会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

ヒラリー その2

2016-06-28 06:44:31 | 政治


昨日のジェフリー・サックスのインタビュー関連です。
エイミー・グッドマンがインタビューで、冒頭に触れたジェフリー・サックスの記事というのはハフィントンポストのこれのことなんですね。


Hillary Is the Candidate of the War Machine


There’s no doubt that Hillary is the candidate of Wall Street. Even more dangerous, though, is that she is the candidate of the military-industrial complex. The idea that she is bad on the corporate issues but good on national security has it wrong. Her so-called foreign policy “experience” has been to support every war demanded by the US deep security state run by the military and the CIA.

ヒラリーはウォールストリート候補であることは間違いないが、もっと危険なことに、軍産複合体の候補でもある。

実はCIAの手先なんだ、的な書かれ方です。
このブログでも、ナオミ・クラインのショックドクトリンや,CIA秘録についてみてきました。政権転覆、介入、結果として状況が悪化する、介入された国民はひどい目に合う,というヤツですね。

Hillary and Bill Clinton’s close relations with Wall Street helped to stoke two financial bubbles (1999-2000 and 2005-8) and the Great Recession that followed Lehman’s collapse. In the 1990s they pushed financial deregulation for their campaign backers that in turn let loose the worst demons of financial manipulation, toxic assets, financial fraud, and eventually collapse. In the process they won elections and got mighty rich.

クリントン(夫)の政権が、リーマンショックを準備した、というのは良く指摘されてますな。オバマ政権がサマーズをアドバイザーに任命した時に、なんでやねんってかなり言われてました。

Yet Hillary’s connections with the military-industrial complex are also alarming. It is often believed that the Republicans are the neocons and the Democrats act as restraints on the warmongering. This is not correct. Both parties are divided between neocon hawks and cautious realists who don’t want the US in unending war. Hillary is a staunch neocon whose record of favoring American war adventures explains much of our current security danger.

共和党がネオコンだと信じられているが、そうじゃない。民主党にもいて、それぞれの党でネオコンとリアリストに分かれているのだ。ヒラリーは冒険的な戦争を支持してきたかなりなネオコンだ。


Of course, by 2003, Hillary was a Senator and a staunch supporter of the Iraq War, which has cost the US trillions of dollars, thousands of lives, and done more to create ISIS and Middle East instability than any other single decision of modern foreign policy. In defending her vote, Hillary parroted the phony propaganda of the CIA:

当然ながら、クリントンは上院議員時代にイラク戦争を支持した。

まあ、これは、イラク戦を支持しなかった勇敢な議員たちに加わっていないという意味ですが、大多数の議員は支持したんでした。


Hillary’s record as Secretary of State is among the most militaristic, and disastrous, of modern US history. Some experience. Hilary was a staunch defender of the military-industrial-intelligence complex at every turn, helping to spread the Iraq mayhem over a swath of violence that now stretches from Mali to Afghanistan. Two disasters loom largest: Libya and Syria.

ヒラリーの国務長官時代は、現代米国の歴史の中でも最も軍事的でひどいものだった。
リビアとシリアだ。

Hillary has been much attacked for the deaths of US diplomats in Benghazi, but her tireless promotion of the overthrow Muammar Qaddafi by NATO bombing is the far graver disaster. Hillary strongly promoted NATO-led regime change in Libya, not only in violation of international law but counter to the most basic good judgment. After the NATO bombing, Libya descended into civil war while the paramilitaries and unsecured arms stashes in Libya quickly spread west across the African Sahel and east to Syria. The Libyan disaster has spawned war in Mali, fed weapons to Boko Haram in Nigeria, and fueled ISIS in Syria and Iraq. In the meantime, Hillary found it hilarious to declare of Qaddafi: “We came, we saw, he died.”

NATOの空爆をすすめ、カダフィを排除したが、その後内戦に陥り、シリア、マリ、ナイジェリアに飛び火、シリアとイラクのISISをあおってしまった。counter to the most basic good judgmentって、もうメタメタに書かれてますな。

Perhaps the crowning disaster of this long list of disasters has been Hillary’s relentless promotion of CIA-led regime change in Syria. Once again Hillary bought into the CIA propaganda that regime change to remove Bashir al-Assad would be quick, costless, and surely successful. In August 2011, Hillary led the US into disaster with her declaration Assad must “get out of the way,” backed by secret CIA operations.

