会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

日経新聞 お前もだ

2008-02-27 23:14:07 | 英語情報
3日続けてロンドンエコノミスト誌の日本記事をご紹介しました。率直で言葉は厳しいものがありますが、論点を網羅し、問題を的確に捉え、提言も妥当なものではなかったでしょうか。

日本に対する予備知識のない人がいきなりあの記事を読んだとしましょう。読後、その人はかなりの日本通になれるんじゃないでしょうか。少なくともその辺の日本人よりは的確に、深く日本の状況をつかんだことになりませんかな。

一流の記事とはそのようなものだと思います。一流の雑誌とはそのような記事を載せている雑誌ということになりますな。日本の雑誌で思い浮かびますかな。

それで、ですよ。今朝、私も通勤するわけです。
当然、新聞を読みますわ。日経です。国際面に目をやったらこのエコノミスト誌の記事が紹介されているじゃあありませんか。

良い記事ですからね。私も取り上げられたことはうれしいわけですよ。

ところがです。読んでびっくり。目が点ですわ。

『小沢一郎代表が目指した大連立構想についてもかつての一党支配に逆戻りと批判した』

と紹介されてるんですがね。そんなこと、どこを探しても一言も書いてない

その箇所、そのまま引用しておきましょう。

And how else, apart from ascribing a growing erratic streak to Mr Ozawa, to explain the extraordinary about-face last November, when he switched from vowing to bring down Mr Fukuda and his government to cutting private deals with the prime minister? To the DPJ's modernisers, a grand coalition would spell doom to the party, which defines itself precisely by offering itself as an alternative to the LDP. Younger parliamentarians have become so dissatisfied with Mr Ozawa that Yukio Hatoyama, the DPJ's secretary-general, now says that he, and not Mr Ozawa, is answerable to the party caucus. It is a hint that Mr Ozawa, at least for the time being, has agreed to cede some authority.

ここでは小沢さんの気まぐれさを説明していて、
小沢さんは福田首相と政府を倒すといっていたのに転向して大連立構想に行っちゃった、政権交代を主張していた民主党にとってはえらいこっちゃで、若手議員たちは民主党の政策を語れるのは小沢さんじゃなくて鳩山さんだと言い出すしまつだ,
というようなことが、ここに書いてあるわけで、

かつての一党支配に逆戻りだと批判などどこにもありません。そもそもですよ、一党支配ってなんのことを言ってるんですかな。今でも一党支配ですよね。自民党政権が続いているわけです。ねじれ国会が解消してしまうことを指しているんですかな。

だとしたら滅茶苦茶です。ねじれ国会そのものについては、エコノミスト誌も問題視しているんですからね。憲法もこれは想定していなくて混乱している、というニュアンスでしたよね。

日経記者は、エコノミスト記事を読まずに、自分の思い込みをそのまま書いただけですね。ねじれ国会が面白いと思っているから、逆戻りしたら嫌なんでしょう。


日経によれば『日本復活の処方箋は早期の選挙だと主張』したそうですが、

どこに書いてるんですかな。対応する箇所が無い。ひょっとしてインターネット版とプリントエディションは違うのかとも思いましたが、ネット記事にもプリントエディションとあるので同じ記事を読んでるはずですよね。

早期の選挙を主張するなんて、常識的に考えてエコノミスト誌がそんな政治的な主張をするわけがない。

記者が個人的に、早く選挙になれば面白いと考えているだけでしょう。これ意図的ですね。

ヒドイ、ひど過ぎる。


『日本復活の最も有効な処方箋は早期の選挙だと主張』だって。

『仮に選挙で政局が一層混迷したとしても、軌道修正への第一歩として歓迎すべきことだとしている』だと。

選挙についてエコノミスト誌が触れているのは次に2文だけです。

An election would not solve these problems, but it might at least encourage parties to tell voters what they stand for.

選挙はこうした問題を解決するわけではない。しかし、政党が自分達の立場を説明するよう促すことにはなる。これ、次の選挙のことではなく選挙一般をさして言っているだけです。直前の文章で、政治が有権者に対する政策チョイスを提示する風になっておらずビジネスとして捉えられていて、と書かれているのを受けているんですな。早期の選挙がくれば良いなんてどう読んでも出てきません。

A general election would at least give them the chance to start holding their politicians to a higher standard.

総選挙は、少なくともより高い水準の政治家を得るためのチャンスにはなる、と書かれていますが、これも選挙一般を指したもので、いまの混迷を解決するために早く選挙しろなんて書かれていません。そもそも、選挙で問題を解決することはできないと書かれているわけですよ。

仮に選挙で政局が一層混迷しても・・・歓迎すべき、なんてどっから持ってきたんだ。

ホントひどいですね。これ、エコノミスト誌を偽装した政治アジテーションです。かなり悪質です。簡単にチェックできてしまう雑誌記事の紹介でこれなんですから、他の取材記事など、どこまで本当のことが書いてあるのか疑問です。

日経のすべてがこんなんだとは思いません。それはあり得ませんが、しかし、こんな記事が平気でのるなんて、クオリティの低さはエコノミストが触れた政治家や官僚達と良い勝負ですな。

次にエコノミスト誌が特集を組む時は、安倍さんの前に、日経を持ってくるべきでしょうな。

日本にダメだしその3 ロンドンエコノミスト

2008-02-27 06:04:14 | 英語情報
せっかく小泉さんで官邸主導の政策指導体制ができたのに、安倍さんのせいでぶち壊しになって、長老が復権し、改革派が息をひそめ、古くからの自民党支持基盤たる農民や道路建設業者に再び予算が配分されはじめた、福田さんは問題を認識してはいるものの行動しそうにない。

長老の復権って中国の権力闘争劇みたいです。中曽根さんって10年前から80代の老人です。長老が調整しないとハナシが進まないってのが現実なんでしょうかね。でもフツーじゃない状況です。

小泉時代の幻惑がさめたら、無能、無定見、実は権力層に内実が伴っていないというグロテスクな現実が表に出てきた、と読み取ればいいんでしょうか。

じゃあ、どうすりゃいいの、ということなんですが、

Third in line for blame comes the DPJ's Mr Ozawa.

