会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

ピーター・ジェニングス ドラッグ『エクスタシー』

2010-01-31 22:05:25 | 政治
英語圏のコンテンツはスゲーぜ!!、シリーズ、なんですが、まあ、こないだ、モンサントのエグさをえぐるドキュメンタリーから、マクドナルドの何カ月たっても新品ポテトやら、それに、ローリングストン誌に出てた、お笑い金融噺もありましたが、

今日はこないだ亡くなったABCのピータージェニングスのドキャメンタリーです。

Ecstasy Rising (1of 5)


ピータージェニングスは肺がんで亡くなって、もう彼の番組を観ることはできませんが、こうやってネットにはアップされてるんですね。911のときには他の番組をぶっ飛ばして実況を続けた骨太野郎で、ブッシュが戦争にもっていって全米が盛り上がってるときに、ブッシュをけなしてるとか、イスラム支持派かみたいな批判も受けたんですな。ちょこっとでも水をさすようなことを言ったら、非国民扱いされてた時期があったんで。

イラク問題でブレアが審問されている、なんて当時では想像もできなかったことですな。

さて、この動画、ドラッグのエクスタシーについてジェニングスがレポートしています。エクスタシーと言えば、あちらにお遊び留学ししてはまってどうしたとかいう小説を読んだような気がするんで、ただ、その時のドラッグがエクスタシーで・・・。とにかく、出てくるドラッグの名前が多すぎて、良くわからなかったんですな。

このレポートを観ると、エクスタシーの占める大きな影響力、というか位置というのがわかるんですな。

ドラッグミュージック、というのも、なんでやねん、と実感がわかなかったんですが、これを観ると、なるほど、と納得。米国の大衆文化の半分は音楽で、半分はドラッグ。ハハーン。そうでっか。あのパッパラパッパラ、というリズム中心の音楽は、エクスタシーをやってると、とっても気持がいいってことで、音楽だけじゃ、足りないんですな。

ちょっとびっくりなのは、この三大ネットワークのABCでこれをやってるということ。政府がエクスタシーには一回の使用でも脳にダメージがある、とキャンペーンを張っているのに、イギリスまで出かけて行って、そのハナシはウソ、みたいな番組になってます。

米国政府は、政策遂行のためなら、自国民に平気でうそをつくって感じで、別に海外の資源国相手だけじゃないんで、まあ、一貫してるといえば一貫してますな。


もともとエクスタシーは、ダウを引退した偏屈科学者が、自前の研究室に閉じこもってて作りだした人工薬物で、最初はセラヒー用の薬品として、広まったのが、やがて健康な人にまでこれは良い、と爆発的に広まってしまった。最初は合法だったが、やがて非合法化され、違法でまぜものの入った裏薬物が取引されるようになって、却って危険な状況にあって・・・。

偏屈科学者のくだりはホントにマンガみたいなんですがね。

エクスタシーは、効いている間、人を恐怖から解放し、人を信じられるようになり、世界観が変わる、と経験者の証言を沢山紹介しています。

PTSDで、日常生活ができなくなった人が、エクスタシーによってまともな生活が送れるようになった、とかいう証言もあります。イラク戦争から引き揚げた兵士をこの薬は救うことになるんでしょうか。

とにかく、非合法化された後もエクスタシーは広がり続けていて、なんとかせえよ、というのがこのレポートなんですが、エクスタシーは、他のドラッグとは別格である、という説明でもあるんで。

こういうの観てると、ピータージェニングスってスゴイおっさんだったんだなあ、と改めて思うんですな。

ここのブログはシステムとしてyoutubeとニコ動しかのっけられなくて(大企業がやってるやつはだめね、やっぱり)、5本分割のyoutube版をはっときますが、google動画には同じ名前で、一本で画質の良いのがでてます。そっちもどうぞ。





トニー・ブレア イラクヒアリング ロンドンエコノミスト

2010-01-31 12:15:26 | ロンドンエコノミスト
11月にロンドンに行ってた時に、欧州大統領が決まったんですが、その少し前まではブレアだってあり得る、みたいな感じだったんですな。

初代大統領だし、『大国EU』を代表するんでそれなに影響力のある人を、ってことなんですが、トニーブレアには問題があって、

それがイラクなんで。

イラクインクアイアリー、別名シルコットインクアイアリーで、トニーブレアが呼ばれてます。これ、イラク侵攻でイギリスが果たした役割について調査するために、ブラウン首相が提唱して始めたものみたいですが、いよいよブレアが呼ばれるぞ、みたいな盛り上がりがあって、ちょっと気になってたんですな。

