修士論文の修正が進まない。
微妙なパートをうまく文章化できなくて、書いては消し、書いては消ししているだけなので、ちょいと気分転換。
で、また、映画に行ってしまいました。
Ender's Game - Official Trailer #2 (HD)
少年が活躍する映画ってことで、子供騙しかと思ったら、かなり面白い。
子供用とも言えない。充分大人用。
役者もハリソンフォードが出ちゃったりで、立派です。
ハリソンフォードだって、もともとスターウォーズで出世したんで、こういう映画が似合ってないとおかしいですな。
ハナシの筋は単純で、少年が選別されて宇宙艦隊を率いてエイリアンと戦うというもの。
設定やら、その描き方がスターシップトゥルーパーズとちょいとノリが似ています。監督は影響を受けてるはずですな。
スターの方が毒気がある分、奥行きを感じますが、こっちはひたすらまっすぐ、ストレート。
映画的にもスターの方が上でしょうね。
ハナシのスケールが大きい割に、大作感がしないのは、シーンの大半を宇宙のトレーニングセンターと、艦隊の司令室に限っているからですね。出てくる人間もかなり限られていて、ドラマのスケールが小さいんですな。一応、少年の成長物語風にはなっているんですが、まあ、ふーン程度。
それでも、この映画がかなり面白いのは、設定とディテールがしっかりしていて、映画世界に目が釘付けになってしまうからですね。トレーニングで小隊に分かれて訓練試合をやったり、いじめがあったり、ハリソンフォードの教官が監視していてこいつは行ける、とか言ったりしている。
ハナシの運びがスピード感があって無駄がないことも魅力の一つですかね。少年が挫折して、一旦地球に帰る。そして、説得されてまた訓練センターに戻ってくる。こういうお決まりの主人公の危機は、ハリウッド的には盛り込まざるを得ないんでしょうが、うだうだやられるとかったるい。この映画は、それを3分くらいで終わらせてます。もう、僕にはもうできません・・・、というセリフの後には、次のシーンで地球に移ってて、ハリソンフォードが地球にある少年の家に居て、その次ぎのシーンで、少年のお姉さんが説得完了。
エヴァンゲリオンだと一話丸々使う所を3分でやってしまう。
こういう映画を観に行くときに、深い人間ドラマなんかを期待していないわけだから、とことんディテールにこだわって、テンポよくやってくれればそれで満足。ただし、ストーリーに手抜きはなくて、いい感じにまとまっています。
この映画を観てて感じるのは、こういうテーマが映画になって、ヒットするのか、というある種の驚きですね。
戦いの勝敗を決めるものが何であるか、という問題設定がすごいんですな。
この映画では勝利をもたらすものを育成する努力をしていて,それが子供であっても艦隊司令官にする。経験と能力のあるおっさんも居るが、子供でないと勝てないとわかれば、子供を一生懸命育てて,お願いして司令官をやってもらう。司令官の役割は戦い方を決めること。戦局を判断してどこを攻めるか,いつ攻めるか決める。戦略次元の判断を下すだけ。
戦略上の指揮がそれだけ難しくて、能力としては特殊であるとの合意があるということでもありますね。君にこの艦をまかせる,とか、これを動かしてみて,みたいなハナシじゃない。
これ,戦時の米海軍の将官の任用とつながっていて、太平洋戦争の時も勝てる士官がばしばし登用されてゆき、先任が誰かみたいなのはお構いなしに置き換えられて行く。将軍も若くなる。士官学校の席次がどうとか、早めの交代は傷をつける,みたいなことを気にする帝国海軍とは人事において好対照、みたいなハナシです。
目的と優先順位と責任がはっきりしていて、それにもとづいてすべてが回っているので、子供が指揮すれば良いならば、子供に指揮させる。日本映画でこれをやると、リアりティがなさすぎて、それこそ子供騙しになってしまうんですが、米国映画だとおとぎ話ではあっても子供騙しという感じにはなりませんね。
仮のハナシとして、本当にエイリアンが攻めてきて、子供でなければ戦えないのであれば、米国では即応態勢を整えるでしょうな。どのレベルまで子供に任せていいのか,大人はどこをサポートするみたいなハナシも、学者や教育者や専門家を集めてあっと言う間にガイドラインを作ってしまう。
日本だと,周知を集める体制づくりそのものが難しそうですね。議論に入る以前に、誰に検討を任せるか,みたいなとこで時間を食って、一時案が出た後もいろんな利害調整をしている間に、エイリアンに征服されてしまう。仮に間に合っても、よく読まないと理解できないような文章で、よく読んでみるとできないことだらけで、なんだこれじゃ結局できないじゃないか,みたいになっている間に、最後はやっぱりエイリアンの勝ち。
