会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

オバマ政権粘る 公的保険はムリだけど・・・

2010-11-30 00:23:07 | 政治
ここんとこ、米国政治ネタばかりで恐縮なんですな。

もともとビジネス関連、というはずだったんですが、ちょいとワシントンに行った余韻がまだ残ってて、どうも気になってしようがないんですね。あそこで、バトルが繰り広げられているンか、と思うと・・・。

というわけで、

オバマケアで結局一番得をしたのは保険業界で、相も変わらずのロビイング攻勢で当初の公的保険構想は骨抜きにされちゃった、とかいうハナシの続きです。

今回、ちょっとした動きがあったんで、



さて、この動画のおばさん、米国厚生省のKathleen Sebelius長官ですな。62歳。いや、おきれいです。ナンシー・ペロシとはまた別な感じですが、品と威厳があって、あたま良くて、美人。前職はカンサス州知事。

これが、なんのコンファレンスかと言いますと、当局として新たな規制を行うということなんですが、彼女は、これがテクニカルに聞こえるかもしれないが、実際に消費者にはメリットが生まれることになるのだ、と数字をあげて説明しています。

Feds Limit How Much Profit Health Insurers Can Make From Premiums

The U.S. Department of Health and Human Services (HHS) has unveiled new requirements for how much health insurers must spend on medical care in comparison to non-medical items, such as advertising and overhead, under the new health reform law.

米国厚生省は、新ヘルスケア改革法に基づき、保険会社が医療のための支出を医療以外支出対比でいくらにするかを求める、あらたな規制を明らかにした。

Starting January 1, all health insurance plans will be required to spend a set percentage of their premium income on medical claims and quality improvement expenses. That percentage will be 80 percent for individual and small group plans, and 85 percent for larger groups. This split is known as the “medical loss ratio.”

来年1月から、全ての保険プランは、プレミアムからの支払いのうち、医療請求と、品質の改善のためのの支出について、一定のパーセンテージを求められる。個人や小グル―プのプランについては80%、大グループについては85%。この比率はメディカル・ロス・レシオとして知られている。


“The new rules seek to keep a lid on the non-medical expenses that are typically included in the insurance premiums we pay — things like executive pay, lobbying, and marketing.


この新ルールは、医療支出以外の支出を抑制するためのもので、その支出には、良く知られたものとして、役員報酬や、ロビイングや、マーケティング支出などがふくまれる。

“Plus, consumers will benefit from greater transparency in premium calculations. There will be new requirements that govern how insurers report their spending. These reports must be made public by HHS on its website.

それに加え、消費者は、プレミアム計算にあたって、より深い透明性という利益を売ることができます。保険会社が支出をどう報告するかについても規制される予定で、その報告は厚生省のサイトで公表しなればなりません。

この比率を守れなかったら、医療支出の不足分は消費者に還元するルールになってるようで。



ってことでして、要するに、公的保険ができないならばと、次善の策がでてきた、ってことですな。

オバマさんをウォールストリートの傀儡だ、みたいに見ている人もいるようですが、意外に、こうやって、粘って粘って、目標にじわじわと進めていくのかもですね。スコーシづつ、憎まれないように、ひっそりと、ジミーに、決定的なルールを議会に関係ないとこで入れちゃう。

こないだ、ジョンスチュワートのデイリショーに出た時も、物事は一度に変えることはできない、と言ってたんでした。

まあ、この規制は、つぶされるかも知れないし、抜け道などいくらでも作れそうな気もするんで、どんなものかよくわかりませんがね。



以上ですが、ちょいと気がついた点を以下にメモ書き。

1.官僚的支出

動画なんですが、しきりに長官は、医療支出以外の支出の例を出すときに、ビューロクラット支出、つまり保険会社内部の官僚的支出を抑えさせると言ってますが、この官僚的支出って、公的保険を共和党が批判するときに、使われた言葉で、ここで仕返ししてるって感じです。

2.公的事業

公的事業が非効率だ、というのが最近はお決まりになっているようなんですが、ホントかどうかはちょっと疑問があるんで。どっかで、プライバタイゼイションのせいで、返ってサービスの質が低下した事例を読んだことがあります。

なぜ低下するか。

私的部門が所管した場合、一定の利益率を求められるため、おなじ売上で提供できるサービスの質に影響してしまうとのことで。わたしはユウチョ再国有化の尻馬に乗るつもりはないんですが、そういう議論があるということ。


このニュース、あんまし話題になってないようなんですが、結構重要なんじゃないかって気がするんですがね。

Washington DC ホットスポット Politics and Prose

2010-11-27 14:43:02 | 政治
ワシントンってどんなとこってのは、こないだ書いたとおりなんですが、とにかく、毎日のように、講演会やらブックイベントみないなのがあって、しかも講演者が全国区の著名人、というところが、やはり首都ってことでしょうか。

前回、ご紹介した、Politics & Prose。

本屋さんで、かつカフェ。地下にカフェがあるんですが、並んでいる本がとっても今風で、右から左まで(多分)そろっている。本好きはブラブラしているだけでも楽しい場所です。このブログで紹介するような、いわゆる固い本中心に置いてますが、日本じゃ、こういう中規模で、この品揃えでは、やっていけないんだろうなって感じです。まあ、皆、本はネットで買うんで、こういう風に特化するのがいいのかな。

私はワシントン滞在中、ここに2回も行ってしまいまして、こないだの大統領史家の回と、2度目はGame Changeの著者の回。

John Heilemann & Mark Halperin - Game Change


Game Change: Obama and the Clintons, McCain and Palin, and the Race of a Lifetime
クリエーター情報なし
Harper Perennial


この本は結構売れているようで、著者はベスセラー評論家ということになるんでしょうな。ここで講演するのは2度目らしくて、今回はアップデートだ、とかで。

著者お二人が、皆さんは公務員が多くて、不況は関係ないかもしれませんが、みたいなハナシをしてまして、そういえば、ここは日本でいう団地っぽい建物がたくさん建っていて、幹部でないフツーの公務員は、この本屋のある辺りに住んでいるだろうと思うんですな。ワシントン北東部です。幹部は、ジョージタウンでしょうかね。まあ、ブッシュ時代にライスはウォーターゲートコンプレックスに住んでいたとどっかに書いていましたがね。

