会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

貧乏人の経済学

2012-04-30 12:51:16 | 貧困問題
うっかり,未完成のままアップしてしまいました。中途半端なものを一時さらしてしまいましたが,どうもすみませんでした。

 さてと,ユヌスのマイクロファイナンスや,ジェフリーサックス,ラオスのコメ銀行から,ストリートチルドレンまで,貧困問題についてはここでもあれこれネタとして紹介してきました。

貧乏人を救え,とかいう立派な動機は無いんですが,知的な関心があるんですな。
生活水準に差がある,というのはどういうことなのか。
豊かになる,というのはどういうことなのか。

これは,個人の稼ぎとは別に,国によって明らかな違いがあって,豊かな国では貧乏人もそれなりの暮らしをし,貧しい国ではめちゃめちゃつらい,という具合で。

で,真打登場。

貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える
クリエーター情報なし
みすず書房


少し最初のあたりを読んだだけで,本書がただものではない,ということがわかります。
とにかく,驚異的な内容であって,思わず息を飲む,というんでしょうか。

途上国援助は行うべきか,行うべきでないのか。

賛成の立場,反対の立場があることは,誰もが知っています。貧困トラップが存在するので,そこからの脱出を先進国は援助すべきだ,というのはジェフリーサックスの主張でした。ただ,それだけじゃない,という感じがどうしても残りますな。

あるいは、

援助なんか無駄だ,腐敗した現地政府にかすめ取られてしまうし,その残りが必要とする人々に辿りついたとしても単に費消されて終わり。貧困からの脱出には役立たない,

という主張も,もっともな感じがしますが,援助による成功例もあるわけだし,そうも言い切れないんじゃないか。


という具合で,すっきりしません。

一般読者としては,自分でそこから一歩も進めないし、仕方なく,自分の信条に従ってどっちかの陣営サイドに立たざるを得ず、かといって確信が持てるわけでもない,ってとこでしょうか。

それで何の疑問も生じないような人にとってはそれで問題ないわけですが,ちょっと仕事してみたりして,言うは易し行うは難し,特に今ある組織や流れに関与するということがどんだけ厳しかが骨身にしみていれば,簡単な割り切りは行えない,ということが分かるはずですな。

援助は必要,○○は必要とか,きれいごとじゃ済まない。

なんで理屈通り効果が出ないんだと実績を求められる。難しいんですよ、で済ませてしまえば仕事にならず,日々ヘッポコサラリーマンや,ヘッポココンサルはそこで苦労するわけですな。

本書は,そんな私を含めたヘッポコ達のためにある本,と言っても良いくらい,ある種感動的な,なんと言いますか,そうなんだよなあ,というか,よくぞ言ってくれたというか,あんただけが頼りだ感,というのか,お任せしたい感というか,まさに,真打登場,待ってました,という感じなんですね。

もっと良く現実を見ろ,というのが本書のメッセージなんでしょうな。著者は,細部を見なければならない,と書いています。

もっと現実をよーく見て分析すれば,援助必要,不要論はどちらも正しいが一面的であることがわかり,

援助が機能せず,行政が不効率なのはもっと別の側面があることが見えてくる。

ホンの少しの改善,たとえば方針を決める会議に呼ぶメンバーを工夫することや,伝えるべき情報を伝えるだけで,たとえ独裁腐敗政権下であっても問題はかなり改善する、だから希望を捨ててはいけない,とか。

涙なくしては読めない。



マイクロファイナンス。

ユヌスの自伝には,魔法の杖,みたいなことが書いてあります。
ほんのわずかな資金があれば,貧困者も仕入が自分でできるようになったり,自前のミシンが持てるようになって,高利貸しへの資金負担がなくなったり事業規模を拡大して経済的に自立でき,ずっと豊かになれる。読めば必ず感動します。


しかし,先進国でもマイクロファイナンスをやろう,というニュースを読んで,はたと気づくわけですな。少額の資金支援で,ビジネスを興せて拡大させてゆけるだろうか。そんな人もいるにはいるでしょうが,そういう才覚と覚悟を持っている人はそんなに多くない。

貧困国でもそうなんじゃないのか。

本書では,この問題にも,調査結果と合わせて詳細に論じて,かなりクリアな結論を出しています。つまり,マイクロファイナンスは奇跡を生むわけではないが,かなり役には立っている,という,妥当な感じのする結論です。本書では貧困国における小ビジネスがどういう構造になっているのかまで視野に入れて論じていて,かなり包括的で,読むと結構満足感があります。

