会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

ミチオ・カク 福島時限爆弾

2011-06-30 02:29:53 | 政治

この人、3月11日以来、アッチコッチの番組に出ているのを見かけます。日系の米国人で、著名な物理学者、とかで。

"They Lied To Us" Michio Kaku Blasts Japan, TEPCO & IAEA For Cover Up


ミチオ・カク


Fukushima Nuclear Plant Remains 'Ticking Time Bomb' After Japan Disaster: Michio Kaku, Theoretical Physicist

Though global fears about radiation emissions from the heavily damaged Fukushima Daiichi nuclear power facility have calmed in the weeks since Japan's devastating March 11 earthquake and tsunami, famed physicist Michio Kaku insists the situation remains a "ticking time bomb."

福島第一の放射能漏れに対する世界的な恐怖は、数週間でおさまったが、著名な物理学者のミチオ・カクは、時限爆弾が時を刻んでいる状況に変わりはないとのことだ。


A professor of theoretical physics at the City University of New York and the City College of New York, Kaku discussed some recent revelations about the disaster's impact, and noted that Japanese officials still don't have control at the site. "In the last two weeks, everything we knew about that accident has been turned upside down," Kaku says. "Now we know it was 100 percent core melt in all three reactors...now we know it was comparable to the radiation at Chernobyl."

日本の当局者は、未だに原発をコントロールできていない。この2週間で、事故について聞いていたこと全てが、全くひっくり返されてしまった。いまや、3つの原子炉全ての燃料が100%メルトダウンを起こし、チェルノブイリと比較されるような放射能ということになった。

Among Kaku's other distressing notes: Fukushima workers are exposed to a year's dose of radiation within minutes of entering the site, and cleanup will take between 50 to 100 years. "It's like hanging by your fingernails," he says. "It's stable, but you're hanging by your fingernails."


福島の原発作業員は、数分で一年分の放射線にさらされている。クリーンアップには50年から100年かかる。状況は安定しているが、爪の先でぶら下がっているようなものだ。



記事には無いんですが、未だクリーンアップに入れない状況で、事故を抑えるのにまず1年くらいかかるとおっしゃってるようですな。

小さな子供が、放射線バッジをつけて幼稚園にかよってるってどうよ、みたいなこともおっしゃってます。

彼はこうやってちょくちょくいろんなメディアに登場して、新著を宣伝しながら日本の原発事故がいまだひどい状況にあること、あるいは、当局や東電の対応のまずさについて知らしめているわけですな。ひょっとしたら、こういうのを見ている一般米国人の方が、日本人よりも事故の状況を正確につかんでいるかも知れません。

彼が怒っているってか呆れているのは、状況を時系列で分析してみると、漏れてる放射能なんかからして、当初から燃料がメルトダウンを起こしていることを、政府や東電が知っていたのは明らかなのに、ハッピーフェイスで問題無い、と言い続けた、というトコですね。初期の対応がカオス状態で、リーダーシップの不在についても指摘しています。

別の動画でですが、燃料がメルトダウンを起こしているのが明確になっているのに、彼らは海水を入れる、入れない、原子炉を守る、守らないの議論をしていたんだ、みたいなこともおっしゃってます。

日本じゃ、こういうモノ言いは『ひだり系』扱いされがちで、せいぜい、御用学者が、心配ない心配ないを繰り返すので、返って不安です、みたいな主婦の意見を紹介して、政府は正確な情報公開を、ってな具合ですが、こういうコト、つまりウソをついていたのかどうかは事実として簡単に確定できるはずなんですがね。

こういう追求こそ、報道の役割ですよね。

政権が違っててもウソや隠ぺいが無かったとは到底思えないんで、まず事実を追求するべきで、そこから、やっぱ、電力の地域独占はだめだわ、みたいな政治問題が出てきて、しかる後に、賛否を巡って政局にという流れが本来の姿なんでしょうな。なんとなく、じゃなくて事実の部分は、確定させなきゃだめですな。

政治的には、今の状況は面白くて、むしろ、首相は原発を政治問題化させたくて、野党が原発サイドでコトを荒立てたくなかったりするんで。

問題に踏み込もうにも、政権側は自分のミスをさらしたくないし、野党は原発利権構造は壊したくない。

お互いがすくんでしまって、問題が深まらず、意味不明の対立がつづいてしまい、両者ともに政治的にどんどん消耗していく、という構図でしょうか。

こういうの、ホントの政治不在ですな。

それにしても、

なんで、日本のことを、海外メディアで確認せないかんのよ。





温家宝  訪欧

2011-06-29 02:40:25 | 政治

中国の温家宝首相が、欧州に行かれてるんですな、

Chinese premier in Germany




China promises EU "helping hand" with debt crisis


Chinese Premier Wen Jiabao offered Europe a "helping hand" with its debt crisis during a visit to Germany on Tuesday and said his country could buy the sovereign debt of some troubled euro zone nations if needed.