この本屋さんは、地下鉄の駅からは歩いて遠いんですが。それでも、ここはとっても良い感じです。こういう本屋さんを意識の高い地域住民が支えてて、カフェがあり、毎日イベントをやっていて、有名人に会える。写真貼っときましたが、アルゴアも来てたんですな。クリントンや、ジョン・スチュワートなんかも来たみたいで。

アッ。昨日動画を紹介したミチェル・マドウも前日に来てるじゃないですか。

Michelle Meadows - Hibernation Station

ああ、見逃してた。ショック。行ってサインもらっとくんだった。

この本屋は旅行のガイドブックにも乗るくらいだから、ワシントンの読書人には大概知られていて・・・連邦議会のガイドさんもご存知でしたね・・・講演に来る著名人も聴衆をリスペクトしていて、それなりのハナシをする。とても和やかで、かといって、講演の後の質問コーナーで質問者がだらだら話しをしていると、質問は何なの、と詰めもきちんと入る。

良いですねえ。

日本のカフェ併設の本屋とニュアンスがちょいと違うんですな。ここの場合、カフェがあることで、ぐっと、落ち着きが出てきて、本屋で長く時間を過ごす、ゆっくり過ごす場所なんだ、という感じになるんですね。カフェが奥まったところに、ドンとあって、実はそこがこの店のコアなんだ、という顔をしていて、だから本は気楽に眺めてられる、というでしょうか。日本はカフェはつけたしですが、そうじゃなくてセンターにあるんですね。物理的にというんじゃなくて、位置づけが、ということですが。

ひょっとしたらカフェのほうが儲かってるのかも。

人がひっきりなしに出たり入ったりしない。

ワシントンに行くんなら、ここのイベントをチェックしといて、行くと良いかもですな。日本でも、よく知られているようなチョースゴイ級の人も来るんで。

書店のフロアの一角でやってて、そんなに広くないんで、せいぜい、100人から200人くらいの席しかないですがね。

それでも、著者がここに来て話しをする。よい読者だと認識されているからでしょう。

ワシントンの知的で、かつ緩やかに保守的で、オープンな感じ。
日本の本好きなら好きになる都市じゃないかと思いますね。ならないか。

英語の壁が立ちふさがってて、難儀しますが、それでも、とっても良いんですな。

ドーキンスが来た回の動画があったんで、貼っときます。





カフェの概要はこの動画が一番わかりやすいですな。
埋め込みできないんで、リンクしときます。

Politics and Prose Bookstore and Coffeehouse

サラ・ペイリン vs バーバラ・ブッシュ

2010-11-26 01:24:08 | 政治
いよいよ、2012年の次の大統領選挙に向けて、米国政界は動き出すって感じですが、

早速、サラ・ペイリン。

バーバラ・ブッシュ←お父さんの方のブッシュ大統領の奥さん、つまりジョージダブリューのお母さんに挑発されて、ブチ切れちゃったようです。

まずバーバラ・ブッシュ。



Barbara Bush: I Hope Palin Stays in Alaska

The outspoken wife of former President George H.W. Bush says Palin, who is considering a presidential run in 2012, seems "very happy in Alaska" but then adds, "I hope she'll stay there."

ペイリンはアラスカでとても幸せそうね。そこでじっとしてると良いと思うわ。

ああっ、言っちゃった。

で、ペイリン。



Sarah Palin Hits George and Barbara Bush as Elite "Blue Bloods"

because I don't think the majority of Americans want to put up with the blue-bloods -- and I say it with all due respect, because I love the Bushes -- but the blue bloods who want to pick and chose their winners instead of allowing competition to pick and choose the winners."

ブッシュ家を好きなのに、失礼な言い方ですが、大多数のアメリカ人は、競争による候補者選びの代わりに、名門貴族が勝者を選ぶことに我慢できないと思うわ。


"I don't know if that kind of stuff is planned out, but it is what it is, we deal with it, and as I say we forge ahead and we keep doing what we're doing," Palin added.

そういうことが計画されているかどうか知らないけど、でもそうなんでしょう。私達はこれに対応していきます。前に向かって進んで、今やっていることを続けます。

ま、ケンカですな。

サラペイリンが大統領予備選に共和党候補として出馬した場合、共和党の予備選で勝ってしまう可能性がある、と見られていて、その場合、民主党現職のオバマ大統領と本選で争うことになるわけですが、

オバマにはペイリンでは勝てない、

というわけで、共和党のメインストリームあたりは、ペイリンに出馬させたくないようで。

まあ、ペイリン降ろしというハナシとしてとらえても十分面白いんですが、それに加えて、この、共和党メインストリーム vs ティーパーティの身内対決というのは結構重要で、今後も大きく展開していくんじゃないかと思うんですがね。

というのも、

1.共和党は大企業と一体になって、大企業よりの政策を推し進めている
2.選挙では大企業→ロビイスト→議員、の流れで資金が流れ、大企業は選挙戦を支援する
3.選挙戦では、大企業よりであることは背景に引っ込めて、自由市場、小さな政府、反社会主義、反ナチス、という米国の価値を中心軸に据えて、騙されやすい素朴なビンボー白人を動員する

それが、ティーパーティが出てきて、

4.反腐敗、反ワシントン、というテーマも表に出てきてしまった。さあヤバイ。

なぜならば

5.反腐敗は、反ロビイスト、反大企業につながってゆくからですな。

共和党に入り込んだティーパーティ異分子。

こないだ、ラン・ポールが、Thisweekに出てて、軍事費も削る、と発言したのに、ちょいと驚いたんですな。



軍事費を削減する、なんて、あの軍産複合体様に真っ向、敵対するってことですからね。
触るとたたりがあるんじゃないか、というくらい恐ろしい相手ですな。


この共和党異分子から出てきた動きに、左派が感激する、みたいな流れも生じてきて、




レイチェル・マドウが、興奮してますな。


ブッシュ時代に軍産複合体に乗っ取られた感じになって、軍事費が急拡大。オバマ時代になっても、全く衰えていない。オバマが、ブッシュの政策をそのまま継続するばかりで、約束したことを守らない、と左派の支持が離れて行ってる理由の一つでしょうな。クリントンは減らしている。お父さんブッシュも、こうしてみると、立派な感じがしますよね。オバマさえ手をつけない軍事費に、共和党のラン・ポールが挑む、キャーッってなわけで。

