は危険で,会社の検査は不十分。

“Worldwide, you have an accident rate of a bit more than one for every million flights,” Hayes said in a telephone interview. “But if you look at Western Europe or North America it’s probably closer to one in 15 million.”

世界全体でみれば,事故率は百万飛行について一回よりちょっと多いくらい。西欧と北米に限れば,15百万回に一回程度。


Airports Lacking

While modern planes have instruments that offer the pilot a “glide path” and guidance on the altitude at each stage of the approach, such gear only works if a terminal is equipped with reciprocal technology. Studies have shown that about three- quarters of instrument-landing systems are in Western Europe and North America, and that accidents on landing are eight or nine times more likely at airports lacking the equipment, Hayes said.

西側の飛行機は,飛行経路と各ステージ毎の高度をパイロットに表示する装置が装備されているが,飛行場側にも相対する装備がないと機能しない。調査では,その装置が無い場合の着陸事故はある場合に比べて8倍から9倍多い。西側の飛行場の4分の3には装備されている。


Even with last year’s numbers, the long-term safety trend among airlines is positive, with fatal accidents in the decade just ended averaging 27.2 a year, down from 37.6 in the 1990s. 2009 was the safest year on record, with 731 deaths.


長期でみると,飛行機の安全性は改善中。ここ10年の死亡事故は年間平均27.2件で90年代の37.6件から改善している。

“Air safety is still improving, and this has resulted in 100 fewer fatal accidents during that last decade than in the 1990s,” Hayes said.

10年で100件死亡事故が減った。



これ,飛行件数が強烈に増えていることを考えると,事故率はそれ以上に減っているということになりますね。そういや日航機が落ちたのも90年代だったですね。

日本では歴史が止まっているように見えても,世界は前に進んでいる。

格安航空会社の安全はどうなんだろう,という議論はよく見かけるんですが,新興国がヤバイ。新興国への着陸にも不安ってとこですが,

まあ,100万回に一回なんで,まあ,それを心配べきかどうかってハナシもあるんですがね。


泣き虫ベイナー 新下院議長

2011-01-08 11:04:28 | 政治
新年で議会が早速スタートするみたいで、下院の新旧議長が交代しています。

Pelosi Hands Gavel over to Speaker John Boehner


ドデカGavelをペロシから受け継いでますな。ペロシはもっと小さなヤツを使ってましたが、新議長のベイナーがドデカいヤツを希望したんたそうで。

日本じゃ議長って訳されてますが、英語じゃスピーカー。なんのこっちゃと気にはなるんですな。こないだワシントンで議会を見学したときの展示の解説には、

スピーカー制度は上院には無くて、下院にだけあるんですが、下院は議員の数が多すぎるんで、仕切る人がいないと議事が進まないんで作られたポストなんだそうですな。上院は各州2名で人数も限定されてますが、下院は人口比例で400人以上いて人が多い。なるほどその通りですね。

で、議長が、ベイナーに変わって、委員会の委員長やらは彼が決めることになるわけですね。ペロシが権力者として恐れられていたのは、委員長人事を巡って信賞必罰、彼女に忠誠かどうかで決めたようなことがあって、みたいなことをどっかで読んだような・・・。

まあ、それは良いとして、この新議長は、結構涙もろいみたいでして、中間選挙の勝利演説でも、泣いちゃってます。

JOHN BOEHNER: "An Emotional Victory Speech"


私はこれまで、アメリカンドリームを追いかけてきた・・・。若いころは自分のビジネスに魂をささげ・・・。ホロホロ、って感じでしょうかね。

昔、山一証券が倒産した時に、社長が、社員は悪くありません、とか言いながら泣いちゃったシーンが世界中に流れて、リーダーが泣くのは世界じゃ異例だ、みたいに、日本異質論的にニュースが流れてたはずですが、まあ、このベイナーな涙もろさは、尋常じゃありません。