ドイツを訪問中に、温家宝首相は、中国は債務問題に対し救いの手を差し伸べる、必要ならトラブルを抱える国々の国債を買うと述べた。


One German television channel ran an unscientific telephone poll during Wen's visit to Berlin and 81 percent of Germans who responded said their country was growing "too dependent" on China.

ドイツのテレビ局の世論調査では81%がドイツは中国に依存し過ぎていると答えた。


But German Foreign Minister Guido Westerwelle said China's rapid growth and burgeoning influence on the world stage "need not be at Germany's expense but to our benefit" if his country managed it cleverly, though he acknowledged there were differences between the two governments on human rights.

しかし、ドイツの外務大臣は、うまくやれば、中国の急成長と、世界で増大する影響力は、ドイツにとっての損失である必要はなく利益になると述べた。しかし、人権問題に対する両政府の違いについても認めた。


とまあ、中国が欧州の債務危機を救うカモ、というハナシですな。

クルーグマンによれば、ユーロは、もともと財政や経済運営は各国に任せながら通貨だけ統一するという、ムリムリな条件で導入されていて、通貨価値の変動による調整機能を使えず不安定なのだ、ということなんでした。

クルーグマンコラム ギリシャ

ユーロの枠組みを守ろうとしていろいろと協議してても、中々まとまらない。リスケするにも、投資家への影響やら、なんやら、考えてると身動きが・・・。欧州の銀行も弱っているんで。


こういう時、中国は民主国家じゃ無い分、強いって感じですかね。スパッと、国債買いまっせ。

投資家やら、政府やら、いろんな人達を救うことになる代わりに、リスクを背負うことになるんですが、


Inside Story: China & Europe - who benefits?


中国にとっても、欧州は大事なお客様で、経済が安定していてもらわないと困るし、ユーロが暴落するようなことになると、中国の輸出産業が・・・、というわけで、これはウィンウィンの取引だ、ということのようですな。

米国債の消化を中国に負っている、というのが、結構米国内で問題になってたりするのと同じで、中国が影響力を増して脅威だみたいなハナシがある一方で、

中国は世界経済に組み込まれていて、人民元安で輸出を維持するためにも、稼いだ外貨を吸い上げて還流させるしかない事情もある、ってトコでしょうか。

それにしても、中国が資本主義国の金融基盤を支える、とか、危機を救う、ってどうもミョーな感じがするんですがね。

経済学再々入門 自給自足経済その5

2011-06-28 07:34:41 | マクロ経済
自分の食べる食料を自分で自給する自給自足経済を経済学のフレームワークで分析してみようとしているわけですが、寺島さんが一日8時間働くと決めた背景や理由についてあれこれ考えているわけですな。

前回は、働く時間を一時間長くすれば、どんだけ収穫が増えるか、という観点からいわゆる供給曲線を考えたんでした。
当然、働く時間を増やせば、収穫は増えてゆく。

しかし、ある程度時間をかけるとやることもなくなってくる。逆に言えば、それ以上時間をかけても収穫が増えない。
で、縦軸に労働時間を、横軸に収穫量を取ると、グラフは右肩上がりで、だんだん勾配が垂直に近くなる、んでした。

で、供給曲線がそうだとして、
寺島さんは、なぜ8時間働くことに決めたのか。

3.需要曲線

これは、いくらコメを必要とするかによるんですな。
コメが自然にその辺に育ってて、そのままとって食べれば良いんなら、仕事なんかしないわけですがね。

寺島さんにとって、必要とするコメは、自分が食べる分というのが最低ライン。
これを一日3合としましょうかね。一年で言えば、3合×365日分ですな。
ちょっと少ないですか。まあ、想定なんでいくらでも良いんですが。

この3合を最低ラインに、あとは将来への備えとしての程度バッファーを持つか、ということになりますね。

とすると、需要曲線はどうなるんでしょうか。

①一日一合分を収穫するのに必要な労働時間

たとえば、一合の収穫、つまり1年で365合を収穫するために、一日5時間働く必要があるとします。だと、一日3合分を収穫するためには15時間働くことが必要になるんですな。これはきつい。一日15時間以上働くのはちょっと無理ですね。15時間も働くのはいやですが、生きるためには仕方ないので時間働きます。確保できる余剰は0です。


一合の収穫に4時間の労働で済むとします。だとすると、3合で12時間。これでもきついかも知れませんが、あと1時間程度は働こうと思えば働けます。13時間働いて、3.25合。0.25合分が余剰としてストックできます。


