さて、TAC社長さんの書いた本です。
ビジネスの論理―私はいつも限界に向き合い、格闘し、限界を超えて生きてきた。![](http://www.buzz-pr.com/img/isbn9784813214823.gif)
![](http://www.buzz-pr.com/img/user_idyama440607_isbn9784813214823.gif)
すごいおっさんでありまして体力10人前。普通のマラソンに飽き足らず100キロ以上を走るウルトラマラソンに参加。名古屋から金沢までの270キロを2日で走るレースにも参加するんだそうです。
絵描きになる夢を断念して東北大学に入り、バイトで塾を経営して一儲け。美男講師を雇って母親の受けをよくした。座禅を組んで導師の公案に悩まされ、インドを旅し魅力にとりつかれる。新日鉄の内定をけって公認会計士試験にチャレンジ。受験生時代は東京で収入が無いので貧乏暮らし。キャベツがどうしても食べたくなって金が無くて夜中に畑から盗む。
アイディアマンで、茶目っ気があって、行動的で。今の時代なら何でもありかも知れませんが当時を考えるとかなり好き勝手、どう見てもおもろいおっさん,まあ略してオモロッサンとでも呼びたい感じです。
決算説明会の動画です。社長さんを見ることができます。
動くオモロッサン
社長自ら全部を説明していますね。人に任せません。自分で全部説明する社長なんてざらなのかも知れませんがね。30前にTACの社長を引き受けた後も講師を続け体力の限界までがんばってしまったそうです。講師は続けたかったが社長業との兼務はムリと感じて、ようやく講義に立つのをやめたんですね。
本書を読んで感じるのは、そうした過剰感ですね。有り余る体力、有り余るこだわり、溢れる才覚、多情多恨。まあ、恨は無いですかね。
ホリエモン的なスマートさを誇るような、お金もうけなんか簡単さ、のようなノリとは対照的で、どろくささの極北といった感じのオモロッサンでして、インド傾倒、座禅を組んでの瞑想、自分を追い詰めて何事かにいたらんとするスポ根と、マジで来られたら引いてしまうような話がバシバシ出てきます。
ただ、これが社長だと思ったら間違いでしょうね。割り引いて考える必要があります。本書はもともと、TAC Newsに連載されたエッセーなんですね。読者に受講生を想定しているわけで、そりぁ気合の話になるし、精神論が必要で、とにかく気持ちを鼓舞することに主眼をおいて書かれたものなのでしょう。自分の体験を面白おかしくも書けるのでしょうが、もともと目的が決まった文章なんですね。
本のカバーも、題名も、副題もとても一般向けとはいえません。
ちょっと勿体無い感じです。文章そのものは面白いんです。インドの描写から始まって子供との絵本にいたるまで内容は読ませます。ひたすらで、クセのあるモノローグですが力があります。
本書は一般に言うビジネス書ではありませんが、たたき上げのオーナー経営者の苦闘がいかなるものかを伺えます。創業現場は戦場であって、自分の判断に社運をかけるという局面を何度も経験。どこに目をつけるか(社長は点を打つと表現しています。いい言葉です)、TACの場合は公認会計士の場合は学生で、学生に直接呼びかける形をとります。受験生をライバルと奪い合うのではなく、学生を啓蒙して受験を目指させるんですな。税理士の場合は社会人で、授業のテープを貸し出して時間の不自由な社会人の便宜をはかります。いずれも前例が無い。テープの貸し出しは社内で大反対があったとか。今じゃどこでもやってますがね。
専修学校に進出しようとして認可を区にもらいに行くと、区の担当者は区の既存の専修学校の業界団体の事前了解をもらう必要があると言ったそうです。その団体の理事長に会いに行くと、マーケットの規模からしてこれ以上新規の学校を受け入れる余裕はないとして断られたそうです。業界内で申しあわせてTACの参入を阻んでいたそうです。ある種の談合ですね。
前回ご紹介しましたが、会計大学院設置の件では未だに意地悪をされていて、一旦申請を取り下げさせられているようですね。
社長がこういうむき出しの文章を書く理由はこんなところにもあるんでしょうね。実際に書いてしまうところはお人柄ですね。
もちろんいい意味です。
