3日続けてロンドンエコノミスト誌の日本記事をご紹介しました。率直で言葉は厳しいものがありますが、論点を網羅し、問題を的確に捉え、提言も妥当なものではなかったでしょうか。
日本に対する予備知識のない人がいきなりあの記事を読んだとしましょう。読後、その人はかなりの日本通になれるんじゃないでしょうか。少なくともその辺の日本人よりは的確に、深く日本の状況をつかんだことになりませんかな。
一流の記事とはそのようなものだと思います。一流の雑誌とはそのような記事を載せている雑誌ということになりますな。日本の雑誌で思い浮かびますかな。
それで、ですよ。今朝、私も通勤するわけです。
当然、新聞を読みますわ。日経です。国際面に目をやったらこのエコノミスト誌の記事が紹介されているじゃあありませんか。
良い記事ですからね。私も取り上げられたことはうれしいわけですよ。
ところがです。読んでびっくり。目が点ですわ。
『小沢一郎代表が目指した大連立構想についてもかつての一党支配に逆戻りと批判した』
と紹介されてるんですがね。そんなこと、どこを探しても一言も書いてない。
その箇所、そのまま引用しておきましょう。
And how else, apart from ascribing a growing erratic streak to Mr Ozawa, to explain the extraordinary about-face last November, when he switched from vowing to bring down Mr Fukuda and his government to cutting private deals with the prime minister? To the DPJ's modernisers, a grand coalition would spell doom to the party, which defines itself precisely by offering itself as an alternative to the LDP. Younger parliamentarians have become so dissatisfied with Mr Ozawa that Yukio Hatoyama, the DPJ's secretary-general, now says that he, and not Mr Ozawa, is answerable to the party caucus. It is a hint that Mr Ozawa, at least for the time being, has agreed to cede some authority.
ここでは小沢さんの気まぐれさを説明していて、
小沢さんは福田首相と政府を倒すといっていたのに転向して大連立構想に行っちゃった、政権交代を主張していた民主党にとってはえらいこっちゃで、若手議員たちは民主党の政策を語れるのは小沢さんじゃなくて鳩山さんだと言い出すしまつだ,
というようなことが、ここに書いてあるわけで、
かつての一党支配に逆戻りだと批判などどこにもありません。そもそもですよ、一党支配ってなんのことを言ってるんですかな。今でも一党支配ですよね。自民党政権が続いているわけです。ねじれ国会が解消してしまうことを指しているんですかな。
だとしたら滅茶苦茶です。ねじれ国会そのものについては、エコノミスト誌も問題視しているんですからね。憲法もこれは想定していなくて混乱している、というニュアンスでしたよね。
日経記者は、エコノミスト記事を読まずに、自分の思い込みをそのまま書いただけですね。ねじれ国会が面白いと思っているから、逆戻りしたら嫌なんでしょう。
日経によれば『日本復活の処方箋は早期の選挙だと主張』したそうですが、
どこに書いてるんですかな。対応する箇所が無い。ひょっとしてインターネット版とプリントエディションは違うのかとも思いましたが、ネット記事にもプリントエディションとあるので同じ記事を読んでるはずですよね。
早期の選挙を主張するなんて、常識的に考えてエコノミスト誌がそんな政治的な主張をするわけがない。
記者が個人的に、早く選挙になれば面白いと考えているだけでしょう。これ意図的ですね。
ヒドイ、ひど過ぎる。
『日本復活の最も有効な処方箋は早期の選挙だと主張』だって。
『仮に選挙で政局が一層混迷したとしても、軌道修正への第一歩として歓迎すべきことだとしている』だと。
選挙についてエコノミスト誌が触れているのは次に2文だけです。
An election would not solve these problems, but it might at least encourage parties to tell voters what they stand for.
選挙はこうした問題を解決するわけではない。しかし、政党が自分達の立場を説明するよう促すことにはなる。これ、次の選挙のことではなく選挙一般をさして言っているだけです。直前の文章で、政治が有権者に対する政策チョイスを提示する風になっておらずビジネスとして捉えられていて、と書かれているのを受けているんですな。早期の選挙がくれば良いなんてどう読んでも出てきません。
A general election would at least give them the chance to start holding their politicians to a higher standard.