ちょっと前の60ミニッツでも、

"Welcome to America": CBS' 60 Minutes Profiles John Boehner


もう、泣きまくり。

こういう人が日本じゃなくてアメリカでも人気があるってことなんですな。日本じゃ田中角栄が、『情に厚くて涙もろい』ことで有名だったんじゃなかったですかね。

エモーショナルベイナー。金持ちの犬って感じで共和党は報じられるんで、これは意外です。そんな人だとは。来日すれば人気がでるでしょう。ま、来ないか。

涙もろいハナシとは別ですが、

昔、トムクルーズが出てた映画で、ザ・ファームってのがあって、教育係のジーンハックマンに、お前なぜ弁護士になったんだと聞かれるシーンがあって、

トムクルーズは、ビジネスをやってたバイト先のスパゲティ屋だったかなんかに突然、IRSの査察が入って店をつぶされて、主人達がひどい目にあわされたが、それを見て、自分は国家のできることに脅威を感じて、弁護士になった

と答えるんですな。それで、税金を安くする術を教えて、金持ちから手数料をもらう世界に入る。


ベイナーは、自分でビジネスをやってて、税金の高さに驚いて、税金取り過ぎ、税金反対、というのが政治信条になった、みたいですね。今の共和党の極端な減税主張は、かつてのリベラルな大きな政府時代への反発を感じた世代が頑張っているということなのかも知れませんな。

日本じゃ、日本のビジネスが、どんだけまじめに税金を払ってるのか、ってハナシもあるんですがね。サラリーマンは別として。


ギブズ報道官 退任

2011-01-07 00:03:01 | 政治
民主党が選挙に負けるとうっかり口を滑らせて、ナンシーペロシに叱られちゃったりして、結構大変なポジションなのは間違いないんですが、

ナンシー・ペロシ 恐るべし

そのギブスさん、この2月で退任されるそうです。


OBAMA SPOKESMAN GIBBS TO LEAVE WHITE HOUSE



Obama's press spokesman Robert Gibbs to leave

NO SURPRISE

Gibbs' departure came as no surprise. He spent two years in the high-profile position, which has a high-burnout rate due to the long work hours.

退任は、ノーサプライズなんだそうで。長時間労働の激務ってことで、

2年間もやったらそれ以上は無理って感じなんですな。

中間選挙で民主党が負けたとかは関係ないってことでもあって、

"In an age of televised briefings, two years is about right for a press secretary," said Martha Joynt Kumar, a political scientist at Towson University who studies White House communications.

テレビブリーフィングの時代になって、2年は丁度良いくらいな長さ、だとか。

まあ、ギプズさんは、04年にオバマさんが上院に打って出た時からのスタッフだそうで、最も信頼している人の一人ってとこでしょうか。まあ、ホワイトハウスの彼のブリーフィングは今後見られなくなりますが、テレビなんかに出てくる回数は増えるかも。

首席補佐官も変わるし、サマーズも辞めて、ホワイトハウスのスタッフは様変わり。

下院は共和党がマジョリティで、政権運営も変わってゆくんで、まあ、後半、どうなりますかね。

次の選挙キャンペーンもそろそろ準備が始まって・・・。




2010年米国自動車販売 トヨタが・・・

2011-01-06 06:54:45 | 自動車
11月はトヨタが一人負けだったってハナシをしたとこですが、2010年全体でどうだったか。

Toyota Still Under ‘Clouds,’ Falls Behind Ford in U.S. Sales

Jan. 4 (Bloomberg) -- Toyota Motor Corp.’s U.S. vehicle sales fell in 2010 while industrywide sales rose 11 percent and every other major automaker reported gains. Ford Motor Co. moved up to second place behind only General Motors Co.

業界全体で販売が11%も伸びている一方で、トヨタは販売が減少。フォードが2位に返り咲き。

Ford displaced Toyota as No. 2 in the U.S. with 1.97 million vehicles sold in the year, up 17 percent from 2009, compared with Toyota’s sales of 1.76 million cars and trucks. GM retained the top spot with U.S. sales of 2.22 million vehicles, an increase of 7 percent. Deliveries in December accelerated to the fastest pace of the year.

フォードは09年と比較して17%の増加。GMは7%。

Toyota recalled more than 8 million vehicles worldwide last year, mostly for flaws related to unintended acceleration, with the majority occurring in the U.S. The company temporarily halted U.S. production and sales of eight models, including its top-selling Camry and Corolla cars in January to fix the flaws. Meanwhile, GM, Ford, Nissan Motor Co. and Hyundai Motor Co. lured buyers away with new models.

