会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

REIT  資金調達はどうよ

2010-03-18 23:15:42 | 不動産
REITについての記事が出てたんで、ちょいと見てみますと、


Pennsylvania REIT shares surge on credit pact

PHILADELPHIA - Shares of Pennsylvania Real Estate Investment Trust surged to a 52-week high on Friday after the shopping mall REIT announced it has closed on a new $670 million credit agreement.

株価が先週の金曜日に上がったんだそうで。これペンシルベニアREITと言いまして、そのあたりのショッピングモールなんかを中心に投資しているREITのようですな。REITの中では老舗のようです。なんで上がったのかというと、6憶7千万ドルの資金調達について合意ができたとかで。

まあ、つまり、この金融危機で、資金調達に心配があって、調達できるというだけで株価が上がるって状況なわけですな。REITは借入が大きい、ってか、かなりの調達を借入で賄ってるんで、生きるも死ぬも銀行次第みたいなとこもあるんですね。


After markets closed Thursday, the Philadelphia-based REIT said it had closed on a secured credit agreement with $520 million of term loans and a $150 million revolving line of credit with its bank group, led by Wells Fargo Bank.

ウェルスファーゴが仕切っている銀行団と合意したんですな。5.2憶ドルがタームローンで、1.5憶ドルがリボルビングのクレジットライン。

Excluding impairment charges and a gain from extinguishing debt, Pennsylvania REIT's FFO for the latest quarter was a positive $37.3 million, or 81 cents per share.

このペンシルベニアREITって、よく見ると赤字なんですが、インペアメントチャージ、これ多分資産の劣化を控除した分ってことでしょう、と、借入償却による利益を除いた後ではFFOは3千7百万ドルのプラス。

FFOって何?

FFO, which adds items such as depreciation and amortization back to net income, is considered a key gauge of REIT strength.

ああ、この記事にも解説がでてますな。FFOというのは、純利益に減価償却とアモチゼーションなんかを足したものってことで、REITの収益力の指標だと考えられている。

たしかにREITなんかは償却資産が大きい分、減価償却も大きいんで、足して考えないとわけがわからなくなるかもですな。

それともう一点。
金融危機関連ですが、

調達金利も上がってるみたいに見えますな。

FINANCIALS

右が08年、左が09年なんですが

Interest Expense - Total    133,460      112,064
Total Debt          2,572,000      2,274,000

支払い金利が増えてます。
勿論、借入も増えてるんで当然なんですが、金利の増え方の方が大きいですな。

計算すると4.93%から5.19%に0.26%平均金利が上がっている。

こればかにならないですな。なんせ20憶ドル以上借入があるんですからね。年間に何憶円も違ってくる。計算すると7百万ドル近くですな。

これ、平均で0.26%なんですが、この一年で全部の借入の契約が切り替わったわけじゃないんでしょう。当然一部が切り替わった、ないしは追加で調達して平均金利が上がったわけで、それを考えると、09年度に新規契約した借入というのは、かなり金利が高かった、という見方もできるわけですな。

期の途中で切り替わっているわけで、通期で効いてくる今期はもっとインパクトが大きいかも、という恐れもあるわけで。

ただ、FFOが四半期で37百万ドルなんで、まあ、7百万ドル程度増えただけならあんまし関係ないかもですな。7百万ドルは年間ベースの支払い金利負担増なんで。


金利水準よりは、借り換えや追加の調達ができるかどうかって方がずっと問題なわけですな。




上海ヒルズ完成

2008-09-01 00:46:31 | 不動産
上海で最も高いビルが、森ビルの手で完成したんだとかで。

いやまあ、何か、日本の製造業も小売もバシバシ中国に出て行っているわけで、森ビルが出て行っておかしくないんですが、上海に日本のごつい、しかも中国一背の高い建物が建ったんだ、ときくと、やはり感慨のようなものを感じませんかね。

上海には、今も欧米や日本が昔建てた建物が残っていて、帝国主義時代の名残のようなですねえ。まあ、今と事情は全く違ってきてきて。そうですな時代の違いは、背の高さでもわかりますねえ。ガイドブック上海外灘の建物で最初に紹介される和平飯店北楼は11階建て。上海ヒルズは101階なんですな。これ、まさに桁違いな。

Mori's 'Vertical Garden City' Opens Far Above Shanghai


He first started work on what was planned to be the world's tallest building in 1994, when there were more farmers than bankers living in Pudong district. The project was put on hold, first by the Asian financial crisis, then by September 11, then SARS. Some of the original Japanese investors got cold feet and bailed out. Mori bought out their equity, raising his stake in SWFC to 80% from 30%. In the meantime, Taipei and Dubai have erected taller skyscrapers.

ホント、完成するまでに苦労されたようでして、94年から14年越しだったそうな。日本と違って土地の買収に時間がかかったというより、アジア金融危機、97年ですな、911、サーズなんかで中断を繰り返して、他のスポンサーはあきらめてドロップして行って、森ビルの持分も3割から8割まで上がってしまった。

それにしても上海の14年は長いっす。

コンセプトは六本木ヒルズと似てて、

The SWFC will house shops and restaurants from its basement to the third floor, commercial office space for the next 70 floors, and an upscale Park Hyatt hotel from the 79th to 93rd floors, making it the loftiest hotel in the world.

低層がお店やさんで、中層がオフィス、その上がパークハイアット。

SWFC already has a 45% occupancy rate, which includes Morgan Stanley (MS), BNP Paribas (BNPP.PA), and Sumitomo Mitsui Banking as tenants, despite charging a pricey $3 per square meter for rent. Hiroo Mori, chairman of SWFC and Mori's son-in-law, expects to have a 90% occupancy rate one year from now,

もう、テナントは45%決まってて、モルガンスタンレー、BNPパリバ、住友三井なんかが入る。一年以内に9割決まる予定とかで。1平米3ドルって何かの間違いですかな。そんなに安いわけが・・・。300ドルかな。

森ビルはこの手のビルを海外で他にもたてる計画はあるそうなんですが、景気が悪いのでちょいと様子見。ただし国内は決めたことはやるんだとかで、

He is currently developing seven large projects in Tokyo, including a second Roppongi Hills. It took him 14 years to acquire the 28 acres needed to build the first Roppongi Hills.

第二六本木ヒルズって・・・。マジすか。
なんせ、国内の不動産業界の落ち込みが土地の買収をしやすくしているんだそうで、

So in a way, these problems are leaving us good problems to speed up larger projects, because people who were bidding against us even until a few months ago are now coming to ask us to buy these properties."

数ヶ月前まで土地の購入で競っていた業者が、その物件を買ってくれと頼みに来るようになったとか。

競合が地上げした土地を買い叩くってことですかね。

こういうマーケットの地合いの悪いときにうまく動けるって、強いですよねえ。