自民党がだめなら野党はどうか、ってことですが、肝心の小沢さんも責任者リストに載せられてます。

小沢さんも党の若手も市場主導の改革を指向しているし、小沢さんは自民党を飛び出して自民党の一党支配を打ち破ろうともした。しかし、

Mr Ozawa's style, however, if occasionally brilliant, is also thin-skinned and autocratic: he does his deals in the shadows without consulting colleagues. These are hardly the right qualities for the leader of a party that makes such a great show of transparency and accountability.

政治スタイルに問題がある。よく指摘されてることですな。人の意見を聞かず、相談もせずに勝手に話を進めてしまう。

参院選では大勝できたが、不適切に票のウェートが高い農民地域にアピールしたんであって、小沢さんはかつて小沢さんが戦った自民党の古ボスのように見えた。党の改革派からみるとこれは問題。

このムラッ気で独断専行キャラは、突然大連立をぶち上げてしまい党内の不評を買ってしまった。とは言っても小沢さんに逃げられると党が分裂し参院マジョリティを失うことになるので民主党も身動きとれず。

こらあ自民もだめなら民主もダメじゃんってことですが、

Most of all, perhaps, blame two parties bursting with internal contradictions, a constitution that never envisaged opposing parties controlling the Diet's two chambers, and a culture that treats politics as a personal, sometimes family, business, not a means of offering voters choices about how their country should be run. An election would not solve these problems, but it might at least encourage parties to tell voters what they stand for.

自民も民主も党内が分裂していて、憲法はねじれ国会を想定しておらず、

そして政治活動が有権者に国家の進むべき道を示す手段になっておらず、政治が個人的なもの、時にはファミリーのためのもの、ビジネスの手段として日本では受け取られてしまっている。

cultureという言葉が出てきましたね。日本異質論の残滓って感じですが、国会の恫喝まがいの議論を聞いていると、こいつらマトモじゃない、とまず感じるでしょうな。政治がビジネスとして捉えられているって改めて指摘されてますが、よっぽどひどくみえるんでしょうね。

Lastly, the voters must take some of the blame. Ten years ago, when The Economist lamented Japan's amazing ability to disappoint, one shrewd parliamentarian wrote in to challenge that. The headline, he said, should have read: “The Japanese people's amazing inability to be disappointed”.

有権者にも責任がある。エコノミスト誌ががっかりさせる天才と書いた際にある国会議員がこれに対してこう書いた。有権者はがっかりしない天才。

A general election would at least give them the chance to start holding their politicians to a higher standard.

選挙であれこれの問題を一気に解決することはできないが、

少なくとも今は低すぎる政治家のレベルを上げてゆくチャンスにはなるんじゃないか。


熱のこもった、よくまとまった良い記事です。

ヘボ評論を百読むより、この記事を繰り返し読むべきでしょうな。






日本にダメだしその2 ロンドンエコノミスト

2008-02-25 23:28:15 | 英語情報
日本の状況があんまりひどいんで,再び日本パッシングが進みつつある。政治と官僚の無能力、無定見は不安感を増大させて企業活動を保守的にさせる。企業はお金をためるばかりで=給与も増やせない。

やるべきリストがはっきりしてて、やらねば成長できないのだが、あまりの無能力と無定見のためにやれそうもない。日本は改革を捨てた。

とにかく、今回の記事で目立つのはunderwhelming talent and visionとか、The incompetence of politicians and bureaucrats のような、言葉です。解決能力に問題があるんじゃないの、ってことなんですな。こうした明確な指摘は大切ですね。まず認識することで、できる人、有能な人を探すというステップが始まるわけですな。

問題がはっきりしていて、そう、太田大臣も問題はつかんでいると見ているわけですね、しかし、主張すべき対策がない。問題が明確なのに解決が進まないとき、これリーダーシップの問題だと思いますがね。

何が悪かったのか、誰に責任があるのか。

First in line for blame is Mr Abe.

出ました安倍さん。ホント嫌われてますな。就任前からいまいちっぽい評価で、従軍慰安婦問題の際には恥を知れとののしられ、辞めるときも最低首相っぽく書かれていたことはご紹介しましたよね。

A tin ear for other issues left him oblivious to a growing chorus of dismay at decaying country towns, sluggish wage growth and a growing scandal of bureaucratic incompetence and corruption in the state pension system.

空気が読めないのをtin earで表現しているんですな。これは政治家の資質としては問題だみたいなことを同じ言葉で辞めた時にも指摘していました。在任中に問題が大きくなっていたのに気がつかなかった。

The LDP's upper-house defeat was the punishment. Amazingly, Mr Abe appears to think he deserves another shot at high office—at 53, he is young by the standards of Japanese politicians.

驚いたことに安倍本人はもう一度やることを考えている、って、安倍さんになんかうらみでもあるんでしょうか。心底嫌われてますな。

Second in line are the ancient crocodiles of the LDP.

安倍さんの次に責任があるのは、古代ワニ? 自民党の古代ワニ。顔がでこぼこだからですかな。古手に問題あり?

