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97年に何があったのか 平成10年問題

2010-12-13 01:14:19 | 平成10年問題

こないだご紹介した『デフレの正体』ですが、この週末改めて読み返してみたんですな。

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング)


よく読むとアラも目立つ本ですな。

ってか、後半に理論を一生懸命説明しているんですが、どうも間違ってるってか、著者の理論に対する理解が今一つで、自分でも何を説明しているのか分かってないんじゃないか、みたいな箇所が、いくつもあるようで。

まあ、あたしゃシロートなんで、とやかく言える立場じゃないんですがね。

アラについては後日、ヒマな時にネタとしてご案内するとしても、さすがにベストセラーになるだけあって、欠点を差し引いても価値ある本だ、ということも読み返してて良くわかりました。

その辺も別の機会にまとめてみようと思いますが、

今日は、平成10年問題の続きです。

平成10年になにがあって、それ以来、日本経済なり日本社会は何が変わってしまったのか、というテーマで、しばらくこのブログでやってたんでした。そう、平成10年から日本の自殺が急増して、3万人を超えてもとに戻らない。

よく見てみると、平成10年橋本政権時代に10兆円レベルの緊縮財政をやってて、それで経済が失速したから

という見方をここではとってたわけですが、

じゃあその後、小渕政権時代に緊縮をやめたし、小泉政権時代に経済も戻したはずなのに、

なぜ自殺が減らないのか、という問題にうまく答えられない。

って感じで、ずっと引っ掛かってたんですが、

デフレの正体の中で、

国内新車販売台数、全国小売販売額、雑誌書籍販売部数、国内貨物総輸送量、蛋白質や脂肪の摂取量、国内酒類販売量など、経済の対応をあらわすいろんな指標が96年~97年をピークに一斉に下がった、と書いてあって、

その理由は、人口動態で説明できる、

としているんですね。実はハシモッちゃんだけの責任ではないかも知れない。他にも問題があったのかも。

で、この辺はデフレの正体の藻谷ちゃんも、詳しい説明はしていなくて、そもそも97年が人口の異変以外でも注目されている、なんてことをご存じ無かった可能性もありますね。

とにかくもう少し詳しく、97年の転換点がどんな感じだったか知りたいわけですが、

探してみると、ありました。

人口構造の変化で未来は予測できるか?

この図、冒頭にも貼っときましたが、

よく見てください。97年に棒グラフのピークが来ていますね。

人のライフサイクルでもっとも多く支出する45歳~49歳人口の推移を表にしたものなんですな。

97年をピークにその後急激に落ちている・・・。

藻谷氏は、2000年代前半の好景気にも関わらず、一般の景況感がアンマシ良くなかった理由を、内需の減速がつづいたこと、その原因は人口動態にあること、を上げてまして、つまり、2000年代前半の好景気は輸出主導で、内需は悪いままだったから、好景気を実感できなかったということです。

確かにこのグラフを見れば、97年がピークに下がり続けていることが良くわかりますね。

外需主導の景気回復では、自殺率を改善しなかった、ということですね。

景況感の改善には、内需を改善しなければならないが、内需改善は人口減少下、とっても難しい、

ってことでもありますな。

とまあ、少しスッキリしました。自殺はGDP連動じゃなくて、内需連動だった(みたいね、証明は難しいかもしれないけど多分)。




さて、表だけ引っ張ってきている野口教授の連載ですが、ここでも人口を扱ってまして、まあ、今年は人口論が流行ってたってことなんですかね。

野口教授の連載についても、ちょっと突っ込みたいと思いますが、それもまた別の機会に。



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