ヒラリーがシリアのアサドを排除しようとしたのは最大の失敗。

Five years later, no place on the planet is more ravaged by unending war, and no place poses a great threat to US security. More than 10 million Syrians are displaced, and the refugees are drowning in the Mediterranean or undermining the political stability of Greece, Turkey, and the European Union. Into the chaos created by the secret CIA-Saudi operations to overthrow Assad, ISIS has filled the vacuum, and has used Syria as the base for worldwide terrorist attacks.

5年たって、シリアは破滅的な終わりなき戦争に。米国の安全保障にも重大な脅威となっている。シリア難民は1千万人以上。ISISは権力の空白を埋めてテロリストの基地にしてしまった。

難民問題は英国のEU離脱の要因にもなった、と今だったらリストに加えたかもですね。

The list of her incompetence and warmongering goes on. Hillary’s support at every turn for NATO expansion, including even into Ukraine and Georgia against all common sense, was a trip wire that violated the post-Cold War settlement in Europe in 1991 and that led to Russia’s violent counter-reactions in both Georgia and Ukraine. As Senator in 2008, Hilary co-sponsored 2008-SR439, to include Ukraine and Georgia in NATO. As Secretary of State, she then presided over the restart of the Cold War with Russia.

上院議員時代にジョージアとウクライナのNATO加盟を支持し、冷戦を終結させた1991年の仕切りを侵しロシアの暴力的な反応を招いた。国務長官時代にはロシアとの冷戦を再開させた。 against all common senseとかher incompetence and warmongering goes onとか、メタメタです。

とまあ、こんな感じですが、もともとネオコンは真正保守というよりはもともと民主党系で、レーガン時代に共和党にシフトしていったみたいな歴史があったはずで、クリントンがネオコンであってもおかしくないですな。

アンチクリントン派がクリントンをデフォルメすると、権力亡者で、自分の能力に過信があって、負けを認めず、ウソも突き通すヤな奴って感じになると思いますが、外交的には、ネオコン批判という形になるんですね。

彼女がそこまでひどい人なのか、ということはおいたとして、こうした図式的な見方はわかりやすいですな。










ヒラリー が嫌われる理由

2016-06-27 01:42:00 | 政治
随分更新をさぼっているんですが、米大統領選の予備選も目鼻がついてきたところで、候補者についてさらっておきたいんですな。

まずヒラリーから。

史上初の女性米大統領となるか。
だんなに苦労させられた賢い美人大統領夫人、
とかいう昔のイメージもあるんでしょうが、若い人からは随分嫌われているようなんですな。

民主党支持であってもヒラリーには投票したくない、という人も結構いるようで。

その理由なんですが、その一旦を伺わせる動画です。

このブログで何度も引用してきたデモクラシーナウで、経済学者のジェフリーサックスがスタジオに呼ばれてるんですな。ジェフリーサックスは「貧困の終焉」を書いた著名な経済学者です。


War on Wall Street or Wall Street’s Wars? Clinton and Sanders Debate in Wisconsin


Democracy now

この放送は第一回目の民主党予備選ディベートをテーマにしているんですが、以下はジェフリーサックス。

シリアについてです。

when Hillary Clinton, for example, said that she negotiated the 2012 ceasefire. There was no ceasefire in Syria. She was the reason why the ceasefire never took place then, because she has backed a CIA-led attempt at regime change that has led to a bloodbath there. That’s what I wrote about a few days ago.

停戦交渉をしたと彼女はいってますが、シリアで停戦なんてなかったじゃありませんか。停戦できなかったのは彼女のせいなんですよ。その後の大虐殺につながるCIAの政権転覆策に彼女がのったからなんです。

イラクのサダム,リビアのカダフィ。独裁者を排除して問題を解決する,という側でいつも彼女は判断してきた(国務長官の時は実際にそうした)、実はネオコンだ、と言うような意味ですな。

共和党にいるタチの悪い連中とどこが違うんだ、とリベラルな立場からおっしゃっているんですね。

国内問題について。

And also, on the domestic side, she basically said, "I will change nothing." And that, I think, is really sobering for those of us who believe in a progressive agenda. She said, "Don’t dream. We can’t do it. Don’t go with this guy. He can’t make these changes." And that’s very sad, actually, to just be campaigning on the grounds, "No, we can’t." I think the fact of the matter is, we could accomplish a great deal. And she’s basically saying that the status quo is just fine.

国内問題で彼女が基本的に言ってることは、私は何も変えません,です。今のままでいいじゃないかというのが彼女の主張です。夢を見るのはやめよう、(対立候補のサンダースが言ってるような)そんなことはできないと。我々のような進歩を信じる立場の人間はしらけてしまいます。とても悲しいことてす。

彼女の選挙戦は,NO,we can't,と言って戦っている、というのはオバマのYes,we,can,に引っかけているんですね。


When she said that the bankers were still—had no influence in the Obama administration, it’s an amazing statement, because after all this big campaign support from Wall Street, President Obama put in bankers and strong Wall Street supporters into the White House. And I remember in 2009—and I could go chapter and verse—that they absolutely treated the banks with kid gloves. And that’s why not one executive not only didn’t go to jail, didn’t even resign, after their banks paid tens, even up to $200 billion of fines.