Under Mr Fukuda, power has flowed back to the factions and to the party gerontocrats—notably two former prime ministers, Yasuhiro Nakasone (89) and Yoshiro Mori (70) as well as Tsuneo Watanabe (81), publisher of Japan's biggest-circulation newspaper, the Yomiuri Shimbun.

小泉さんと安倍さんの時代には首相に権力が集まっていたのが、福田さんになって、長老に握られてしまっている。中曽根さん89歳、森さん70歳、ナベツネさん81歳。ナベツネさんが大連立ミーティングをセットしたことに触れています。その点を読売読者に伝えていないことも皮肉たっぷりに書いてますな。

こうして読んでゆくと、ものすごい遅れた国って感じがしてきましたな。

In effect, a generational coup has taken place, with the keys to the political car taken back by the oldies. The result is that structural change is on hold.

実際、世代間抗争で古手が勝ってしまった。結果、構造改革はストップ。

A senior reform-minded civil servant says that morale among modernising bureaucrats, those that favour privatisation and more competition, has sunk. None of them, he says, now dares propose growth-boosting reforms—as they used to under Mr Koizumi and even Mr Abe—for fear of incurring the disfavour of their political masters.

改革派の官僚達はやる気を失って、小泉や安倍時代には行われていた成長への政策提案を誰も行わなくなってしまった。長老達に嫌われるのを恐れている。

Meanwhile, attacks on foreign investment are on the rise again among politicians and old-guard civil servants.

一方で古手の政治家や官僚達が海外投資家を非難しはじめている。

福田さんは安倍さんよりは現実を認識しているが、与党も野党も福田さんが実際に問題に取り組めるとは思っていない。

In the government's latest budget, for the fiscal year beginning in April, the LDP's traditional clients, farmers and road-builders, are getting goodies

昔からの自民党のお得意さんたる道路建設業者と農家が次の予算では良い目を見た。

このへん、長老やら、昔からの支持基盤~小泉さんが切り離してシフトしようとしたってことでしょうかね~が盛り返していることを古代ワニの復権と呼んでいるんでしょうな。

で、最後、3つめ

Third in line for blame comes the DPJ's Mr Ozawa.

これが小沢さんなんですよ。

ロンドンエコノミスト 日本にダメだし

2008-02-24 21:08:36 | 英語情報
今日は久々にロンドンエコノミスト誌をながめることにいたします。わけがわからなくなったときは、激辛の評論を読んでいるとすっきりすることが多いんですよね。英語が難しいんでめんどくさいんですけどね。

Why Japan keeps failing

いきなりこれですわ。

問答無用、一刀両断。日本が失敗し続ける理由。 『失敗し続ける日本』でいいじゃん、と思いますが、理由、がついてますな。

なんかへまやって失敗が続いた、というんじゃなくて、こいつらおかしいぜというニュアンスを出しているんですね。本文ではニュアンスどころじゃなくて、こいつらおかしいぜ、どころでもなくて、かなりトンデモ風に描いてくれちゃってますな。


10年前の話から記事は入ってまして、ジャパンパッシングとか言われていたわけですな。日本は世界の成長からパスされた、という意味に加えて、世界からどうでもいい国としてパスされたってことなんですが、

A headline in The Economist at the time tried to sum up the situation more pithily: “Japan's amazing ability to disappoint”

エコノミスト誌は当時の日本を、『がっかりさせる天才』と書いたんだそうです。

でその後、

小泉さんがやっぱり絶賛されていて、2001年に政権を取ってからは改革を進めて悪夢から目覚めて自民党の旧弊、一部の農業や建設業、官僚の力を弱めて、今後の日本の進む道が定まったように見えたわけですな。

それがここへ来て再びジャパンパッシングがささやかれるようになり、株価がメチャメチャ下がってしまっている。

日本は2%成長を続けているとか言っているが、07年の第4四半期は多分悪い。

business investment has probably been exaggerated, and the quarterly growth figure will therefore very likely be revised downwards. Economists at Goldman Sachs said in late January that the economy was already in recession; others who are not so sure claim it is a close-run thing.

既にリセッション入りしてる、という風に考えた方が良いとエコノミスト連は見ているようだとか。

肝心の政治もねじれ国会で混乱の極み。

Despair is spreading among the political class responsible for the mess.
If the opposition deplored the “absence of a framework to sustain economic growth”, you might take it with a pinch of salt. But the admission comes from none other than the economy minister, Hiroko Ota, who for good measure says that Japan can no longer be considered a “top-tier” economy. Although she identifies the problem correctly, she has disappointingly little to say about how to solve it.

政治家層に絶望感が広がっていて、野党が成長へのフレームワークが無い、と政府を揶揄しても、これ洒落になってない。太田大臣がもはや経済は一流じゃないと言っちゃった。問題はつかんでいるようだが出すべき対策が出てこない。

ホントやんなりますなあ。まだ,ここから先がまだまだ続くんですな、これが。

政治がだめなら経済はというと、
企業収益は伸びてるといっても、株主軽視、低金利,のせいで生産性が低い。投資リターンは米国の半分。輸出頼みだが,輸出も円高と原油高で頭打ち。こういう時こそ内需、消費が伸びねばならないし、そう予測されていたのだが、ついてこない。

政治が企業に給料を増やせといっても増やせない。ちとょっと成長したからといって安心できる状況じゃない。何故か。

Yet the incompetence and unpredictability of politicians help explain the companies' caution. A year ago, for instance, in a well-intentioned attempt to crack down on predatory lending, the government all but destroyed the consumer-finance industry.