Iraq Inquiry: Tony Blair gives evidence



といっても、ブッシュさんも小泉さんも、全くお咎めなしの関係なし、みたいな感じですが、イギリスは、まだまだ、徹底的にこだわってて、元首相も呼び出して問い詰めているんですね。ブレアは6時間もかけて質問されてます。




いろいろ報道は出てますが、ここは簡潔、辛口のロンドンエコノミストでしょう。

Tony Blair's 2010 vision

He maintained that he would have wanted to confront Saddam even if he had known the Iraqi dictator had only an intent to acquire WMD, rather than the things themselves: “The decision I took—and frankly would take again—was if there was any possibility that he could develop weapons of mass destruction we should stop him.” That, of course, was not the case he made, and it would have been a tough one to sell.

もし、フセインが大量破壊兵器を持っていなくて、持とうとする意志を持っていただけに過ぎなかったとしても、フセインに立ちはだかり止めねばならなかった。

ブレアはフセインが大量破壊兵器を持っているという理由でイラクに侵攻したわけですが、当時、持とうとする意志だけで、実際に持っていないのに攻撃するべきだったかといえば、

それはちょっとムリやろtough one to sell、と記事は突っ込んでるんですね。

この辺が、ロンドンエコノミストの良いことですな。


Mr Blair’s explanation of his world view hinged on the terror attacks of September 11th 2001. This, he said (as he has done previously), created a “different calculus of risk”, in which the possible collusion of rogue states such as Iraq and terrorists could not be tolerated.

ブレアは、911事件によって、リスクの計算が変わってしまったと説明。イラクのようなならず者国家と、テロリストとは潜在的に癒着共謀するリスクがあって、それは耐え難かったと説明。

The trouble with that argument, as Mr Blair’s questioners gently pointed out, is that there was and is no proven link between Saddam and al-Qaeda, and indeed many reasons to doubt that such a link, between religious fundamentalists and a Baathist tyrant, was even feasible. Unlike the Americans, the British acknowledged as much before the war, and Mr Blair did so again at the inquiry.

この議論にもムリがあって、サダムとアルカイダにはなんら関連があるとは証明されておらず、イスラム原理主義者とバース党の独裁者との間になんらかの関係があった可能性さえ疑うべきたくさんの理由があった。米国と違い、英国は開戦のずっと前からそのことを認識していたのだが、ブレアはここでも同じ議論をした。


He filled the gap in his argument by waffling about the risk posed today by Iran, also roping in Yemen and Somalia. It sounded like a distraction.

そのムリを埋めるために今のイランやイエメンやソマリアに発生しているリスクと混ぜ合わせたが、それはハナシのすり替えに聞こえる。

His greatest distraction, or deflection, however, was what he termed the “2010 question”: “What’s important is not to ask the March 2003 question [ie, whether it was right to wage war], but to ask the 2010 question.” Mr Blair speculated that, had Saddam not been deposed, with the oil price at $100 a barrel, “he would have had the intent and he would have had the means [to produce WMD], and we would have lost our nerve.” In other words, it would have been worse if America and its allies hadn’t acted. That, of course, will never be known.

一番ひどいすり替えは、2010年問題とブレアが呼んでいるものだ。重要なのは、2003年の戦争が正しかったかではなく、2010年でどうなんだということ。もし、サダムが排除されていなければ、そして、オイルが100ドルもしていたら、サダムは大量破壊兵器を開発してて、我々は我慢できなかったはずだ、言いかえれば、米国とその同盟国が行動を起こしていなければ、もっと悪い状況になっていた、というわけだが、そんなこと勿論、誰にもわからない。

ハハハ、そうですな。

And he struggled to explain a recent interview in which he seemed to suggest that he would have favoured invading Iraq even in the absence of a WMD threat—a compromising remark that he repudiated, attempting to laugh it off as naivety in the face of an interviewer.

大量破壊兵器が無かったとしてもイラクを攻撃してよかったと確信しているようにもとれる(ブレアは否定しているが)最近のインタビューについても、苦労しながら説明した。ブレアはインタビューアーの率直さを笑い飛ばそうとしていたのだが。

The old charm fell flat at that point.

