会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

ジョンステュワート  共和党公約を批判

2010-09-29 07:12:05 | 政治

スティーブン・コーベアが議会でハナシたとしたら、兄貴分のジョンステュワートはどうか。

あちこちで、先週の番組のあるシーンが引用されてます。



共和党が今度出した公約が、本当にフレッシュなのか、ということなんですが、


Meet the Press transcript for Sept. 26, 2010



MR. GREGORY: And, in fact, this, this pledge has been criticized for being anything but new. Where satire is most effective, Jon Stewart on "The Daily Show" this week raised this issue by comparing some of what was said in 1998 by Speaker--rather, who wants to be speaker, Boehner, John Boehner, to what he said in unveiling the pledge. And this is what it looked like.

この公約に、新しいものが全く含まれていないんじゃないかと批判されています。ジョンステュワートのデイリーショーでこの問題を取り上げ、1998年にジョンベーナーが言ったことと、公約発表で言ったこととを比較して、うまく皮肉ってます。


ってことで、ジョンステュワートの番組引用が始まり、

(Videotape, "The Daily Show with Jon Stewart," Thursday)
REP. JOHN BOEHNER: (From September 23) A smaller...
(From March 3, 1998) A smaller...
(From September 23) ...less costly...
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(From March 3, 1998) ...less costly...
(From September 23) ...and more accountable...
(From March 3, 1998) ...and more accountable...
(From September 23, 2010 and March 3, 1998; in unison) ...government in our nation's capital.

全く同じで、これは笑えます。
共和党の主張ってずっと同じなんですな。


MR. JON STEWART: Wow. That's--I don't even know what to say. This thing's not even a sequel. It's like a shot-by-shot remake of your--I thought the pledge was you were humbled and going to come back with fresh new ideas. Wasn't that the pledge?

なんて言えば良いんだい。これは続編ともいえないな。全く同じリメイクじゃないか。公約を掲げて、フレッシュな新しい考えでカムバックするものだと思ってたが、これがそうなのか。

ABCのTHISWEEKもこのシーンを取り上げて、共和党幹部に詰め寄ってますが、

まあ、もうじき選挙なんですな。

スティーブン・コーベア キャピトルヒル

2010-09-28 07:25:06 | 政治
ビート・たけしが、あるいはみのもんたが、国会に呼ばれてハナシをしたって感じでしょうか。




彼は、結構な有名人のようでして、コーベアレポートという人気番組のホストなんですが、移民について議会の小委員会で証言しています。

コーベア・レポート

Colbert storms Capitol Hill for migrant workers

"America's farms are presently far too dependent on immigrant labor to pick our fruits and vegetables," he told the subcommittee, keeping in character with the arch-conservative he plays on television.
"Now, the obvious answer is for all of us to stop eating fruits and vegetables. And if you look at the recent obesity statistics, many Americans have already started."

米国の農場は、果物や野菜の収穫に、移民労働に頼り過ぎだ。

対応として、我々米国人は果物も野菜も食べるのを止めるといい。最近の肥満統計を見れば、沢山の米国人がすでにそうしてるみたいだ。

と、彼は、アホな保守派のキャラで売っているんですが、基本的には左派系というか民主党に近いっポジションのようですな。

米国は移民を必要としている一方、排斥しようとしている、とういう点には興味があるし、
米国で最も虐げられているのは移民だ、その人達のためにここにやってきたとも発言しています。

で、今度、10月末には、兄番組の、デイリーショウ ウィズ ジョンステュワートのジョンステュワートと組んで、ワシントンでラリーを計画。グレンベックの向こうをはって、とか、いろいろと選挙前で話題になっているようですが・・・。



米国は民主主義の国で、世論を動かすためにはあらゆることをやるって感じがするんですね。人々をひきつけるために、努力してるんで、結構みてて面白いんですな。

パウエル 移民について  ミートザプレス

2010-09-27 07:04:39 | 食品
コーリンパウエル、一応共和党なんですが、バランスが取れてて、言うことがまともです。
ハナシを聞いてるといつも感服させられるんで。