政治の無能とでたらめさで説明がつく。たとえば去年、よかれと思って消費者金融の暴利を規制したら,消費者金融業界全体を破壊してしまった。

もっとひどい例として、

A more serious episode still started last summer, when a system for vetting new buildings was introduced in reaction to the faking of earthquake-proofing data—itself a reaction to hasty new regulation brought in a few years back. The housing ministry was unable to get new software for the new system running in time. New-building approvals ground to a halt, and new construction fell by 40%.

建築基準法の改正時に新しいソフト作成が国交省の不手際で間に合わず新規建設が40%も落ちてしまった。

まあ,この辺、世界のエリート読者が読んだ時どう思うんでしょうな。ええっ? 40%? 4%の間違いだろ。あるいは14%じゃないの?  ホントに日本の記事か? マジ? 中国か北朝鮮のことじゃない?

まさか、資本主義の先進国日本のハナシだとは思えないでしょうな。日本の建設投資ってドンくらいでしょうか。50兆円くらいですかな。その4割ってどうよ。まあ、影響のある規制の対象はもっと少ないとしても、国民の巨額の所得が失われたってことですよね。それだけ増税したのと同じかあるいは生産が落ちたんだからもっとマイナスじゃないですかな。税金だと取られてもどっかにそれを原資に使えますからな。4割ってやっぱりまずいでしょう。国家的大損失ですな。避けられた被害です。

These costly blunders were committed even before July's elections divided the Diet; with the current political chaos, the risks of things going wrong is still higher. The incompetence of politicians and bureaucrats does not just lead to expensive short-term disasters; it also threatens Japan's long-term growth prospects.

こういう不手際は,そもそもねじれ国会が始まる前に発生したもので、短期的なものじゃない。政治と官僚の無能力は短期の損失にとどまらず将来の成長をもおびやかすものである。

ホント,良いこと言ってくれますな。表面っツラだけの正論はきいてられませんが、こういう掘下げた指摘は迫ってくるものがあります。

Japan needs a mass of economic reforms—a more open climate to foreign investment, for instance, lower tariffs on imported food, fewer subsidies for farmers, freer trade, better tax treatment of foreign companies, the abolition of a welter of business subsidies, a more flexible labour market, greater fiscal rectitude (national debt is currently around 180% of GDP), more accountability by pension funds and insurance companies, further privatisation of services and much more.

日本がやるべきこと。長いリストです。きちんと上げてくれてます。こういうことをめんど臭がらずに日本のメディアも都度書いてくれれば忘れないんですけどね。なんかあった時は、そういえばアレはどうなった、これは進んでんだろうか、とチェックしたいですな。一有権者としては。

で、これをやらねばならないんですが、こうした改革を日本は捨ててしまっている。これ、誰が悪いんじゃい、ってことで、いくつかオモシロオカシク書かれておりまして、それは次回に。

それにしても、この記事長いっす。


シャーパーイメージ チャプターイレブン申請

2008-02-22 00:41:06 | 英語情報
小売業界は厳しい状況が続いているようでして、シャーパーイメージがChapter11を申請したようですな。

The Sharper Image Files for Bankruptcy Protection

The Sharper Image, the 31-year-old purveyor of futuristic adult gadgetry like $5,000 massage chairs and $300 robotic vacuum cleaners, has filed for bankruptcy protection after years of slipping sales, stiffening competition and image problems over its Ionic Breeze air purifiers.

マッサージチェアやロボットクリーナーみたいな小物を扱う小売なんですね。カタログ販売も1割はあるそうですな。売上が落ち続けて、ついにチャプター11申請とあいなった。アイオニックブリーズいう空気洗浄器のイメージが悪化したとありますが、

in 2005, a Consumer Reports study suggested that the product might be dangerous to users because the purifiers generated small amounts of ozone. Sales plunged. Air purifiers, which accounted for 28 percent of the chain’s sales in 2005, fell to 9.4 percent of sales in 2007.

雑誌ですかね。機能の不備を指摘されて、売上激減。3割近くを占めていたのが、1割に減ってしまった。こらー厳しいですよね。訴訟もされていると記事では指摘しています。



確かに売上急降下ですよね


左から07年  06年 ・・・
Total Revenue 525.25    668.99   760.00

Selling/General
/Admin. Ex    331.06    355.31    396.99

Operating Income -98.52    -28.42    21.19

売上激減の割に費用があんまし減ってないですよね。で、赤字。こら持たんわ。

A proposed settlement of an Ionic Breeze lawsuit in Florida was rejected by a judge in October, sending Shaper Image’s stuck plunging. Soon after, many suppliers began demanding cash payments upon delivery, which left the chain with little money to run its business, according to its bankruptcy filing.

空気清浄機の訴訟がうまく行かず、売上が落ち込んだまま回復しなくなり、そして、サプライヤーが掛けで商売をしてくれなくなった。そして資金ショートとあいなった。

Cash & Equivalents 18.01    42.81    27.15

一番左が07年ですがずんずん減ってますよね。いつか行き止まり、って感じです。

Cash & Equivalents 0.80

これ、07年の10月末の数字です。80万ドル。たったこれだけ手元にあるだけです。そろそろシーズンに向けた仕入れに取り組む時期なんでしょうが、これでは戦えませんなあ。こんなに減っちゃって,トホホ。

Accounts Payable 65.29

これも10月分です。まだPayableはそこそこありますな。06年10月も同じくらいで60.94 です。この段階ではまだサプライヤーも掛け売りに応じていたということなんですかな。あるいは、単に滞納が始まっていただけなのかも知れませんね。