一合2時間だったら。3合で6時間。まだまだ働く余裕があります。あと2時間働いて4合にしたいと寺島さんは考えました。


②グラフにすると

縦軸に労働時間、横軸にコメの需要量を置くと、グラフは、右肩下がりの曲線になります。

まず3合近辺で垂直になっている直線が、下に下がって5時間のあたりで少し右に曲がり始め、4時間で3.1合、2時間で4合と徐々に右に量が増えてゆきます。しかし、寺島さんは、せいぜい生存に必要な3合の2倍程度が余剰を含めた最大必要量と考えているので、どんなに労働時間が短くて済んだとしても6合以上には増えません。したがって、6合近辺では再び垂直になって横軸に接することになります。正確には曲線とは言えないんですね。


この需要曲線ですが、煎じつめれば、コメを手に入れるために、いくらまでなら労働を負担してもよい、という主観的な尺度です。この尺度は労働観や、身体の調子や、将来への不安や、経済的な余裕の有無にも依存しますね。何年か経って、コメの引き出し権が溜まっていれば、需要曲線は左にシフトしているかも知れませんね。


さて、供給と需要についてみたところで、では、両者を一体で見るとどうなるか、について次回。一日8時間働く、と決めるということはどういうことか、を確認したいと思います。




経済学再々入門 自給自足経済その4

経済学再々入門 自給自足経済その3

経済学再々入門 自給自足経済その2

経済学再々入門 自給自足経済

ピーター・フォーク 逝く

2011-06-25 07:33:55 | 生活

刑事コロンボの、ヒーター・フォークが亡くなったんだそうで。

汚いコートを着て、オンボロのプジョーに乗っていて、ボヤッとした雰囲気だけど、犯人を追いつめる。

大概犯人は、上流の、金持ちで、最初はコロンボを歓迎するが、だんだん追い詰められて迷惑顔になってくる。

しつこく質問するんで、いやがられる。

Columbo and "Just One More Thing"


最後にもう一つだけ良いですか。
いいえ、もう一つだけはだめです。

Peter Falk, TV's "Columbo," is dead at 83

Columbo's trademark was an ancient raincoat Falk had once bought for himself. After 25 years on television, the coat became so tattered it had to be replaced.

あのレインコートは、フォークが自分のために買ったもの。25年のテレビシリーズで、あまりにボロボロなんで買いなおされた。

Peter Michael Falk was born Sept. 16, 1927, in New York City and grew up in Ossining, N.Y., where his parents ran a clothing store. At 3 he had one eye removed because of cancer. "When something like that happens early," he said in a 1963 Associated Press interview, "you learn to live with it. It became the joke of the neighborhood. If the umpire ruled me out on a bad call, I'd take the fake eye out and hand it to him."

27年、ニューヨーク出身。洋服店を経営する両親。3歳の時にガンで片目を失う。63年のインタビュー。『若いころの災難だから、それとうまくやっていくことを学ぶことになる』、近所での冗談で、『もし審判がやってきて自分を間違って退場させたら、この義眼を取り出してそいつに渡してやる』

When Falk was starting as an actor in New York, an agent told him, "Of course, you won't be able to work in movies or TV because of your eye."

ニューヨークで俳優としてスタートしたが、エージェントは彼に、映画やテレビの仕事は、その眼のために無理だと言われた。

After serving as a cook in the merchant marine and receiving a master's degree in public administration from Syracuse University, he worked as an efficiency expert for the budget bureau of the state of Connecticut.

商船のコックとして働きながら、大学で行政学のマスターを取得。コネチカット州予算局の効率化の専門家となった。

He also acted in amateur theater and was encouraged to become a professional by actress-teacher Eva La Gallienne.

アマチュアとして舞台にも立ち、女優で、先生でもあったEva La Gallienneにプロになるよう勧められた。

Determined Falk (long)

"I learned that France's first lady of the theater, Eva La Gallienne, was giving an acting class for professionals at the White Barn Theater in Westport," Falk recalled. "La Gallienne was internationally famous, with a reputation as an actress that was right up there with Helen Hayes, Judith Anderson and the other important ladies of the theater.

私はそのフランス人の劇場のファーストレディから学んだ。プロのための演技のクラスでEva La Gallienneは教えていたんだ。

"Westport was about two hours from Hartford, but I decided I'd like to see what it would be like to be working with professionals, so I drove down, and somehow lied my way into the group, which met every Wednesday. But I was always late because of the long drive down from Hartford.

