会計スキル・USCPA

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97年の消費税引き上げと小売販売

2011-01-04 02:04:22 | 平成10年問題
98年からの日本の低迷や自殺の急増は,消費税引き上げをはじめとした橋本政権の緊縮財政のせいだ,というのは実は間違いかも知れなくて,生産年齢人口の縮小や,支出の波が過ぎ去って行ったこと、に起因するんじゃないか,

というのが,人口論からのアプローチなんでした。

で,いろいろ探してたら,97年の小売の売り上げをクローズアップしている経産省のサイトにレポートとグラフが出てたんで,貼っておきます。

1998年版我が国産業の現状

小売業は97年4月に実施された消費税率引き上げと所得税減税の終了等の影響を受けて4~6月期には前期比▲9.2%と大きく落ち込み、以来98年1~3月期まで低調に推移している。また、小売以外の対個人関連活動も、小売業ほど鮮明な影響は受けなかったが、97年秋以降は金融不安等を受けた消費マインドの低迷から急速に落ち込んだ。これら消費の低迷により鉱工業生産活動、エネルギー生産活動、運輸活動にも影響が及んでいった。

小売の低迷は消費税のせいだ,という理屈は,これを見る限り否定できませんね。引き上げ直前に急増した後に,急落しています。

きっかけが消費税にあった,というのは,間違いじゃなさそうなんですが,その後もずっと低いまま低迷していることが消費税や、緊縮財政だけでは説明がつかないんですね。

それにしても,消費税引き上げの影響は,かなりヒドかったわけですな。こんなにひどく落ちるもんなんですな。

ひょっとしたら,支出の波がピークを迎える中で,消費税の引き上げを同時に迎えて,引き上げの直前に一気に需要を吐き出してしまった,ということなのかもですがね。

引き上げ直前の伸び方は,異常な感じです。日常的に買うものをどんなに買ってもこんなには伸びないでしょうから,多分,住宅とか,自動車とか,高めのものを思い切って買った人たちが多かったんじゃないですかね。

で,あがった後は,少々ほしくなっても,もう買わない,みたいな。

結構怖い経済効果です。

で、問題は,消費税のシュリンク効果が一通り終わったあとも小売売り上げが回復しなかったことにあるんですが・・・。


支出の波についてはこちら

97年に何があったのか 平成10年問題