(ウォールストリートから支援を受けていることについて)彼女は、オバマ大統領もウォールストリートから支援を受けたが、オバマ政権の政策が銀行から影響を受けてないじゃないかと言ってますが、結局、ウォールストリートから多額の選挙資金をもらっておきながらそんなことが言えるなんて。オバマ大統領は銀行家やウォールストリート支持者をホワイトハウスに迎え入れ、2009年には銀行をやさしく扱いました。銀行は罰金をはらいましたが、その経営者は刑務所に入れられるどころか 誰も辞任さえしなかったじゃないですか。

とまあ、こんな具合です。

これがクリントンのことだと知らなければ、誰か、共和党候補者なり、ブッシュ政権時代の批判を聞いていると思ってしまうでしょうな。

無茶な対外介入や企業との癒着は、米国政治の負の側面を象徴していると思いますが、クリントンに、その体現者だとサックスは指摘しているんですね。

若い人が支持するわけないですな。



Hillary Is the Candidate of the War Machine

安倍ちゃん参拝

2013-12-29 20:16:18 | 政治
皆様,今年も大変お世話になりました。
最近、更新が全くおろそかになってしまいまして、どうもすみません。
大学院に通いだして本当に時間がなくなってしまいました。

年明け早々に修士論文の提出期限が待っていて,今も必死の状態です。
というわけで、ブログを書いている場合じゃないって感じですが、参拝問題のニュースがあまりに驚いたんで、自分の記録のためにも、ちょいと書いておきたいんですな。

まあ、びっくりしたのなんのって。

ここ、一年ほどは海外のニュースもフォローしなくなったんで、よくわからないし,参拝問題も新聞を読んで初めて知ったという具合で,海外の反応も見てません。

で、以下は推測だけで気楽に書いてます。

まず、安倍ちゃんの一期目の評判が、カルト並にひどくて、エコノミストもボロボロに書いていたということがありますね。ファシスト扱いで、マザコンで、とか,あることないこと好き放題書かれていたって感じですが、これが英米での一般的な評判なのかもしれないし、あべちゃんのプロファイルの一項目としてあげらられているはずですな。

ディベート下手で、テレビに出たら古館さんに追い立てられて劣勢に立つは、慰安婦問題では官憲の狭義の関与だとか広義の関与とか屁理屈的な答弁を行って失笑を買っていたりしてました。議論が下手なマザコンカルト、となると、かなり問題視されていた,ということになりましょうか。

ただ、一期目では中韓との悪化した関係を改善するために就任後即座に訪中したり、参拝も見送ったりと、その辺の自制は評価できた、と見られて居たんでないでしょうか。とことん変じゃないとか。

それが、ですよ。

行ってしまったっ、て受け止められているんじゃないか。


タイミングがどうかってこともありますね。

中韓との関係が悪化していて、これ以上悪化しようがないから,と新聞に出てましたが,意味不明です。

あべちゃんが大切に思っているに違いない米国についても考えてみますと、

そもそも、小泉さんが首相時代に頑固ジジイキャラで参拝できたのは、ブッシュさんとの個人的な関係あったり,米国が日米関係を強化して中国の勃興に備えるという戦略の真っ最中で、外交上の自由度が高かったという状況があったのに対し、

今は、中国が脅威として顕在化しかけていて、経済の悪化もあって、ナショナリスティックにエスカレートしやすいという状況であり、そんな中、東アジア重視のオバマ政権は2期目に入って最後に実績を残そうと、戦略的に動いて来たはずですね。

不人気な政策でも,自分の政治的資産を減らしながらぎりぎり実行する賢い大統領であるオバマさんなんで、考えて考えて対応しているはずなんですが、センカクは日米安保の対象になる、みたいなことまで高官にいわせてたんでしたか。

いろいろと牽制しながら中国をうまーく枠組の中に納めていこうとしてきたのに、今回の件でぶち壊し,いろいろ打ってきた手が台無しになった、と感じているんじゃあないでしょうか。

参拝そのものに対する考え方はいろいろあってよいし,信念に沿って行動することも立派で大切なことではありますが、いい加減低い国際的なレピュテーションを完全に台無しにして、中韓どころか日米関係までぶち壊すことがわかっていながら、何故、今、行ったのかってことですね。いろいろあって行かざるをえない事情があったには違いないんですが、それにとしてもってことですね。