その時、ブレアの昔の魅力は消えていた。

この一文を記者は書きたかったんでしょう。ブレアの政治家としての光はちょっと、もう・・・みたいな。

ちなみにロンドンエコノミストは今年の選挙で労働党は負けて政権交代が起きると予想してます。

He conceded that Britain’s military planning could have been more open at an earlier stage, and said that intelligence assessments (on WMD) could have been published raw, rather than assembled in a government dossier.

侵攻計画について、もっと早くから公開すべきだったことは認めている。情報機関の大量破壊兵器に関する見立てについても手を加えず生のままで出すべきだったとも述べた。

Nobody,” he said, “would want to go back to the days when they had no freedom, no opportunity and no hope.”

Finally he said he felt “responsibility, but not a regret for removing Saddam Hussein…I genuinely believe that the world is safer as a result.”

誰も、自由と機会と希望の無かった過去の時代に戻りたいとは思っていない。責任は感じるがサダムフセインを排除したことに後悔はない。結果として世界はより安全になったと本当に信じている。

政治の判断は結果責任で、ということで良いんでしょうが、大っぴらに、しかも、まだ歴史になっていない生生の段階で、それを言っちゃまずいって感じじゃないですかね。

この記事はかなりきびしくブレアをみていて、無茶言うな、ってとこですが、
面白かったんで長めに引用してみました。





ネットワーキング 世界ランキング ロンドンエコノミスト

2010-01-31 04:13:57 | ロンドンエコノミスト
ロンドンエコノミストに、ソーシャルネットワークの各国ユーザー使用時間ランキングが出てまして、

Twittering classes

Where users spend most time on social-network sites
Jan 29th 2010 | From The Economist online

まあ、どこの国の人間が、ソーシャルネットワークサイトを長時間使ってんだ、というわけなんですが、

SOCIAL networks are now a ubiquitous part of daily life in western countries. Facebook, for example, which was launched in 2004, now boasts over 350m users, more than two-thirds of them outside of America.

2004年に出たフェイスブックみたいなサイトの使用時間のことですな。3.5憶人のユーザー。ヒャーっ。桁がちがいますな。3分の2は米国以外のユーザーだとかで。

The keenest social-network users, Australians, spent over seven hours a month on such sites, “poking” friends and “twittering” in late 2009, twice as much as users in Japan. Yet making big revenues and profits from such habits remain Facebook’s greatest challenges.

意外にもオーストラリアが一位で7時間超。一位が7時間ってちょっと短い感じがしますね。これ一か月の数字らしいんですが、ちゃんとはまってるユーザーならこれで済むわけないですな。まあ平均値だとこんなもんなんですかね。

上位はオーストラリア、イギリス、米国と見事アングロサクソンで決まりって感じですが、意外にイタリアが3位です。欧州以外では韓国、日本がランキング入りですが、これ、mixikのような日本語サイトが入ってるんですかね。もっと上位でもおかしくないような・・・。

欧州、アジア外ではブラジルが入ってますな。経済の好調を反映してるってとこですかね。オーストラリア、ブラジルというのは資源国つながりですかね。国の勢いの繁栄としてみれないこともないかな、いや、イタリアが上過ぎ? 日本は?、はあ・・・。

中国は当然入ってませんがね。

まあ、ネットの世界もソーシャルネットワークが主流になってきてるってことですな。私は今一つ乗り切れないんですが。





ところで、ついでなんですが、

このサイトでは、ロンドンエコノミストをしょっちゅう紹介してて、半ばロンドンエコノミスト信者化してるんですが、昨年末から紙雑誌の定期購読をしてみました。まあ、読んでるヒマはないし、私の英語力では・・・、って感じですが、

定期購読するとホームページ音声版がダウンロードできて、アイポッドで聴けるんですな。この魅力に負けました。

音声版

定期購読してなくても10日ほどは無料お試しがあるんで、興味のある方はお試しあれ。全記事が読み上げられてて、各週7時間ほどあります。まあ、アイポットに入れときゃ、聴くネタが切れるということがなくなります。ただ、内容が固いし、おまけに英語で、集中力が切れたら・・・。

まあ、聴き流してるだけでも、どこでどんなネタかぐらいはそれとなく分かるし、内容が断然信頼感ありってのが良いですな。




AIG の極悪人

2010-01-30 00:33:21 | 金融
バーナンキの再任はどうやら承認されたようで、オバマさんもほっと一安心というところでしょうかね。

で、先日、ローリングストン誌の記事がすっごく良くて、誰か翻訳してくれ、と書いたんですが、まあ、さわりだけでもご紹介。文章がいいんですな、これが。

The Big Takeover

The best way to understand the financial crisis is to understand the meltdown at AIG. AIG is what happens when short, bald managers of otherwise boring financial bureaucracies start seeing Brad Pitt in the mirror.