総選挙は、少なくともより高い水準の政治家を得るためのチャンスにはなる、と書かれていますが、これも選挙一般を指したもので、いまの混迷を解決するために早く選挙しろなんて書かれていません。そもそも、選挙で問題を解決することはできないと書かれているわけですよ。
仮に選挙で政局が一層混迷しても・・・歓迎すべき、なんてどっから持ってきたんだ。
ホントひどいですね。これ、エコノミスト誌を偽装した政治アジテーションです。かなり悪質です。簡単にチェックできてしまう雑誌記事の紹介でこれなんですから、他の取材記事など、どこまで本当のことが書いてあるのか疑問です。
日経のすべてがこんなんだとは思いません。それはあり得ませんが、しかし、こんな記事が平気でのるなんて、クオリティの低さはエコノミストが触れた政治家や官僚達と良い勝負ですな。
次にエコノミスト誌が特集を組む時は、安倍さんの前に、日経を持ってくるべきでしょうな。
日本に対する予備知識のない人がいきなりあの記事を読んだとしましょう。読後、その人はかなりの日本通になれるんじゃないでしょうか。少なくともその辺の日本人よりは的確に、深く日本の状況をつかんだことになりませんかな。
一流の記事とはそのようなものだと思います。一流の雑誌とはそのような記事を載せている雑誌ということになりますな。日本の雑誌で思い浮かびますかな。
それで、ですよ。今朝、私も通勤するわけです。
当然、新聞を読みますわ。日経です。国際面に目をやったらこのエコノミスト誌の記事が紹介されているじゃあありませんか。
良い記事ですからね。私も取り上げられたことはうれしいわけですよ。
ところがです。読んでびっくり。目が点ですわ。
『小沢一郎代表が目指した大連立構想についてもかつての一党支配に逆戻りと批判した』
と紹介されてるんですがね。そんなこと、どこを探しても一言も書いてない。
その箇所、そのまま引用しておきましょう。
And how else, apart from ascribing a growing erratic streak to Mr Ozawa, to explain the extraordinary about-face last November, when he switched from vowing to bring down Mr Fukuda and his government to cutting private deals with the prime minister? To the DPJ's modernisers, a grand coalition would spell doom to the party, which defines itself precisely by offering itself as an alternative to the LDP. Younger parliamentarians have become so dissatisfied with Mr Ozawa that Yukio Hatoyama, the DPJ's secretary-general, now says that he, and not Mr Ozawa, is answerable to the party caucus. It is a hint that Mr Ozawa, at least for the time being, has agreed to cede some authority.
ここでは小沢さんの気まぐれさを説明していて、
小沢さんは福田首相と政府を倒すといっていたのに転向して大連立構想に行っちゃった、政権交代を主張していた民主党にとってはえらいこっちゃで、若手議員たちは民主党の政策を語れるのは小沢さんじゃなくて鳩山さんだと言い出すしまつだ,
というようなことが、ここに書いてあるわけで、
かつての一党支配に逆戻りだと批判などどこにもありません。そもそもですよ、一党支配ってなんのことを言ってるんですかな。今でも一党支配ですよね。自民党政権が続いているわけです。ねじれ国会が解消してしまうことを指しているんですかな。
だとしたら滅茶苦茶です。ねじれ国会そのものについては、エコノミスト誌も問題視しているんですからね。憲法もこれは想定していなくて混乱している、というニュアンスでしたよね。
日経記者は、エコノミスト記事を読まずに、自分の思い込みをそのまま書いただけですね。ねじれ国会が面白いと思っているから、逆戻りしたら嫌なんでしょう。
日経によれば『日本復活の処方箋は早期の選挙だと主張』したそうですが、
どこに書いてるんですかな。対応する箇所が無い。ひょっとしてインターネット版とプリントエディションは違うのかとも思いましたが、ネット記事にもプリントエディションとあるので同じ記事を読んでるはずですよね。
早期の選挙を主張するなんて、常識的に考えてエコノミスト誌がそんな政治的な主張をするわけがない。
記者が個人的に、早く選挙になれば面白いと考えているだけでしょう。これ意図的ですね。
ヒドイ、ひど過ぎる。
『日本復活の最も有効な処方箋は早期の選挙だと主張』だって。
『仮に選挙で政局が一層混迷したとしても、軌道修正への第一歩として歓迎すべきことだとしている』だと。
選挙についてエコノミスト誌が触れているのは次に2文だけです。
An election would not solve these problems, but it might at least encourage parties to tell voters what they stand for.
選挙はこうした問題を解決するわけではない。しかし、政党が自分達の立場を説明するよう促すことにはなる。これ、次の選挙のことではなく選挙一般をさして言っているだけです。直前の文章で、政治が有権者に対する政策チョイスを提示する風になっておらずビジネスとして捉えられていて、と書かれているのを受けているんですな。早期の選挙がくれば良いなんてどう読んでも出てきません。
A general election would at least give them the chance to start holding their politicians to a higher standard.
総選挙は、少なくともより高い水準の政治家を得るためのチャンスにはなる、と書かれていますが、これも選挙一般を指したもので、いまの混迷を解決するために早く選挙しろなんて書かれていません。そもそも、選挙で問題を解決することはできないと書かれているわけですよ。
仮に選挙で政局が一層混迷しても・・・歓迎すべき、なんてどっから持ってきたんだ。
ホントひどいですね。これ、エコノミスト誌を偽装した政治アジテーションです。かなり悪質です。簡単にチェックできてしまう雑誌記事の紹介でこれなんですから、他の取材記事など、どこまで本当のことが書いてあるのか疑問です。
日経のすべてがこんなんだとは思いません。それはあり得ませんが、しかし、こんな記事が平気でのるなんて、クオリティの低さはエコノミストが触れた政治家や官僚達と良い勝負ですな。
次にエコノミスト誌が特集を組む時は、安倍さんの前に、日経を持ってくるべきでしょうな。