会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

モトローラ 米国新製品

2008-06-30 01:25:12 | ハイテク
レイザー2がさっぱり売れず、どんどん業績が悪化しているモトローラ。
今度出す新製品が発表になったようで、

Motorola ROKR E8 Set For U.S. Release

どうですかねえ。売れそうでしょうか。7月7日からリリースされるそうなんですが、

The ROKR E8 is a candybar-style cellphone, which carries significant media capabilities. But the real reason this phone is getting attention isn't for its media abilities, its for the intuitive and innovative keypad.


ほうほう、注目を集めているって書かれてますが・・・。メディア機能がスゴイらしいんですが、それだけじゃない。革新的なキーボードを載せた。

Motorola has deployed ModeShift technology with this cellphone. ModeShift gives this handset the ability to quickly shift from being a media player to a phone with a touch of a button. The ModeShift not only changes the interface functionality, but it also changes the keypad entirely. A single push of a button will change the keypad from the traditional cellphone-style 1 through 9 grid layout to a layout displaying media buttons and more.

ボタンをクリックすると、数字のキーボードからメディアボタンにスパッと切り替わる。ボタンは物理的なボタンではなくて、バーチャルになっていて、

This ensures that when a virtual key is pushed, feedback is given to the user to affirm that a key was, in fact, pushed.

ユーザーは本当のボタンを押した様なフィードバックがある。

Iphoneのタッチパネルも押した感じがいいわけですが、このモトローラのバーチャルボタンも押して楽しければ評判になるかもですな。バーチャルなのに本当に押している感じになれば、いくらでもボタンモードを切り替えられるので、深い階層構造のわかりにくくてめんどくさい操作をシンプルにできますね。

お膝元米国マーケットもノキアが攻めてきて、苦しくなるわけでして、これで少しは挽回できますかな。挽回までいかなくてもこれ以上落ちないようにしないと・・・。




さよならビルゲイツ こんにちはビル

2008-06-29 10:01:40 | ハイテク
完全に辞めるのではないんですが、フルタイムでマイクロソフトに関わるのはこれで終わり、って感じです。まあ、CEOを降りた時点で経営トップではなかったわけですが、マイクロソフトからさらにビルゲイツ色が薄まってゆくということなんでしょうかね。

Bill Gates bids a teary farewell to Microsoft

涙のお別れ。同業者をビシバシ追い詰めて容赦なくなぎ倒してきた、イメージがあります。これまで育てあげた帝国を去るわけでして・・・。

There won't be a day in my life that I'm not thinking about Microsoft and the great things that it's doing and wanting to help," said Gates, who wiped away tears as the group of employees rose to give him a standing ovation.

今後もマイクロソフトのことを考えない日は一日もない。成し遂げつつある偉大な成果があり役立つことをいつも求めていることも。社員のスタンディングオベーションを受けて、涙をぬぐった。

日本の新聞のスポーツ欄みたいなんですが、たまにはこういうのもいいですな。


After 33 years, Gates said he sometimes finds himself lost in thought, driving to Microsoft without realizing it. He also said he will move out of his corner office -- making way for Ballmer -- into a smaller area one floor below.

5Fの角にあるオフィスをバルマーに譲って、ビルゲイツは1F下の小さな部屋に移るんだそうです。

This is what Bill said to keep me. 'You don't get it! You don't get it! You don't get it! We're going to put a computer on every desk and in every home,"' said Ballmer.

バルマーがかつてマイクロソフトを去ろうとしたとき、ビルは、我々はコンピューターを全部の会社のデスクと家庭に置かせるんだ,と言って引き止めた。

素晴らしいソフトを作るんだ、と言ったんじゃありません。彼の中ではOSの天下統一がパソコン普及に必要だ、という信念があったんでしょう。決戦だけでなく兵糧攻めや水攻めもやる、勝ち残った戦国武将って感じすかな。

Gates' personal fortune has been estimated at about $58 billion,

5兆8千億円。大きめの地方銀行の総資産レベルです。これだけのアセットがあれば、その管理だけでめちゃ大変ですわな。

Gates will leave behind a life's work developing software to devote energy to finding new vaccines or to microfinance projects in the developing world. He will still work on special technology projects at the company.