大統領になってもおかしくない感じなんですが、
先週のミートザプレスに出てまして、




まだ、ご自分を共和党員だとお考えですか、と聞かれてます。去年、チエイニーに共和党から出てけ、と言われてたそうですな。パウエルはまだ共和党員だと答えてます。

とか、ティーパーティーは、スローガンにとどまってる間は、一過性の現象に過ぎず、きちんとしたアジェンダに落とせるかどうかが問題だ、と言ってます。政府支出を減らせというだけじゃだめで、じゃあどうするのか。

まともです。

それは良いとして、移民についてなんですが、

Meet the Press transcript for Sept. 19, 2010

In the next few years, we will discover that, between the ages of 15 and 64, the working ages of our people, most of those are going to be kept in that age group because of immigration and the children of immigrants, whereas in other parts of the world the age of the population's getting older and fewer people are working.

今後数年で、労働力人口は移民と移民の子供たちによって支えられるようになる。一方で、他の国での労働力人口は年齢が上がり、減ってゆくのです。

So I'm telling you and I'm telling all of my, my, my citizens around the country is that immigration is what's keeping this country's lifeblood moving forward. They enrich our culture with every generation. And we have to find a way to protect our borders but, at the same time, treat our immigrant population with respect and dignity and give them a path to citizenship.

だから、私が申しあげているのは、移民が、生命線を維持するということです。彼らは我々の文化を豊かにしています。我々は国境を守らなければなりません。同時に、移民を、敬意と尊厳をもって扱い、市民権を与えるための道筋を付けなければならないのです。

きちんとした戦略、見通しを元に話してますね。党派から自由になると、ハナシがまともになるわけですな。これは、100年予測でフリードマンが言ってることとも整合しています。

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

メキシコが今世紀の終わりに米国に挑戦する。人口減で米国の移民政策は大きく変化。移民の獲得が必要となり、メキシコ国境を解放。メキシコ国境付近はラティーノで占められる。国境付近は米国よりメキシコに心理的に従属。米国民だが、彼らの立場をメキシコ大統領が代弁するようになるかもしれない。メキシコが米国移民にも選挙権を渡したりして。と、内部からメキシコは米国を少しづつ侵す。メキシコ国境付近の連邦からの独立志向があおられて、軍事衝突もあり。そうした動きには米国は弱い。

それにしても、パウエルはリッパです。


クリントン国務長官や、パウエル元長官に学ぶこと

メタボ政策は必要なのか 肥満度ランキング ロンドンエコノミスト

2010-09-24 04:59:09 | ロンドンエコノミスト

メタボ健診がどうのこうの、と数年前からあれこれ言われてますが、世界各国の肥満率順位がOECDから発表されたようで。


Fat of the lands




ONE IN six adults in the 33 mostly rich countries of the OECD is obese (measured as a body mass index of 30 or more) according to a report published on September 23rd.

OECDのリッチ33カ国では大人6人に一人が肥満。

The fattest countries are Mexico and the United States, where around a third of adults are obese. Britain's adults are the biggest in Europe.

もっともひどいのがメキシコと米国で大人の3分の1が肥満。

By contrast, Asian OECD countries Japan and South Korea are the leanest.

一方で、アジアOECD国の日本と韓国が最もスリム。

Governments will count the eventual cost: health-care spending on an obese person is 25% more than for someone of average weight.

各国政府は、肥満の結果生ずるコストを重視するだろう。肥満の人にかかるヘルスケアコストは一般人よりも25%高い。

And the problem is not confined to the rich world. In rapidly developing countries such as China, Brazil and India obesity rates, though still low, are growing fast as the dietary habits of the ever-increasing middle classes change.

問題は富裕国にとどまっていない。急速に発展している中国やブラジル、インドの肥満率は、まだ低くはあるものの、増加する中産階級の食生活が変化するに従って増えている。

ということで、メキシコがなんでかは良くわかりませんが、米英、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、と上位を見ていると、これ、アングロサクソンなんですな。肥満同盟ってか。

インド、中国は低いですね。まだまだ平均所得が低いんで、太るまで行かない。


ただ、新興国でも肥満がふえているってハナシで、インドについての動画ですが、



都市の住人に肥満が拡がっていて、70百万人。結構な数です。ただ、インドは人口が12憶人ほどいるんで。70百万人もいれば無視できない数字ではありますな。

いずれにせよ、インドのでかさが、都市の肥満人を隠してます。



で、日本なんですが、随分低いんですな。リッチ国ではダントツ少ないですね。
本当にメタボ対策が必要なんだろうか、政策の優先度はきちんと検討されたのか、とつい疑問を持ってしまいます。

インドだったら都市部住民への限定対策でしょう。

日本ならどうか、よく考えて作られた制度なんでしょうか。


日本のメタボ対策への批判~金儲けが目的なのか?