はなしを戻しますと、

実は、左派と、ティーパーティには、反大企業、反腐敗という点で、親和性があるんですね。そんなに違わない。小さな政府、大きな政府という点では折り合えないにしてもです。

りパタリアンがどこまで、力を得るかわかりませんが、左派と力を合わせてゆくということになると、面白いんですがね。



ちなみに、ラン・ポールのお父さんのロン・ポールもリバタリアンですが、

左派のマイケルムーアとは、反企業主義と言う点で、自分とそんなに違いは無い、と、ラリーキングライブで発言していたんでした。

BPに対して謝罪ってなんでやねん





ワシントンDC ガイド

2010-11-23 22:56:03 | 政治
ワシントンにわざわざ行きたいと思う人もそんなに居ないと思うんですが、まあ、今回行った時のことを記録がてら、ちょいとまとめておこうと思います。私は結構気に入ったんで、またチャンスがあったら行きたいと思ってるんですがね。

全体として、

ワシントンは、落ち着いた都市です。球場も劇場も、なんでもそろってますが、かなり落ち着いてます。静かで、きれいで。まあ、私は、選挙の直後に行ってるし、議会も開いてないし、大統領も海外で、ひょっとしたら、そういう時期だったのかも知れませんが。

夜中に歩いてても大丈夫なくらい、中心部は安全です。私は深夜に歩いてみましたが、突然、人影があらわれてびっくり、ってこともありましたが、女性がジョギングしてるだけでした。そんくらい安全で、お巡りさんがしょっちゅう回ってるんで、まあ安全なんですな。

中心のモール部分を、歩いてる人は、半分くらいがお上りさんって感じです。遠足で来た高校生や、ワシントン見学の家族ずれなんかが、歩いてます。

ワシントンと言うと、映画やなんかで、リンカーン像だとか、議会だとか、ホワイトハウスだとか、常に人だかりで、世界の中心、みたいに描かれているんですが、行ってみるとそうでもなくて、閑散。少しヒマな観光地って感じです。ヤッパ時期ですかね。私としては、もっとにぎやかな感じを期待してたんですが。大都会の華やかさというものは全くありません。ロンドンもそうですが、高層ビルが建ってなくて、せいぜい議事堂程度なんですな。中心部のことですが。ただ、ロンドンの方がずっと華やかです。

路上にはホームレスが居ましたが、それほど多くない。荷物を抱えてベンチでうずくまっている人を数人見かけただけです。ほぼ全員が黒人。大体、セキュリティや、電車の運転手や、受付、レストランのボーイさんやウェートレス、コンビニやマクドの店員なんかは、ほとんどがマイノリティです。白人は見かけない。全く、どこに行ったのかと思うくらい見かけないんですね。かなり徹底しています。

黒人と言えば、私は、連邦議会の南側のホテルに泊ってて、地下鉄はグリーンラインといって、ウォーターフロント側を走る線に乗るんですが、乗客のほとんどが黒人でした。全く、ぎょっとするほど黒人しか乗ってない。異様な感じになるんですが、まあ、だからどうってわけじゃなく、別に危険なわけでもありません。黒人街がどうの、とか、米国では居住地域がクラスによって分かれてるみたいなハナシがありますが、地下鉄に乗ってて、そのことが良くわかりました。道を歩いてると、どこでも、しきりに空室あり、と出てまして、そのウォーターフロント側で中心地に近いコンドーが、大体16万ドルから18万ドルくらいの表示でしたね。広さは分かりませんが、首都ワシントンでそんくらいで買えるのか、って思いましたが。


知的な側面で言うならば

イヤと言うほど、米国の成り立ちや歴史について学べます。

リンカーン像には、有名なゲッティスバーグ演説が壁に彫ってあって。あの、人民の、人民による、人民の・・・というヤツですね。Freedomと別の像の土台に彫ってあったりして、とってもベタな感じです。

日本人はほとんど見かけないですな。私が行った時、東洋人の団体は居ましたが、皆、中国人でした。あたりをはばからずでかい声をだして、写真を撮りまくっている。おっさん、おばさん。昔の日本人が団体でやってきて、カメラを首から下げて・・・とヤユされていたのを思いですンですが、とにかく、中国人観光客は目につきました。日本へ、だけじゃなく、世界中に進出しているんでしょうな。


で、米国の建国の歴史を学ぶんなら、ここでしょう。

National Museum of American History

一日かけて回りましたが、議会や大統領制の歴史、展示品、山ほどあります。南北戦争や、最近の歴史までフォローしてます。それに、政治だけじゃなく、生活や文化についてもこってり説明があって、とにかくお腹いっぱい。展示に物凄いエネルギーを割いて取り組んでいて、アメリカってナニモノ、という問いに答えようとしているんですね。

とにかくまじめに観てるとヘトヘトになります。昔の機関車や、古い自動車が、ドデーンと床に展示してあって、子供時代に来たかったなあって感じもしますな。

子供受け、と言う点では、これですな。

National Air and Space Museum

昔のスカイラブや、アポロ月面着陸船の現物が、そのまま展示してある。

いや、子供のころに観たかった。と思いつつ、かぶりつくように観てしまいました。

連邦議会は、内部の見学ツアーをやってて、これはご紹介したとおりです。ビジター向けの体制は一番整備されてて、とても親切。見学ツアー参加は、サイトで予約するシステムになってますが、ヒマな時期ならそのまま行っても大丈夫でしょう。結構専門的なガイドが何人もいて、なんでも説明してくれます。ワシントンに行くんなら、これは一番のオススメです。

議会に比べると、ホワイトハウスは、こじんまりしてて、アンマシ大したことないんですな。ビジターセンターもセキュリティーも案内もやる気なし。

議会のツアーを一緒に聞いてた、米国人の老夫婦が、ホワイトハウスの案内の悪口を言ってて、それに比べてあなたのガイドはとっても素晴らしいわ、みたいなことをツアーの終わり際に、ガイドさんにお礼してまして、多分ホワイトハウスは×なんでしょう。