ビルはマイクロソフトの特定のプロジェクトには関わり続けるようですな。そして、手の空いた分をワクチンの開発なりマイクロファイナンスに取り組む。この2つ、貧困問題の最大対策と言っていいでしょうな。ワクチンはマラリアとか、エイズでしょうな。あれほどの人なんでしっかり研究して効果的な対応をされているんでしょう。バフェットが彼の資産をビルに託すようなニュースもありましたよね。

MSNCBでビルゲイツのインタビューを流してます。



同じくMSNBCなんですが92年の時のビルゲイツです。

まだ従業員が1万人ちょっとで、売上も数千億。日本じゃパソコンと言えばキューハチで、職場にはワープロが入っていた時代です。




シティに強い売り推奨

2008-06-27 02:24:29 | 金融
Fedの金利引下げが一段落して、景気よりインフレが心配という、ちょっとは落ち着いたのかなという雰囲気もあるかもしれませんが、

Goldman Cuts US Brokers, Strongly Advises Selling Citi

ゴールドマンサックスのアナリストが、シティグループの強い売りの推奨をしているという記事なんですが、でも、これまでにずい分落ちてますけどね。株価は

3月に一旦ボトムを打って、しばらく値を戻してたんですね。3月といえばベアスタンズの救済が決まった頃でして、第2弾、第3弾が出なさそうということで安心感が広がッたんでした。


それにしても落ちに落ちたり。

NEW YORK -(Dow Jones)- The business models of U.S. brokerages and international banks continue to deteriorate and their recovery will take longer than anticipated, Goldman Sachs (GS) told clients Thursday.

回復にはもうちょっとかかるかも、ということなんですね。

Goldman expects Citigroup to take $9 billion in write-downs during the second quarter and Merrill to take $4.2 billion in write downs in the quarter. Both firms are scheduled to report their second-quarter results in mid-July.

シティが第2四半期に90億ドルのwrite downsすることを予想。でかっ。

By urging investors to aggressively sell Citigroup and expressing caution on other brokerage firms, Goldman is reversing the positive stance it took on the sector following the near-collapse of Bear Stearns Cos.

シティだけじゃなく、このセクター全体についてポジティブスタンスだったのを修正している。aggressively sell Citigroup なんてドキっとしますな。そんなにひどいんかいな。

Wall Street had hoped that March 17 had marked the bottom for financial stocks and write-downs. Although write-downs have been slowing, more problems have cropped up for the banks

3月17日、これはFedも一枚かんで、ベアスタンズが身売りを決めた当日だったかちょっと後ですな、そこが株価のボトムでwrite-downsも底打ちしたとの希望的観測もあった。確かに底打ちしつつあるが、もっと他に問題が・・・。

as their boom-year businesses in structured financial products disappear and their assets tied to consumers deteriorate as the overall economy weakens.

ストラクチャードファイナンス商品が消え去り、個人関連資産の悪化。


サンディワイルの回顧録には、ジョンリードはシティを辞めたあと、とっとと持ち株を売っぱらってしまった、と非難めかして書かれてますが、この株価ですからね。あとづけですが、正解でしたなあ。


ハイテクジョブ 将来有望 ?

2008-06-25 00:26:16 | 貧困問題
日本じゃ、IT技術者って、しんどくて割に合わない仕事をやらされる将来性の感じられない仕事、と思っている人が多いんじゃないですかね。組織の中での位置づけが低くて・・・、とか。

昔、オペレーション部門にいて、ある業務改善を任されたとき、システム部でマジにできる男が居てですな、私は企画側、彼は開発側で時間に追われながらプロジェクトを進めていたのですな。

彼は、できまくるので仕事も早い。次のミーティングにはある程度出来上がったものをだしてくる。直されて、また次。理解も深くて、私はユーザー側のクセに彼に業務のことを逆に教えてもらったり。正直、尊敬しておりました。

それが、そのうち無理がたたって身体を壊してやめてしまった。やめたのを聞いてびっくりして、はてと思うに、彼の愚痴、愚痴、愚痴。むちゃな要件、むちゃなスケジュール、開発の無駄・・・。こき使われるだけで、自分にはいい事がまったくない。

私は聞き流してしまっていたのでした。

Technology: It's Where the Jobs Are

A new survey out this week from AeA, the group formerly known as the American Electronics Assn., reports that jobs in the technology industry are growing at a healthy clip, especially in large cities