トヨタは昨年8百万台をリコール。売上トップのカムリやカローラを含む8モデルについて、問題を修正するために一時的に米国での生産をストップ中。GM、フォード、ニッサンやヒュンダイは新モデルで顧客を引き付けている。


Industrywide sales in 2010 totaled 11.6 million, according to Autodata Corp., based in Woodcliff Lake, New Jersey. That’s up from 10.4 million the previous year for the first gain since 2005 and the largest percentage increase since 1984.

米国全体での自動車販売は11.6百万台。09年は10.4百万台。1984年以来の伸び率の高さ。

まあ、台数としてはまだまだって感じですがね。

Toyota’s incentive spending rose in December to $2,253 a vehicle, up 37 percent from last year, Toprak said. Toyota’s incentives were below the industry average of $2,721 a vehicle. The rising deals are a sign that Toyota will fight to hold market share, Toprak said.

トヨタの12月のインセンティブは一台あたり2253ドルで去年より37%アッフ。業界平均は2721ドル。トヨタはマーケットシェアを確保しようとしていることを表している。

それでも業界平均よりは低いんですな。

GM’s Increase

“This is a market that’s coming back significantly,” said Rebecca Lindland, an analyst with IHS Automotive, a researcher in Lexington, Massachusetts. “And with really strong products coming from GM, Ford and Chrysler, there’s a lot of opportunity for change in the marketplace.”

強い製品が登場することで、GMやフォード、クライスラーは、市場を変えるチャンスが沢山ある。

Deliveries of GM’s Chevrolet Cruze small car rose 35 percent from November to 10,865 in December, and Ford’s sales of the new Fiesta subcompact increased to 5,212, a 50 percent gain from a month earlier. Deliveries of Chrysler’s redesigned Jeep Grand Cherokee more than tripled from a year earlier.

シボレークルーズは12月は11月に比べ35%の伸び。フォードのニューフィェスタサブコンパクトは5割の伸び。クライスラーの新型ジープグランドチェロキーは前年より3倍。

新モデルを出したってことなんですかね。

Banks are starting to lend more freely, giving buyers with weaker credit an opportunity to purchase new cars, he said. Subprime borrowers account for about 5 percent of GM’s sales right now, he said.

銀行は信用力の弱い買い手にもお金を貸し始めた。GMの顧客の5%はサブプライム。

Chrysler Up


Sales of Chrysler’s namesake brand dropped 28 percent, and Dodge deliveries fell 6.4 percent, while Jeep deliveries gained 49 percent and Ram brand truck sales increased 87 percent, the company said in a statement.

クライスラーブランドは28%落ちたが、ジープが48%アップ、ラムブランドが87%伸びた。
ヤッパ、クライスラーご本尊は終わってる感じですね。

Nissan, Honda

Nissan Motor Co.’s U.S. sales in December increased 28 percent, Al Castignetti, the company’s U.S. vice president, said in an interview. The average estimate of analysts surveyed by Bloomberg was for a gain of 20 percent. Deliveries for all of 2010 gained 18 percent, he said.

Honda Motor Co.’s sales rose 21 percent, according to a tally of 2010 sales the Tokyo-based company released. The average estimate of analysts surveyed by Bloomberg was for an increase of 7.2 percent.

Hyundai Motor Co., based Seoul, boosted deliveries 33 percent to 44,802 in December, the company said in a statement. South Korea’s largest automaker sold a record 538,228 vehicles in the U.S. last year, a 24 percent gain.