ウェストポートは、ハートフォードから2時間もかかるが、プロと仕事をするということがどういうことか見てみようと決心した。それで私はクルマを運転してゆき、なんとか入り込んだ。毎週水曜日に集まるんだが、ハートフォードから遠いんでいつも遅刻した。


"So I went to my boss--I had a vacation coming--and told him I didn't want a vacation. I just wanted him to let me off every Wednesday afternoon early. He said OK, but I was still always late because of the traffic. And my car, which was always breaking down.

それで、私は、ボスのところに行った。休暇が近かったんだが、ボスに、私は休暇はいらないと言った。ただ、水曜日の午後早めに上がらせてほしいと頼み、彼は了解してくれた。それでも私は渋滞でいつも遅刻した。それに私のクルマはいつも故障してたんだ。


"Now Eva La Gallienne was a very formidable woman, in keeping with her worldwide reputation, and she had very little patience with excuses. One evening when I arrived late, she looked at me and asked, 'Young man, why are you always late?' and I said, 'I have to drive down from Hartford.'"

Eva La Gallienneは、とても怖い女性で、世界中で有名になっていて、言い訳が通用しない。ある夜、遅れて到着した時、彼女は私をみてこう言った。

あなた、どうしていつも遅刻してくるの。

そして私はこう答えた。

ハートフォードからクルマで来てるんです。

"What do you do in Hartford?" she asked suspiciously. "There's no theater there. How do you make a living acting?"

ハートフォードで何をしているの。

彼女は疑わしそうに尋ねた。

あそこには劇場は無いわ。どうして演技でくらして行けるのよ。

Falk confessed that he was not in fact a professional actor after all and braced himself for the disappointment of deflated dreams. La Gallienne looked at him sternly. "Well," she said, "you should be!"

フォークは結局、本当はプロの俳優で無いことを告白し、夢がしぼんでしまうことを覚悟した。

La Gallienneは彼の方をキッと見た。

そうね、

そしてこう言った。

あなたはプロになるべきよ。


[The next morning Falk quit his job, and, armed with La Gallienne's letter of recommendation, soon found theatricalical representation with the William Morris Talent Agency.]

翌日、彼は仕事を辞め、彼女の推薦状の威力で、エージェントと演技の契約を見つけることができた。


涙が出そうになるような、いいオハナシで。



Peter Falk and wife Shera Danese on TV Land Awards


コロンボは奥さんにぞっこんだが、実はこの私も、・・・。




SHERA DANESE AND PETER FALK





Columbo opening

経済学再々入門 自給自足経済その4

2011-06-24 07:33:50 | マクロ経済

さて、時給自足経済4回目です。

経済学の簡単なフレームワークを使って、自給自足経済を描き出そうとしています。
逆に、島のシーンと、理論を行ったり来たりしていると、見えないところが見えてくる、

と良いですな。

さて、今回は需要と供給について。

そもそも自給自足経済なので、需要と供給なんてカンケーネーって感じもしますが、ちょっと考えてみましょうかね。

1、想定

メンバーの一人、寺島さんは、愛して愛して愛したご主人と死別されて、この島のプロジェクトに参加しました。
島の西側の海に面した土地を分担しています。

寺島さんは、一日何時間働くべきか。

一日1時間働く、2時間働く、3時間働く、と働く時間を増やすごとに収穫されるコメは増えてゆきます。

一日は24時間なので、最大24時間。寝る時間や食事する時間もあるので、まあ、14~15時間あたりが最大でしょうか。

一日6時間働けば、自分が食べる分が賄える収穫が期待できるとします。
で、それだけだと不安なので、余剰分としてさらに2時間。

一日8時間働くことにしました。

この8時間働くと決める過程を、分析してみますと、

まず、投入する時間に対して、どれだけの収穫が期待できるのか、という問題がありますね。

2、供給曲線


投入する労働時間が増えるごとに、収穫は右肩上がりで増えて行きます。
しかし、寺島さんが耕す土地は場所も広さも決まっているので、ある程度投入時間が長くなってくると、あんまし収穫量も増えなくなってくる。

つまり、一日、何時間働くかを決める時に、追加で働く毎に収穫がバシバシ増え続けるなら、ちょっと無理してでも長目に働こうかな、と考えるわけですが、草取りもして、肥料もやったら、さらに手を入れても、仕方ない感じになってくる。


それ以上やることがなくなる、というのが寺島さんにも実感されてくるって感じですかね。

一日に行うべき仕事、というものには、ある程度上限がある、それ以上やっても仕方ない限度がある、という常識を、経済学では供給曲線として、右肩上がりなグラフを用いて説明するんですな。

このケースでは、縦軸に労働時間、横軸に収穫量を取るんですが、労働時間を増やしても収穫は次第に増えなくなるんで、グラフはカーブを描き、だんだん垂直に近くなってくる。

