会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

モトローラ 第3Q 黒字回復

2007-10-30 01:00:40 | 銘柄研究
 携帯電話の出荷台数がとんどん増えて、今年は世界で10億台に達するといわれています。10億台ですからなあ。まあ、どこも調子が良いわけです。モトローラ以外は。シェアと台数をどんどん落としているのは上位ではモトローラだけだったはずですな。

そんなモトローラなのですが、でました第3Q。

モトローラ第3Q 8k

Operating Results
Mobile Devices segment sales were $4.5 billion, down 36 percent compared with the year-ago quarter. Excluding highlighted items, the segment incurred an operating loss of $138 million, compared with operating earnings of $843 million in the year-ago quarter. Motorola’s share of the global handset market for the quarter is estimated to be 13 percent.
During the quarter, Mobile Devices:

売り上げが前年同期比36%も落ちて携帯シェアが13%になった。去年は22%でした。随分落ちてますよね。

•Shipped 37.2 million handsets — including more than 900,000 RAZR 2 devices.

確か第2Qは35百万台強だったはずで、台数は回復ぎみですね。季節性がどの程度あるのか知りませんけどね。RAZR2も出荷開始してるんですな。 まだ90万台なので少ないですが、これからですよね。Iフォンが100万台超えたとかニュースがあったはずですが、この数字良いのか悪いのか。

•Introduced the MOTO U9 music device, a special edition RAZR 2 for the holiday season, seven new W-Series handsets, and the iC602 dual-mode iDEN/CDMA device.

•Expanded the Z6 line with the introduction of ROKR Z6m and Z6tv.

•Introduced an ultra high speed WiMAX chipset solution, optimized for both size and low power consumption .
これ、クアルコムのチップですかね。米国内への輸入が禁止されて問題になりそうだって言われていたやつ。ベライゾンがお金を払ったんでしたっけ。

bloomberg 10月25日

Motorola Inc., the largest U.S. maker of mobile phones, posted its first profit in three quarters and gave a forecast that surpassed analysts' estimates after eliminating more than 5,000 jobs and unveiling a new version of the Razr phone.

ようやく黒字になったんですね。リストラもする、razr2も出す、と。

Zander is now going to be granted another chance,'' said Matthew Kelmon, a fund manager at Kelmoore Investment Co. in San Francisco, who doubled his Motorola stake to 200,000 shares in August. ``They're still under the gun, but they're responding to the pressure.''

CEOは業績不振で株主から追い出されそうになっていましたが、一息ついたってとこでしょうか。

The company brought Zander in at the start of 2004 to revive a once-dominant business, taken down by larger Nokia. The all- metal Razr came out months after he took over and has since sold more than 110 million units, more than any other Motorola product.

今のCEOは2004年にサンマイクロからやってきてRAZRをヒットさせたんですな。その功労者も業績が悪化すれば即代われと言われる。大変です。


RAZR2に加えてブラックベリーっぽい端末もベライゾンから出したらしく、単価があがって収支が改善しているようなのですが、慎重意見もあるようですな。まあ、ここからが勝負というわけで、第4Qを楽しみに待ちましょうか。




絶好調 P&G 

2007-10-11 00:31:46 | 英語情報
P&Gが製品のポートフォリオを見直すとか。

We'll continue to shift P&G's portfolio toward fast-growing, high-margin businesses," said A.G. Lafley, chairman and chief executive officer.

さいですか。それはそれで結構なのですが、ちょっと気になるのはここの部分です。

Wearing dog masks and prison stripes, activists from People for the Ethical Treatment of Animals demonstrated outside against laboratory testing of animals for P&G's Iams pet foods.

アイムスペットフード<これ、P&Gのブランドなんですな>の動物実験をやめろ、と活動家が外でデモをやっていた。これもこれで結構。引っかかるのは次の部分。

P&G officials said the vast majority of Iams testing is conducted in pet owner homes, most of them employee families, but that lab testing and monitoring is sometimes needed to ensure safety.

アイムスのテストはほとんどがペットオーナーの自宅、そのまた大部分がP&Gの従業員の家族によって行われている、ここですな。

実はニューズウィーク先週号でグローバル企業最強企業ランキングなる特集をやっておりまして、P&Gはその冒頭を飾ったのでした。

その特集の中身なのですが、製品開発の外部委託について紹介しています。当社は必要とする技術や製品をウェブサイトで募集して外部の知恵を借りるのだそうです。ポテトチップスに文字を吹き付ける技術などが例として紹介されています。