日産が28%の伸び。ホンダは21%、ヒュンダイは33%。

こうして見ると、トヨタの低迷が目立ちますね。ただ、生産を一部ストップしていること、他社の新車効果、マーケットがまだまだ絶対水準としては低迷していて、今後の上昇はもっと大きいと思われること、それに、以前お伝えしたように、トヨタもトラック部門は伸ばしていることを考えると、

リコール問題が解決すればトヨタもそれなりに回復する、

と予想することもできますかね。





97年の消費税引き上げと小売販売

2011-01-04 02:04:22 | 平成10年問題
98年からの日本の低迷や自殺の急増は,消費税引き上げをはじめとした橋本政権の緊縮財政のせいだ,というのは実は間違いかも知れなくて,生産年齢人口の縮小や,支出の波が過ぎ去って行ったこと、に起因するんじゃないか,

というのが,人口論からのアプローチなんでした。

で,いろいろ探してたら,97年の小売の売り上げをクローズアップしている経産省のサイトにレポートとグラフが出てたんで,貼っておきます。

1998年版我が国産業の現状

小売業は97年4月に実施された消費税率引き上げと所得税減税の終了等の影響を受けて4~6月期には前期比▲9.2%と大きく落ち込み、以来98年1~3月期まで低調に推移している。また、小売以外の対個人関連活動も、小売業ほど鮮明な影響は受けなかったが、97年秋以降は金融不安等を受けた消費マインドの低迷から急速に落ち込んだ。これら消費の低迷により鉱工業生産活動、エネルギー生産活動、運輸活動にも影響が及んでいった。

小売の低迷は消費税のせいだ,という理屈は,これを見る限り否定できませんね。引き上げ直前に急増した後に,急落しています。

きっかけが消費税にあった,というのは,間違いじゃなさそうなんですが,その後もずっと低いまま低迷していることが消費税や、緊縮財政だけでは説明がつかないんですね。

それにしても,消費税引き上げの影響は,かなりヒドかったわけですな。こんなにひどく落ちるもんなんですな。

ひょっとしたら,支出の波がピークを迎える中で,消費税の引き上げを同時に迎えて,引き上げの直前に一気に需要を吐き出してしまった,ということなのかもですがね。

引き上げ直前の伸び方は,異常な感じです。日常的に買うものをどんなに買ってもこんなには伸びないでしょうから,多分,住宅とか,自動車とか,高めのものを思い切って買った人たちが多かったんじゃないですかね。

で,あがった後は,少々ほしくなっても,もう買わない,みたいな。

結構怖い経済効果です。

で、問題は,消費税のシュリンク効果が一通り終わったあとも小売売り上げが回復しなかったことにあるんですが・・・。


支出の波についてはこちら

97年に何があったのか 平成10年問題

惑星ヤーパン8 スタートレック 宇宙戦艦ヤマト実写版 

2011-01-03 14:22:37 | 生活
宇宙戦艦ヤマト実写版 / 映画 SPACE BATTLESHIP ヤマト OPシーン・ノーカット


マッコイ:

ヤーパンくんだりまで来て、映画鑑賞かい。そんなヒマがあるんなら、カタギリ博士とヤーパンの風土病について議論していたいんだがね。

カーク:

ミラー提督のご招待なのだ。前回上陸した時のお礼だよ。喜んで受けようじゃないか。

マッコイ:

でも、なんで映画なんだい。もっとマシなものは無いのかい。

スポック:

私が希望したんです、ドクター。ヤーパンの映画技術も演出力も格段に向上しています。それに、ドクターもご存知のとおり、私はヤーパンの大衆文化を研究している関係で、この映画には興味があるんです。この映画は、1974年にアニメ版がテレビ放映されたものを実写化したものなのですが、人類が異性人からの攻撃を受け、・・・。

マッコイ:

ストーリーまで説明してどうする。フン、前回、惑星ヤーパンを救えたのは、君のヒトシウエキに関する知識のおかげだったからな、映画については我慢することにしよう。

カーク:

スポック、君には、首相官邸から大使館を通じて感謝状が届いているよ。提督は後で君とだけで話したいそうだ。

スポック:

光栄です。この際、ヤーパンをもう少し深く学びたいと思っています。

マッコイ:

それにしても、何だな。観客は年寄りばかりじゃないか。どうして子供が喜びそうなヤーパンのスペースオペラに、白髪頭ばかりが集まっているのかね。

スポック:

ドクター、先ほど申し上げたように、これは74年のアニメ版のリメイクなのです。熱狂した当時の若者達がなつかしがってやって来ているのです。それにヤーパンはすでに衰退が始まっていて子供の人数が極端に少なくなっているとともに、塾通いとおけいこ事で映画どころでは無いようです。