著者達の特長は,その調査手法にあって,関与グループと非関与グループをランダムに選定してデータを対照して比較するという,新薬の試験などで使われている方法のようなものを使っていることなんだそうですが,門外漢にとってはアンマシ気にする必要はなさそうです。逆に,これまでの経済学は,こういう手法でなかった,ということは,結構眉唾かも,と心配になるくらいで。

著者の一人は女性です。

Esther Duflo's Radical Anti-Poverty Fight



女性の感性,こまやかで不条理もまとめて肯定的に受け入れ可能な母性,みたいなものが,研究に役立っているかもですな。

ウォルマートメキシコ スキャンダル

2012-04-24 06:50:24 | 小売
ここしばらく,多忙で更新が滞っておりました。
ちょいと四月から,生活を変えていて,なんやかやで時間的な余裕が無かったんですな。

これまで,いろいろと調べてきたことの疑問を解決して,さらに体系化したい,という思いもあって,大学院に通うことにしまして,履修をどうする,指導いただく先生をどうする,教科書や統計ソフトを買って,読めと言われた参考書を読んで,当然,授業も出て・・・。ゴールデンウィークは,図書館ごもりになりそうです。

そうは言っても,新入生としての雑事が一段落して一息ついて,ニュースをチェックしてみると,

ウォルマートのスキャンダルを,ニューヨークタイムズがすっぱ抜いているではありませんか。超長い記事で,気合いのほどがうかがえますが,ウォルマートはちょいヤバそうです。

Vast Mexico Bribery Case Hushed Up by Wal-Mart After Top-Level Struggle


MEXICO CITY ― In September 2005, a senior Wal-Mart lawyer received an alarming e-mail from a former executive at the company’s largest foreign subsidiary, Wal-Mart de Mexico. In the e-mail and follow-up conversations, the former executive described how Wal-Mart de Mexico had orchestrated a campaign of bribery to win market dominance. In its rush to build stores, he said, the company had paid bribes to obtain permits in virtually every corner of the country.

05年にウォルマートメキシコから,内部告発があったんですな。市場拡大のため,つまり店舗開設の許可を得るために大々的に賄賂キャンペーンを張ったととかで。

The former executive gave names, dates and bribe amounts. He knew so much, he explained, because for years he had been the lawyer in charge of obtaining construction permits for Wal-Mart de Mexico.

その内部告発には,名前や,日付,金額も出てて,なぜなら,メキシコで店舗開設の許認可を得る仕事をしていた当事者からの告発だったから。


Wal-Mart dispatched investigators to Mexico City, and within days they unearthed evidence of widespread bribery. They found a paper trail of hundreds of suspect payments totaling more than $24 million. They also found documents showing that Wal-Mart de Mexico’s top executives not only knew about the payments, but had taken steps to conceal them from Wal-Mart’s headquarters in Bentonville, Ark. In a confidential report to his superiors, Wal-Mart’s lead investigator, a former F.B.I. special agent, summed up their initial findings this way: “There is reasonable suspicion to believe that Mexican and USA laws have been violated.”


本社は,早速調査団を派遣,結果は黒で,2400万ドルも賄賂が支払われていて,ウォルマートメキシコのトップも関与していたことが判明。

The lead investigator recommended that Wal-Mart expand the investigation.

調査団の主任は追加調査を勧告。

Instead, an examination by The New York Times found, Wal-Mart’s leaders shut it down.

にもかかわらず,ニューヨークタイムズの調査によれば,ウォルマートの幹部たちは,それを握りつぶした。


とまあ,この後,長い長い詳細が続いてゆくんですが,超トップが絡んだメキシコのスキャンダルとそのもみ消しないしは隠蔽なわけで,今後,大きな話になっていくかもですね。

米国の売上の伸びが頭打ちで,

海外で伸ばす,みたいな話しがあって,特にメキシコはすごい実績を誇っていたが,実は裏では・・・。

メキシコってそういうとこなんだよ,という議論も当然あるでしょうが,問題は,これが米国の法律に違反している,ということでして。

さて,どういうことになるんでしょうか。
ニューヨークタイムズの大スクープって,とこですな。


スペースシャトル ディスカバリー スミソニアンへ

2012-04-18 07:07:20 | 生活
Space Shuttle Discovery's Final Flight


Space shuttle Discovery's final voyage

The space shuttle Discovery has taken off on its last flight when it was carried on top of a jumbo jet to a museum near Washington DC.