金融危機を理解するベストな方法。

それならAIGの崩壊を理解するのが一番。

それは、普通なら退屈な官僚機構の、チビでハゲのマネージャー達が、鏡を見てて自分がブラッドピッドに見え始めたら、その時一体何が起きるのかってことだ。

爆笑。


This is a company that built a giant fortune across more than a century by betting on safety-conscious policyholders — people who wear seat belts and build houses on high ground — and then blew it all in a year or two by turning their entire balance sheet over to a guy who acted like making huge bets with other people's money would make his dick bigger.

AIGという会社は、シーシトベルトをしめて、高地に家を建てるような安全重視の人達に保険をかけて1世紀かけて富を築いてきたが、他人の巨額の資金をばくちにつぎ込むことで、あそこが膨らんでしまうような男にバランスシート全部つぎ込んで、一年か二年のうちにその富全部を吹き飛ばしてしまった。


That guy — the Patient Zero of the global economic meltdown — was one Joseph Cassano, the head of a tiny, 400-person unit within the company called AIG Financial Products, or AIGFP.

その男、世界経済崩壊の第一犯人は、ジョゼフ カッサーノ。AIGフィナンシャルフロダクトと呼ばれる会社、別名AIGFP、の中の400人ほどの小さなユニットのヘッドだった男だ。


うーん、なかなか読ませますなあ。この軽いノリで、金融危機全般を、それこそCDOからCDS、規制緩和、金融救済まで、ざざっと読ませます。これも才能ですな。ってかこういうコンテンツがそこらここらにあって、英語圏は層が厚いです。

金融問題もこういう、読みやすく、うまい文章ならシロートでも楽しみながら読めるし、簡単に全体像を理解して、政治談議にも参加できるわけですな。あの、おとっつぁん上院議員もこれを読んだんと違うかな。

ジョー・カッサーノ。どんなおっさんか。

Joe Cassano Behind AIG Mess?



で、何をやったのか。

ホントはそれが本題だったんですが、また今度。
(ニュース記事と違って訳すのに思ったより時間がかかってしまった)

日本復活するのか 半導体

2010-01-27 07:46:54 | 半導体
日経ビジネスオンラインに韓国から見た、日本企業の凋落、といったテーマのインタビュー記事がでてまして、

負けても悔しがらない国は、復活できない
韓国企業が危機意識を持ち、日本企業が持てない理由



問題の本質を象徴する事例があります。日本の携帯電話メーカーの世界シェアは過去10年間で激減し、20%以上から6%台になりました。日本人が衝撃を受けないわけがないと思っていましたが、現実は違った。本当にショックを感じている日本人に、全くと言っていいほど出会わないのです。携帯電話では10年で日本勢のシェアが3分の1以下になり、対照的に、サムスン電子やLGエレクトロニクスのシェアは2倍以上になった。明らかに事態は深刻です。にもかかわらず、負けても「仕方がない」とヘラヘラ笑っているようにさえ見える。本気になって悔しがって、必死で勝つために努力しているのか。答えはノーではないでしょうか。携帯はほんの一例で、ほかにも負ける分野が増えている。日本メーカーには技術力があり、マーケティング力が問題とも言われますが、もっと足りないものがある。「今のままでは日本の国も企業も滅びてしまう」という強い危機意識です。

こういう記事は面白いし、なるほど、と思わせてもくれるんですが、日本企業一般をひとくくりにして、えいっと論じるのはちょっと無理がありますな。まあ、面白いんですがね。

まあ、このインタビューは、日本の電機メーカーのことを言ってるようですが。

いずれにせよ、もう少し絞った話をしないと、居酒屋談義と同じで、ほとんど意味のないおしゃべりにすぎなくなります。




で、本書です。

日本「半導体」敗戦 (光文社ペーパーバックス)
湯之上 隆
光文社

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この本は、かなりお勧めです。なぜ日本の半導体産業が不振に陥ったのか、説得力をもって説明しています。