マッコイ:

おっさん、おばさんを相手にしているわりには、この映画は子供向けじゃないか。ことあるごとに、のけぞって敬礼するシーンが続くのには耐えられないな。


スポック:

これは、ヤーパンで長く続いている戦隊ものに影響を受けているようです。つまり75年に放映が始まったゴレンジャーをはじめとする・・・、

マッコイ:

もういいよ。戦隊ものの敬礼がこんな感じだって言いたいのだな。

スポック:

その通りです。惑星ヤーパンは我々と戦って敗れた後、長く平和の時代が続いたため、現実の戦闘や軍の記憶を保っている人々は現役世代から居なくなってしまいました。おそらく観客の中にも、製作者サイドにも居ないでしょう。軍に対するリアリティの無さが、こうした不自然な敬礼や、彼らが軍人に見えない理由だと思われます。

カーク:

戦闘機のドッグファイトから始まるのは、スターウォーズのパクリじゃないかな。

スポック:

エピソードⅢの冒頭シーンへのオマージュでしょう。パクリを指摘するのであれば,この映画では、そうしたシーンが随所に見られます、たとえば、惑星ガミラスでの戦闘シーンはスターシップトゥルーパーズでバグと戦うシーンに似ているし、戦闘機でガミラス構築物の中に入っていくのはインディペンデンスデイとスターウォーズ一作目,燃え盛るコックピットで敬礼しながら墜落してゆくシーンは誰もがどこかで見たことのあるシーンでしょう。ガミラスコアに行くのに細長い通路を渡っていますが,設定から見ても必然性はありません。おそらく,いくつもある同じような映画の影響を受けています。ガミラス戦闘機を捕獲するところはインディペンデンスデイをそのままパクっていますね。最後に古代が艦とともに自爆するのは、スタートレックのリメイク版で艦長のお父上が亡くなるシーンと同じです。

マッコイ:

こんなにメソメソしていなかったがね。それにしても、どうしてこう,セリフに能書きが多いんだい。敵がまん前の戦闘シーンでこんなおしゃべりができるはずがないじゃないか。なぜ,この海兵隊の若いやつは,わざわざ自発的に遮蔽物から飛び出して弾丸にあたって死ぬのかね。

スポック;

ヤーパンにはバンザイ突撃の伝統があるのです。かつての彼らの軍隊では,もはや勝てないと分かれば,遮蔽物の陰でコソコソしていて最後に捕らえられるより,派手に飛び出して死ぬよう指導を受けていたのです。しかし,この映画の場合は,その要素よりも,ヤーパン芸能の伝統に従っていると見たほうが良いのかも知れません。

カーク:

その伝統とは一体何かね。

スポック;

カブキです。昔から伝わる舞台芸能の一種なのですが,カブキには大見得を切るという伝統があり,たとえば,敵に斬られてから死ぬまで,延々と能書きを述べて,思いのたけをぶちまけるのですが,記録では半時間もそれが続くこともあるようです。この海兵隊の場合は,追い詰められて,やむにやまれず飛び出していますが,死という究極の犠牲と引き換えに、これまで抑えに抑えてきた自分を押し出すという定式に従った演出で,ヤーパンの観客はここで一種のカタルシスを感じるのです。

マッコイ:

しかし,これじゃあ,まったくリアリティに欠けて,カタルシスどころか、観客はしらけてしまうよ。最後に森ユキが駄々をコネて命令に従っていないが,こんなことがありえるわけがない。古代が愛の言葉をささやいたあと,丁度いい具合に緒方が迎えに来るのも,どうかしてる。緒方は艦が爆発寸前なのに,ずっと奥のエレベーターで出てくるタイミングを待ったいたのかい。きっとドアの開くボタンを押したままにして待ってたんだろうがね(笑)。

カーク:

こうした夢物語だからこそ,リアリティが大切なのではないかな。ヤーパンの観客はこれで満足なんだろうか。

スポック;

こうした演出が一定の支持を得ているのは間違いありません。そのため,あらゆる激しい感情的要素,たとえば,恋愛,涙,友情,高いテンションとその暴発など,大衆娯楽にはそうしたものをできるだけ印象的に盛り込むことを優先すべきで,ストーリーやリアリティは重視する必要は無いとヤーパンでは信じられているようです。