ワシントン近くの博物館への最後の飛行。ジャンボジェット機の屋根の上に載せて運ばれる。

運ぶのがジャンボ747だというところも,古さを感じさせますな。

It was bolted onto a modified jet for the flight from the Kennedy Space Centre in Florida to the Smithsonian Institution at Dulles International Airport.

ケネディスペースセンターから,ダラス国際空港へ。

The Discovery was first launched in 1984, and flew thirty-nine times in space, more than any other shuttle. The United States closed its space shuttle programme last year.

1984年の初飛行から39回飛んだ。他のどのシャトルよりも多い。スペースシャトル計画は昨年完了済み。

初飛行は歴史に残っているわけで,この最後の飛行,と言っても自力飛行しているわけじゃありませんが,も歴史的な出来事,ですかね。

有人の宇宙開発,は米国においては去年で幕。
別に,リスクとコストをかけて,人がわざわざ行く必要も無くて,無尽で十分事足りる,という意見もあったりして・・・。

ワシントンに行ったら,ぜひ退役したシャトルを見てみたいですけどね。

チャーターシティーのイデオロギー

2012-04-13 07:33:14 | 政治
チャーターシティがちまたで話題になっているようで,
ここでも何度かご紹介しましたが,

今日は、そのイデオロギーについて,エコノミスト誌。

Honduras shrugged






政府からの自由,というのはリバタリアンの長年の夢だった,でもその試みはすべて失敗に終わっている,と記事冒頭のあと,

Now, for the first time, libertarians have a real chance to implement their ideas. In addition to a big special development region, the Honduran government intends to approve two smaller zones. And two libertarian-leaning start-ups have already signed a preliminary memorandum of understanding with the Honduran government to develop them.

今回初めて,リバタリアンの理想を実現するチャンスが訪れた。

ホンジュラスのことですね。二つの新興企業がホンジュラス政府とその開発について覚書を交わしたとかで,


One firm goes by the name of Future Cities Development Corporation. It was co-founded by Patri Friedman, a grandson of Milton Friedman, a Nobel laureate in economics, and until recently executive director of the Seasteading Institute, a group producing research on how to build ocean-based communes. The other is called Grupo Ciudades Libres (Free Cities Group) and is the brainchild of Michael Strong and Kevin Lyons, two entrepreneurs and libertarian activists.

一つは,ミルトンフリードマンの孫が共同創業者の会社。もう一つは企業家かつリバタリアン活動家である二人が考案した会社。

Both share a purpose: to build “free cities”. Last April all three spoke at a conference organised by Universidad Francisco Marroquín, a libertarian outfit in Guatemala. In September they and Giancarlo Ibárgüen, the university’s president, launched the Free Cities Institute, a think-tank, to foster the cause.

二つの会社ともに,自由な都市を作る,という目的を共有している。

As so often with enthusiasts, divisions within the cause run deep. The two firms hail from different parts of the libertarian spectrum. Mr Friedman is an outspoken critic of democracy. It is “ill-suited for a libertarian state”, he wrote in an essay in 2009―because it is “rigged against libertarians” (they would always lose) and inefficient. Rather than giving its citizens a voice, he argues, they should be free to exit; cities should compete for them by offering the best services.


しかし,理念の違いは深い。二社はリバタリアン思想のそれぞれ異なる部分から生まれている。フリードマン氏は民主主義批判に率直で,リバタリアン国家には適しないとエッセーに書いた。市民に声を与えるよりも,出てゆく自由があるべきだ、都市は,市民達をベストなサービスを提供して市民を取り込む競争をすべきだ,とか。

The second firm’s backers appear to be less radical. A founder of several charter schools, Mr Strong is now the force behind FLOW, a movement that claims to combine libertarian thinking “with love, compassion, social and environmental consciousness”, says its website. He too prefers exit over voice (meaning that he thinks that leaving and joining are better constraints on executive power than the ballot box). But he also believes that democratic consent is needed in certain areas, such as criminal justice. His goal in Honduras is less to implement libertarian ideals than to reduce poverty and to speed up economic development.