普通経済学では、縦軸に価格を取るんですが、今は自給自足経済を扱っていて、しかも島では通貨も使用していない状況ですので、労働時間を縦軸にとりました。なんで労働時間やネン、みたいな細かい理屈はここでは立ち入らないことにします。


ここに出てくるグラフはシンプルで分かりやすいです。

供給曲線


んで、

期待できる収穫量について、分かったとして、それだけじゃ、何時間働くべきかは決められない。

どんだけの収穫量が必要なのか、という寺島さんの生活を考慮に入れる必要が出てくるんですな。

次回は需要曲線。

ちょいとジミなハナシがつづきますが、韓国ドラマと同じで、最初我慢してると、だんだん面白くなってくる、

と、良いんですかね。



経済学再々入門 自給自足経済その3


経済学再々入門 自給自足経済その2


経済学再々入門 自給自足経済

KLM バイオ燃料使用を本格化

2011-06-23 01:54:45 | 航空業界
実験飛行って感じでしょうか。

09年に半分バイオ燃料で飛ばしてみましたっていう感じですが、

SkyNRG | Road to sustainable aviation fuels


もう少し本格化する、というニュースなんですな。

KLM to run planes on cooking oil

クッキングオイルで飛ばします、って・・・。

THE HAGUE ― Dutch airline KLM announced on Wednesday that it will use a biofuel generated from used cooking oil to power more than 200 commercial flights between Paris and Amsterdam starting in September.

パリとアムステルダム便の200のフライトに、クッキングオイルから作られるバイオ燃料を使用する。

"There will be 50 percent traditional kerosene and 50 percent biofuel extracted from used cooking oil," KLM spokesman Gedi Schrijver told AFP, adding that KLM is the first airline to use this type of fuel in commercial flights.

半分が普通のケロシン燃料で、残り半分がバイオ。商業飛行で使用する最初のケース。


Made by US company Dynamic Fuels, the bio-kerosene is produced primarily from vegetable cooking oil that comes from restaurants.

米国ダイナミックフュエル社が製造。レストランからの植物クックングオイルから主に作られる。

多分使用済み、のオイルということなんでしょう。


In its statement, KLM noted that "the costs of biofuels need to come down substantially and permanently," before the company could contemplate using "100 percent sustainable energy."

バイオ燃料の比率を100%に引き上げるには、もっと大きく、継続的に価格が下がる必要がある、

とかで。


ってことは、まだまだ、バイオ燃料の方がコスト高、ってことなんでしょうな。政府の補助でも出ててるんですかね。

しかし、チャレンジングで良いですね。こういう本格事例が出てくると、どんどん実現して行けるんじゃないか、という感じになって来ますよね。

温暖化ガスが、温暖化を招くというのが捏造だとしても、こういうものは進めてゆくべきなんでしょうな。





経済学再々入門 自給自足経済その3

2011-06-22 01:34:08 | マクロ経済

さてと、経済学の教科書に最初に出てくるあたりを、自給自足経済にあてはめて考えているわけですな。

前回は、GDPをどう測定するのか、という問題でした。

それは、コメの量で測れば良い
そのコメは、作ったコメのことであり、
配られたり、倉庫に余ったコメであり
食べられたり、将来への準備として備蓄されるコメ

のことでしたね。

うーん、余ったコメと備蓄されるコメの区分がちょっと分かりにくいですな。
経済学の教科書を読んでてもこの辺でどっかわからなくなるんですね。

なんで、貯蓄と投資がバランスするんだ、みたいな。

当期の生産物の内、消費に回らなかった生産物が投資。投資には本来消費されるために作られたが売れ残った在庫も含まれる。
所得のうち、消費に回らなかった余剰が貯蓄。

どちらも全体から消費分をひいた量なんで、定義からして貯蓄と投資は結果的に一致するはずじゃないか。

そう言われましても・・・。


もう少し、想定をいじって、この問題を分かりやすくしてみますかね。

比太離島では、

各人が生産したコメは、全て本部の倉庫に納める、というルールになっていて、
各人が納めたコメの量は計測されて記録される。
各人は収めただけの量のコメを倉庫から引き出す権利が与えられる。
各人は必要に応じて、つまり食べる分を本部倉庫から都度引き出す。
その期に食べきれない分は、残しておいて自分の引き出し権として翌期に繰り越しておく。
種もみ分は別管理しておく。

各人の生産高は出来不出来があって、人によって食べる分に足りなかったり、十分以上に収穫できたりしますが、不作だった人は、引き出し権以上のコメを本部から借り入れる制度がある。