技術優先で、過剰品質のチップを作り、ニーズにマッチせず、値段も高すぎて売れない。

日本の半導体製造ラインは、韓国や台湾、米国メーカーのものよりも長く、製造装置も特注品で設備負担が大きく、おまけに歩留まりも悪くて、スキルが属人的で・・・。

問題意識がないわけじゃなくて、同じように簡素に低コストで作ろうという試みもあるにはあるが、結局、これは削れない、この品質は譲れない、とか言い出して、結局同じやり方になってしまう。

ニーズありき、マーケットありき、コスト、利益から出発する韓国台湾米の常識的な考え方が日本の半導体メーカーにはないそうで。半導体黎明期の成功体験が忘れられず、十年間、品質の劣化しない過剰品質のチップを作り続ける。PCにのっけるのに、そんな品質はいらんっちゅーねん、ってとこですかね。

ある意味、保身優先で、今までのやり方を変えることができない、ともいえるかも知れませんな。本当に成長を志向するならば、大胆に正解を求めるはずが、今までと違うことをすることができない。ミスをしたら外れる。今までの枠のなかで、ペストを出すことが出世につながる。

まあ、お役人ですな。

大胆な主張をして足をひっぱられながら無理してがんばっても、失敗したらアウト、成功しても大してメリットもない。変な奴、と思われかねない。周囲のサポート抜きで変革は無理で、サポートが得られるかどうかはかなりあやしい、ってか普通は得られない。皆、今のやり方を変えるのはいやなんだから。

と、まあ、一度本書をお読みになることをお勧めします。

日本の成長が長期低迷しているのは、こんなところに原因があるんじゃないか、とまた、私も十把一絡げのテキトーなこと、言っちゃってますがねえ。

ただ、『日本では、市場主義改革の必要性も福祉改革の必要性も、欧米よりずっと大きい』ということと関係ある気がしますね。大企業を中心に、業界秩序が整理されまくっているので、日本でやってる分にはそんな、大胆な改革するより、横並びでうまいことやってる方が良い、みたいな感じが、ズーッと続いていて・・・。高い半導体を作り続けて、低収益に甘んじてても日本じゃ立派にやってける、みたいな。大企業とそれに近いとこのハナシですがね。

これ、市場主義改革の必要性が大きい、ってことなんですな。その中にどっぷりつかって、テキトーにやってる分には良いんですが、長期的には没落の道ですな。

こないだ紹介した、『日本の新たな第三の道』って本も、こんな観点から突っ込んで書いてくれれば、読む価値が出てくるんですがね。




おまけですが、

静電気・ホコリ[ゼロ]革命―世界の工場からホコリが消える日
高柳 真
ダイヤモンド社

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この本の著者が、自慢の徐電装置を売り出しに、あちこちらのメーカーを訪問した時のこと。台湾メーカーはさっそくテスト。日本のトヨタも試行してもらえた。

ところが、日本の半導体メーカーに行ったときのこと。

『私の目の黒いうちは絶対にうちの工場には入れさせない』

と言われたそうで。

クリーンルームの品質管理をする部署にセールスに行ったけですが、こんな効果のある徐電装置が入ってしまうと、自分たちのこれまでのノウハウが無意味になってしまう。そんなことはさせるマジ、とすさまじい敵意で迎えられたとか、云々。

まあ、著者の宣伝も入ってるんで、ハナシ半分としても、さっきの本で半導体業界の保守性を知った後では、十分あり得ることだろうな、って感じもするんですな。

あーコワ。


バーナンキ危し

2010-01-25 01:00:20 | 政治
もしかしたらFRBのバーナンキが議長に再任されないかも知れない、ってハナシですが、

Bernanke second term in doubt

WASHINGTON (Reuters) - Ben Bernanke's confirmation to a second term as Federal Reserve chairman suddenly appeared in jeopardy on Friday even after U.S. Senate Majority Leader Harry Reid said he would back him.

2期目の議長に再任されるかどうか、突然あやしくなってきた。

Two Senate Democrats on Friday announced they would oppose Bernanke, citing concerns about the economy that promise to be a key campaign issue and joining the growing number of senators who have vowed to vote against his appointment.

金曜日に2人の民主党上院議員が、増え続けるバーナンキ再任に反対する側に回ると発表。


Democratic aides said a vote is expected on Bernanke sometime next week, though one has not yet been scheduled and it was unclear when, or if, it would be.

バーナンキ再任の決議は来週のどこかで行われることになるだろうが、本当に行われるか、いつになるか、まだ決まってはいない。

Noting the uncertainty of Bernanke's fate, one senior aide said: "I believe there will be the votes to confirm him. But it's going to be very close."