二社目の会社の支援者達は,それほど過激ではない。市民の投票よりも出てゆく権利を重視しているが,民主的な合意も刑事司法の場のような,特定の分野では必要だと信じている。ストロング氏のゴールはホンジュラスにリバタリアンの理想を実現する,ということよりも貧困を減らし,経済開発を加速することにより重点を置いている。


Yet the biggest hurdle for the libertarian start-ups may be that the transparency commission, which will oversee the development regions, is unlikely to give them free rein. The “constitutional statute” for the development zones, which the Honduran national congress passed in August, does not leave much wiggle room in key areas, not least when it comes to democracy: ultimately their citizens will vote.

リバタリアン新興企業にとってもっともハードルが高いのは,透明性委員会であろう。開発地域を監督するわけだが,委員会が思い通りの自由を与えてくれるとは限らない。ホンジュラスの議会が八月に通した開発地域の憲法規則では,重用部分では大きな自由を与えていない。特に,民主主義についてはそうだ。究極的には,市民は投票することになるのだ。


というわけで,チャーターシティは,開発手法の一つとして考えられているだけじゃなくて,理想の自由の国,みたいな観点からも捉えられているというわけですね。

民主主義 と 自由  ではなくて,
民主主義 か 自由  という図式で,


本当の自由は,民主主義と両立しない,というハナシで。

それにしても,フリードマンの末裔がこのハナシに入っているというのは驚きでして,
アンマシ名前は表に出てこない方が良いかもですな。

ショックドクトリンを思い出させかねないんで。




ホンジュラスのチャーターシティ ポール・ローマー

ホンジュラスのチャーターシティ その2

マイク・ウォレス 逝く

2012-04-09 06:15:58 | 政治
CBSのマイク・ウォレスが亡くなったそうですな。
60ミニッツの記者で、享年93歳

60 Minutes' interviewer Mike Wallace dies

Veteran journalist Mike Wallace, famed for his tough interviews on US news programme 60 Minutes over four decades, has died aged 93.

Wallace was one of the original hosts of 60 Minutes when it began in 1968.

60ミニッツが始まったときからのメンバーだそうで。40年間インタビュアーを務めた。

それにしても、ですが、
息が長い。ひとつの番組を40年。

60ミニッツと言えば主要メディアの番組だし、調査報道番組の頂点、といったところでしょうか。

スタートしたときに、すでに結構な年齢になっていたわけで、そこまでに勝ち抜いて新番組を任された、ということなんでしょうが、

以来、ずっとそこ。

ほかの60ミニッツのメンバーをみても、長い人が多い。

きちんと調査して、きちんと聞き出す、
過不足なくまとめる、視聴者に強烈にアピールする
というようなことは、なかなかうまくできる人は少なくて、一旦定着したら死ぬまで、

みたいなことになるのかも知れませんな。


動画は往年のマイク・ウォレス。
我々にもなじみのある顔ですね。
相手方の方が強烈な印象を受けますが、

マイクの挑発に乗せられたってことです。

Louis Farrakhan vs Mike Wallace (60 Minutes)


ナイジェリアが世界で一番腐敗しているだと、
じゃあアメリカはどうなんだ、ヒロシマ、ナガサキを原爆を投下し、ネイティブアメリカンを殺して血を流したじゃないか・・・。


マイク・ウォレスの動画を検索すると、オルダス・ハックスレーや、エーリッヒ・フロムなんかのインタビューまで出てきて、長い彼のキャリアを実感することができます。時間のあるときにじっくり聞いてみますかね。


FBIのスパイ活動 キング牧師を盗聴

2012-04-06 07:03:10 | 政治
アイ・ハブ・ア・ドリーム演説で知られるキング牧師に対してなんですが,

FBIがいたるところ盗聴網をしかけて徹底的にマークしていたってハナシです。

以前,間抜けなCIAの歴史について書かれた本についてご紹介したことがあり,

CIA工作員に有罪判決 前代未聞

その著者が,今度はFBIについて書いたってことで,デモクラシーナウでインタビューを受けているんですね。

J. Edgar Hoover vs. MLK: Book By Tim Weiner Exposes FBI's Targeting of Civil Rights Leader


FBIのスパイ情報で,モスクワが市民活動家に強い関心を持っていることがわかったことがきっかけみたいなんですが,

キング牧師が共産主義の手先になるのを恐れて,盗聴しまくって,浮気の現場もテープに取っちゃって,自殺しないとこれを公表するぞ,とほのめかす手紙を送りつけたとかで。

ヒドイ,ヒド過ぎる。

こうした,フーバー長官時代に敷かれたFBIのやり方が,現代まで続いている,とおっしゃっているようなんですが・・・。


J. Edgar Hoover vs. Martin Luther King, Jr.: Book Exposes FBI’s Targeting of the Civil Rights Leader

イランへの経済制裁

2012-04-05 07:55:59 | 政治

イラン問題がどうなっているのか、ちょいと気になるところですな。イランの核開発に,ネタニヤフはイラン開発施設を軍事攻撃したい,オバマさんは経済制裁に効果がでているので,と慎重姿勢。で今どうなのよ,というとこですが,

Netanyahu says Iran sanctions aren't working. His UN ambassador disagrees.