私は米国が素晴らしい国だ、というつもりは毛頭ありませんが、こういうニュースを読むと、ヤッパ違うよな、と感じるんですな。何が? ウーン。ある種のフェアさ、と言いますか、開かれた社会と言いますか・・・、と大きく出た割には大した記事じゃなくて、テクノロジー業界の求人予想がでかくなっているというレポートがでたというんですな、特に大都市で。

Now for the answer to the question on everyone's mind: Where are the highest salaries? That would be Silicon Valley, where the average tech worker is paid $144,000 a year. That's nearly double the $80,000 national average for tech jobs.

ペイも良いですぞ。いわずと知れたシリコンバレーの平均は14万4千ドル。何ぼやねん。平均サラリーの倍。ってか、アメリカの平均って8万ドルもあるんかいな。

What does all this mean? There's still a labor shortage in tech. And if you took Economics 101, you know that's good news for paychecks. Already, tech wages are 87% higher, on average, than in the rest of the private-sector job market. Tech wages are also growing faster, by an average of 4% a year—double the 2% reported for private industry as a whole. And in Austin, San Diego, and Sacramento, Calif., tech salaries tend to be twice what they are for private-sector jobs generally.

これが何を意味するのか。既に技術者のペイは他より高いが、今後も他より増えつづける。技術者が不足しているんですな。

まあ、今から大学に行きなおしてITの勉強しなおすわけにも行かないし、このニュースがどうしたってことなんですが、

このニュース、わくわくしませんかね。

人員が不足している。
ペイが上がる。

がんばれば結構な生活ができる分野がある。しかも

More than 850,000 IT jobs will be added during the 10-year period ending in 2016, which would be a rise of 24%. Add all the jobs that will replace retiring workers, and the total increase could be a tidy 1.6 million.

引退置き換えを含んで160万人今後10年で、というかなりの人数ですな。

不足が素直に価格に反映する社会。飼い殺しでこき使われることを考えると、こっちの方が良くありませんかね。特に有能な人ほどそう感じるんじゃないでしょうか。

会社の中での位置づけの高い低いによってペイが決まるのではなく、必要によって市場が決める。もしそうであれば、私のパートナーは辞めずに済んで、出世してたでたしょうな。

これ,日本の貧困論に通じるところかありまして、全体のパイが小さくなったとき、仕事のできる、できない、能力の高い低いでなくて、

位置づけの低いものから順に犠牲にされてゆく、ということってないですかね。

この位置づけの決まり方もビミョーだったりするわけで、いずれにせよ,恣意性は免れないと思います。

市場で決まる=フェアである、というつもりは毛頭ありませんが、
それにしても、この記事、ちょっとわくわくしますよね。

日本の人件費が相対的に下がったんで、自動車生産が国内回帰している

この記事と比べていかがでしょう。



反貧困 その2

2008-06-23 23:43:22 | 貧困問題
昨日に引き続き湯浅さんの反貧困論についてです。

で、湯浅氏は,日本はすべり台社会だと説明してます。

すべり台。

そうですね。すべり始めると途中で止まらず一番下までノンストップですべり落ちる。一旦、外れたら最後、ということです。途中でとどまることができない。

貧困というのは、こうしてすべり落ちた先にあるもの、というわけですな。

本来、すべり落ちないように,各種のセーフティネットがあるわけでして、それは雇用であり、社会保険であり、生活保護のような公的扶助であるわけですが、日本ではうまく機能しなくなっている、というわけでして、本書では数字をあげて説明しています。


非正規雇用が増え,非正規だと社会保険の給付が降りず、生活保護は役人に邪魔されて申請を受け付けてもらえない。

たとえば身体を壊して働けなくなるとスルスルスルっとどこにも引っかからずに無収入に。正社員になれず、非正規から非正規に渡り歩く。仕事の無い間は無収入、というのが貧困のイメージなんですな。低収入でフルタイムでまじめに働いても生活が維持できない。

かつては、上の学校に行けなくても、近所の○○さんのお店で世話になるとか、駅前の○○屋の社員になる、とか、工場の工員さんになるとかの道があって、フツーの能力があれば,貧しかろうがフツーに生活ができた。家族も持てた。子供も育てることができた。一人前として扱われた。それが今や大学を出たって・・・。