再任されると信じているが、僅差になるんじゃないかな。

Critics say the Fed failed to prevent the worst financial crisis since the Great Depression, and combated the meltdown in a way that favored the financial sector at the expense of ordinary citizens.

バーナンキを批判する人達は、大恐慌以来最悪の金融危機を防げず、メルトダウンと戦うにあたって、金融機関よりの対応をして、一般市民に負担を押し付けるやり方をとった、と主張。

Wall Street bankers generally have a very favorable view of Bernanke, crediting him with stabilizing the financial system with creative policies like special lending facilities for disrupted credit markets and direct purchases of mortgage and Treasury bonds.

ウォールストリートからは一般的に評価が高く、金融システムの安定化のために特別の融資制度を設けたり、モーゲージや国債の直接買い上げを行うなどクリエーティブな政策を採用したことで信頼されている。

まあ、日本では、このウォールストリートの見方が一般的なんじゃないですかね。大恐慌時代をしっかり研究している、やり手のバーナンキ。それに引き換え、日銀は・・・、みたいな。

バーナンキ批判がどんなものなのか。

これも動画で行きましょう。

このおとっつぁんが、結構言っちゃってくれてます。

Bunning Grills Bernanke, With Response


ドット上院議員がやってる銀行委員会でのヒアリングのときの動画です。銀行委員会はすでにバーナンキを承認してて、今問題になってるのは上院での最終的な議決のことのようですな。

私は、この動画、先月にCNBCのサイトでフルバージョンで見てまして、順番に委員がバーナンキに質問してゆく。皆、それぞれ、当たり障りのない、まあ、学識と貢献を評価していますが、この対策は○○で、どうなんですかみたいな聞き方をするわけですが、このおとっつぁんだけは、とっととプリンストンに帰れ、みたいなノリで、びっくらこいたんですがね。

このブログに一部抜粋が載ってますな。


And you put the printing presses into overdrive to fund the government's spending and hand out cheap money to your masters on Wall Street.

そして、輪転機でお金を刷り続けて政府支出を支えて、ウォールストリートのご主人さまにチーフマネーを渡し続けたのだ。

In short, you are the definition of a moral hazard.

つまるところ、あなたは、モラルハザードそのものです。

You are repeating the same mistakes as Japan in the 1990's on a much larger scale while sowing the seeds for the next bubble.

あなたは、日本の90年代の間違いを大きなスケールで繰り返し続け、次のバブルの種をまいている。

The AIG bailout alone is reason enough to send you back to Princeton.

AIGの救済だけでも、あなたをプリンストンに送り返す理由に十分です。

これを聞いて、一般市民で拍手喝さいした人は多かったんじゃないですかね。ただ、90年代の日本の間違いをくりかえした、みたいなハナシはちょっと言い過ぎですな。バーナンキはそれを避けるためにいろいろやってるわけだし、バーナンキはこの問題の専門家で、おとっつぁんより千倍は詳しいはずですからねえ。お前に言われたかねえ、ってとこでしょうな。

動画ではずっとバーナンキを批判しまくってて、冒頭あたりの、バーナンキがグリーンスパンの間違いを引きずっている、云々で、

『テイラールール』

に言及しているんですが、

本書に詳しいです。政策金利を決める時のルールを著者が提唱してるってハナシなんですが、こんなトコでまで言及されるってことは、結構一般的なんですな。

脱線FRB
ジョン・B・テイラー
日経BP社

このアイテムの詳細を見る


それと、FRBや政府とウォールストリートがグルになっててめちゃくちゃやってる、という批判については、ローリングストーン誌に載ったこの記事が、実に分かりやすいです。

前に紹介したことのあるデモクラシーナウという番組で紹介されてて知ったんですが、

The Big Takeover

なんでローリングストーンやねん、とか、長すぎる、とかイロイロご意見はあろうかと思いますが、反対派は皆これを読んでるんじゃないか、と思うくらい、よくまとまってます。反対派の批判のポイントがだいたいこの記事に沿ってる感じなんですね。そもそものAIGがCDSに手を染めたなれそめだとか、規制当局の無力化や・・・、とまあ、誰か翻訳してくれって感じるくらいの、とっても分かりやすく、面白おかしく全体像から書いてあるんで、その辺のヘッポコ評論家のテキトーなまとめや、ビジネス誌の要約よりははるかに良い感じです。

ってか、これを元ネタにして書いてんじゃないの?