Notes Payable/Short Term Debt 62.09    22.34

短期の借入金が前年同期で4千万ドルも増えちゃってます。在庫、売掛はむしろ減っています。それでも現金は80万ドルしかないんですから。金繰りの厳しさがよくわかりますよね。

借金だけ増えて、資産側が増えてない。

赤字だからですね。

再び、こらもたんわ。

すでに10月の段階でムリっぽいですよね。

まあ、グーグルの簡単な数字だけでも、それなりのことは見えてきますな。



ホストホテルズ ホテルREIT増益

2008-02-20 22:57:53 | 英語情報
二日続けて規格争いのハナシでござんした。これ、結構奥が深くて、興味がつきないんですな。今日はテレビでソニーがブルーレイのCMを観ましたが,これ前からやってましたっけ? 急に差し替えなんてできなさそうですが、もし急遽入れたんならスゴイですね。

さて,今日は少し目先を変えましてホテルです。

Host Hotels Profit Climbs on Increase in Room Rates

昔、CFO列伝とかいう本に、マリオットも紹介されてまして、それが、ホテルというオペレーションに特化して資産は保有しないというやり方で業績を急拡大させた、と説明されているんですね。

ホテル会社、とかいうと当然ながらホテルを所有している、と思うしそういう会社もおおいわけですが、今はオペレーター専業というのが多いんですかな。一々ホテルを土地から買うやり方だと限度がありますわな。

Feb. 20 (Bloomberg) -- Host Hotels & Resorts Inc., the owner of 119 properties including Marriotts, Hiltons and Westins, said fourth-quarter profit rose 50 percent as room rates increased.

前フリでオペレーターのハナシをしておきながらで恐縮ですが、これは資産オーナーの記事です。オペレーターがいれば資産の所有者もいるはずで、こっちはあんまり話題になることが少ないような気がするんで・・・。

マリオットやら、ヒルトンやら、ウェスティンの資産を所有しているホストホテルズアンドリゾーツの利益が5割も拡大した。稼働率が上がっている。ふんふん。


Room rates climbed 6.4 percent as business travelers and tourists stayed in cities such as New York, where few new hotels have been built. The company also benefited as Europeans taking advantage of the weak dollar booked trips to the U.S.

6%も上がったんですな。ニューヨークではあまり新しいホテルが建っていない。東京はバシバシ外資のホテルが進出してますがね。出ました為替。ドル安でヨーロッパからの客が増えてんですね。為替の影響はあちこち出てるんですな。

The company lowered its growth-rate forecast for revenue per available room, a measure of rates and occupancy, to 2 percent to 4 percent for 2008 from October's estimate of 5 percent to 7 percent. Marriott International Inc. and Starwood Hotels & Resorts Worldwide Inc., which together manage 112 Host properties, have also lowered their 2008 Revpar forecasts.

ただ、予測は下方修正しているみたいですね。revenue per available roomというのは一室あたり収入のことですが、レブパーとか呼びますな。これの伸び率が落ちる。マリオットと一緒に経営している112の資産ですか,ここはオペレーションにも参画しているってことなんですな。

ここはホテルREITなんですけどね

Host Hotels & Resorts, Inc., formerly Host Marriott Corporation, operates as a self-managed and self-administered real estate investment trust (REIT). It owns properties and conducts operations through Host Marriott, LP, a limited partnership, of which Host Hotels & Resorts, Inc. is the sole general partner.

ふーん。リミティドパートナーを通じてオペレーションもやっている。


リミティドパートナー。勉強しましたな。税法ではパートナーシップやらコーポレートやら個人やら、全部違ってて・・・。法律もそれぞれ覚えさせられて、とほほ。

日本ではREITと言えばオフィスビルやら居住用不動産ってイメージなんですが、ホテルのREITですか。資産オーナーとオペレーターが分離しているという点がポイントですかな。病院なんかもREITになってるらしいことを聞いたこともあります。

06年の数字です


Total Revenue  4,888.00
Total Assets  11,808.00

いかがですか。売上に比べて総資産が圧倒的に大きいですね。

これがホテルオペレーションのマリオットインターナショナルになると、

Total Revenue  12,990.00
Total Assets   8,588.00

全く逆ですよね。確かに資産をできるだけ持たずにやっている。実際にはホストホテルズのようなREIT所有のものもあるんでしょうな。

ホテルからの収益はREITとオペレーターで分け合うことなるわけですが、両方を比較してもう少し分析してみると、面白いかも知れませんな。

ちなみにROEはホストホテルズが8%弱くらい、マリオットが34%です。

書いててエッ!!っと驚きます。

資産を持つことの意味を考えてしまいますよね。




東芝 HDDVD事業撤退その2

2008-02-19 23:16:29 | 英語情報
結局東芝さんはHDDVDからの撤退を正式に発表しましたね。昨日否定しておいて、翌日発表って・・・。まあ、昨日は、まだ撤退を決めてない、と言っただけで確かに決めてなかったんですがね。こういうことを突っ込むのは大人げないんですが、昨日の否定発表って却って紛らわしくなかったですかな。

今の業界ルールでは他にとる道がないのかも知れませんが、常識的に変なことはない方がいいですね。

さて,正式決着したことで、もうちょっと見ときましょうか。

昨日、というか今朝ですか、規格争いの決着が早くなっていると書きましたが、VTR戦争は10年近く続いたんですな

『家庭用VTRで先行したのは、1975年5月に第1号機を発売したソニーのベータ方式のベータマックス「SL-6300」である。VHS方式は翌1976年9月に発売した日本ビクターの第1号機「HR-3300」だった』