参拝前から評判が悪すぎて、首脳外交もままならないんで、行っても不利益は生じないとかの判断があったんならそれはそれでいいんでしょうが、安倍ちゃんにそんな勝負勘がはたらくんでしょうか。小泉さんは危機を跳ね返して自分の大勝利にどんでん返しするだけの政治勘、勝負勘、戦略がありましたが、安倍ちゃん一期目の場合は、危機で体調を崩して退任されてます。

今回の参拝は、分水嶺になっちゃうカモですね。




『安倍君は6年前と何も変わってないよ』。

さようなら原発講演会「原発を東京湾に造らなかったのは万が一の事を考えて」




ヒラリー vs クリスティ

2013-07-15 04:02:13 | 政治


この時期の調査なんて,なんの影響もないってことに違いはないんですが,次の大統領は誰,というネタです。

Poll: Hillary Clinton continues to rule the 2016 roost


Clinton tops Christie 46 to 40 percent, and she beats Paul by a margin of 50 to 38 percent. Vice President Joe Biden, by contrast, trails Christie, 46 to 35 percent, and is tied with Paul at 42 percent apiece.

民主党側が,クリントンと,副大統領のジョー・バイデン。
共和党側がが,クリス・クリスティとラン・ポール。

前回の選挙で,副大統領候補になった,ポール・ライアンは入ってないんですね。

ラン・ポールはロンの息子ですが,ロンは前回で引退して,彼が引き継ぐと見られているということでしょうか。バイデンとポールがタイになっている以外は,民主党側の候補が優位ってことですね。


Fifty-five percent of voters view Clinton favorably, while only 38 percent view her unfavorably. Christie, who is not as well known, still boasts strong favorability numbers, at 45 to 18 percent. Even 41 percent of Democrats view Christie favorably, while only 19 percent view him unfavorably.

民主党支持者の,クリスティの印象が良いんですな。
これは,前回の大統領選の投票日直前にハリケーンがやってきて,オバマ大統領の対応ぶりをたたえたコメントを出したりしてたのも効いてるかもですね。


Clinton "remains the front-runner for 2016 if she chooses to run," said Peter A. Brown, assistant director of the Quinnipiac University Polling Institute, but "Christie's favorability numbers are impressive and if he can win over a solid share of those who do not yet have an opinion about him, he could be a very formidable candidate in 2016. Candidates with more than 2-1 favorability ratios don't grow on trees."

クリントンはフロントランナーだが,クリスティーも手ごわい。

そうですな。

前回も大統領選にはでない,と本人が宣言しているにも関わらず,人気は高かったんで。

最近全くフォローできてないんで,どうなってるのか知りませんが,前回,共和党候補は共和党予備選に勝つためにかなり右派に配慮した戦いを迫られて,本選で中央に駆け寄る,という戦略を立てざるを得ないという,状況にありましたよね。

クリスティなら,最後にオバマ支持に回った政治センスと,もともとの誠実イメージでうまく乗り切れたりして。

ウソをつきそうにない,という見た目デブであることがプラスに働いてます。

次の選挙では,景気もかなりよくなってて,草の根右派の力もそれほど激しくなっているであろう点も彼には有利かもですね。

このままじゃ共和党やばい,という危機感も共和党自身の中にあるはずですな。かなり戦略を変えていかざるを得ず,女性やマイノリティをどう取り込んでゆくかみたいなことも考えるはずで。デブも勢いを増しているマイノリティと言えるかも。

戦後初のデブ大統領,なんて。

Chris Christie changes mind on weight loss...


ヒラリーは,次はどこまでがんばれるでしょうか。

Clinton prefers Medvedev over Putin & Gorbachev




映画『ゼロ・ダーク・サーティ』

2013-04-01 01:13:13 | 政治
映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 - オリジナル予告編 (日本語字幕)


映画ネタばかりで恐縮ですが,

ゼロ・ダーク・サーティ。

ビン・ラディンが殺害されたのはついこないだで,大統領選にも大ぎな影響があったのは間違いないですな。オバマの外交政策関する批判を,この殺害成功が封じ込めた,という面があるんで。

そうでした。オバマさんが,赤い絨毯の廊下をすたすた歩いてきて,ドヤ顔でスピーチしたのを聞いて,世界中がびっくりしたんでした。

Obama: Osama bin Laden Dead - Full Video


私は第一報をネットのニュースで発見。ドローンで上空から撃ったんだろう,と思ってたら,特殊部隊がヘリで突入したとか,パキスタン領内だったとか,後から,続報がバシバシ入って,