マクドナルド トランス脂肪酸

2010-01-24 10:59:30 | 食品
マクドナルドも、モンサントと同じで、イロイロおもしろネタが転がっているわけですな。この動画、面白いです。

結構まじめ実験なんですが、ノリが笑えます。

このネタで他にも動画がアップされているので検索いただければ良いんですが、この動画がダントツですな。

McDonalds Food - The Truth



マクドナルドのいろんなバーガーや、フライドポテト、普通のレストランのフレンチフライをジャーに入れて10週間。なにが起こったか。

他の食品はカビが生えて、ぐちゃぐちゃになるのに、フライドポテトはなぜか買ったばかりのままで変化なし。

私もこのハナシは前から知ってるんですが、でも、マクドナルドは時々利用するし、ポテトも買っちゃいます。

気にはなってて、ウーンって感じですな。たまにしか行かないんで、まっ良いかってとこなんですが。

ちなみに、マーガリンは止めてます。


米KFCが使用を止めるトランス脂肪酸とは?



☆驚異の食品マーガリン
  『この驚異の食品は、窓際に何年も置いて光や空気、自然にある細菌その他にさらしても少しも変化しない。カビも生えないし昆虫が卵を産みつけることもなければネズミが食べることも、ゴキブリが寄ってくることもない。』


試される日本マクドナルドの対応・トランス脂肪酸

米マクドナルド 快進撃続く

2010-01-23 09:35:47 | 小売
どんな時にも勝ち組はいるわけで、こういう時代は低価格路線のウォルマート、なんかがグイグイ来ているのをこれまでも観てきました。日本じゃユニクロ、餃子の王将ってトコですかね。

マクドもそうですな。快進撃は続いているようで、

3rd UPDATE: McDonald's 4Q Profit Rises 23%; Sales Up

NEW YORK -(Dow Jones)- McDonald's Corp. (MCD) fourth-quarter earnings rose 23% as the restaurant giant increased same-store sales across all regions despite a global downturn, offering hope for the struggling fast-food industry.

利益が23%も伸びた。全地域で既存店売上が伸びている。シェー!!

Revenue increased 7% to $5.97 billion. Same-store sales, or sales at restaurants open at least 13 months, rose 2.3% globally. The company hasn't posted a quarter of global same-store sales declines since early 2003.

売上は7%増。既存店売り上げはグローバルベース2.3%の伸び。03年以来、四半期ベースの既存店売上が一度も下がっていない。

ハア。


Unlike some other chains who have slashed prices on existing items, McDonald's hasn't let its low-priced food eat into margins as much as other fast-food chains. Goldman Sachs restaurant analyst Steven Kron noted that McDonald's was able to increase U.S. same-store sales and improve its margins, a feat that's "a pretty rare occurrence these days in" the fast-food industry.

他のチェーンが既存アイテムの値下げをしているなか、マクドナルドは低価格メニューの利益を他のチェーンほど減らしていない。マクドナルドは米国の既存店利上げを伸ばし、かつ利益率を向上させた。今日のファーストフード業界でめったにできない偉業。

ひとり勝ちって感じですかね。





ニューヨークタイムズ  ウェブ版有料化へ

2010-01-22 00:44:07 | 生活
ついに、というか、あのニューヨークタイムズが、今後はタダで読めなくなるってことでして、ちょっとショックなニュースですが、

New York Times to Charge for Some Web Content in 2011 (Update3)

Jan. 20 (Bloomberg) -- New York Times Co. will begin charging users for some content on its namesake Web site in 2011, its second attempt in four years to make online readers pay amid slumping circulation and advertising sales.

販売部数と広告収入が落ちてしまっている中、ウェブの読者にも料金を果たすことを決めた。

The New York-based publisher said in a statement today that it will give users access to a set number of articles a month for free on NYTimes.com and charge a fee for further reading. Subscribers to the New York Times print edition won’t be charged for Web access.

一か月にタダでアクセスできる記事への数を制限して、さらに読みたければ料金を取る。紙版の読者は料金を取られることはない。

The so-called metered model mirrors that of the Financial Times, owned by London-based Pearson Plc, which allows users to access 10 free articles monthly before charging at least $3.59 weekly to continue. The Web site of News Corp.’s Wall Street Journal is subscription-based.