76年に両方の製品が市場に出て、VHS優位が決定的になったのが87年

『βとVHSを例にすれば、双方が登場した最初の5年ぐらいは拮抗していましたが、あるタイミングでソフトがVHS優勢になると、一気に流れはVHSへ傾き、1987年ごろには完全にVHSが優位となりました。その後、βの旗振り役であったソニーもVHSデッキを投入するに至り、戦争は終結しました』

VTR戦争と比べると、今回の規格争いの期間は随分短いですな。

ソフトがVHS優勢になると一気に流れはVHSに傾いたことについては、補足が必要でしょう。推測を加えつつ展開してみると

①もともと、VTRは番組録画用を想定して開発されたものだ
②従って10年にも長きにわたり二つの規格が並存した。
 録画して再生するだけなら好きな方を選んで何も困りませんよね

③それが、映画ソフトの発売、ビデオレンタル業の発展で,ビデオソフト再生という使用法が一般的になった

④その結果、ソフトの豊富な方の規格を消費者が選択するようになった

⑤こういう状況は決して安定せずどちらかに傾き、他方を一気に駆逐する
 
つまりソフト再生用途が生じ、一般化したことで、消費者が規格コンシャスになったということですな。そして一気にかたがついた。

『BD/HD DVDがその例と類似しているはそうした「流れ」です。これはアメリカの統計ですが、それまで1:1で推移していたBD/HD DVDのハードウェア販売が、ワーナー・ショックの後には9:1とBDの優位が高まりました。その後、HD DVDプレーヤーのディスカウントで、ある程度回復しますが。流通関係者や消費者は動向に敏感ですね。ロスアンゼルスで、販売店の販売員に「HDプレーヤーを買いたいが、BDとHD DVDどちらを選べばいいか?」と尋ねましたが、「規格戦争に勝ったのだから、それはBDだ」と即答されました』

ははあ。BDがもともと優位だったと感じてましたが、ワーナーショックまでは1:1だったのですね。ワーナーがBD支持を発表してBD勝利が確定したわけですな。

『ソフトでいえば、HD DVDの方が先行したものの、BDの2007年の伸びはそれを大きく上回るものでした。市場では2007年1月にはすでに出荷量でHD DVDとBDは1:2となり、タイトルの種類も豊富になりました。ワーナーは2007年1月段階ではPS3にやや冷淡なスタンスを示していましたが、その後、「300」がPS3ユーザーに多く購入されたことから認識を改めたようです。決め手になったのは、2007年末に発売された「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」です。これはHD DVDとBD、双方のフォーマットで出荷されましたが、BDが出荷量で上回りました』

ハードの台数が同じでもソフトはBDの方が多く売れた。これがワーナーをしてBD支持に動かしたということですね。

『ハードウェアの側面から分析もしてみましょう。東芝は秋にHD DVDプレーヤー「HD-A2」を99ドルでしかも最大7枚のソフトをサービスするというセールスを行い、反響を得ましたが、プレーヤーの出荷台数の割にはソフトが伸びませんでした。ユーザーはアップコンバート可能な高機能DVDプレーヤーとしてHD DVDプレーヤーを購入していたという側面が強かったのですね』

このハナシにも補足しましょう。多分ですが、BDを購入するユーザーはBDを観るために買う。HDDVDを購入したらDVDも観れちゃうわけで、ソフトの豊富なDVDで、まっ良いか、たまにHDを買えば程度なんでしょう。世の主流がいまだDVDなわけで、昔のフォーマットを引きずっていると切り替えが進まない。意外な盲点と言えませんかな。

『ワーナーとしては、ユーザー(市場)にBD/HD DVDの選択をこれ以上ゆだねるのではなく、自らが動くことでBDを優勢に導き、HD市場発展のバリアを排除する必要があると考えたのでしょう』

決め手がワーナーであった、という点もポイントですな。最後にハリウッドがジャッジする。審判が明確なので決着も早い。


こうして振り返ると、DVD互換というのが結構失敗の大きな原因だったんじゃなかったんですかなあ。

それと、結論を出すものが少数者であること、これも気にかかりますな。消費者があれこれ判断して、ではなくて、ハリウッドの都合で決まっちゃう。BDを買った人はDVD互換のHDDVDを購入した人よりは普通より行っちゃってるはずですよね。DVD互換を選ぶ人の方が消費者のマジョリティに近いかも知れないじゃあないですか。

ソフトを売る側にしてみればそれでは困る。そういう理屈で規格が決まる。

ちょっと気にかかるわけですな。

それってどゆこと、というのは私にもまだわからないんですけどね。






東芝 HDVD事業撤退?

2008-02-19 05:54:24 | 英語情報
東芝さんの開示。

HDVD事業に関する一部報道について

当社のHDVD 事業終息に関する一部報道がありましたが、当社として決定した事実はありません。 現在、今後の事業方針について検討しているのは事実ですが、具体的には何も決まっていません。

以 上

愛想ないですね。でかでかと報道されて何か出さざるを得ず、仕方なしってとこでしょうか。

今回の規格争いは考えさせられるところ大ですね。やはりVTR戦争と言われたベータとBHSの争いのことを連想しますよね。ただし、当時は家庭にビデオが入るという普及期でそこが大きく違いますけどね。どっちがユーザーを押さえるか、これがテーマでしたね。

ところがですね、今回は、ハリウッドがどっちにつくか、がハナっからテーマになってましたね。すでにVTR時代にソフトやレンタルみたいな関連市場も出来上がってて、今回の争いはユーザーでなく、川上のソフト生産者が趨勢を決めました。