ハハハのハ
微妙なパートをうまく文章化できなくて、書いては消し、書いては消ししているだけなので、ちょいと気分転換。
で、また、映画に行ってしまいました。
Ender's Game - Official Trailer #2 (HD)
少年が活躍する映画ってことで、子供騙しかと思ったら、かなり面白い。
子供用とも言えない。充分大人用。
役者もハリソンフォードが出ちゃったりで、立派です。
ハリソンフォードだって、もともとスターウォーズで出世したんで、こういう映画が似合ってないとおかしいですな。
ハナシの筋は単純で、少年が選別されて宇宙艦隊を率いてエイリアンと戦うというもの。
設定やら、その描き方がスターシップトゥルーパーズとちょいとノリが似ています。監督は影響を受けてるはずですな。
スターの方が毒気がある分、奥行きを感じますが、こっちはひたすらまっすぐ、ストレート。
映画的にもスターの方が上でしょうね。
ハナシのスケールが大きい割に、大作感がしないのは、シーンの大半を宇宙のトレーニングセンターと、艦隊の司令室に限っているからですね。出てくる人間もかなり限られていて、ドラマのスケールが小さいんですな。一応、少年の成長物語風にはなっているんですが、まあ、ふーン程度。
それでも、この映画がかなり面白いのは、設定とディテールがしっかりしていて、映画世界に目が釘付けになってしまうからですね。トレーニングで小隊に分かれて訓練試合をやったり、いじめがあったり、ハリソンフォードの教官が監視していてこいつは行ける、とか言ったりしている。
ハナシの運びがスピード感があって無駄がないことも魅力の一つですかね。少年が挫折して、一旦地球に帰る。そして、説得されてまた訓練センターに戻ってくる。こういうお決まりの主人公の危機は、ハリウッド的には盛り込まざるを得ないんでしょうが、うだうだやられるとかったるい。この映画は、それを3分くらいで終わらせてます。もう、僕にはもうできません・・・、というセリフの後には、次のシーンで地球に移ってて、ハリソンフォードが地球にある少年の家に居て、その次ぎのシーンで、少年のお姉さんが説得完了。
エヴァンゲリオンだと一話丸々使う所を3分でやってしまう。
こういう映画を観に行くときに、深い人間ドラマなんかを期待していないわけだから、とことんディテールにこだわって、テンポよくやってくれればそれで満足。ただし、ストーリーに手抜きはなくて、いい感じにまとまっています。
この映画を観てて感じるのは、こういうテーマが映画になって、ヒットするのか、というある種の驚きですね。
戦いの勝敗を決めるものが何であるか、という問題設定がすごいんですな。
この映画では勝利をもたらすものを育成する努力をしていて,それが子供であっても艦隊司令官にする。経験と能力のあるおっさんも居るが、子供でないと勝てないとわかれば、子供を一生懸命育てて,お願いして司令官をやってもらう。司令官の役割は戦い方を決めること。戦局を判断してどこを攻めるか,いつ攻めるか決める。戦略次元の判断を下すだけ。
戦略上の指揮がそれだけ難しくて、能力としては特殊であるとの合意があるということでもありますね。君にこの艦をまかせる,とか、これを動かしてみて,みたいなハナシじゃない。
これ,戦時の米海軍の将官の任用とつながっていて、太平洋戦争の時も勝てる士官がばしばし登用されてゆき、先任が誰かみたいなのはお構いなしに置き換えられて行く。将軍も若くなる。士官学校の席次がどうとか、早めの交代は傷をつける,みたいなことを気にする帝国海軍とは人事において好対照、みたいなハナシです。
目的と優先順位と責任がはっきりしていて、それにもとづいてすべてが回っているので、子供が指揮すれば良いならば、子供に指揮させる。日本映画でこれをやると、リアりティがなさすぎて、それこそ子供騙しになってしまうんですが、米国映画だとおとぎ話ではあっても子供騙しという感じにはなりませんね。
仮のハナシとして、本当にエイリアンが攻めてきて、子供でなければ戦えないのであれば、米国では即応態勢を整えるでしょうな。どのレベルまで子供に任せていいのか,大人はどこをサポートするみたいなハナシも、学者や教育者や専門家を集めてあっと言う間にガイドラインを作ってしまう。
日本だと,周知を集める体制づくりそのものが難しそうですね。議論に入る以前に、誰に検討を任せるか,みたいなとこで時間を食って、一時案が出た後もいろんな利害調整をしている間に、エイリアンに征服されてしまう。仮に間に合っても、よく読まないと理解できないような文章で、よく読んでみるとできないことだらけで、なんだこれじゃ結局できないじゃないか,みたいになっている間に、最後はやっぱりエイリアンの勝ち。
ハハハのハ