湯浅氏の主張の一つは、貧困は自己責任じゃない、というもの。なんで貧困に甘んじているんだ、という意見には無理があって、そもそも貧しすぎて疲れきっていて、『タメ』がなく、まともな職探し、自己訓練をしている余裕もない。その日をしのぐので精一杯。気力もわかない。職場ではまともな人格としては扱われず,すぐ居なくなるやつとして仕事も教えもらえず、職場で成長ができない。スキルを盗めば良いというハナシもあるにはあるが、作業ノルマはぎりぎりきつい。あるいは単純作業の繰り返し。難しい仕事にはタッチさえできない。先進国での『貧困トラップ』と呼んでもいいかも知れません。

イギリスのケースでも、交通費がなくて仕事の面接に行けない、なんてことがかかれてたりするんですけどね。

で、湯浅氏は実際の対策というか、対貧困活動として、もやいというNPO法人を立ち上げて、貧困相談を受けつつ、


生活保護申請に同行して役人の申請拒否をさせないようにしたり、
家を借りるときの保証人になったりしています。

こういうことが、大事なんだ、ということは読むまでわからない。第三者が立ち会うことで役人の無法を避けることができる。あなたは働けるはず、申請できません、とうそを言って追い返されないようにする。

トホホなハナシですが、役人に生活保護の申請を受理させる、ということが貧困対策の最初に来るんですな。
うそのようなホントのハナシ。

さて、長々と湯浅氏の貧困論についてご紹介しましたが、このハナシ、実は奥が深いような気がしておりまして。

貧困を語ることは、すなわち貧困でないことを語ることでもあるんですな。グラミン銀のユヌス自伝を読んで、バングラデシュの貧困を知ると同時にバングラ社会を垣間見れるように、そうですね、女性に対する差別やら、貧しい人たちを食い物にする高利貸しなんかのことですな。

日本ははるかに発展した高度な産業国家なわけでして、バングラやアフリカとは異なります。

湯浅氏の議論をネタにもうちょっとハナシをすすめてみたいんですね。


反貧困  湯浅誠

2008-06-22 23:17:18 | 貧困問題
先日は日本の貧困論トンデモ編でしたが、今日はまともなヤツを。

最近、ニートやらネットカフェ難民やら、テレビで紹介されることも多くなってますな。日本は先進国で本来豊かな社会のはずでして、何で貧しいの? どこにいるの、どんな生活してるの という貧困発見論から入るんですな。

イギリスでもそうですが、先進国の貧困論は、貧しいってどういうことなのか、という入り口が必要です。一日1ドルで生活する、なんてことは日本ではありえません。一時間もバイトすればうまくいけば千円以上もらえるわけでして。

名古屋のネットカフェに泊まった時のこと,そうですな、食事して、酒飲んで、映画観て、真夜中になって、翌朝始発で東京に戻るスケジュールで、ホテルで泊まるまでもない。真冬の深夜2時頃でした。

そのネットカフェは満室で入れない。待合用のイスで机に突っ伏して寝ているめがねをかけた中年のおっさん、荷物を持った生活感漂う若いの。どう考えても飲んで遅くなったんじゃなくて、行き場が無くてここに泊まりに来たひとたちがずらっと待っている。異様な雰囲気。

そのうち、初老の夫婦が部屋から出てきてチェックアウトしたいのだが、お金がなくて受付のバイトの兄ちゃんともめだす。お金は払いますが今持ち合わせが無いとかなんとか。バイトの兄ちゃんも要領が悪くて、夫婦とかみ合わず延々揚げ足取りみたいな会話が続く。

外は寒くて雪が降っていて、どこか暖を取れる建物に入っていないと死んでしまう。ここが無ければこの人たちはどうなってたのか、という感じ。この老夫婦はこの時間に出てってどこに行くのか。そもそもここのお金も払えない・・・。