ウォルマートがHDDVDを売らないと決めて、息の根が止まった感じですが、それ以前から旗色は決まってましたね。

しかも決まるのが早かったですね。2005年にはまだ規格統一の交渉がなされていて、決裂後ハードの発売は06年、普及機が出始めたのが去年、今年はじめにもうアウトってか去年から苦しい感じの報道が一杯出てましたな。

何を言いたいか、と言いますと、

市場で戦うという意味が随分変わったな、というコトです。ユーザーを求めて戦うのではなく、川上に向かって戦う。もちろん最終的にユーザーに買ってもらわねばならないのは間違いありませんが、趨勢をきめるのがユーザーではない。

それに、昨日の日経。

BD陣営にしても、BDプレーヤーを作ったって値下がりが激しくてそんなに儲かるわけではない、と指摘してましたが、VTRやDVDの規格争いの頃とは期待できる儲けも少なくなっているわけですね。すぐに安いコピー品が出回る。半導体チップにテクノロジーが集約される時代になると、チップに富が集まり、セットメーカーはコスト競争のプレイヤーに成り下がる。パソコンと同じですな。

食肉も富を分け合っているわけでしたね。飼料が値上がりすればコーン農家は儲かる。飼料値上がり分は牧場主にしわ寄せが行き、牛の値段がどれだけ上がるかが牧場主の儲けを左右する。牛の値が上がればパッカーが苦しい。食肉の値段が上がればパッカーは助かって消費者が割を食う。これはわかりやすい。

HDDVDやBDの、あるいは広くコンシューマーエレクトロニクス分野での富の分け合い、はどう考えればいいですかな。

規格を取れればロイヤリティ。チップやら部品、部材価格に反映されるテクノロジー、効率的な組み立てスキル。

あと,ブランドによるプレミアム。ほんの数%でもブランドプレミアムがつけば大きいですね。ソニーの営業利益は数%しかありませんでしたよね。トップブランドだから持っている部分も大きいはずですよね。

再びなにを言いたいのか,今回で何が言える、ポイントは何だったんだろうかというと、

①川上が趨勢をきめた(だから早く決まったかも)

②モノ作りの機能分化でハイテク製品のコモディティ化が進み、基本的に儲からない。

③その結果ブランドプレミアムが富の源泉に大きなウェート占めている。

④それに、チップ開発をやってるようなテクノロジー専業だとかなり儲かる。

⑤規格で勝ってロイヤリティが取れればサイコー。

まだあるかな。あるに決まってますがね。

かなり奥深で理解不能ですな。今回の争いって一体何だったんですかな。

⑤だけ?

あるいは東芝にとってはHDDVD開発メーカーとして売り出せるという③の意味も大きかったかな。

もう少し先に進めるような気もするし、

あるいは映画のようなソフトの位置づけはどうなんだろう、川上ってこの場合は何を支配しているのか、というようなことを理解しないと進めないかも知れませんな。

①から⑤で誰が利益を得て誰が負担するかを整理して考えれば富の分け合いについてもクリアになりますかな。

投げ出すようですが、ここで失礼いたしやす。







タイソンフーズ こっちは減益

2008-02-17 13:04:50 | 英語情報
ホーメルの好調を書いていて、じゃあタイソンフーズはどうだっけと気になるんですね。確か、タイソンは飼料高のせいで減益になっていたはず。どこが違うんだろう、と思いますわな。

Tyson Profit Plunges 40% on Beef Losses, Grain Costs (Update5)

Jan. 28 (Bloomberg) -- Tyson Foods Inc., the largest U.S. meat processor, said first-quarter profit plunged 40 percent on beef losses and higher corn costs

こちらは、コーン高と牛肉部門のロスで4割の減益とあります。

Tyson said the increase in its full-year grain costs will top $500 million, exceeding an earlier forecast of $300 million. The company's losses on beef sales widened because meat prices haven't kept pace with higher costs for the cattle it slaughters.

穀物の値上がりでもともと3百億ドルのコスト増と見込んでいたのが、5百億ドル超に膨らんだ。

牛肉部門の赤字は肉牛の値上がりのペースに牛肉価格の値上がりが追いつかなかったことが原因。
日本と同じで小売業者が値上げを認めてくれないんでしょうね。

ホーメルは豚肉で、豚肉は07年に大幅に値下がりしてましたよね。それが、牛肉はちゃんと値上がりしているってことですね。

確かに、チャートもそうなってますな

やはり豚の値下がりがちょっと異常なのかもしれませんね。

The dollar is likely to still be relatively weak,'' Bond said during a conference call with analysts and investors. ``We do see the demand for protein worldwide continuing to grow. At some point in time, the pricing will catch up to the feed.''

明るい見通しを持っていて、ドル安でもあり、また世界中で肉食が拡大する結果いずれエサのコストアップに肉の値段も追いつくだろうと考えているんですな。

The beef unit, which accounts for almost half of Tyson's sales, had a loss of $85 million, wider than a $23 million loss a year earlier. The company last week said it will stop slaughtering cattle at a plant in Emporia, Kansas, and cut 1,500 of the facility's 2,400 jobs because of surplus capacity.


ははあ,牛肉部門はロスが拡大した。もともと赤字なんですか。カンサスのプラントをストップしてジョブカットも行う。リストラですな。

豚業界はこれができないんで相場が下がるくらいに弱いんでしょうな。

U.S. meatpackers probably lost about $38.10 for each animal slaughtered in the fourth quarter because beef prices haven't kept pace with cattle costs, said Andrew Gottschalk, an analyst at HedgersEdge.com LLC in Greenwood Village, Colorado.