ネタニヤフが,経済制裁に効果などない,という立場なのに対し,同じイスラエルの国連大使が,否定するような発言をしちゃってる,というハナシなんですな。

Not everyone agrees with Netanyahu, among them Ron Prosor, Israel's ambassador to the United Nations. On Friday, Ambassador Prosor told reporters that the sanctions have a good shot at changing Iran's behavior.

報道陣に,制裁はイランの姿勢を変化させるにあたり効果がある,と言った。

"I think the international community at this stage has really moved forward and have made at least clear to Tehran that there is a certain price tag for continuing," he said. "The decision on SWIFT [the global system for interbank transfers], the issue of the sanctions by the EU, are important and have an effect on Iran... I do see really a movement on the international stage, especially on the economic side.... It's much more effective than people think and it might change, hopefully it might change behavior patterns if we continue with it."

国際社会は本当に前に進み,開発を続けるとただじゃ済まないことをはっきりさせた。SW}FTシステムに関するEUの決定は,イランに対して影響が出る。・・・経済的な側面で,人々が考えているよりも影響は大きく,これを続けることでイランの姿勢を変えることができるかも知れない。


"SWIFT" is the Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication, which coordinates millions of secure communications and money transfer information between the world's banks every day. Last month, Iran was unplugged from the system in a highly unusual move, creating major obstacles for the country's banks, including the central bank.

先月,イランはSWIFTシステムから排除された。中央銀行を含めイランの銀行にとっては大きな障害になる。SWIFTは,銀行の安全な日々の決済や連絡に使用する電信連絡システム。

ということなんですな。国連大使は,制裁推進サイドで,ネタニヤフとはすりあってない感じってことですね。しかし,SWIFTから追い出されたって,イランの銀行はどんなことになっているんでしょうな。テレックスの時代に逆戻りってことなのかも知れませんが,いまどき,まだ使えるんでしょうか。米国のドル資産を凍結,みたいなハナシより,予想してなかった分だけずっと厳しかったりして。よく分かりませんがね。

ネタニヤフは軍事攻撃をほのめかし続けているわけですが,

Recently there have been some hints, however, that Israeli's defense establishment is backing away from talk about attacking Iran, particularly as the Obama administration has sought to cool the war talk to give sanctions a chance to work. A story in the hawkish Jerusalem Post yesterday, for instance, reported that "a possible military confrontation with Iran may be postponed until 2013, senior defense officials said in recent weeks amid growing signs that the West’s economic crackdown on Iran is bearing fruit."

軍の上層部も,軍事攻撃には乗り気でない,というハナシも伝わってきているとかで,

直ぐのハナシでは無さそうですね。

そもそも,イラクやアフガンの後始末で苦労しているのに,あの聡明なオバマさんが,イスラエルのためにもういっちょやるか,って考えなさそうだし、米国がノラずに,イスラエルが,イランと戦うのかってことですな。



こないだ,イスラエルの前モサド長官が,60ミニッツに出演して,イラン攻撃に反対しています。
The Spymaster: Meir Dagan on Iran's threat



モサドの元長官がテレビに出てることもびっくりだし,

政権を批判していることはもっとびっくりですがね。

それはそうと,

米国が動かないと,イスラエル軍も消極的,というあたりはちょいと引っかかりますけどね。ムバラクが市民に追い出されそうになってるときに,エジプト軍は市民弾圧に動かなかったわけですが,背景にエジプト軍が米軍と密接な連絡があったと報じられていて,ってかバネッタが自分で言ってたわけですが,

西側各国の軍が,ペンタゴンと密接な関係を持っていて,ペンタゴンの政策が,世界の政策みたいな感じがにおってくるのはちょいとヤですがね。これは,ウォルフレンが,米国の対日本政策を論じるときにもよくおっしゃってるハナシで,対日政策は軍関係者が牛耳ってるってことでした。昔の知日派は引退してもういない,みたいな。