なんでそもそもパキスタンに居たんだ,みたいな議論がメディアで盛り上がって・・・。

いろんな複雑な事情が絡んでるんだろうな,と推測はできますが,

もう映画になったと言うんでみてきたんてすね。もう封切から随分時間がたってて,もう終わりそうなんであわてて行ってきました。

随分丁寧に作ってあって,ストーリーの細部まで手を抜かないで,描き込んでます。
主人公キャラは,才気を放つ若手CIA女性職員。

ビンラディンにつながる人物のネタをつかんで,こいつだ,と確信,何年も何年もあきらめずに,その人物の居場所を追究していきます。その男の居場所がわかれば,ピンラディンも居るはず,と推理したんですね。

そして,ついに発見・・・。

というわけで,ハナシの骨格は,なんてことは無い,かなりシンプルです。ただ,追いつめる過程で地道な努力が必要で,何度も壁にぶつかるわけですね。

だから,映画はディテールに入り込んでこの殺害劇の現場で何が起きていたのかを丁寧に描いていきます。おおまかな出来事を描くだけではドラマにならない。

CIAのパキスタン支局の人間関係や,主人公のワシントンへの異動やら,シールズに対するブリーフィング,シールズの突入,なんかを絡めながら,捜査過程のジクザグをきっちり描きます。

CIAものを読んでいても,具体的なイメージがなかなかわかないわけですが,こうして映像で見せられると,どういう感じで彼らが活動しているのか,なんとなくわかりますな(映画だとしてもです)。

ワシントンに大統領と,CIA長官がいて,そして政治任用の幹部,
バキスタン支局は,現場でアルカイダ幹部を探して,関係者を拘束して取り調べ(悪名高い拷問も)。成果があがらないと、ワシントンから幹部がやってきて檄を飛ばされて・・・。

イラク戦では,大量破壊兵器がある,として随分たたかれたし,
レガシーオブアッシュ,みたいな本がでて,ボロカスだったCIA。


当時の長官のバネッタ役のジェームズ・ガンドルフィーニは本物とはちょっと・・・。バネッタ本人の方が役者が上,って感じがしましたがね。まあ,存在感を出し過ぎると,本筋と離れてしまってまずいということもあるでしょう。

映画としての完成度も高く、かなり面白い。
実話ベースで、お決まりのロマンスも出てこないし、良いキャラがあっという間に死んだりと、フルフィクションには無い、テイストも感じることができます。

スゴイ映画、ってほどでは無いんですが、

抑制の効いた、良い映画って感じです。












韓国女性大統領誕生

2012-12-20 02:54:26 | 政治
今年最後の選挙イベント,って感じですかね。
韓国の大統領選。結局保守党が勝って,初の女性大統領ってことになりました。

あの韓国で,女性が大統領になる,ということがまずどんだけスゴイことか。
彼女は独裁者,朴大統領の娘で,両親ともに暗殺で失ってます。

South Korea elects its first female president

Her biggest challenge after she takes office in February, however, may be the still-fresh divisions that linger from the 18 years that her father, President Park Chung-hee, ruled South Korea.

彼女が着任して,最も大きな挑戦となるのは,彼女の父親である朴大統領時代の統治から18年たっても未だ続く分裂である。

Many, including the older conservative voters who form her political base, see Park Chung-hee as a hero, the man whose strong hand guided the country from the devastation of the Korean War to an economic force that lifted millions from crushing poverty. His critics remember the brutal way he dealt with opponents to his unchecked rule, the claims of torture, execution and vote rigging.

彼女を支えた古い保守層は彼女の父親をヒーローとみている。批判者は反対派への拷問や処刑,不正選挙など,ひどい仕打ちを・・・。

"There's still a sentiment that rejects Park Geun-hye" because of her father's brutality, said Lee Cheol-hee, a political analyst and head of Dumon Political Strategy Institute, a think tank.

彼女の父親の残忍さが,彼女への忌避感につながっている。

というわけで,彼女はいまだに父親の影を引きづっている,というかモロ父親のイメージそのものとして見られているわけですね。

一方で,父親と違う面もあって,

Her father was a staunch anti-communist, but Park has shown a willingness to work with North Korea. She met privately with former leader Kim Jong Il during a visit to Pyongyang in 2002 and has vowed to ease Lee's hard-line policy to Pyongyang.