泣きたいような風景。

で、金がない人は昔から居たわけで、何で今問題になっているのか。

一つは見えないところで数が増えているかもしれない点。私も久々にネットカフェに泊まってみて初めて実感しました。昔のネットカフェとちょっと違ってます。

もう一つは、金が本当にないこと、深刻なくらいないこと。

湯浅氏も著書で書かれているんですが、貧乏と貧困は違うって。貧乏ながらも楽しい我が家、というのはアリかも知れないが、貧困というのは深刻な状況をさしていて将来への希望が持てないほど金がない。日々の暮らしを支えてゆくだけのお金がない。ネットカフェにさえ泊まれないこともある。

そして最後に、誰でもなりうること。

特に頭が悪いわけでも人格に問題があるわけでもなく、単に新卒のタイミングで就職しなかっただけ、会社がリストラで職を失っただけ、職場と合わず、あるいは家族の問題で会社をやめざるをえなくなっただけ、で、簡単に収入の無い、あるいは極めて少ない状況に。

めったに無いことかも知れませんが、誰にでも起こりえて、そうなったら結構つらい。一旦外れてしまったら,別の会社で正社員の職を確保するのはかなり難しく、低賃金の職しか見つからない。大企業の正社員だったのでなければ社会保険はあてにならず、生活保護の相談に行くと、役所の窓口で受け付けてもらえない。おにぎり食いてーっと遺書を遺して餓死。

これ、バングラデシュやアフリカの貧困とは別モノです。食うに困る,という言葉は昔からありますが、本当に食べ物が行き渡らないほどこの日本で物資が不足しているなんてことは無い。最低限の衣食住を国民全員に保障するということは今の日本なら簡単にできて、多分、まじめに議論すれば合意も得られるはず、ってか憲法に書かれてるんですけど。単に暮らすだけの費用なんて知れてますな。ドーロと違って。

では、一体何がどうなって深刻な貧困が増えるようになったのか、で、どうしたら良いのか、が本書のテーマです。

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書 新赤版 1124) (新書)

先日、『貧困襲来』という同じ著者の本に触れましたが、こっちの方が新しいしまとまってるんで、こっちにします。


で本論に入りたいのですが、前置き長かったんで明日にします。





コンチネンタルエア スターアライアンスに

2008-06-22 06:15:26 | 航空業界
さて、燃料高で、中小はつぶれて、大手も合併に動き,金が無くて燃費の良い飛行機も買えない、と苦難の米航空業界って感じなんですが、でも、

コンチネンタルエアは比較的優等生というイメージで

ただ、数字は結構大変そうで、特にここしばらくはマズイんじゃないでしょうか。


3 months Ending 2008-03-31    3 months Ending 2007-03-3

Total Revenue 3,570.00              3,179.00
Operating Income -66.00              64.00
Cash from Operating Activities 69.00       299.00

1月~3月は売上は前年比で伸びていますが,営業赤字ですな。それに、営業キャッシュフローが激減してます。

Total Debt 5,252.00               5,209.00

借入れ、減りませんな。

さて、そのコンチネンタルで動きがありまして、


Continental and United Leave Little Room For American


Cash-strapped Continental took the moment that the positive glow was strongest after announcing its deal with United Airlines to make a public offering of Class B shares at $14.80 per share, a 5.1% discount off the airline's closing price on Thursday of $15.59.

増資を発表したってことですな。今の時価よりディスカウント価格だったんで、株価も金曜日にどんと落ちてしまった。 Cash-strapped なんて書かれちゃって・・・。
  
といっても木曜日から落ちてはいますが、水曜日のレベルにもどっただけですな。木曜日にちょいと上がってた分を戻した程度です。

According to Calyon Securities analyst Ray Neidl, Continental's cash peaks around July 4 and then will gradually decline until next winter. The company needed to boost its cash position as much as possible. "Even though this dilutes current stockholders, it's better to have the extra cash in case of the unforeseen and to make it through the cold winter rather than go bankrupt where the stock would go to zero," Neidl said.

アナリストによれば、株式が稀釈化するので既存株主にとっては損になるわけですが、現に今後現金が減って行くので増資せざるを得なかった、破綻するよりマシだ、とか。 dilutes 、めんどくさい計算問題をやらされたのを思い出しました。

で、なんで木曜日に株価が上がっていたか、といいますと
多分これですな。

The Star Alliance Gets Even Bigger

業界的にはこのニュースの方がデカイわけでして、

Continental Airlines’ departure from the SkyTeam alliance with Delta and Northwest was just a matter of time. The real question was where Continental would land with its future partnership, and now we know: Star Alliance, the largest. Among its members are some of the world’s largest and most admired airlines, including Singapore, ANA, Lufthansa, and Thai.