ということにしましょう。

さて、比太離島の幹部会議で、10人の新規メンバーを受け入れることを決めましたが、この10人は前期にコメを生産しておらず、コメを本部倉庫に納めていないわけですな。

しかし、彼らを養い、新しく開墾させて島全体の生産量を上げる計画です。

彼らを食わせるコメは、やはり本部倉庫から引き出してきて、彼らに与える。

実務的には彼らに引き出し権を与えることになりますね。

COOの小林さんは、10人を新規に連れてきて、食わせてもやって行けると計算して、提案したんでしたね。


さて、ここで、もう一回、貯蓄=投資のところに戻りますと。

一般島民の立場から考えると、
引き出し権を行使した量が、食べてしまう分、つまり消費です。
行使せず、翌期に繰り越した引き出し権に相当するコメが貯蓄です。


幹部の立場から考えると、引き出し権を行使されて供出したコメが消費です。行使されずに残ったコメの内、新規の10人を食わすのに使うコメが開墾投資。万一に備えて備蓄するコメが在庫投資ってことになりますね。

つまり、経済を分配サイドから見るか、支出サイドから見るか、というのは、一般島民の立場から見るのか、幹部の立場から見るか、という問題だ、ということなんですな。同じ生産物について、立場によって見え方が違う。

見え方が違うというのは、この倉庫にあるコメを巡って、それぞれ別の思惑があるということです。将来食べるんだ、と考えている島民と、これを、今どう使おうかと考える幹部。貯蓄は将来への備えであり、投資は今行うアクションという違いがあるんですがね。将来を見据えて、という点は同じですが。


ここまで考えると、もうひとつ別の問題があることに気が付きますな。

つまり、一般島民が、翌期に繰り越そうとする量と、
幹部が倉庫に取っておこうと考える量が一致しないとどうなるか、という問題です。結果的には、一致しますよ、そりゃ。島民が引き出さずに残した分しか幹部は使えないんで。

しかし、島民は自分が収めた量までは引き出す権利があるわけで、目一杯引き出してしまう可能性が理論的にはあり得ます。皆が一斉に目一杯引き出すようなことがあると、島経済は回らなくなるんですな。10人の新人を食わせる分が足りなくなってしまう。じゃあ、こうするので、引き出すのはもうちょっと待って、みたいな力学が働かないと、うまく回って行かない。

この相互の均衡関係というのが、経済学の大きなテーマのようなんですね。

まあ、このケースでは、食べる分以上に島民がコメを引き出すごとは考えにくいんで、小林さんも自信をもって10人受け入れを提案したわけですが、

今後、島の経済が発展していくと、そうも言っていられなくなる、ような気がするんですが、それはもうちょっと先におくとして、

次に、需要と供給についてちょいとみていきたいと思います。



経済学再々入門 自給自足経済その2


経済学再々入門 自給自足経済

天然ガスを巡る冒険  CBS 60ミニッツ

2011-06-20 00:08:46 | 資源・インフラ
原発がだめなら再生可能エネルギーだ、みたいなハナシには違和感があって、広瀬さんの言うように天然ガスじゃないか、というハナシを書かせていただいたんでした。

再生可能エネルギーも大事だし、全量買い取りは是非やれば良いんですが、現実問題として、今、ここにある原発代替のエネルギー供給に何を持ってくるのかという場合、再生可能エネルギーは時間がかかり過ぎますよね。もともと、十分に余力が現時点でもあって、原発無しでも問題ないという議論はひとまずおくとして、なんですがね。

さて、その天然ガスなんですが、なんで思い出したかというと、最近良く、引き合いにだす、CNBCのレイチェル・マドウショーをネットで観てると、エクソンの宣伝をコーナー毎に見せられることになるんですが、このエクソンの宣伝が、天然ガスが、いかにスゲーか、みたいなヤツでして。

レイチェル・マドウショー

もう、これ以上無いと思われるような善人ズラをした地質学者なるおっさんが微笑みながら話す。

天然ガスが深い地層の岩の中に大量に閉じ込められていることが発見されて
これで米国は100年は持つ。
数十年前までは考えられなかったが、
技術の進歩で取りだすことが可能になった、

って感じでしょうか。

これのせいで、すっかり忘れていた広瀬さんの言う、火力で十分、技術力が上がってて効率も良いし、天然ガスでコストも安いし温暖化ガス排出も少ない、温暖化説は信じてないけど、みたいなハナシを思い出したんですな。