父親は厳しい反共路線だったが,彼女は北朝鮮と協力する姿勢を見せてきた。2002年に金正日と私的に会ったし,李 明博の強硬路線を緩和すると約束している。


父親と常に対比される運命にあって,どうしたってソフトな面を見せざるを得ない,という立場にあるってことかも知れませんね。北に対する姿勢や,格差問題,財閥問題,あまり左派候補と主張に差がなかったとされていたのもそういうことなんでしょうか。

韓国はOECD諸国の中で自殺率が一位になっちゃったという位,国民は厳しい状況なんで,いろんな面で融和策を取らざるを得ないという事情もあるんでしょうが。

韓国の自殺問題





オバマ怒る スーザン・ライスへの批判

2012-12-15 10:51:09 | 政治
これは,スーザン・ライスが次期国務長官候補となることから退く前の,オバマさんの記者会見の模様です。今回のを受けてではない,先月の動画です。

共和党議会幹部が,ライスへの激しい批判を続けていることに関して,質問を受けて答えたものですが,

めっちゃ怒ってます。

President Obama Responds to Senator McCain's Criticism of U.N. Amabassador Susan Rice


彼女は,インテリジェンスからの報告をもとに説明をしただけ
彼女は国連大使なわけで,大使館襲撃事件についてなんら責任を負っていない
彼女を批判するのは,お門違いで,批判するなら自分を批判しろ
なんで,国連大使なんだ,イージーターゲットだからだろ
そんなの非常識だ

みたいな。

こういうオバマさんの男気に,ライスも,これ以上迷惑をかけられない,と自ら身を引いたって感じなんでしょうか。

外交畑で長く立派なキャリアを持ち,有能で,
しかも女性でマイノリティのノミネーションを阻止したことで,

逆に,共和党ヤバイ,というハナシもあるようですな。
今回の大統領選挙も,マイノリティや女性の票が決め手の一つになってるんで,

経歴で申し分ないのに,根拠なく阻止したということになると,

これじゃますます・・・。

それにしても,おなじ,ドロドロでも,こっちはスマートにやってて,見苦しくなくて良いですよね。




オバマ恐るべし 大統領選挙テレビディベート 第二回目

2012-10-21 21:59:06 | 政治
もう,投票まで一カ月を切ってしまいました。

副大統領のディベートの評価は,五分五分か,バイデンの勝ち,って感じですかね。

で,大統領候補同士の第二回目のディベートなんですが,前回,第一回目は,オバマがいまいち冴えず,ロムニーの勝ちという評価になっていたんで,今回は,オバマさんがかなり強い調子で巻き返すだろうと見られていたんですな。

で,結果はというと,激しい論戦が行われて,予想通りオバマの勝ち,というところでしょうか。

今回のディベートのリビューで,どこでも大概真っ先に取り上げられるのは,リビアでの大使殺害事件を巡るやりとりでして,オバマがロムニーをやりこめてます。

これ,オバマのスゴさを物語るものかも知れませんが,

この動画です。7分あたり以降ですが必見。


Second Presidential Debate 2012: Obama on Going After Libya Attackers: 'I Mean What I Say'


Obama and Romney in Heated Presidential Debate Over Libya, Energy

In a particularly heated exchange, Romney said the president failed to immediately call the attack on the U.S. consulate in Libya that left four Americans dead an act of terror. The Republicans have hammered the administration's failure to either recognize it as a terror attack or admit that it was a terror attack.

ロムニーは,リビア米国大使館が攻撃を受け4人の米国人が亡くなったことについて,それがテロ攻撃であるということを大統領がすぐに発表できなかったと言った。
共和党は,テロの攻撃であることをオバマ政権が認めなかったことを攻撃している。

テロにまたしてもしてやられた,というのが政治的な失点になることを恐れて,テロであることを認めなかった,というのが共和党の批判のポイントなんですナ。

The president, however, said he appeared in the Rose Garden the day after the attack and called the killing a terror attack. When Romney argued that it was not true, moderator Candy Crowley stepped in to say the president had called the attack terrorism the next day.

大統領はそれに対して,大使館攻撃の翌日,ローズガーデンでこの殺害がテロによるものだと述べたと反論。ロムニーが,それが真実ではないと異議を唱えたが,モデレーターのキャンディー・クロウニーが,大統領は翌日にテロ攻撃だと呼びましたよ,と割って入った。

"Say that a little louder, Candy," Obama called out.

もっと大きな声で言ってくれ,キャンディー とオバマ。

The audience, which had been watching the two men contradict each other and interrupt each other, began to applaud.

聴衆は拍手。

Obama also said at a later point, looking over at Romney, "The suggestion that anyone on my team would play politics (after four Americans died) is offensive."