私自身は、エイズ事件以来、厚労省って誰のためにあるのかちょっと疑問を感じてますが、本書の著者も警告を発してるんですね。

厚生労働省崩壊-「天然痘テロ」に日本が襲われる日
木村 盛世
講談社


厚生労働省検疫官 木村盛世氏インタビュー(川口恭)


それと、インフルエンザワクチン。

町田の病院で集団発症した事件では、全体のワクチン接種率と、感染した人だけのグル―プのワクチン接種率は全く同じだった、つまり、打っても打たなくても、同じように感染したってことでして、こういう簡単な事例でもワクチンの有効性はとってもあやしいんですが、

インフルエンザワクチン 打つべきか打たざるべきか2

なぜか止められない、止まらない。ますますキャンペーンやなんかで、受けろプレッシャーをかけてくる。

あたしゃ、打たない派なんですが、シーズンになるとヤな感じです。


中国の抗議運動

2010-09-23 08:12:47 | 政治

尖閣諸島で中国の漁船船長が拘留されている事件。

当局の対応についてなんですが、

Anti-Japan Sentiment Gains Strength in China

The authorities had, indeed, made efforts to limit the turnout. Many posts on domestic blogs and message boards that discussed the demonstration were taken down. Since the Sept. 7 incident there has been a heavy police presence outside the embassy. And during the weekend's demonstration, officers would tell people to move along any time more than a couple dozen people gathered in one spot.

当局は参加人数を限定しようと努力している。ネットではデモが解散させられていると書かれている。9月7日以来、大使館の周りには多くの警官が配置されていて、週末のデモでは人々の集まりを見つけると立ち去るように指示していた。


Their fear was not just that the protesters could get out of hand, as they did in 2005, but that they could find other targets for their anger. Anti-Japanese protests in China have a long history of turning against the government, going back to the start of the May 4th Movement in 1919, when student demonstrations against handing over German concessions to Japan in Shandong province also focused on China's weak response to imperial powers.

恐れているのは、2005年のように反対運動が手に負えなくなってしまうことだけではない。反対運動の矛先が外に向かう可能性だ。半日運動が政府に向かった長い歴史があって、1919年の5月4日運動にさかのぼる。山東省をドイツから日本に引き渡したことに学生が反対運動をおこしたが、それは、帝国主義に対する中国の弱腰にも向かって行った。


On Saturday, the numbers of police outside the Japanese Embassy were matched by those protecting the Chinese Foreign Ministry building one mile to the north. A group of protesters broke away and began to march toward the Foreign Ministry, but were met by police who took their signs and forced them to disperse. "Forget about it!" several officers shouted at the demonstrators.

土曜日には、日本大使館の周囲に配置された警官は、1マイル北にある中国外務省を警備している警官と同数だった。運動家達は解散させられて外務省に向かって動き出したが、待っていた警官にプラカードを取り上げられて解散させられた。幾人かの警官が、このことは忘れろと運動家達に叫んだ。




ということで、相当神経をとがらせていたようなんですね。

中国の高官が、日本に対し妥協的な発言をすることが国内的にできない、というのは、強硬派に配慮するという政治闘争の面もあれば、人民の反発が政府に向かうのを回避するという面もあるってことですね。


この反対運動は、台湾にも飛び火してて、

それは良いとして、領土問題が、中国の台湾取り込みにも使われるって感じもするんですな。






『中国と台湾の同胞は、共通の利害を持っている・・・』。





台湾 台湾 その2

2010-09-22 01:55:05 | 政治
あまりに面白いんで、もう少し台湾動画を見ときましょう。
いやあ、全く、びっくりしてしまいますな。これが、台湾だというんですからね。