本館には一般は入ることもできないんで、外から眺めるだけ。どうもイマイチ。ドラマのホワイトハウスのような、ウエストウィングの活気というか熱気というのは外からじゃ分からない。


ホワイトハウスの隣に財務省の建物があるんですが、ホワイトハウスよりずっと立派な建物で。それよりすごいのは、国務省でして、とにかくでかい。一体何人いるの?って感じです。

とにかく、官庁街は建物が集中してて、IMFの隣に世界銀行があって、南に下ってFRB、国務省、内務省、少し離れてNASAもある、みたいで、結構ドキドキします。ペンタゴンは、もっと田舎にあるんだろうと思っていたら、ポトマック川を挟んですぐのところにありまして、実はホワイトハウスとそんなに離れているわけじゃない。911テロの時、ペンタゴンじゃなく、川を渡った反対側の官庁街のど真ん中を攻められてたら、もっとおおごとになってたでしょうな。

ワシントンを一望するのには、ワシントンモニュメントに登るのが一番らしいんですが、並んで、順番を待たなければならなくて、避けました。

で、お勧めなのが、ケネディセンター。

ここのテラスフロア、つまり最上階は外に出られて、360度回りを見渡せます。川の向こうのペンタゴンも見えるし、隣が有名なウォーターゲートコンプレックス。国務省やリンカーン像も見渡せます。

午後6時から、無料のコンサートをやってて、無料だからといって子供向けとかいうんじゃなくて、私が聴いたのは、超一流って感じでしたね。

ワシントンは、公務員の街ってことだからなんでしょうか。

大体、話しかけられたり、呼ばれたりする時は 『サー』づけです。

『ここが国務省のビルですか』 とセキュリティーに尋ねると、

『イエス、サー』

みたいな。

地下鉄の駅の自動券売機でお釣りを忘れると、

『サー』

と後ろに並んでた同じ客から呼びとめられました。『ミスター』、ととか、ヘイ、とか呼ばれない。
普通にそう呼ぶ習慣になってるようです。

フレンドリーってことは無いんですな、これが。
私が、お釣りを取りに戻っても、別に笑顔を交わすわけじゃない。

むしろブスっとしてるおっさんの方が多いんで。
全体として、職業がらストレスがある、というか、緊張のある生活をしている人が多いのではないかと想像したりして。

私はロンドンに行った時は一度も声をかけられませんでしたが、ワシントンでは4回も道を聞かれました。

地下鉄で3回、この列車はどこそこへ行くか、この駅はどこか、みたいな。ワシントンの地下鉄は薄暗いんで確かによくわからない。乗っててもアナウンスが聞こえにくい。米国人にとっても分かりにくいようで。

もう一回はジョージタウンの高級住宅街を歩いてて、自動車が近づいてきて、クラクション。
何事かと思えば、ドアが開いて、『ジョージタウンホスタルはどっち』。

上海に行った時に、上海ギャルに声をかけられたことはありましたが、道を聞かれたことは無かったですな。

面白いことに、韓国プサンに行った時は、毎日のように道を聞かれまして、場合によっては一日に二度も三度も。

想像するに、韓国は儒教国家で、中々、女性が男性に声をかけずらい。道を聞くのもはばかられ、私のようなお人好し風情のお兄ちゃんに、聞いてみようか、と周りに沢山いた韓国男性を差し置いて、私に道を聞いてきたんだと思います。

ワシントンも道を聞かれた回数からして、同様の対人関係の距離感みたいなものがあるのかも知れません。

それにしても、そんなんで良いんカナ、オレっ、て感じがしないでもありませんがね。




ジョークですべった柳田大臣  ロンドンエコノミスト

2010-11-23 10:46:33 | ロンドンエコノミスト
ワシントンに一週間ほど行ってただけなんですが、日本に帰ってきて、尖閣のビデオの問題をまだテレビでやってて、しかもだんだんエスカレートしてるのを観てて、とってもイヤーな感じになったんですな。

何と言うんでしょうか、とにかく退屈で観ていられない。
そもそも、面白くないんですな。

こんなに政府はバカですよ、と同じネタを何回も繰り返して、子供を相手におどろおどろしく説明している、という感じがして、どうも・・・。視聴者が子供というんじゃなくて、説明の仕方が子供を想定しているように見える。

で、そろそろ尖閣に飽きたと思ったら、今度はこれって感じで出てきたのが、大臣問題で、ロンドンエコノミストに論評が出ています。







The joke that fell flat

What his resignation has to say about Japanese politics is anything but funny.

大臣の辞任は、日本の政治がお笑いだとしか言いようがない。


It was intended as a self-deprecating comment to a group of well-wishers—and he went on to say that it was adherence to the law that required him to say what he said. However, the opposition and the national media distorted the meaning of his comments by leaving out the last part, which had explained why he had no option. A week later, they had his scalp.

支持者の前で、謙遜して述べたものだ。それに続けて、そう答弁することは、法が求めていることであると言っているが、野党やメディアは大臣の発言の趣旨をゆがめて後半部分を飛ばしてしまった。後半部分はそもそも彼に、そういう答弁しかできないということを語ったものなのだ。一週間後、彼らは、大臣の首を取ってしまった。

ちなみに、この、後半部分というのは次の通り。

実際の話はしゃべれないもんで。あとは「法と証拠に基づいて適切にやっております」。この二つなんです。何回使ったことか。使うたびに野党からは責められる。「何だそれは。政治家としての答えじゃないじゃないか」。さんざん怒られます。ただ、法務大臣が法を犯してしゃべることはできない。当たり前の話なんですけどね。

大臣として、個別のハナシをすることは、そもそも法律として禁じられているのだ、と彼はフォローを入れているわけですな。


This is part of a tiresome routine in Japanese politics. Ministers come and go for what often seem to be minor transgressions. The rot starts at the top. Japan is on its sixth prime minister since Junichiro Koizumi finished his five-year term in 2006. Since Mr Koizumi left, 11 politicians have served as agricultural minister, with the shortest reign lasting for only eight days. Japan has also seen eight finance ministers, seven defense ministers, and six foreign and interior ministers respectively, in the same period.