![](http://ec1.images-amazon.com/images/P/4813214827.09._SCMZZZZZZZ_.jpg)
- 斎藤 博明
- TAC出版
- 1470円
![](http://www.buzz-pr.com/img/isbn9784813214823.gif)
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すごいおっさんでありまして体力10人前。普通のマラソンに飽き足らず100キロ以上を走るウルトラマラソンに参加。名古屋から金沢までの270キロを2日で走るレースにも参加するんだそうです。
絵描きになる夢を断念して東北大学に入り、バイトで塾を経営して一儲け。美男講師を雇って母親の受けをよくした。座禅を組んで導師の公案に悩まされ、インドを旅し魅力にとりつかれる。新日鉄の内定をけって公認会計士試験にチャレンジ。受験生時代は東京で収入が無いので貧乏暮らし。キャベツがどうしても食べたくなって金が無くて夜中に畑から盗む。
アイディアマンで、茶目っ気があって、行動的で。今の時代なら何でもありかも知れませんが当時を考えるとかなり好き勝手、どう見てもおもろいおっさん,まあ略してオモロッサンとでも呼びたい感じです。
決算説明会の動画です。社長さんを見ることができます。
動くオモロッサン
社長自ら全部を説明していますね。人に任せません。自分で全部説明する社長なんてざらなのかも知れませんがね。30前にTACの社長を引き受けた後も講師を続け体力の限界までがんばってしまったそうです。講師は続けたかったが社長業との兼務はムリと感じて、ようやく講義に立つのをやめたんですね。
本書を読んで感じるのは、そうした過剰感ですね。有り余る体力、有り余るこだわり、溢れる才覚、多情多恨。まあ、恨は無いですかね。
ホリエモン的なスマートさを誇るような、お金もうけなんか簡単さ、のようなノリとは対照的で、どろくささの極北といった感じのオモロッサンでして、インド傾倒、座禅を組んでの瞑想、自分を追い詰めて何事かにいたらんとするスポ根と、マジで来られたら引いてしまうような話がバシバシ出てきます。
ただ、これが社長だと思ったら間違いでしょうね。割り引いて考える必要があります。本書はもともと、TAC Newsに連載されたエッセーなんですね。読者に受講生を想定しているわけで、そりぁ気合の話になるし、精神論が必要で、とにかく気持ちを鼓舞することに主眼をおいて書かれたものなのでしょう。自分の体験を面白おかしくも書けるのでしょうが、もともと目的が決まった文章なんですね。
本のカバーも、題名も、副題もとても一般向けとはいえません。
ちょっと勿体無い感じです。文章そのものは面白いんです。インドの描写から始まって子供との絵本にいたるまで内容は読ませます。ひたすらで、クセのあるモノローグですが力があります。
本書は一般に言うビジネス書ではありませんが、たたき上げのオーナー経営者の苦闘がいかなるものかを伺えます。創業現場は戦場であって、自分の判断に社運をかけるという局面を何度も経験。どこに目をつけるか(社長は点を打つと表現しています。いい言葉です)、TACの場合は公認会計士の場合は学生で、学生に直接呼びかける形をとります。受験生をライバルと奪い合うのではなく、学生を啓蒙して受験を目指させるんですな。税理士の場合は社会人で、授業のテープを貸し出して時間の不自由な社会人の便宜をはかります。いずれも前例が無い。テープの貸し出しは社内で大反対があったとか。今じゃどこでもやってますがね。
専修学校に進出しようとして認可を区にもらいに行くと、区の担当者は区の既存の専修学校の業界団体の事前了解をもらう必要があると言ったそうです。その団体の理事長に会いに行くと、マーケットの規模からしてこれ以上新規の学校を受け入れる余裕はないとして断られたそうです。業界内で申しあわせてTACの参入を阻んでいたそうです。ある種の談合ですね。
前回ご紹介しましたが、会計大学院設置の件では未だに意地悪をされていて、一旦申請を取り下げさせられているようですね。
社長がこういうむき出しの文章を書く理由はこんなところにもあるんでしょうね。実際に書いてしまうところはお人柄ですね。
もちろんいい意味です。