マッコイ:

信じられない。

カーク:

しかし,本当だろうか。実はヤーパンのクロサワの映画を観たことがあるんだが,あれも製作された当時は娯楽作だったはずだがリアリティに徹していたんじゃないかな。

マッコイ:

観客の問題じゃなく,作り手に問題があるんだろう。

スポック;

その可能性は捨て切れません。観客動員という点では,クロサワまで遡らずとも,最近でも先に上げた要素を盛り込まないでヒットを飛ばした例もあります。宮崎アニメや,クレヨンしんちゃんシリーズにもそうした例があります。

マッコイ:

それ見ろ,作ろうと思えば作れるのに,手を抜いているだけさ。

スポック;

ドクター、そうとは限りませんよ。作りたくても作れないのです。

カーク:

どういう意味かね,スポック。

スポック;

リスクの問題です。誰もがクロサワやミヤザキになれるとは限りません。感情に働きかけてそれで満足する観客を追いかけるほうがチープではあっても成功の確率は高いのです。

マッコイ:

スポック、そんなことを言うのは君らしくないな。誰もが,クロサワやミヤザキになる必要はないだろう。クロサワやミヤザキに映画を撮らせればいいだけさ。彼らに撮らせれば成功の確率も高いだろう。


スポック:

ドクター,そうは行かない事情がヤーパンにはあって・・・、


カーク:

話の途中だが,どうやら映画は終わってしまったようだな。

スポック:

映画はお気に召さなかったようでお二人には恐縮です。

カーク:

いや,君の話を聞けてよかったよ。君が,ヒトシウエキの呪縛を解い後にも,ヤーパンにはいろいろと問題があるようだね。マッコイと私は艦に戻るが,君には大使館の車が待っているのでそれに乗るんだ。酒は飲んでいないな。

スポック:

私に飲酒の習慣はありません。

マッコイ;

この堅物め。せいぜい楽しんで来るんだな。






















米国ベビーブーマーの政治パワー その2

2011-01-02 07:32:09 | ロンドンエコノミスト


この右側のグラフについて、もう少し分析してみましょう。

2000年の低い共和党へ支持から始まっています。まあ、大統領はブッシュだったんですが、得票数はゴアだったってハナシがあったくらいで。その後、徐々に共和党支持が増えてゆきます。これは、911で、米国は戦争中ってことになって増えているでしょうかね。ただ、老人の共和党支持が、全体平均を上回るのは、04年からですね。イラクに侵攻したのが03年なんで、老人がより敏感に反応した、と見るべきでしょうか。

2期目のブッシュの支持率低迷を受けてでしょうか、その後共和党支持は落ち込んでゆきますが、04年以降、老人達が全体の平均値を下回ることはなくなります。


そして08年、10年と急増し、共和党支持が5割を超えてます。

08年というのは、大統領選挙の年で、オバマ旋風が吹いていました。上下院ともに民主党が押さえて、世の中みんな民主党かと思ったら、実は老人たちは、このころから完全に共和党支持が多数になっていて、その後増え続けています。

08年は選挙の年であると同時に、金融危機で政府支出を拡大させていった年でもありますな。まあ、ブッシュは減税して、戦争支出も拡大させたんで、老人へのしわ寄せ不安は、ブッシュ時代から無いとおかしいんですが、

やはり、オバマのユニバーサルヘルスケアですかね。

戦争支出は我慢できても、ビンボー人へのバラマキは許せない、ってとこでしょうか。

ってか、共和党のなりふり構わぬ戦略勝ちですかね。

財政赤字は、ブッシュが作ったんで、オバマはおまけに金融危機までお土産にもらって、それに対処しているだけ。民主党はクリントン時代に財政赤字を0にした実績がある、と民主党が反論しても、まったくインパクトが無くて、