コンチがスカイティームを抜けて、スターアライアンスに加盟することになりそうだ、ということです。スターアライアンス、ANAに乗ると機内アナウンスでも流れますよね。世界最大の航空連合ってとこですか。

このハナシのポイントなんですが、

This new partnership, between the second and fourth-largest U.S. airlines, effectively means the full-court press for industry consolidation is over.

業界として、合併による再編に突進する動きは止まったんだ、ということでして、

Continental and United will seek antitrust immunity to coordinate schedules and pricing,・・・But both will remain independent

独立を保ちながら価格と路線の調整を行ってゆく。合併しなくても同じ連合加盟による提携で効果をあげるということですな。

It also insulates Continental from being tainted by the toxic mess of employee relations at United and US Airways, another domestic Star Alliance member.

コンチは労使関係も良好なことが知られてまして、合併を避けることで他社の面倒に巻き込まれることも避けられる。

さて、コンチネンタルの経営陣は今後の方向性について答えを出したわけですが、今後、成果を上げることができるんでしょうか。









フォード 新型ピックアップトラック遅延 

2008-06-21 11:25:38 | 自動車
日本じゃ自動車販売が前年比二桁落ちで、もう若者はクルマを買わなくなったなんて言われているわけですが、このところのガソリン高で米国もダメ。特に大型車の売れ行きが・・・。

Ford Delays New Pickup and Reduces Production


新型ピックアップトラックの販売開始を遅らせるってことで、これ、フォードにとっては大変なことのようなんですが、

Ford said it would begin selling the highly anticipated 2009 version of the F-150 pickup in late fall, two months later than intended, because dealers needed more time to clear out the current model, which had been deeply discounted

大幅ディスカウントされている現行モデルがはけるまで待ってほしいとディーラーが言っているらしいですな。ヒエーっ。大幅値引きのピックアップを買うのはお徳かどうか、なんて話題がどっかで記事になるくらいなんで、結構値引きしてんでしょう。

The F-150 delay increases the likelihood that the F-series will lose its distinction as the best-selling vehicle in the United States after 26 consecutive years. In May, four Japanese sedans, led by the Honda Civic, outsold the F-series, the first time in 16 years that a pickup truck was not the nation’s top seller in any given month. Sales of the F-series fell 33 percent last month and were down 20 percent so far this year.

このF-150というのが、これトラックの名前ですが、長い栄光の歴史があってフォードの収益を支えてきたんですな。26年間も米国トップセラーを続けてきてたんですが、どうもホンダのシビックに抜かれそうとか。先月は前年比33%も販売が落ちていて、年初からの実績では2割落ち。まあ、モデルチェンジ前で仕方ないにしても・・・。

wiki Ford F-Series

Analysts estimate that the F-Series alone makes up half of the Ford Motor Company's profits in recent years.

収益の半分をFシリーズが稼いできた。なるほど。


F-150 新型ってこれですかね。カッコいいですな。


年初にご紹介した時点では、売れ筋のピックアップトラックが13%も落っこちてる 位で済んでいたんですが、ますます落ちが加速しているわけでして、改善の兆しが見えてきませんな。





元ベアスタンズ ファンドマネージャー 起訴 

2008-06-20 08:00:12 | 金融
サブプライム問題発生来、格付けが甘いだの、不正があっただの、いろいろと言われてきたわけですが、とうとう、

Ex-Bear Stearns Fund Managers Indicted for Fraud

June 19 (Bloomberg) -- Former Bear Stearns Cos. hedge fund managers Ralph Cioffi and Matthew Tannin were indicted for mail fraud and conspiracy in the first prosecution stemming from a federal investigation of last year's mortgage-market collapse.

ベアスタンズのファンドマネージャー2人が起訴されたようです。

``The e-mails tell a damning story of these managers' awareness of the dire state of the funds, even as they talked them up among investors,'' said Dan Richman, a former federal prosecutor and now a professor at Columbia Law School in New York. ``There is a lot of political pressure on the Justice Department to move forward in this area.''

