会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

会計関係者に向けたWebサイト

2006-12-11 22:36:05 | 会計実務
 今度、公認会計士の鎌田 融彦(かまた あきひこ)さんが代表をされている、株式会社インフォプラザさんのWeb ページに、このブログのリンクをはっていただけることになりました。

これですね。

いや、ありがたいことです。リンクページを拝見すると、中々楽しいですね。会計士や税理士の第一線から勉強中の方まで、いろんな方のブログがありますな。

本体のページでは会計関連の書籍や資格関連の情報がアップデートされてます。求人情報もありますな。よろしければお訪ねください。

さて、リンクを貼っていただいたことでもあり、私と資格について書かせていただきます。私は、USCPA資格を取得したのをきっかけに、社内でオペレーション部門からクレジット部門に異動させてもらいました。オペレーション部門で何年も業務改善に打ち込み、ある程度自信が持てて自身のスキルも体系化できたと感じたので、欲が出てきたんですな。

本当は業務改善の仕事が好きで好きで。土日にボランティアでお手伝いをしたこともあります。作業を観察し、仮説をたて、ディスカッションし、仮説修正・・・。これを続けて行って、改善案を作ってゆきます。集団作業は合理的に組織することが結構むずかしく、知らず知らず無駄が発生していることがあります。レイアウトや仕事の流れを工夫して長年の悩みが解決できた時は本当にうれしいものです。特に作業している方たちに喜んでもらえることが一番ですね。残業が減ったとか、イライラが減ったとか。

と、まあ、元の仕事にたいしてもウズウズしますが、今の私の個人的関心は、オペレーションと経営とのつながりについてです。トヨタの強さ。強調されるのはトヨタ式です。オペレーションが超強いんですね。婦人服のしまむらはどうでしょう。ある程度の規模になって、なお高収益を維持するためには効率的なオペレーションがキーになりますよね。

一方営業マインド一辺倒で全く顧みないところもありますな。10年一日のごとく同じやり方。そういう会社の方が多いかも。調子の良いときは良いんでしょうが、そうとは限りませんからねえ。

単に人員を削減したり、事業の切り売りでない再生や効率化。トヨタや日本電産や京セラのようなスター経営ではなくても、そこそこ回るようにするだけで、随分違うと思いますがね。ただ、人減らしに比べて即効性がないので・・・というところをどう考えるかですけどね。効果って数字に出にくいんですよね。

とりとめのないお話で失礼しました。






プライベートエクイティのブーム2

2006-12-08 01:39:23 | 英語情報
前回EBITDAの倍率について記事が指摘していたのは、プライベイトエクイティの買収資金の中の負債比率が高い、ということでした。リーダイの倍率が10倍以上だったことを引き合いに出したのは間違いですね。10倍以上というのはEBITDAと被買収会社の負債との比率を言っていて、買収資金の内訳ではありませんでした。

この辺がややこしいですね。実務が分かっていればなんでもないことかも知れませんが。

記事には、買収金額は被買収会社が抱えていた負債含みだとありました。既存の負債を返済させて全部、エクイティに切り替わる、というのなら何の問題もないわけですが、買収資金に借入比率が高い、ということが問題になっているのは、恐らく、被買収会社のバランスシートの負債側に、買収で調達した借入の一部または全部が計上されるということなんでしょうな。

 借入で調達した資金はそのまま負債側に上がる、と考えるのが自然ですけどね。まあ良く分かりません。

さて、その借入比率の高いことについてですが、前回の記事よりももっと前のBusinessweek誌にそれだけをテーマにした記事がでてました。

記事を細かくみるのはやめましょう。前回の記事と主旨は変わりません。

それより、個別に紹介されている企業を見てみましょうか。

S&P downgraded Rexnord on June 14. The industrial company in Milwaukee is being acquired by Apollo Management for $1.8 billion. Coffey says the company will emerge from the deal with a debt-to-cash-flow multiple of 6.75. On completion of the proposed transaction, S&P said it will lower the corporate credit rating to B from B+.

6.75倍だとだめなんですね。厳しい感じがしますな。日本だとそんなに悪い感じはしないような気がしますが、どうでしょう。ここで出ている倍率は会社の負債とEBITDAの倍率ですよね。記事自身も混乱を誘う書き方をしてますよね。

さてこのRexnord社なのですが、もともとカーライルが持っていたものをアポロが買ったようです。アポロに買収されるまで、Rexnordは年間2百万㌦をカーライルにアドバイザリーフィーとして払っていました。昔、新生銀行がリップルウッドに顧問料として高額を払っているとして問題になってましたが、普通のことのようですね。

アニュアルレポートの79pをご覧ください。

本当は抜き出してご紹介したいのですが、テキストで抜きだせないようです。

このアニュアルレポートの時点では、EBITDAは159.4百万㌦でした(21pを見てください)。負債は753.7百万㌦ですから、EBITDA倍率は4.72です(これはあくまで会社の負債との比率です)。

半年後の数字と比べて見ましょう。

業績そのものは良かったようです。1pにCEOのコメントが出でいますが、何か偉そうです。引用できなくて残念です。面倒ですが、開いて眺めてください。

同じページに、総借入が29.2百万㌦減って、debt to EBITDA ratioが6.8から6.3に改善したとあります。これって、Businessweekの記事を意識してますよね。

ちょっと逆算してみましょう。買収された時点で倍率が6.8だったわけですが、アニュアルレポートでは4.7倍でした。ということは買収によって負債がEBITDAの2.1倍増えたわけですね。金額にして335百万㌦です。会社として負債がこれだけ増えてしまいました。754百万㌦+335百万㌦で計1089百万ドルの負債です。買収金額が1800百万㌦だったので、アポロの自己資金は711百万㌦を投入したということですね。

あれっ。大したレバレッジではありませんね。

いや、失礼しました。記事は最初からDebt to EBITDAの比率を云々していて、単に借入が多いのでこの比率も上がった、と指摘していたに過ぎなかったんですな。
(ということはリーダイの10倍以上というのも同じ土壌で比較しても言いわけですね。無理して買った事例としてカウントされているかも知れません)。

(本来なら頭の所から書き直しすべきですが、このままでご勘弁)。


この記事では、プライベイトエクイティの問題というより、貸し手がそれを許している、という書き方です。元本返済を数年据え置いたりして、条件面も緩めているようですね。貸し出し競争が激しいということなんでしょう。破綻のリスクも高まっていることが指摘されていて、いずれ火を噴いて問題になる日が来るのかも知れません。