世界の軍関係者が背後で重要事項を決めてゆく,みたいなハナシは,ゾッとする絵ですな。


グル 大前研一 シャープ 台湾「鴻海精密工業」と資本・業務提供について

2012-04-04 00:57:39 | ハイテク
先日,鴻海に初めてテレビカメラが入った,とか言いながらABCが取材してたのをご紹介したんですが,

アップル 中国工場 Foxconn

その鴻海が,シャープと資本提携するとか言うニュースが少し前に飛び込んできて,いろんな憶測を含めて報じられてましたが,

この提携,どんな意味があるのか,
シャープが苦しいので助けられた,というハナシは良いとして,鴻海サイドがなぜ提携するのか。どんな意味があるのか。

世界のグル,大前さんが一刀両断,明快です。

シャープ 台湾「鴻海精密工業」と資本・業務提供へ


これは,買収なんですね。

鴻海がそんなに甘いことをやってくれるのか。
けっこうずるい会社。

アメリカNO1の液晶テレビ,ビジオは実際は鴻海なんです。

うちが五十パーセント取ったげましょう,と言ってくれたわけですが,今後シャープはここに脅されても逆らえない。鴻海はシャープのデリケートな要望に応えるような会社じゃない。性格が悪くて台湾にも友達がいない。

とかで。

ビジオが実質フォンハイの別働隊(とはっきりグルがおっしゃっているわけじゃありませんが)だったとは知りませんでしたな。

それにしても,アップルの意向が,鴻海を動かし,その結果シャープを取り込む,なんて流れは,一昔前には考えられなかったわけで,いやはや・・・。



TVアニメ「宇宙兄弟」[SpaceBrothers] PV

2012-04-01 09:39:48 | 生活
旅先のホテルでテレビをつけたまま疲れて寝てしまって,
目が覚めたらアニメをやってまして,

NASAの記者会見のシーン。
宇宙モノか,とちょっと興味が沸いたので,

アホクサくなったらやめようと思いつつ見つづけてみたら,

TVアニメ「宇宙兄弟」[SpaceBrothers] PV


かなりハナシのレベルが高くてビックリ。引き込まれて最後まで見てしまいました。

第一話は兄弟のうち兄の失業に焦点があたってて,職探しのリアルシーンが続いたりするんですが,適度にアニメっぽくギャグも織り込まれてて良いですねえ。ストーリーのテンポもスムーズだし,ハナシの密度が濃くて,ただもんじゃない気配。

日本のアニメなりマンガのレベルって本当に高いんですね。

たまに日本映画を観に行って、と言っても他愛ない娯楽策が多いですが,がっかりすることが多いことを考えると,アニメのレベルの高さが際立ちます。

ってか,映画のレベルの低さが気になりますね。まあ,私がみた映画がたまたまヒドかったのかも知れませんが,それにしても,そんな数作られているわけじゃない中で,なぜ私のようなシロートさえ引いてしまうような映画になってしまうのか。ここでも触れたことのある,ヤマト実写版だとか,日本沈没のリメイク版とかはかなりガッカリした口ですな。


アニメで達成できるレベルが,なぜ映画でできないのか、という問題なのかも知れナイんですが,

全く推測で,無責任に想像してみると,

映画が作家性を取り込めなくなっている,ということかも。

面白いものを作るにはかなりの作りこみ,やり直し,変更,試行錯誤を伴うに違いないんですが,映画にはそうした余裕が無いのか,あるいは許容する文化になっていないのかもですな。そんな世界でモノを作っても面白くないだろうし,結局,本当に才能のあるヒトは,作家性が好きに生かせて、自由にやれるアニメやマンガに行ってしまう,とか。

映画の世界に才能を呼び込むために,マンガやアニメみたいな違う世界の人たちに,映画の作法を学んでもらうとか,あるいは,映画撮影中のトラブルへの対処の方法とか,たとえば急なストーリー変更を行う時はどうするみたいな,に,日々なじんでもらっておける,無料の招待教育システムのようなもの,を作るといいかもですね。そして,その気になった人に,映画をつくってもらう。作らせるとこまで行かなくても,マンガの才能から良いフィードバックも得られるでしょうな。

作ってもらうなら,製作には,十分に時間と金をかける。

まあ,金はムリでもテマと時間をかける。

映画のファンとしては,実写映画も,アニメ並みに面白くなって欲しいもんですがね。
今は,お金を払ってみるにはちょいとリスクが大きすぎる,と感じるで。