ファンドがダメになっているのを知っていながら、投資家には調子良い様な説明をしていた,って事なんですな。法務省にはこの分野で実績をだすよう、つまり誰かをあげろってことでしょうが、政治的圧力がかかっていたとも。

Cioffi, now with Tenafly-based RCAM Capital LP, left Bear Stearns amid inquiries by prosecutors and the SEC into whether he withdrew $2 million from two funds before their collapse in July, three people with knowledge of the matter said at the time. He was relieved of his duties as a fund manager in June, when his funds' subprime investments began to unravel.

ファンドから、自分の持分2百万ドルは引き出してたりして・・・。

まだまだ他にも調査は続いているようでして、
ムショ送りになる人が沢山でそうです。


日本の貧困論

2008-06-18 23:43:27 | 貧困問題
バングラデシュやアフリカの貧困。グラミン銀やそれに触発された動き、それからジェフリーサックスやスティグリッツ。貧困問題は一流の人達を引寄せるくらい奥が深くてチャレンジングなんですな。

日本の貧困論はどうなってるんだろう、と本屋を探すに、

貧困襲来

これ良いですねえ。貧困の定義から入るんですな。素晴らしい。雑駁な本が多い中きちんと定義からスタートしている。誠実さを感じさせますね。まあ、この本は別の機会にご紹介させていただくことにして、

で、良い本はおいといて、今日はトンデモの方をご紹介します。


ネオリベ現代生活批判序説


まあ、技術的な経済問題からもうすこし思想的なテーマにも久々にトライするか、と本屋でお勧め台に乗っかってたので買ったんですな。

ネオリベ批判ですか。ネオリベラル。新自由主義。行過ぎた市場主義、自由主義が格差問題の原因だ、というテーマだろうと書名から判断したのは良いのですが、これが・・・。

序論、ネオリベラルとは何か、というお題でハイエク、フリードマンあたりから説明してくれるんですね。それは良い。フンフン。だなあ・・・。で、どうなんだ、という肝心のところで、

『われわれは民営化と自由を結びつけるような蒙昧からきっぱりと覚醒すべきであろう』

 これはぎりぎりセーフ。そうかも知れない。

『小さな政府のもとでは、軍事と警察の比重が相対的に高まり強力な夜警国家が出現することをあらためて明記しておきたい』

 ここで,エッ、と読書のリズムが止まります。

大きな政府でも軍事と警察の比重が大きいこともあるんじゃないの??? 旧共産圏はどうだったのよ,とか。

『中曽根が日本を不沈空母とたとえたことも、ネオリベラリズムの軍事化した夜警国家のイメージと無縁ではないはずである。小さな政府はチリの軍事政権を志向するのである』

あちゃー。これ、居酒屋談義でも、誰もそうだと言ってくれないんじゃないですかな。チリの軍事独裁政権と市場主義者が結びついた時代があったそうで、それは認めてもいいんですが、小さな政府=軍事政権、という理解にどうしてつながるんですかな。著者は北朝鮮についてどう考えているんでしょうな。まさか小さな政府が行過ぎてとは・・・。レーガン時代、軍備を拡張しましたが、結局財政赤字がでかくなって・・・、これ大きな政府なんですけど。

冒頭50ページにして、本書に対するリスペクトが一切失われてしまい、後はトンデモ探しだけが楽しみで読み続けるということになりまして、

結びで、大学授業料無償化論を展開しているのですが、

りそな銀行を救済するために投入した2兆5千億円があれば、私立大学を含めた授業料総額を支払えるのに、政府は大学生より数千人の銀行員を優先した

と批判しているんですな。

まあ、数千人の銀行員を救うために2兆円も投入するわけ無いですな。金額の規模がそういうレベルじゃありません。それに、大きな銀行が破綻すればどうなるか、それを考えたこともないし、拓銀のケースについても知らないんでしょうね。

多分、新聞を読んでなくて、雑誌も経済関係は目を通してないでしょう。専門分野は別として経済関係のまともな本を読まず、偏ってて、雑駁なポンコツ評論家の政府批判だけが読む価値ありとしているんでしょう。

専門談義から、現実的なフェーズになったとたんに格調が落ちて、居酒屋でもどんびきされるようなことを平気で書く。

もうちょっとフツーにちゃんとした本を選ぶべきでしたな。