これは、日本政治のうんざりするようなルーティンの一つだ。ちょっとした逸脱に見えるようなことが原因で、大臣が次々に代わってしまう。そうした劣化はトップから始まっており、首相は小泉首相から6人目。農相は11人目で、一番短いのは11日しか持たなかった。8人の財務相、7人の防衛相、6人の国土交通相。

What’s more, it shows how expendable ministers are, which undermines the authority of those who remain. The ruling Democratic Party of Japan (DPJ) let Mr Yanagida go in order to save the supplementary budget that is currently discussed in the Diet.

どれだけ大臣が使い捨てかが良くわかるが、そのことは現職大臣達の権威を傷つけるものだ。民主党は、補正予算を救うために柳田を辞めさせたのだ。

他にもこの記事は、管総理がヘロヘロで、柳田大臣を救う力が無いハナシや、日本のメディアが、支持率調査をやり過ぎで、しかもその調査が政治選好などより感情的な推移を追いかけていることなどを批判しています。

私もこの記事に同感ですな。

テレビで柳田氏の実際の発言を観た時に、そうとしか答弁できない、ということをはっきりおっしゃってたんで、まあ、最初は冗談から初めて、きちんとフォローを入れる、という普通のスピーチのように思えました。こういうスピーチは誰もが行うんじゃないですかね。

鳩山さんが半年で辞めた時も思いましたが、トップが短期で辞めるというのは、国民にとってかなりの損失なわけですな。大臣職を軽んじて、けしからん、無能だ、と言って辞めさせていれば、単に物事が前に進まなくなるだけですね。

大臣が無能すぎる? 少なくとも、何年かやってみないと無能かどうか、わからないんじゃないでしょうかね。それに無能かどうかは、今回の発言とはちょいと関係がないんで。閣僚名簿がそろった時に批判すべきでしょう。

一内閣一閣僚、ってのは、小泉さんが言ったんだと思いますが、これが本来の姿なんでしょうな。

内閣を揺るがせる大失言??

アホくさ。

オバマ vs 保険会社

2010-11-21 22:23:32 | 政治
オバマケアが結局骨抜きにされて、公的保険、いわゆるパブリックオプションは盛り込まれなくなってしまう。そういや、パブリックオプションがどうしたこうした、と一時しきりにニュースで流れてたのを思い出しますな。

製薬業界は09年に大変な金額をロビイングに投入したんでした。

で、週末に、デモクラシーナウを観ていたら、こんなインタビューが出てまして、まあ、偶然と言うか何というかオバマケアについて、のインタビューでして、タイミングが良いですな。

共和党が下院で多数ってことになったんで、当然ながら、これからどうなって行くんだろう、って感じですが、オバマケアの今後について、予想してるんですな。

ゲストは、WENDELL POTTER氏。こないだまで長い間、保険会社でスポークスマンをやってて、今は立場を変えて、内部告発する側に回ったってことなんですが、




AMY GOODMAN: It’s very good to have you with us. What do you think is going to happen in Congress?

エミイグッドマン:

今後、連邦議会はどうなって行くと思いますか。

WENDELL POTTER: I think you’ll hear—it’ll be sound and fury, for one thing. You’ll see that the Republicans in the House, who will be chairing committees, will be having a lot of hearings. They will be going through the motions of repealing the legislation. We’ll see it on the Senate side, too. But they are not really genuinely serious about that. They—in their comments on TV, that we just saw, they’re talking to the people who elected them, not to the people who finance their campaigns, like the insurance companies.

ポッター:

彼らは、廃止に向けた動きをしてゆくことになるでしょうが、彼らは純粋に、真剣にそれに取り組むのではありません。テレビでそう言っているのを観るだけです。有権者向けにそう言ってますが、選挙資金の支援者に対して言っているのではありません。保険会社のような。

AMY GOODMAN: But don’t the insurance companies like this legislation?

しかし、保険会社は、オバマケア法を気に入らないんでしょう。

WENDELL POTTER: They do. And that’s why this will not be repealed. They like a lot about it. This legislation, we call it "healthcare reform," but it doesn’t really reform the system. There are a lot of good things in there that does make some of the practices of the insurance industry illegal, things that should have been made illegal a long time ago,

いえ、そうではありません。その法律が気にいっているので廃止にはならないのです。この法律の大半を彼らは気にいっています。ヘルスケア改革とは呼んでいますが、本当の改革などありません。沢山の良いことも盛り込まれていて、保険業界のいくつかの行為を違法にしますが、もともと、それらはもって昔から違法とされるべきだったことがらです。

・・・

And they—it was their biggest need in this legislation, the other being the—making sure that the public option was not included in the legislation. But they want this to go forward with that provision. They just don’t like some of the consumer protections in the bill.

最も大きなニーズは、パブリックオプションが法律に盛り込まれないことでした。法律自体には賛成だったのです。
ただ、その中に含まれている、消費者保護条項については、気に入らないだけです。

・・・But it doesn’t reform the system. It is built around our health insurance system, as the President said. And they want to keep it in place, because it also guarantees that they will have a lot of new members and billions of dollars in new revenue in the years to come.

システムを改革などしません。大統領が言ったように今のヘルスケアシステムの周囲に組み込まれるだけです。
彼らはシステムはそのままにしておきたいのです。なぜならば、オバマケアは沢山の新顧客と数十億ドルの追加売上を今後もたらすことを保証してくれるからです。



焼け太り。

どっかの国のお役所のハナシに似てますな。

問題が発生して批判されてたと思ったら、改善するために予算倍増、みたいな。


ってことで、共和党幹部が、いくらオバマケアは廃止だ、とテレビで言ったり、演説したりしても、本心では、そんな気はさらさら無いってことで、形だけの委員会やヒアリングをやって、それでおしまいになるって感じです。



まあ、消費者保護関連の、規制をいくつか廃止ってことにはなるかもですね。


この内部告発のポッターさん。今度本を出したんで、インタビューに出てるんですね。

Deadly Spin: An Insurance Company Insider Speaks Out on How Corporate PR Is Killing Health Care and Deceiving Americans
クリエーター情報なし
Bloomsbury Pub Plc USA


さんざん、保険会社のために、長ーい間、働いて、稼ぎまくった後は、引退して内部告発に回る。

良心が痛むんならもっと早く痛むべきじゃあ・・・。

ウーン、エコノミックヒットマンもそうですが、一粒で二度おいしい、ってか、そんなんアリーッ??