天然ガスの価格なんですが、

天然ガスチャート

かなり上下動の激しいチャートですが、

08年のリーマンショック後に急落し、それ以降、それほど値を戻していませんね。急落後、再び上がり続けているオイルとの違いが際立つんですな。

天然ガスに何が起きているのか。

てなわけで、CBSの60ミニッツ。


Shale Gas Drilling: Pros & Cons


script: The Pros and Cons of Shale Gas Drilling

これ、去年の11月の放映なんで、そんなに前じゃない、つい最近です。天然ガスのブームが起きているんですな。

おれん家の庭から天然ガスが出た、憶万長者だ、ミリオネアならぬシェールオネアだ、みたいな。シェール層から取り出すのに引っかけてるんですね。

なんでも、サウジのオイルの2倍に相当する天然ガスが米国には眠っているとかで。

技術が進歩して、岩石の中に沁み込んでいる天然ガスを取り出すことができるようになった。横の方から垂直に掘り進んでおいて、ガスのある深さに達したら今度は水平に掘り進む。んで、今度は薬剤を含んだ液体を岩石に吹きつけてガスを取り出す。

問題もあって、この時に使う薬剤が地表に漏れ出したり、ガスそのものも水道水の中に入り込んだりして、とても危険になっている地域があるんだとか。

これ、政治も絡んでて、2005年に、ガスの開発業者は、汚染規制の対象にならないという法律が通ってて、この法律に、当時の副大統領のチェイニーが深く関与した、とか。ハリバートンはガスの取り出し業者の大手で、チェイニーは副大統領になる前、ハリバートンのCEOだった。

水道水に火をつけたマッチを近づけると、ボンと小爆発を起こす映像を以前にも観たことがあって、いまどきなんで、開発がらみで公害っぽいことが問題になるのか、とっても不思議だったんですが、こういう背景があったんですね。

汚染の問題は別として、莫大な量の天然ガスが、米国で発見されていることは確かで、世界を変えるような出来事であることのようですね。

ちなみに、この番組では、天然ガスは温暖化ガスの排出量が石油の半分だ、と説明されているし、他でもそう書かれているみたいですが、

wikiを読む限りでは、天然ガスの中でも、シェールガスに限っては、そうじゃない、逆に石油・石炭よりも排出量が多い場合もある、との指摘があるということです。メタンがでるんですね。

Shale gas Wiki

However, there is growing evidence that shale gas emits more greenhouse gases than does conventional natural gas, and may emit as much or more than oil or coal. In a May 2010 letter to US President Obama, the Council of Scientific Society Presidents[7] urged great caution against a national policy of developing shale gas without a better scientific basis for the policy.

じゃあ、まずいじゃん、って感じですが、広瀬さんは、温暖化ガスによる地球温暖化説そのものを徹底的に否定しています。

これまた、かなり説得力のある議論というか、否定する証拠を積み上げておられます。否定というよりも、温暖化説のねつ造ぶりを暴く、という感じなんですな。たまたま温度が上がっている期間だけをとったチャートだけ切り取って見せているが、そんなの地球の長い歴史からみれば、これまでにも何度もあったし、二酸化炭素濃度の増加タイミングと温度上昇もまったくマッチしていない。長期的にみると、地球は冷えて行くんだ、みたいな。

そういや、私も、小さいころ地球に再び氷河期がやってくるみたいな、地球冷却説に基づく絵本みたいなのを読んだことがあるような・・・。

二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)
クリエーター情報なし
集英社














菅騒動2 孫正義氏講演

2011-06-19 12:57:21 | 政治
衆議院第一議員会館で、ナニやら市民団体の勉強会が行われたようで。

エネシフ・ナウ! 6月15日(水)

6月15日『エナシフ・ナウ!』孫正義氏講演、菅直人総理大臣登場?


そこに、首相が呼ばれてお話をされてます。

全体はこちらに出ています。映像も音声もきれいです。
プレスクラブ (2011年06月16日)
再生可能エネルギー促進法成立が退陣の条件
菅首相が市民集会で表明



自分を辞めさせたければ、この法案を早く通しなさい、みたいな。

また菅首相が、延命をはかるために、バカなことをブチ上げている、なり、よしやれ、みたいな反響があるようなんですがね。


ハナシの中身は、若いころから、再生可能エネルギーには関心がずっとあったとか、これまでまじめに取り組んでこなかったことへの批判だとか、なんですが、中身は今一つ。

『おばあさんは川に洗濯に、おじいさんは山にしばかりに行く』みたいな社会だって選択できるはずです。

なんておっしゃってまして、ちょっと・・・。

首相の頭の中では、個人のライフスタイルの問題と、社会の選択の問題が一緒になっているんじゃないかと思うんですな。

今だって、川で洗濯すれば良いし、芝刈りに行けばいい。全量買い取りの問題が、何を選ぶことになるのか、もうちょっと争点を鮮明にしないと、首相が何と戦っているのかわかりません。