お断りしておきますが、わたしゃ、ノンポリで、右も左もありません。しかし、こういう映像には、胸を打たれますな。日本じゃ軍艦マーチはパチンコ店でしか聞かれないし、マジで歌ってる人がいたなら、いかれた老人だ思われるか、いや、そういう老人も肩身が狭くて、人前じゃ歌えないんでしょう、聞いたことないですな。

日本の統治時代は良かった、なんて言ってること自体、信じられない感じです。


で、昨日少しだけ触れましたが、こういうなつかしみの裏には、物凄い悲惨な歴史があって、それに比べりゃ、ということもあるに違いないんで、割り引いて考えておく必要はあります。あるいは、台湾人ではあっても、骨の隋まで日本教育を受けていた人達であれば、それはもう日本人なんで、大陸からやってきた国民党の後進性は受け入難かった、ということでもあったんでしょうが、

その歴史的悲惨、228事件について、良い動画があったんで貼っときます。これは1から7まであるシリーズなんですが、228事件のハイライト部分、4番目の動画です。



中国からやってきた国民党の軍隊に、誰かれかまわず、次々に虐殺されて、後の試算では2万人に及ぶと見られているそうです。でたらめに殺されて行ったんで、統計もない。


リストを貼っときます。是非1番目からご覧いただきたいですな。

日本の50年の統治時代に、台湾は発展し、平和で、大陸を大きくしのいでいた、みたいなハナシから始まって、日本の敗戦で、日本から国民党が台湾統治を引き継いで、台湾人は、ようやく日本の統治から自由になって、自分たちの国になる、と喜んでて
国民党の兵士を、きったなくて、みずぼらしくてちょっと変だなあと思いつつも歓迎したところまでは良かったんですが・・・、

The History of Taiwan: Postwar Era and The 228 Incident1~7 リスト

これを見て思うことは、

台湾の政治対立は、党派やイデオロギーなどによるのではなく、骨肉の争いであり、積年の恨みや恐怖に根ざしているのだ、と見ておく方が良いのかも知れませんな。よくは知らないで、軽々しくハナすようなことじゃあないんですが。

それと、中国がどういうお国がらなのか、ってか、かつてそうだったか、ということも良くわかるような気がするんですね。


台湾 台湾 台湾  

2010-09-20 10:48:37 | 政治

岡崎久彦氏の近著を読んでいると、台湾で国民党政権ができた当初は強い危機感があって心配していたし、最初のころは緊張するような事件もあったが、今は安心してみられるようになってきた、と書かれています。


真の保守とは何か (PHP新書)
岡崎 久彦
PHP研究所


その一つには、自由主義国家台湾国民自身が、独裁国家で民度の低い中国の風下に立つことを望まないこと、二つ目は、親日の多い台湾で、次の選挙にも勝ちたければ反日政策を続けていられないこと、を上げておられます。馬政権がしばらくして対日関係重視を打ち出していること等を取り上げながらですね。

で、中国の出方がよくわからない、まだ対台湾政略を持てずに対応に苦慮していると思われると、書いておられます。本書は、過去の雑誌等に投稿した記事を集めたもので、08年の指摘なんですが、

ちょっと前のロンドンエコノミストにこんなんが出てました。

No such thing as a free trade

TAIWAN and China will sign an outline free-trade deal on June 29th that seems likely to herald the biggest change in cross-strait relations in 60 years.

台湾と中国が結ぶ自由貿易ディールについて、

the terms of the deal still seem remarkably sweet for Taiwan. The 539 categories of Taiwanese exports are worth $13.8 billion, while Taiwan in turn will reduce tariffs for only 267 categories of Chinese exports, worth $2.9 billion. What is more, China has gone beyond its World Trade Organisation (WTO) requirements by dropping tariffs on various Taiwanese agricultural and fishing products, and Chinese negotiators said they would never push Taiwan to return the favour.

台湾にとって随分有利。539のカテゴリー138憶ドル相当の台湾の輸出について中国が関税をカットするのに対し、台湾は267のカテゴリー29憶ドルの輸入関税を引き下げるだけで良い。中国はWTOの要求以上に台湾からの農業、漁業の輸入関税もおとす。台湾はその見返りに何もしなくてよい。

Taiwan also seems to do well out of the services part of the ECFA. Among the Chinese concessions will be to let Taiwanese banks in China start doing business in renminbi within two years of opening their branches, as against three years under the WTO rules that apply to most foreign banks.