インタビューフルバージョン

オバマケア vs   ロビイスト

2010-11-19 02:05:18 | 政治
オバマケアにこぞって反対の共和党が、下院で多数派を締めることになって、今後はオバマケアつぶしに動くことになるんでしょうな。たとえば、

オバマケアに予算を付けない、とか。

オバマケアを撤回する法案を通しても大統領に拒否権を発動されちゃうんで、2年後は共和党から大統領を、とか。

まあ、それは良いとして、少し時間をさかのぼるんですが、オバマケアの成立に至る過程について、ちょいと振り返っておこうと思います。いや、前回、下院の権限分散でロビイストのバトルが、また激しくなりそうだ、というハナシが出たんで、ここしばらくの動きについて、ちょいと確認をしてみたくて。

良い動画がなくて、これはFoxなんですがね。


Foxが取り上げてるってあんましカンケーネーって感じかも知れませんが、これ09年の動画で、ヘルスケア法案についてロビイストが活躍しているコトを取り上げてるんですな。今話題になってるCharles Rangel氏も出てますな。とにかく、検索してみればわかりますが、去年は、この話題のニュースが多かったようです。ロビイストが、阻止に動いている、とか、ロビイストに介入されないように民主党議員が秘密裏に・・・、みたいな。

たとえば、これはワシントンポスト09年7月ですが、

Lobbyists Spend Millions to Influence Health Care

Drugmakers, hospitals and insurers continued to pour millions of dollars into lobbying during the second quarter of this year, hoping to limit the damage to their bottom line as lawmakers and the Obama administration wrangle over landmark health-care legislation.

議会や政権がヘルスケア法案を巡って戦っている中、法案による利益に与えるダメージを抑えようと、製薬会社や病院や保険業界が、引き続きこの第2Qもロビイングに数百万ドルの資金を投入している。

とまあ、ゴンゴンお金を使っていることを、あれこれ名前を出しながら伝えている記事なんですな。


で、実際に、去年のロビイストの動きがどうだったのか、

これはたまたま見つけたサイトなんですが、オープンシークレットと言って、ロビイングの動きを追ってるみたいなんですけど、これまでの、ロビイングに使ったお金を業界別だとか主体別に追ってるんですな。

画像も貼っときましたが、製薬業界のこの十数年の動きです。
ものすごい勢いで増えてますな。クリントン時代から増え続けてますが、ブッシュになってから、あるいは議会多数派が共和党になってからは加速度をつけて増えてきてたんですね。


Pharmaceuticals/Health Products



さらに、見ておわかりの通り、09年の支出がいかに特出して増えたか、が良くわかりますよね。

では、それだけ支出してどうだったのか。オバマケア成立しゃったわけですが、効果があったのか。ここ数年の動きについて、このサイトではこう説明しています。

Pharmaceuticals / Health Products: Background

The pharmaceutical industry has traditionally supported Republican candidates. But as Democrats have seized Congress and the White House in recent cycles, industry advocates have steadily become more generous toward traditional foes. These companies’ contributions split evenly during the 2008 cycle, after the GOP received two-thirds of drug company contributions in the run-up to the 2006 cycle.

製薬業界はもともと共和党候補を応援してきたが、議会とホワイトハウスを民主党が握ってから、業界はこれまでの敵にも気前よくなって、08年には民主党にも同額を提供。それ以前の06年にかけては、共和党は3分の2を受け取っていたのだが。

The pharmaceutical industry in particular will likely fair better this decade now that President Barack Obama’s initial plan to institute a public health insurance did not become a part of sweeping health care reform legislation signed into law in 2010. A government-run plan, because of its size, would have had considerable negotiating power to draw down drug prices.

製薬業界は特に、この10年は良い感じになりそうだ。オバマ大統領が当初計画していた公的保険は、2010年に署名されたヘルスケア改革法案に盛り込まれなかったからで、もし盛り込まれていれば、政府が運営する公的保険は、その規模からして、薬品に対する強大な価格競争力を持つことになり、薬品価格を引き下げていたかもしれなかった。

とまあ、こんな具合で、製薬業界の圧勝。

ロビイングはペイする、ってことのようですな。

このヘルスケア法案を巡っては、成立した時に、左派のマイケルムーアが激しい言葉で、オバマ大統領を批判してたことをご紹介してますが、これだと、業者をますます肥え太らせるだけじゃないか、みたいな批判でしたよね。

マイケルムーア オバマに幻滅

政府が運営するかどうか、が、結構な問題だったわけですな。

オバマ大統領がデイリーショーに出た時に、やろうと思ったことを100%できたわけじゃないけど、結構やることやったじゃん、できてないところを皆は攻めるけど・・・、ってこぼしてた感じですがね。そんな簡単なモンじゃないんですよ、と言ってた竹中さんを思い出したりして。

大企業の不公正な利益反対、アンチコーポラティズム、反腐敗、反ロビイスト、みたいな立場からすれば、これは大きな問題だったわけですね。無保険者が大きく減るんだから良いじゃないか、みたいなハナシとはちょいと違う点で、左派から反発を買ってしまっていたんでした。

まあ、そうは言っても、オバマさんだからここまでできたんで。

それに民主党がここまで負けてしまって、不満はあっても、なんとかこのオバマケアを守らなきゃ、みたいなところじゃないんでしょうかね。

ロビイストも戦略変更

2010-11-16 06:55:41 | 政治
ワシントンで、ホワイトハウスから西側にあるいてゆくと、世銀と、IMFにぶつかるんですな。結構近く。どっちもでかいリッパなビルです。隣どおしなんですね。

で世銀の1Fにインフォショップという本屋さんがあって世銀の資料や、一般の本を売ってます。スティグリッツレポートなんかが積み上げてあったり、経済関係では、結構ホットな感じな本が多くて、本好きにはお勧めです。

で、ちょっとのぞいたら、古い本を安売りしてて、これがなんと3ドル。古本じゃありません。

早速買ってみたんですね。

What Every American Should Know About Who's Really Running America
クリエーター情報なし
Plume