共和党側は、ペイリンのデスパネル、だとか、ビューロクラットの無駄遣い、みたいな言い方で徹底的に攻めて、この中間選挙に勝った。

老人達が大きく反応しているんですね。


他の世代も反応しているんでなんともいえませんがまあ、シニア世代をターゲットとしては当然意識してやっているんでしょうな。








米国ベビーブーマーの政治パワー ロンドンエコノミスト

2011-01-01 21:28:15 | ロンドンエコノミスト





日本の生産年齢人口の減少が内需に大きく影響していることは『デフレの正体』,米国では,ベビーブーマーの消費が米国の90年代の繁栄を支え,2000年代のベビーブーマーのセカンドハウス需要、住宅バブルの背景にあった,というのはHSデント『最悪期まであと2年! 次なる大恐慌』にかかれていたんでした。

で、米国で,そのセカンドハウス需要も住宅バブルの崩壊でしぼみ,今度は,彼らの大量引退が始まるというんですな。日本は一足早く団塊の世代引退が始まっていますが,米国でも同じってわけで。

まず,ニューズウィーク。


ベビーブーマーという重荷

高齢者のための3大制度である社会保障制度とメディケア(高齢者医療保険制度)とメディケイド(低所得者医療保険制度)にかかる費用は、連邦政府の歳出総額の5分の2を占める。08年度は1兆3000億ドルだった(歳出総額は2兆9800億ドル。ちなみに防衛関係費は総額で6130億ドル)。

 近い将来、ベビーブーム世代が大量退職して3大制度のための支出が増えれば、連邦税の大幅な増税もありうる。政府のプロジェクトを減らすという手もあるが、コスト増に見合うだけのカネを捻出するには防衛費の大半か、その他の国内向けプロジェクトの大半を削らなければならない。

 職員の大量退職を控えた州や地方自治体も同じような問題をかかえている。将来のコスト増にそなえて毎年十分な額を積み立てればショックは緩和できるが、それは一部でしか実行されていない。

 もう一つ問題がある。オバマが公約した医療保険の財源がほとんど確保できていないことだ。今後、若者たちの稼ぎは高齢者に吸い取られることになる。社会保障やメディケアや年金などの給付額は法律で定められているから、法改正がないかぎり決まった金額が支出される。増税圧力が高まり、継続できないプロジェクトが出てくることは必至だ。



この議論は,引退による収入減→支出減というハナシではありません。まあ,デントも引退で年寄りがシブチンになるという議論を強調することはないんですね。藻谷氏は日本の年寄りが保守的で金を使わないということを強調しているんですが,米国でも年取って必要が減ることはあるんでしょうが,棺おけまで持っていくという発想はないかもですな。

で,この記事は,ベビーブーマーの引退による社会保障負担の増加がテーマになってて,これは日本の厚労省や一般のメディア議論と同じで,経済そのものというより政治的議論ですね。

まあ,こういう指摘をするのは簡単なんで,もう少し突っ込んだ分析がほしいところです。そこで,ロンドンエコノミスト。






Demography and the economy


In the next two decades people aged 65 and over will rise from 17% of the voting-age population to 26% (see chart 1). Since the old vote more readily, their actual share of the electorate will be some three percentage points higher, reckons Robert Binstock, a political scientist at Case Western Reserve University in Cleveland.

今後20年で65才以上の有権者人口は17%から26%まで増加。シニアは投票率か高くなるので,実際の有権者の比率はさらに3%高くなる。

In recent years the elderly have become a more distinctive voting block. People over 65 increasingly identify themselves as conservative and vote Republican, while young voters do the opposite, according to Andrew Kohut of the Pew Research Centre. The pattern was particularly striking in the last mid-term elections (see chart 2), when Republicans’ share of the over-65 vote exceeded the Democrats’ by a whopping 21 percentage points.

近年,老人達はよりまとまった方向で投票するようになっていて,自分達のことを保守的だと考え,共和党に投票する人が増えている。若者とは逆の動きをしていて,この間の中間選挙では65才以上の共和党への投票は21%も上回った。

記事のグラフは貼っておきました。

The president sought to insulate the elderly from any bad effects. While workers with employer-provided insurance will have their tax benefits curtailed and the affluent will pay Medicare tax on their investment income, the elderly got an immediate expansion of their Medicare drug coverage. In spite of that they remained, as they had begun, staunchly opposed to Mr Obama’s reform. “They already have national health care,” Ms Campbell explains, “and can’t imagine extending coverage to 16% of the population without a hit to their benefits.”