台湾の銀行は中国に支店を出して2年で人民元の取扱ができる。他国は3年かかる。

This is similar to the deal China offered Hong Kong banks under a 2004 trade agreement—perhaps a little too similar for Mr Ma’s political comfort, given that Hong Kong is officially part of China.

これは香港と同じ条件で、香港が中国領土であることを考えると馬総統にとっては微妙。

Finally, the two sides will also sign an agreement on intellectual-property rights, which will help Taiwanese firms, a rich source of patents and Mandarin-language entertainment, as well as high-grade varieties of fruit, to battle piracy on the mainland.

知的所有権についてもサインするが、これで台湾企業は海賊版と戦うことができる。

China’s largesse is clearly political. It has learned that sabre-rattling, such as it employed in 1996 by launching ballistic missiles over the island, only encourages Taiwanese voters to choose pro-independence politicians. Now it is trying economic sweeteners instead. It hopes that these will prompt voters to choose Mr Ma’s Kuomintang party in the 2012 presidential election rather than the independence-leaning Democratic Progressive Party (DPP).


中国のこの寛大さは、武力を見せつけるやり方、つまり1996年にバリスティックミサイルを台湾に向けて発射したことが台湾選挙民を独立派支持に回らせることにしかならないことを学んだことからきている。今度は、その代わりに経済的なメリットを与えようとしている。中国はこれが2012年の選挙で馬総統の国民党を選挙民が支持することにつながると期待。

つまり、台湾をアメによって取り込む戦略なんですな。

台湾は民主主義の国なんで、選挙民の支持について配慮せざるを得ない。


台湾は親日の人の多い国なんですが、どんな感じかと言いますと、この動画がわかりやすいですな。これがすべてではないにせよですな。




それと、次ですが、

NHKが偏向しているかどうかは別として、ポイントがよくわかります。



経済でアメを与えつつ、この12のポイントで台湾人の気持ちを日本から中国に変えさせる、って作戦ですね。





ところで、NHKって中国の放送局なの???


日本の統治と敗戦後については本書。大陸に対する反発は戦後ひどいめにあわされたこともあるんでしょうな。
大日本帝国崩壊 加藤 聖文

ニューオリンズのチャータースクール ナオミ・クライン3

2010-09-19 11:35:39 | 政治
ナオミ・クラインは、著書『ショック・ドクトリン』で、災害や戦争、テロ、クーデターなんかで人々がショックを受けて、人々が退行し、批判する力を失っているスキに、一気に自由化や市場化を進めてしまうようなやり口を、ションクドクトリンや、ディザスター資本主義と呼んで批判しているんでした。

The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism
クリエーター情報なし
Picador USA


著書は、ニューオリンズのハリケーンカトリーナの災害現場から始まってて、政府の対応が遅れて、被災者が死んでゆく様子を描いています。そんなときに、共和党の下院議員だったリチャードベーカーが、

"We finally cleaned up public housing in New Orleans. We couldn't do it, but God did."

ついにニューオリンズの公共住宅を掃除できた。我々にはできなかったが、神様がやってくれた。

と言っちゃったエビソードを紹介しています。

Richard Baker wiki

その後、公共住宅は、ぶち壊されてコンドーに生まれ変わって・・・。災害のショックで人々が打ちのめされている間に、普段できないことができるようになる。

公共住宅だけじゃなくて、教育も徹底的に改革されていて、それまであった、パブリックスクールは全部閉鎖、教師は全員クビ、教育を再建したってか、最初から作り直した。

全員クビって、めちゃくちゃやん、黒人たちはパブリックスクールは平等に教育をうけることができるという市民権運動の成果だったのに、破壊するなんて、それを逆行せることじゃないか、とみなしていると、ナオミクラインは批判してるんですが、

ニューオリンズの教育改革は結構評価が高いんですな。

今年は、カトリーナから5年目に当ってて、その後の復興についてあちこちで特集されてまして、


まず、Meet the Press。地元の民主党上院議員と市長が出演してます。姉と弟なんですね。


教育改革は、地元の改革として誇らしく語ってます。

NEWSWEEKでは、

Necessity Is the Mother of Invention

So far, the experiment appears to be working. Before Katrina, two thirds of students were attending schools deemed failing by state standards, notes Leslie Jacobs, a New Orleans education-reform advocate; in the 2010–11 academic year, she says, it will be less than one third

今のところ、実験はうまくいっているように見える。カトリーナ以前は、3分の2の生徒が州の基準を満たすことができなかったが、今年は、3分の1に減るだろう。

New Orleans schools are still performing below the state average on achievement tests, but according to Jacobs’s analysis of state data, the gap between New Orleans and the rest of the state has basically been cut in half.