これは、いわゆるメーターモデルと言うやつで、ファイナンシャルタイムズのやり方に似ていて、それは月に10の記事にタダでアクセスでき、それを超えると週に3.59ドルの手数料を取るというやり方。

そういえば、ファイナンシャルタイムズって良くできてるなあ、週刊はロンドンエコノミスト、日刊はファイナンシャルタイムズ、さすがは英国製と思って、しょっちゅう観てたら、突然、これ以上は有料です、と読めなくなってびっくらこいたことがあります。

確かにこのメーター方式は一つのやり方かも知れませんね。

完全に有料化してしまうと、かなりの読者は二度と訪れなくなりますな。

回数制限だと、読者をつなぎとめつつ、ヘビーなユーザーからは料金をとれる。こういう微妙なポイントが価格設定には大切かも知れません。

私のような完全タダのり派には歓迎できないハナシですが、しかし、新聞業界、落ち込みが激しいんで、仕方無いんでしょう。

Average daily circulation for the printed New York Times dropped 7.3 percent to 927,851 in the six months through September from a year earlier, falling under 1 million copies for the first time since 1985, Audit Bureau of Circulations data show. That compares with an 11 percent decline industrywide.

紙版の日次の販売数は9月からの半年で7.3%減少の928千部。百万部を切ったのは85年以来。シェーッ。

業界全体では11%も落ちているんでまだマシってことですか。

Times Co.’s ad revenue dropped 27 percent in the third quarter, following a 29 percent decline in the first half. The publisher last year sold its Manhattan headquarters, trimmed staff, renegotiated union contracts, halted its dividend and pared sections to help generate cash.

第三四半期で売上が27%も落ちている。第一四半期は29%落ちていたのに続いてだ。去年はマンハッタンの本社ビルを売却しスタッフの数をへらした。

そうですな。本当に厳しいですねえ。3割近く売上が落ち続けたらもう持ちません。また回復するという見通しがあれば別ですが、ちょっと・・・。

これ、ニューヨークタイムズだからそれでもなんとなく仕方ないな、って感じですが、日本の新聞がこれをやったら、お金を払ってまで読む価値があるという人は、多分、そんなにいないでしょうな。

モトローラ 韓国にアンドロイドで殴りこみ

2010-01-21 00:30:04 | 通信
もういっちょケータイ関連で、久々にモトローラなんですが、

Motorola Unveils Android Phone In South Korea

Motorola Inc. said it plans to launch a smart phone in South Korea using Google Inc.'s Android operating platform, a move aimed at taking on Apple Inc. and market incumbents Samsung Electronics Co. and LG Electronics Inc. in the fast-growing market.

モトローラが韓国で、グーグルのアンドロイドオペレーションプラットフォームを使ったスマートフォンを販売する計画だそうです。この動きはすばやく成長している韓国マーケットにおけるアップルや、市場を支配するサムスンやLGに対抗するもの。


For almost two years it has tried to spin off its high-profile handset business, which has been without a hit device since the blockbuster Razr phone. The move also comes after Apple said late last year it will make its popular smart phone, the iPhone, available in the South Korean market through an agreement with KT Corp., the country's biggest fixed-line operator by revenue.

レイザー以来ヒットに恵まれないが、良く知られたハンドセットビジネスをスピンオフしようとしてはや2年近くなる。

なぬ、まだできてないのか。

韓国でのモトローラの動きは、アップルが去年、KTと組んでアイフォンを韓国で製造、販売すると発表した後に出てきたものだ。

According to market research firm iSuppli, Motorola was the fifth-biggest cellphone maker in the third quarter, down from fourth place in the second quarter. As recently as the first quarter of 2007, the company was the world's second-largest cellphone maker after Nokia Corp.

アイサプリによると、モトローラは第3四半期で5番手。第2四半期は4番手だった。07年の第1四半期にはノキアについで2位だった。

ですなあ。モトローラは腐っても2位。大手として君臨してたんですが、今や5番手ですか。5番手ってソニーエリクソンとか、韓国メーカーのポジションだったような気が・・・。

Motorola's Korea representative, Rick Wolochatiuk, said at a press briefing the device would sell for around 900,000 won (US$800). The iPhone retails for around 900,000 won in South Korea market, while Samsung and LG phones are being sold for around 600,000-900,000 won and 700,000 won, respectively.

800$ですか。結構しますな。アイフォンと同じ価格帯。サムスンとLGはもう少し安い位置。ウーン、アップルアイフォンとモトローラ。同じ値段だったらアイフォンを買うでしょうな、普通は。アンドロイドがどんなに良くてもですなあ・・・。