オバマはまた,ロムニーを見据え,私の政権チームの誰についてであれ党利党略で動いていると示唆されることは不愉快だ,と言った。


というわけで,ここはオバマ圧勝って感じですが,

オバマが本当にそう言ったのか,記録をチェックしたい,とロムニーが言っちゃって,オバマが正しいと指摘される当たりは,ロムニーかなりカッコ悪いです。

モデレーターのキャンディーは,オバマが正しいと指摘すると同時に,政権がテロ攻撃の全体像を示すのに二週間程度かかったことはロムニーの言った通りだ,ともすぐ後に言ってて,両者に公平に捌いてます。モデレーターにバイアスがかかってる,といつも批判されるんで,このへんは気を使うとこなんでしょうな。

私は,ロムニーがこういう失態を演じたことも信じがたいですが,それよりも,これ,オバマチームの作戦なんじゃなかったかと勘ぐってます。どうもロムニー陣営は,大統領がローズガーデンでテロだと言ったことに気づいていないんじゃないかと、わかった上での作戦じゃないだろうかと。

共和党に批判するだけさせといて,その間,反論しない。いや、反論はするけれども,決定的なことはテレビに出てもわざと黙っとく。そしてロムニーがディベートで予想通り批判してくるのを待って,ここぞとばかりに,ロムニー本人に恥をかかせる。

これ,どっかで見たことある作戦ですよね。

そう,ドナルド・トランプに恥をかかせた一件ですね。
オバマ大統領が,本当に米国出身なのか,みたいなことをトランプが散々テレビで喋りまくってたのをずっと放置しておいて十分引きつけたあとに,直前に出生証明を公開して決着させてから,全米注目の夕食会にトランプを招待して大恥をかかせたんでした。

オバマ 恐るべし 痛烈な反撃


オバマ,恐るべし。


第一回大統領選ディベート その2 大変失礼しました。

2012-10-08 02:41:31 | 政治


前回,ディベートを評して,オバマの勝ち,と書いちゃったんですが,
世評は完全にロムニーの勝ちってことだったようで,大変失礼しました。

あたしゃ,また,ロムニー氏が,オバマの批判に対して,そんなこと言ってませんよ,みたいにテキトーにはぐらかしている,という風にしか見えず,オバマさんは,大統領らしく落ち着いてふるまっていた,という印象だったんですが,

そういう風にはみられていなかったようで,

MSNBCのクリス・マシュー。めっちゃ怒ってます。

『オバマは一体どこに行った』

Chris Matthews Unloads On Obama's Debate Performance


エコノミストも,ロムニーの圧倒的な勝ち判定でして,

Everything to play for


In the first of America’s three presidential debates, an affable and unruffled Mitt Romney outclassed Barack Obama. The president looked and sounded tired, and failed to mount anything remotely resembling a clear defence of his four years in office, let alone an inspiring vision for the four to come.

3度行われるディベートの一回目で,愛想の良い,落ち着いたミット・ロムニーがオバマに圧倒的な差を付けた。大統領は見た目もハナシも精彩を欠き,この四年間についての攻撃に対して,しっかりした反論が少しもできなかった。ましてや次の四年間については言うまでもない。

とまあ,オバマさんからっきし,という評価のようなんですな。


ただ,ロムニーのテキトーさについてはコーベアリポートがしっかり突っ込みを入れてます。


The Colbert Report

‎"Mitt Romney's healthcare plan is just like his positions -- the details change state by state. As a staunch conservative I condemn any Republican who distances himself from everything he had said on the campaign trail. But it works, so f#@k it!" -- Stephen Colbert

ミットロムニーのヘルスケアプランは彼の政治的立場とそっくりだね。ディテールが州によってコロコロ変わっちゃう。私は,忠実な保守派の一員として,これまでキャンペーンで言ってきたことの全てから離れてしまうような共和党員なんて非難したいんだけど,でも,これうまくいってるんだよね。だからま,いっか。


ここで,state by state と言うのは,州ごとに,ってことですね。ロムニーは,マサチューセッツ州知事時代に州のヘルスケアプランを導入していて,オバマケアはそれをモデルにしたわけで,ロムニーはオバマケアの産みの親の一人とも言えるわけですが,立場上,ロムニーはオバマケアをこれまで完全否定。ところが,今回のディベートで,ナショナルプランとしてモデルになる,みたいなことを言ってるわけで,かなりテキトーというか立場を大きく右から中央に寄ってきています。ナショナルプランのモデルになる,と言っておいて,直後にstate by state,州ごとに,と付けて,一応どっちともとれるようにごまかしてるわけで,これまでstate by stateで一貫してこなかったロムニーの政治的立場とを掛けたこの突っ込み,ナイスです。

規制も必要だ,とか言ってるし,ウッソーみたいな。かなりな軌道修正なんですね。共和党候補として選ばれるためには,右派に配慮する必要があったわけですが,もう最終コーナーなんで,大きく左旋回した,ということですかね。

しかし,まあ,あまりにテキトーだから,と言って論戦に負けたと判断しちゃいけなかったですね。オバマがそこを突いてロムニーの立場をくずさないといけなかったってことでしょう。

もういっチョ,エコノミストなんですが,ロムニーがセンターに寄ってきている様を指摘しています。

What happened?