ってか、ご本人にとっても明確なんでしょうか。市民団体の勉強会なんで、そういう言い方をした、ということなのかも知れませんがね。

不信任をしかけた方の不手際で、辞任をかけてもう一回勝負するチャンスが生まれたわけで、有効に使って欲しいですな。民主党が政権について、いろいろとやろうとしてできなかったのだとしたら、

何が問題で、
どんな機構が欠けていたために
うまく市民政治家として戦うことができなかったか

ということを整理して、それを改善する施策をパッケージにして、どーんと法案として提出、


党内外を賛成反対で色分けして、戦えば良いですね。これで党内の不統一も片づける。復興をさまたげる障害として引っかかるところを優先して怒りとともにブチ上げる。

それこそ首相が若いころからやりたかったことなんじゃないんでしょうか。政策として何かやりたい、というより、市民が中心になっていない政治機構を変えようと思われていたんじゃなかったかと。地方と国の問題でもありますな。政権を取っても、首相になってもできなかったこと。それを今やれば良い、ってかお願いします。

それが終わったところで辞めて、後はもっと政治感覚の優れた、アイディアのある人にバトンタッチすれば良いですね。


さて、首相のハナシは別として、ソフトバンクの孫社長も登場してまして、彼のハナシの方が面白い。

7分半あたりで、首相を持ち上げて、

首相になったらやりたかったことで、できたこと、できないこといろいろあるんでしょうが、あの、

『浜岡を止めた』

政治家を見渡して、他の誰が首相だったらできたでしょうか。

抜き打ちだった、相談してたらつぶされたでしょう、

とおっしゃってます。

全く私と同見方だったんで、ちょいとびっくりしました。


そんなことをして、日本のエネルギーはどうなるんだ、みたいな良く調べないで分別発言をする人達は別として、

恐らく、多くの人達が、浜岡蛮勇を評価している、ということかも知れないですね。新聞やテレビを見ているだけでは分からないんですが。

私は、原発がだめなら再生エネルギーだ、という流れには、違和感があって、それとこれとは別のハナシという気がしてまして、

広瀬さんの言うように、まずは、大量に発見されて値段の下がっている天然ガスを活用する火力で、というのがフツーの対応なんじゃないか、と思うんですけどね。

あんましアピールするハナシじゃないんですが。

浜岡原発


管騒動 ロンドンエコノミスト




クルーグマンコラム メディケア vs  民営化

2011-06-18 15:06:41 | 政治
ニーヨークタイムズのクルーグマンコラムです。

ポール・ライアンのメディケア民営化案が、物議をかもしている中で、クルーグマンが改めて、メディケアはコストの上昇を抑えているのだ、と説明しています。

Medicare Saves Money


The idea of Medicare as a money-saving program may seem hard to grasp. After all, hasn’t Medicare spending risen dramatically over time? Yes, it has: adjusting for overall inflation, Medicare spending per beneficiary rose more than 400 percent from 1969 to 2009.

メディケアコストは1969年から30年で4倍に上がっている。

しかし、

But inflation-adjusted premiums on private health insurance rose more than 700 percent over the same period. So while it’s true that Medicare has done an inadequate job of controlling costs, the private sector has done much worse.

民間の保険料はインフレ調整後で7倍にもなっていて、メディケアが適切な仕事をしていないというのは本当だが、民間のはもっと良くない。

というわけですな。

公営は不効率だというのが保守派の主張で、

保険を直接提供する代わりに、バウチャーを渡して民営の保険を買わせれば良いじゃないか、という代案を本当に実行に移してしまえば、老人達は今までと同じレベルの医療を受けられなくなる、というんですな。


Paul Krugman - Death Panels Will Be a Cost Saver


公営の方がコストが高いというのはウソだ、というのはクルーグマンの一貫した主張なんですな。

そう言えば、英国でサッチャーがいろんなものを民営化したが、コストが本当に下がったかどうかは疑わしいと書かれた本を読んだことがあります。

というのも、民間はどうしてもある程度の利益を確保する必要があるので、同じサービスを同じオペレーションで提供すると民間の方がコストが上がってしまう。外注する値段の方が、政府が自身で運営するコストよりも高い、とかいうハナシです。

政府がやったから、といって、コストが高いわけではなく、運営を厳しく管理すれば、公営でも効率を上げることは可能だ、とも書いてありましたかな。

数字をみてないでなんとも言えませんが、そういう議論もあるってことですね。

外注か、内製か、なんて昨今の企業コスト削減策の議論にも似てるんですがね。


まあ、お役所で厳しい運営管理、なんて、ちょっと日本じゃあり得ない感じですが、お役人が管理するんじゃなくて、選挙で選ばれた人なり、そういう人のスタッフが直接管理すれば、公営でもいいかもですな。