ブッシュ時代に出た本で、いかに政府や議会が腐敗しているか、みたいなことがいろいろと書いてある。オバマが出てきたのは、こういう背景があったのだ、と思い出させてくれますな。今でも基本的には変わっていないはずですが、オバマさんの評判が落ち過ぎて、本来のこうした問題は陰に隠れてしまってる感じもありますね。

ロビイスト、リボルビングドア、とか言う奴で。

ワシントンDCに、K Streetという通りがあって、そこにロビイストの事務所は集中しているらしいんですが、しまった、行ってない。本書を帰りの飛行機の中で読んでたんで、間に合わず。ガイドブックにもそんなことは書いてなかったし・・・。

さて、今度の選挙で民主党から共和党に下院の多数派が変わって、様子も変わりそうで、ロビイストの動き方も変わるだろうという記事がワシントンポストにでています。

Boehner's plan to 'open things up' in the new House affects lobbying strategies

The House of Representatives may soon be a much more chaotic place to lobby.

下院はロビイングするに、いまよりもっと混乱した場所になるかもしれない。

Lobbyists say a recent pledge by the presumed House speaker-in-waiting, John A. Boehner (R-Ohio), to "open things up" by returning power from party leadership to the committees, allowing any member to offer amendments on the floor and doing away with comprehensive spending bills in favor or a piecemeal approach, will force the influence industry to change tactics.

次期スピーカーのジョンベーナーが、権限を政党リーダーから委員会レベルに移行してより開かれた場所にする、と約束していて、誰もがフロアにある法案への変更提案を許され、段階的アプローチを行うために包括的支出法案を排除したりできるようになることになるが、ロビイスト達は、そうなった場合、ロビイスト業界の戦略も変わらざるを得なくなるだろうと言っている。

政党リーダーに権限が集中していたのが、権限分散する、と言ってるわけで、

Indeed, Boehner's plan is described by many Hill veterans as a back-to-the-future approach that would return the House to the way it functioned when he arrived on the scene in the early 1990s

これは、昔帰りだ、とも多くの議会ベテランからは言われているそうで。かつて90年代もそうだったんですな。

権限が分散すると、ロビイストは沢山の議員にアプローチが必要で、
各議員にとってはおいしくなる、ということでもありますね。

権限の分散策には、どういう意味があるのか、ちょいと興味がありますな。


ちなみに、この記事では、K Streetという言葉が説明無しで出てきて、ロビイストの代名詞として使っています。



ベテランズ・デイ式典を見学  ワシントンDC

2010-11-14 12:28:16 | 政治
金曜日午前11時の飛行機で帰るので、木曜日はゆっくり過ごすか、と思いながら、朝ニュースを見ていると、オバマ大統領がベテランズデーのスピーチをしている。ああ、そうか、今日はそういう日か、と思いながらも、良く見ると、そう言えばオバマはまだ韓国。

ワシントンではバイデンがどうこう言っているので、調べると、ベテランズデーの式典があって、一般公開されている、じゃあ、行くか、と見学に行ってみました。

場所はアーリントン墓地。

私は海外に行っても、観光地には関心が無いので墓地に行く予定はなかったんですがね。
地下鉄から歩いて、墓地のビジターに行くと、そっからバスにのって会場へ。

バスに乗ってるのはおじいさんおばあさんのベテラン達や、私のような一般人。一般人も観光で来てるひとや、先生に引率された高校生くらいの連中。多分、亡くなった兵士の家族も来てて、バスに乗るところでベソをかいてるおばさんがいて、案内の兵士から、慰められている風でした。

Hey ○○、Smile,Today's your day.って言ってたカナ。

東洋人は一人も見かけず、場違いなところにきたかな、という感じもあって、バスに揺られながら自分の立場を考えたりして。

自分は、米国の軍人さんたちに感謝する立場にあるんだろうか。

無いわな。

あるいは、今の日本を守ってくれてありがとう、かつてはようやってくれましたな、ってか。

単なる物見遊山で参加するのは失礼かな、とか。

会場について、座ってると、やはり不安になったのか、東洋人が、どっから来たのか、と声をかけてきて、東京ですと答えると、自分は中国から来たんだが・・・、みたいな。

案内のサイトには、セキュリティに時間がかかるんで早めに来いと書いてあったんで、一時間前くらいについて、ずっと待ってましたが、寒いのなんの。もっと早くから来てるひともたくさんいましたが、結構つらい。ただ、そのうち陽が指してきてあったかくなってきました。

もっとゆっくり来ても良かったかな、って感じですが、サイトの案内は適確で、全く想定通りに会場に到着し、驚いたりがっかりすることは無かったですな。ヤッパ、旅行してて、ネットにアクセスできるというのは圧倒的に強いですね。去年ロンドンではつながらなくて、ガイドブックだけがたよりだったんですが、ネットにつながれば、現地についてからどこに行くか決めて良いんで。

案内しているサイトです

で待ってるうちに、式典の30分前から海兵隊のバンドの演奏が始まって、

これがうまいってか、すごい。とにかくチョー一流で、良いもん聞かせてもらいました。

式典というのがドンなもんか。動画を貼っときます。

これがホワイトハウスパージョンで、



こちらはC-SPANのフルバージョン。こん中に私も映ってるはずですが、後ろの方なんで見えないですな。

Veterans Day Observance

いろんな人のスピーチやらがつづきますが、副大統領のジョー・バイデンのスピーチがクライマックスで、会場が拍手して出迎え。

負傷した兵士を見舞うんで病院に行った時に、片足が腰まで吹っ飛ばされたベテランが奥さんと居たが、そのベテランがなんと言ったか。

敬礼できなくて申し訳ない。

副大統領として何でもするが、と聞くと、では私の隊を返してくださいと言った。みたいなハナシをされてました。

会場にはオシャベリするような不届きものは一人も居ず、皆神妙に聞いてて、厳粛感が漂います。

バイデン・スピーチはその後だんだんレベルが現実に降りてきて、

この厳しい支出削減の折、そこにおられるスピーカー、ジョン・ベーナーもよくご存じのとおり・・・ベテランへの予算は増やしてます、って、ヤッパ政治家でんな。

ベーナー氏にチョー気を使ってるのもよくわかりました。3回くらいベーナー氏の名前が出てきましたね。

賓客席に、ベーナー氏は座ってて、オレンジのネクタイで、お人形のような顔。遠くからでも良く目立つ。

ベーナーは、バイデンのスピーチが終わったところで、逃げるように帰って行かれました。こういうところは日本と同じですね。多分、今はめちゃめちゃ忙しいんでしょうな。新しい下院の委員会の人事とか、と勝手な推測をしながら背中を見つめてました。