ニューオリンズの学校は、依然として州の平均水準には達していないが、そのギャップは半分に減った。

ということで、今のところうまく行ってそうじゃないか、と見ていて、記事の後半では、今後の動きについて報告しています。

どっちかというと、カトリーナが古い官僚主義の、組合が強い、どうしようもない旧教育システムをぶち壊してくれて、とっても良かったというのが、表に出てきているハナシとしては声が大きいようですね。

この辺、ナオミ・クラインはどう考えてるんでしょうかね。






それみたことか、とフリードマンが草葉の陰で言ってたりして。



『なんか政治家みたいに話しちゃってるけど・・・』 サンドラ・ブロックまで出てきてます。


動画ではこれが批判も含めてうまくまとめてますが、直接貼れないんでリンクしときます。Public vs. Charter Schools

チャータースクールもパブリックスクールの一種なんだ、ってとこは誤解されやすいポイントのようですな。

円売り介入 近隣窮乏化 ホントは富裕化政策

2010-09-18 10:11:57 | 金融
民主党の党首選挙を待ってから大規模介入、でっか。
なんというんですか、そんなんで良いんですかね。

大体、管さんは財務大臣になった時に、いまより円安の水準で、円は高すぎると発言して、前任との違いをしっかり打ち出したはずなんですが。選挙前だと誰も責任を取れず、という事情なんでしょうか。選挙のすぐ後に、なんてホントはもっと早くやりたかったということが丸見えで、なんかイヤーな感じです。

日銀が、円売りした資金を不胎化しなかったとかいうニュースも出てましたが、日銀は日銀批判が厳しくなっている空気を読んだってことなんでしょうか。

デフレ克服最優先、日銀法改正やインフレターゲットも視野=小沢氏

東京 14日 ロイター] 民主党の小沢一郎前幹事長は14日午後、同党代表選で国会議員投票前に最後の政見演説を行い、「景気対策とデフレ克服に最優先で取り組まなければならない」とし、「日銀法改正など制度改革やインフレターゲット政策も視野に入れ、金融政策と財政政策の両面からあらゆる手段を尽くす」と述べた。

小沢さんが勝ってたら日銀は、場合によってはみんなの党なんかまで連れてきて、あれこれ手を突っ込まれてた、みたいな、いまそこにある危機、だったんですな。不胎化してません、金融緩和してまっせ、よろしくゴカンベンってことなんでしょうか。

まあ、それは良いとして、最近介入なんてニュースは、あんまし聞かないわけですな。岩本さんも著書では、米国も、欧州も、政策的に、たとえば、欧州はギリシャ問題を爆発させてユーロ売りを誘うだとか、米国なら中国とけんかして、中国のドル売りを誘うだとか、自然に通貨安にもって行ってるんじゃないかということで、

なぜならば、世界的な不況で、通貨の切り下げ競争はどうしても避けるべきことであって、自国通貨売り介入なんて最悪って感じだからですね。

ところが、ですな、ロンドンエコノミストのブログには、こういう記事が出ています。


Beggar, then sneakily enrich, thy neighbour






近隣窮乏化策だけど本当は後でこっそり周りもリッチにすることなんだぞ、ということで、日本の介入政策を批判しているわけではなくて、こういう通貨切り下げ政策について分析したものです。金融緩和、通貨切り下げ策については結構ポジティブにみています。

A bit of inflation in Japan wouldn't just be a good thing. It would be a really, really great thing. And if other countries react to Japan's intervention by attempting to print and sell their own currencies in order to toss the deflationary potato to someone else, well then so much the better. As the chart at right indicates, its a rare rich economy that couldn't use a bit more inflation.