保険制度改革の中で,

オバマ大統領は,老人達を悪影響から守ろうとした。労働者は,雇用主が保険を提供している場合は,税金優遇が切り詰められ,金持ちは投資収入からメディケア税を払うことになるが,老人達はメディケアの拡大と適用される薬品のカバー範囲が広がった。

にもかかわらず,老人達は,オバマの改革に対しては反対の立場を変えることがなかった。『老人達はすでにヘルスケア保障を得ているのです。そして,人口の16%にあたる追加の保障を与えることが,老人達の利益を損なわないとは考えられないのです』


と,まあ前回の選挙では,共和党が,そこを突いて、老人達の支持を勝ち得たということなんですがね。ますます人数が増え、社会の負担にもなってゆく一方で、今後,政治における老人パワーは無視できない大きな勢力になってゆくって感じです。

老人が弱者で,当然,社会保障に手厚い民主党支持なんだ,という先入観は間違いで,実は,多数派で政治的に強くて,既得権者で,共和党支持だった、ということ。

日本も老人達の政治的な強さをいろんな人が指摘していたはずですが,日本の老人達もバラマキに反対で,『民主党はバラマキだ』という批判は,意外と老人達の耳に届いている可能性がありますね。財政に余裕もないのに、無駄遣いするとは何事か、って感じで。まあ、自分達は最後まで逃げ切れると思っておられるでしょうがね。

人口問題は世代間問題でもあり、当然政治問題である、ということがよく分かる記事ですね。


謹賀新年 

2011-01-01 09:59:00 | 政治
新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

このブログもスタートしたのが2005年正月なんで、7年目を迎えます。いやはや結構続いてますな。最近は、政治ネタが多くなっています。米国の政治記事や、政治番組の動画をチェックしているうちに、これが結構、面白おかしくできていることに気がついて、ついつい、引き込まれてしまっている感じです。ウォルフレンのように高度なレベルで楽しませてくれる論者も居れば、ジョン・スチュワートやスチーブン・コーベアのようにエンタメに徹して直球のお笑いで攻めている番組もあって、いや、観ていて飽きません。

スーパーな登場人物が多数を巡って知的なバトルを繰り広げるとっても、面白い世界、ということだけで十分なんですが、もう少し現実的な観点では、

政治をフォローしていると、

経済と政治、

これが連動するんじゃないか、ということが何となく、分かってきて、その点でも追いかける価値はあるかな、と感じています。政治体制のオープンさが経済が興隆するか停滞するかに直結するとかいうイデオロギー面から始まって、あるいは、同じ体制であっても政府支出、金融政策、為替政策をどうするかによってどうなるか、みたいな。

それぞれの政策に、得する人、損する人がいて、政治は、それらの利害を踏み越えてどっちかに決着してゆくわけですな。ウソ、ごまかしで、大衆を引っ張ることもあるし、誠実に取り組んで非難を浴びながら進むこともできる。


去年は、

人口論、にも触れて、大きく目を開かせられたんでした。

この地味で、辛気臭い人口論が、意外に決定打であって、その辺のエコノミストの説明よりはるかに説得力があるし、細かな議論がアホ臭くなるくらいに、経済をうまく説明できる。

リーマンショックで製造業の売り上げが一斉に落ち込んで、日本の成長率も悪化しましたが、日本の小売はもっと前から落ち込んでいるし、経済の成長率と売り上げ推移があまり連動していないことが、ずっと気にはなっていたんですね。

リーマンショック前、輸出で日本の経済が良くなっても、日本の小売業はアンマシよろしくなかった。何か別の要因があるんじゃないか、とずっと引っかかってて、それがデフレのせいだといわれても、納得できるわけありませんな。

小売業がよろしくないこととをデフレと呼んでいるにすぎず、

何も説明していない、

それが、人口の観点から、生産年齢の増減でかなりのことが説明できる。積年の疑問が氷解したような。

とまあ、このブログも、より幅広く、深みを増して、少しづつ成長して行ければいいと思ってるんですがね。

基本はネタとして面白いことが前提ですが。

今年もいい年になるといいですな。