まあ、生でバイデンスピーチを聞けたことや、生ベーナーを見ることができたんで、物見遊山的には十分満足なんですが、胸に手を当てて、忠誠の誓いを全員で唱えたり、ガッドブレスアメリカを全員で歌うところでは、ついていけません。

誓いの言葉や歌詞を知らないし、外国人に誓われても困るでしょうしね。

米国民の統合のための式典なんですな。

式典に見学してて、こういうの日本でどうなってるのかな、とちょいと気になりましたね。

まず、ベテランを讃えるなんて発想はないし、メディアでは、戦地でのひどいハナシばっか取り上げられてますなあ。
戦死者は、ヒーローじゃなくて、被害者って感じだし、靖国神社のハナシになっちゃったり、で、

米国のカッコ良さに比べて・・・。

ただ、ジョーバイデンが墓地からクルマで出て行くまで、一般人は墓地のジジターセンターで一時間も足止めで、ずっと門が閉まってて外に出られない。何の説明も無い。皆文句も言わずに黙って待ってましたが、こういうところは、連邦政府が一般人を屁とも思ってない感じがして、ちょいと怖かったッす。


意外に身近だったABC this week

2010-11-11 16:00:12 | 政治
さて、ワシントンも5日目になると、博物館めぐりも飽きてきまして、歩き疲れで足も痛いし、と思いながらも、ここはちょっと気になっていたんで、ちょいとのぞいてきました。



ニュージアム。

ニュースとミュージアムをかけてて、なんて説明は無用ですね。これが、まあ、ニュースの歴史や社会に与えた影響や、ジャーナリストの仕事なんかを取り上げてまして、他の博物館がアメリカの歴史、独立や南北戦争やなんかだとしたら、ここは現代的なメディアを扱っているんですね。

内容も面白そうだし、面白かったんですが、

ここは、また別の意味で、興味津々。

実は、ここで、このブログでもしょっちゅう紹介している、政治ディベート番組、ABCのThisweekの収録が行われているんで。いや、ガイドブックを見ているときには気づかなかったんですが、

シャトルバスで前を通ったときに、どっかでみたことあるな、このビル。
そういえば、ペンシルバニアアベニュー沿いだなあ、

アッ

そうですな。番組の初めに、首都ワシントンニュージアム、ペンシルバニアアベンニューからワシントンコレスポンデント、ジョージステファノポリスがお送りします、

というナレーションが頭にこびりついて、はた、と思い出した次第。
この動画の最後の20秒あたりです。カッコ良いナレーションです。





今は、モデレーターが、ステファノから、クリスチアン・アマンプアに替わってますが、収録場所は同じ。

ABC This Week with Christiane Amanpour

ここの3Fにスタジオがあって、

スタジオを時間を決めて見せてもらえるみたいで、随分前から待ってたら、また私一人。その後、家族ずれが加わって、中に入れてもらいました。

なんで、日本人のオレが一番熱心やねん、と思いながら、ガイドのおばさんのお話を聞いたり質問したりしたんですが、

スタジオはガラスの外壁で、陽射しが入って明るくて、床には黒いゴムのシートが敷いてあって、バツ印がチョークでかかれてて、『ここにアーマンプアが座るのよ』とのこと。

シートが敷いてあるのは、ものが落ちたり、椅子を動かしたときに音が出ないようにしてるんでしょうね。

ガラスのテーブルが部屋の端においてあって、シートがかぶせてあり、椅子もその辺に無無造作に重ねてある。本番ではきれいに見えるが、なんじゃこれ、みたいな感じです。意外に狭くて、はしごやら、プラスチックのThisweekと書かれた掲示やら、上からはライトがぶら下がってる。とにかく、映像の印象では、きれいなビルの一室という感じですが、実態は作業場に机と椅子を置きました、ってとこですね。

それでも、このテーブルに、この椅子に、アマンプアや、ジョージウィルや、クルーグマンが座るんだと思うと、ちょっとした感動でして。


おばさんの説明では、

1.朝は、キャピトルヒル側から太陽の光が入るので、ガラス壁にフィルムを貼ったりしてスタッフは結構大変みたい。
2.インタビューは別に収録。ラウンドテーブルコーナーはライブ。ゲストは直前に入るが、アマンプアはもっと前から入って準備。
3.番組冒頭にアマンプアがスタジオの外の3Fニュージアムの通路で、プロローグのナレーションを入れるが、そのときは、客をシャットアウト。ただし、客も違うフロアからアマンプアを見ることができる。建物は真ん中が吹き抜けになってて、通路は違う階からも見れるんですね。

しまった、日曜日に来るんだった。

4.ランドテーブルで、ゲストがマグカップで飲んでるのは、多分コーヒーだけどよくわからない。多分濃いのじゃないわね、とのこと。

私がしつこく質問するもんで、ひと通り終わったあと、家族ずれが帰った後に、他に質問無いか、とちょいとハナシになって、

『あんたどっから来たの』

『東京です。ネットでこの番組は毎週みてますよ、ジョージステファノ、アマンプア。とても興奮しています』

『私はアマンプアが好きよ。彼女はとてもスマートだと思うわ、あなたはどう思う』

『アグレッシブで、とてもリベラルだと思います。ジョージウィルはそうじゃなくて、とってもバランスが取れてていいですね』

ハハハ、オーサンキュフォーカミング、と笑って、握手して終わり。

彼女も、このスタジオ見学の人気が無いのに納得いかないんだと思いますが、太平洋はるかかなた日本から理解者を得て、うれしかったんでしょうな。

今回の教訓。

ワシントンに行くことがあったら、日曜日の午前中は、ニュージアムを訪問すべし。