日本にとって、ちょっとばかしのインフレは、良いこと、どころかめちゃめちゃすごいことだ。もし他国が日本の介入策に反応して通貨刷って自国通貨の売りに出て、デフレを他国に移転しようとすることになれば、なおさら結構なことだ。

Not every country can simultaneously depreciate its currency. But everyone can nonetheless benefit from the attempt, if currency interventions lead to expanded money supplies and rising inflation expectations.

すべての国が同時に通貨を切り下げることはできないが、この試みに対してはすべての国に利益をもたらす。通貨介入策が通貨の追加供給を招き、インフレ期待をあおるからだ。

It's worth looking again at this important chart:

このチャートを見よ、というわけで、ここにも貼っておきましたが、


The departure from gold benefitted every country that tried it. The mechanism here wasn't competitive devaluation, but the freeing of monetary policy, which had previously had to respond to gold outflows through increased interest rates, which devastated domestic economies.

これ、30年代の大恐慌の時のグラフなんですが、金本位制から離脱を試みたすべての国が利益を得た。重商主義は通貨切り下げ競争ではなく、金融政策の自由化のことだった。金本位制のもとでは、金の流出に対して金利引き上げで対抗せざるを得ず国内経済をひどく痛めていた。

というわけで、これ、バーナンキのですね。バーナンキは大恐慌を研究してて、金本位制が恐慌を悪化させてしまったと主張してて、そこから離脱した順に経済が回復したと説明してたんでした。

この動画では、金融政策はサポーティブでなければならない、と言ってます。金本位制は不景気で弱ってるところに金利を引き上げて経済をメタメタにしてしまうわけで全然サポーティブじゃないんで。



とまあ、この記事は、日本の介入に好意的で、今はインフレ期待を盛りたてて行くべしって感じです。ちなみに、金融緩和、円安ポリシーは小泉、竹中時代にビシバシやってた政策なんですがね。介入したドルでイラク戦をファイナンスしたとして批判されたり、円安バブルで、根本的な改革とは関係ない景気回復だったと言われたりしてますが。


記事には関係ありませんが、このおっさんも介入を批判してません。


ベストバイ・モバイル好調

2010-09-16 07:17:40 | 小売

サーキットシティが破綻して、残ったベストバイはどうかというと、

この不況でも、順調です。大体5兆円弱の売上で、右肩上がりで伸び続けてます。

Bestbuy FS

でニューヨークタイムズの記事を見てみると

Phone Sales Push Profit at Best Buy

第二4半期は

Second-quarter net income rose to $254 million, or 60 cents a share. That compares with $158 million, or 37 cents a share, last year.

ネットインカムが前年同期の1.6憶ドルから2.5憶ドルへアップ。

Growth in its expanding cellphone business helped the electronics retail chain Best Buy post a 60 percent increase in second-quarter net income on Tuesday.

ケータイビジネスが好調で。

In the three months ended Aug. 28, revenue in stores open at least 14 months, a crucial indicator, edged down 0.1 percent and sales of flat-screen TVs continued to be weak. That was offset by strength at Best Buy Mobile, which Best Buy has been aggressively expanding.

既存店売り上げは0.1%の売上ダウン。フラットスクリーンテレビの売上は弱いまま。しかし、ベストバイモバイルの売上がすごく伸びていて、カバーした。

So far this fiscal year, 34 Best Buy Mobile stores have opened for a total of 110. At least 50 more are to open by the end of the year, including 11 this month. There also are 1,100 Mobile areas within regular Best Buy stores.

今期でベストバイモバイルストアは34店オープン。トータルで110店。今年中に少なくともあと50店は出す。ベストバイの既存店舗に1100のモバイルエリアもある。

日本でも量販店の中にモバイルコーナーが大体1階にありますな。ベストバイは店舗も出しているってことで、それが業績をささえてるんですな。

どんな感じかと言いますと、



Best Buy Mobile Tour


Best Buy Mobile requires 80 hours of training for their employees, and that their employees pass a test in order to ensure that they are well prepared to knowledgeable about the products they’re offering. This is unlike the traditional mobile sales man who may or may not have much of any background at all.

店員には80時間のトレーニングとテストを課しているんだそうで。これまでのフツーのモバイルのお店ではよくわかってない店員もいたりいなかったりする中で、この記事は評価してるようですな。