食肉業界全体が赤字。ふーっ。

The cost of feeding cattle and poultry has surged along with the price of corn, which reached a record $5.1925 a bushel on Jan. 15 on the Chicago Board of Trade. Corn gained 22 percent in the past year on demand to produce ethanol and feed livestock.

コーンの値段が22%も上がってた。エタノールと家畜のえさ需要が高まった。

Tyson is the biggest U.S. buyer of corn for feed.

これがわからない。タイソンは牛を飼っとるの?

タイソンは牧場主から牛を買う、牧場主はえさを買う。
エサが値上がりして牛が値上がりしたのに、食肉はあんまし値上がりしない、だからタイソンは赤字が拡大したんですよね。

タイソンが最大の飼料購入者って何で?


アメリカ肉牛市場の寡占化の実態


これを読んだ限りでは、

①米国の食肉業界は8割を4社が押さえる寡占市場になっていて(タイソンはその1社を2001年に買収して一角を占めるようになった)、

②その4社が牧場主の2割を押さえていて専属供給させている
『専属供給とは、自社経営の肥育場に囲い込んでいるか、先物契約であらかじめ押さえてある肉牛』

その結果、その2割を通じて肉牛の価格が上がり過ぎないようにコントロールできるようになったわけですね。

なるほど、これか。肥育場を自前持っているんならエサもタイソンが調達するんでしょうな。

本来、牧場主の取り分を減らして肉牛を安く手に入れるために川上支配に及んだわけですが、丸抱えでコストまで取り込んでしまったために、こういう飼料コストアップという外部要因があった場合、却って自分の首を絞めることになってしまう。

皮肉なもんですな。



ホーメル ブタ肉安で好調

2008-02-16 13:42:06 | 英語情報
飼料の値段が上がり、当然ながら家畜の値段も上がる。
そうすれば食肉加工業者のコストも上がって、利幅が下がる。

と考えるのが自然ながら、ホーメルの場合はそうでないようです。

Hormel CEO Cautiously Optimistic Despite Higher Grain Costs

With the company riding what he calls "excellent momentum," Hormel Foods Corp.'s (HRL) chief executive said he is "cautiously optimistic" that the food processor can maintain the momentum despite rising grain costs.

穀物の値段が上がってはいるが今の勢いは続く。
鼻息荒いです。
ホーメルはパスタのような穀物加工もやっているので穀物コストのことを云々しているんですね。

Ettinger estimated that incremental grain costs for Hormel this fiscal year could be more than $80 million - twice the company's initial estimate.

8千万ドルのコトス高がありうる。売上60億ドルの会社で、営業利益は8%弱です。決して小さくありませんな。

Significantly lower hog costs are helping to offset that burden, and Hormel is "working to try to stay up on pricing. But we have to balance how high is up," Ettinger said.

ブタの値段が下がってるんですね。それが穀物の値上がりを相殺している。

Every business unit showed operating profit gains in Hormel's fiscal first quarter, with the largest coming from Refrigerated Foods, where it rose 50% on an 8% volume increase.

冷蔵食品の場合、8%の増収で5割の増益、ってどうゆうこと? コストがそんなに下がってきてるってことか。

ホーメルのSPAMって結構有名なんですかな。

"The big story there is a benefit from lower pork value," the CEO said. Sales of value-added items, such as refrigerated and party entrees, helped spur that business, and Hormel's Burke Corp. acquisition "has been very favorable for us," he said.

ブタのコスト安が効いていて、加工食品の好調で、バークを買収したこともホントに良かった。

エドはるみなら、みんなグーッ!!って感じですな。

Despite widespread concerns about a recession, Ettinger said he hasn't seen hard evidence of consumers trading down. Cold weather has been a benefit to canned items, such as Hormel chili. Even in a downturn, "a number of our product lines do quite well," he said.

すでに小売業者の業績が落ち始めていることが報じられているわけですが、ここには影響がでていないんですね。寒いと缶詰は良く売れるし、不景気にも強い。外食が減って惣菜が伸びる的な考えかたですわな。

ところで豚肉相場です。チャートを見るとこれは下がってますな

今年に入って少し盛り返してはいますがね。

ブタが何で安いのか

The numbers of butchers just doesn't seem to dry up with the daily slaughter pace at near capacity this week. Once again, the weekly kill looks to be up 10% to 13% from last year, depending upon the size of the Saturday kill effort.

これは今週の動きだけのことですが、もともと供給過剰気味の傾向があるんですかね。スローターペースって殺戮頻度? ちょっと怖い。

家畜業者は赤字だそうです


Data received from John Lawrence at Iowa State University showed that the total cost of producing a 270-pound hog in an Iowa farrow to finish operation for pigs born in July 2007, and slaughtered in December 2007, was $49.53 per hundred pounds live weight, or $66.04 carcass weight. According to USDA, the weighted average value of hogs sold in Iowa-Southern Minnesota on Jan. 15 was $46.81 on a carcass weight basis. Each 202-pound hog carcass cost $133.72 to produce, and it sold for $94.55. This means that each pig sold on Jan. 15 was sold at a loss of $39.17 per head.

ちょっと長い引用ですが、要するにブタを育てるコストの方が売値より高いってことですね。畜産業者の過剰競争でホーメルが潤っているわけで、本当なら飼料の高騰でブタも値上がり→ホーメルも苦しいとなるはずだけど・・・、

こういうこともあるんですな。


The value of the U.S. dollar has made U.S. pork a phenomenal value in international markets. U.S. exports continue to grow. However, many pork-producing nations have been experiencing similar market conditions for their pork producers.

ドル安になって輸出が伸びているが、市場は一向に良くならない。

お気の毒です。