何を言いたいか。つまり、外部の知恵の活用ですな。ペットオーナーに協力してもらってテストをやる、それもその一例でしょう。

ちょうど、これもたまたまですが、アルビントフラーの『富の未来』を読んでいたら出てきます。現代は『生産消費者』なる概念、たしか原文はProsumerだったかな、これを活用する時代、たとえば銀行ATMは顧客利便の向上と説明されているが、実は銀行窓口職員の仕事を顧客に転嫁しているとか。マーケティング、ソフト制作などでよく紹介されているように、消費者側で、つまり非金銭取引世界で生産される富の比重が極めて大きくなっている、そうな。日曜大工がいっそうはやっていることや医療の世界での自己診療なんかも例示されてます。

上巻ではこのことを指摘して終わっていて、それでどうなる、というのは下巻に書かれているらしいがまだ読んでません。とにかく、P&Gはその最先端なんだろうな、と記事を読んでいて思ったわけですな。

現代は、そして未来もですが、金銭のやり取りを伴わない生産活動の比重が増えている、ないしは増えてゆく時代であり、企業はそれを活用してより成長してゆく、ていうところですかね。

ざっとP$Gの業績を見ておきますか。

まず株価チャート

きれいな右肩上がり。よろしいなあ。

PLです

どっか文句つけるとこありますか。

BSです

あれ、売り上げに比べて総資産がでかいな、とおもったら、巨額のGoodwillを計上しています。これ何兆円分もあるんですけど・・・。買収を重ねるとこんなになるんでしょうか。

それでもROAもROEもよい数字ですよね。文句ございません。というかすごいですな。ここ、なんか特別な製品を作って一山あてたわけじゃなくて、日用品ですからね、それでこの数字です。いやー・・・。



バーナンキ証言 9月20日

2007-10-09 23:42:59 | 英語情報
Let me begin with some background on the subprime-mortgage sector.
まず、サブフライム住宅ローンの背景について説明させていただきます。

これ、テレビキャスターの言葉ではありません。誰か。
今をときめくバーナンキFRB議長の証言です。

何が言いたいのか、なのですが、この語り口です。質問されたことにだけ木で鼻をくくったような受け答えをしててもおかしくない立場の人ですな。こう思う、これはこうだ、と結論だけ言い放って、聞いてわからないやつは不勉強なだけ、という態度でも日本では通るかも知れませんよね。

もう一回引用しておきましょう

Let me begin with some background on the subprime-mortgage sector.

良いですねえ。

Subprime mortgages are loans intended for borrowers who are perceived to have high credit risk. Although these mortgages emerged on the financial landscape more than two decades ago, they did not begin to expand significantly until the mid-1990s. The expansion was fueled by innovations--including the development of credit scoring--that made it easier for lenders to assess and price risks.

サブプライムローンは、ハイリスクの借り手に対するものであること、20年以前に登場、90年代中ごろから額が大きくなったこと、クレジットスコア制度の改善等のイノベーションが拡大に拍車をかけたこと、なぜならそれが貸し手にリスクの見積もりとリスクに対する価格付けを容易にしたから、というわけですね。

じっつに丁寧でわかりやすいですね。ニュースや評論家のコメントを読むより、ずっとよくありませんか。正直言って、バーナンキ生証言を読むのは初めてなのですが、こんなんだとはまったく予想してませんでした。サブプライムローンとはなにか、から議長自ら議論を始めるわけですから、これはかないません。一流エコノミストが,議長職について、一から説明するんですな。

何を言いたいか、なのですが、米国のリーダーシップです。大リーグで超一流選手がプレイするように、超一流エコノミスト-評論家ではありません-が金融政策の手綱をとる。一流だから、こういうシンプルなところから議論を始めることができるんでしょうな。

長いので証言の引用はここまでにしますが、ここに至った背景、問題点の指摘、FRBやその他当局の対応、間違った要求、議論、についてささっと説明しています。読ませる内容だし、サブプライムに関連した政策関係を概観するには非常にわかりやすいんですな。たとえば政府の規制が銀行等の直接の貸し手に対するものと、証券化してマーケットにつなぐブローカーに対するものでは分断されていて、一貫していない点を指摘しています。これ日本でも住専問題で聞いたような気がしますね。

なぜ、バーナンキを読む気になったか。

大統領経済諮問委員会報告を本屋で見つけて読んでみたんですな。これが、またちょっと読ませまして。経済成長とは、から始めて、やはり一から議論しています。小麦を一ブッシェル生産するのに最初は何人も何時間もかかるのが機械化すると大幅にコストがさがって、生産量が増えて・・・、労働者に対する設備装備率の改善が経済成長の源泉だ、とかいう説明だったと思います。あくまで記憶ベースです。

下手な教科書よりずっと面白い。少なくとも変な経済評論を読むよりずっとましです。

今日は、意外に当局の直接情報が面白い、という個人的な驚きについてでした。