MITT ROMNEY ran hard to the centre, and the president wasn't ready for it. Mr Romney deftly eluded many of Mr Obama's criticisms by disowning the position criticised, planting his flag to the left of Mr Obama's target, and then crisply elucidating his stance with a specious but persuasive specificity that Mr Obama seemed helpless to counter.


ロムニーはセンターに向かって激しく走った。大統領はその点については準備ができていなかった。ロムニーは批判に対し自分には関係がないとオバマからの多くの批判をさらりとかわし,彼自身の旗をオバマが批判したポイントよりも左に置いた。そして,歯切れよく,表面的だが説得力のある具体的な説明によって彼自身の立場も明確にした。オバマは反論しようがないように見えた。

ってな感じに描いているわけですが,なんで,ロムニーはもっと早く方向転換しなかったのか,みたいなハナシもいろいろ記事には書かれてるようですな。日和見だという批判を避けるためにギリきりまで転換できなかった,みたいな。まあ,これまでも,どっかで方針転換はするだろうという見方はあったし,ここでも書いたような気もしますが,

ただ,今頃転換しても,ちょっとどうなんですかね。
わたしにゃ最後の悪あがき,って感じにしか見えませんでしたが。
真面目に受け取られるんでしょうか,
しかし,ロムニーの本当の姿は,中道だ,とも言えるかもしれず,本チャンの大統領選ディベートで,本心をさらけ出した,とみることもできるかもですね。

で,記事の最後は,こんな感じです。

This is not a wad Mr Romney can shoot again. And Mr Obama is a tough customer who does not make the same mistake twice. I feel sure he will come back with a vengeance

しかしロムニー氏は同じ手をもう一回使うことはできない。オバマはタフなお客なんであって,同じミスを繰り返すことは無い。ものすごい勢いで反撃してくるだろう。


さて,2回目のディベートがどうなるか。

オバマさんは,ロムニーの一貫性の無さを突いてくるに違いないですが,どうなりますかね。

これは見ものです。











パネッタ長官 軍の高自殺率に檄

2012-09-17 02:13:59 | 政治

日本の自殺率が高い,ということをこのプログでも散々書いてきたわけですが,韓国が日本を抜いた,みたいなニュースがあったり,

実は,米国でも,軍の自殺率はダントツ高かったりするのでした。

で,それを受けて,国防長官のパネッタが檄を飛ばしています。

DoD marks Suicide Prevention Month



Military leaders must help stem suicides, Panetta says

Defense Secretary Leon Panetta says military leaders should be held accountable for whether they succeed in helping desperate troops avoid choosing suicide -- which he has described as an epidemic military and now averaging more than one a day.

パネッタ長官が,軍のリーダーは落ち込んだ兵士達が自殺を選ばないよう責任を持たねばならない,と言った。

But the Army has suffered the highest numbers, tripling its suicide rate from 9.7 cases-per-100,000 in 2004 to 29.1-per-100,000 last month. In July, a record 38 soldiers killed themselves, according to service data.

04年の10万人あたりの自殺が9.7人だったのが,先月は29.1人だった。
7月は一か月に38人が自殺した。

Among a demographically similar civilian U.S. population, the suicide rate increased from 22-per-100,000 in 2005 to 24-per-100,000 in 2009, the latest data available.
Panetta said the military is still searching for answers to what's happening.

一般市民の自殺率は,十万人あたり05年で22人から,09年24人に増加。

というわけで,もともと,自殺率は軍の方が低かったのが,今や逆転して,大きく引き離してしまっている,ということなんですね。

戦地に派遣された時の,精神的なトラウマなんかがその原因としてあげられてますが,実際のところ自殺が増えた理由はよくわかっていないそうですな。

パネッタは,制服組の幹部が,この問題への対応が手ぬるいと思って,こういう発言になっているんだと思いますが,動画の口調も結構強めですね。

こういうことをガツンと言っちゃうパネッタの人柄がよくわかると同時に,
長い間,実戦で戦ってきた米軍の大変さも感じることができますな。