会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

オオゼキ その1 スーパーなスーパー

2006-01-30 01:00:11 | 銘柄研究
丁度一年ほど前にダイエーの内幕ものを紹介しました

まだ、新しい体制が決まる前で、新社長のもと
希望が見えてきた現在とは状況が違った頃に書かれた本でした。

さてここでも少し触れましたが、なにをやってもダメダメ(だった)ダイエー
とは対象的な方法で急成長をしてきた『オオゼキ』という食品スーパーを
見てみましょうか。

ファースト住建は住宅投資の一部を担っていたわけですが、当社は
消費ですね。こうやってマクロ経済全体の小さなパーツパーツを
調べてゆきながら次第に全体を鳥瞰できるようになりたいものです。

ついでに投資成果も上がればなお良いとも思っています。

さて、オオゼキですが、足元の業績を見てみますか。

オオゼキ 第3四半期決算

売上げは5百億円程度ですね。大手は何兆円単位の売上げですから、
規模の点ではダイエーなんかと比べ物になりません。

ちなみにダイエーの17年2月期売上高は1兆8千億円でした。
5百億円なんて誤差レベルですね。

営業利益率7%。これは高いですね。
人件費や他の経費を払った後に7%も利益があるとは。
薄利多売がスーパーの基本概念だとするとそれを覆しますね。

営業利益と経常利益の差があまりありません。
金利支払いが少ないということでしょうね。
とおもいつつバランスシートを見てみると、借入が
10億円ちょっとしかありません。

しかも、しかもです。現預金が34億円もありますな。
現預金で借金は全部返せる状態にあるわけですね。
これは強いです。

ダイエーと比べましょうか。

ダイエー第3四半期決算

営業利益率2%です。オオゼキの3分の1行ってません。
スーパー。薄利多売。そんな感じです。

経常利益率に至っては、1%ですよ。
何のためにやっているんだか。半分は銀行に利息として
持って行かれるってことですね。

借入が8727億円もあります。総資産が1兆5千億もありますが、
借入比率は高いですね。現預金は1千4百億円弱。オオゼキが
現預金で借金を全部返せるのと比べると違いが際立ちますね。

ダイエーは総合スーパー、オオゼキは食品スーパーという違いが
利益率の違いに現れているに違いありませんが他にも理由は
ありそうです。

基本思想がダイエーとまるっきりちがいます。

次回はその点と、ファースト住建でやったような企業価値計算を
やってみたいと思います。

ファースト住建 5 関西住宅着工

2006-01-27 00:06:03 | マクロ経済

これまでファースト住建を4回に渡ってみてきました。
何も、この会社が割安お勧め、と主張しているわけではありません。

ミクロ的にじっくり見てゆくことで、全体の動きをつかめれば
と思っています。この会社はムダが少ないだけ、経済の動きを
ストレートに反映しやすいのではないのか、という考えもあります。

さて、今日は当社の事業基盤である関西の状況を見てみましょう。

国交省から、建築着工統計調査(平成17年11月分)が発表されています。
11月分なんで少し古くて耐震偽装問題の影響がでる前かも知れませんがね。

12月27日発表なんで,情報自体はそれほど劣化していません。

国交省建築着工05年11月分
・・・・

3.地域別戸数

○首 都 圏 総戸数(前年同月比 0.8%増)
持家(同 2.2%増)、
貸家(同 3.1%増)、
分譲住宅(同 2.7%減)、
うち分譲マンション(同 2.5%減)

○中 部 圏 総戸数(前年同月比 30.1%増)
持家(同 14.1%増)、
貸家(同 50.4%増)、
分譲住宅(同 12.7%増)、
うち分譲マンション(同 2.4%増)

○近 畿 圏 総戸数(前年同月比 26.8%増)
持家(同 2.7%増)、
貸家(同 37.1%増)、
分譲住宅(同 33.4%増)、
うち分譲マンション(同 62.3%増)

○その他地域 総戸数(前年同月比 12.6%増)
持家(同 6.9%増)、
貸家(同 12.8%増)、
分譲住宅(同 30.0%増)、
うち分譲マンション(同 43.5%増)

・・・・
注目は、関西の状況です。
分譲住宅の着工が12.7%増ですね(前年同期比)。マンションは
少ししか増えてませんから、大きく伸びたのは戸建ってことですか。
ちょっと意外な感じがする位ですね。
首都圏なんて逆に減ってますな。
景気が良いと呼ばれている名古屋よりずっと関西の方が
伸びてます。

まあ、数年遡って見なければ趨勢はわかりませんが、ここ足元の
増勢は関西が強いってことでしょうか。

全国ベースで見ても伸びてるようですね。
投資が増えると経済は確実に上向くといいますが
どうでしょうね。

12月分の発表も注目したいですね。





ロバートキヨサキ コラム 米国不動産投資

2006-01-25 00:13:05 | 英語情報
Yahoo USAでロバートキヨサキがエッセーを書いています。
前回も紹介しましたが、どうも連載のようですね。

テーマは『不動産投資』

Smart Investing Amidst Real Estate Mania

キヨサキは金持ち父さんコミュニティーに、不動産は下がると警告した
そうです。

In early summer of 2005, I sent a warning to the Rich Dad community
that the real estate market was cooling down.
After all, we know that all booms go bust eventually, and every party comes to an end.

この金持ち父さんコミュニティーって何でしょうね。
キヨサキ主催の投資サークルでしょうか。有料なんでしょうな。
終わりの無いパーティーは無い。一遍言ってみたい良いセリフですね。

オマハの賢人は、一番馬鹿な株を買う理由は、値段が上がったから、と
言ったそうです。オマハの賢人ってバフェットのことですかね。
The sage of Omaha sums up pithily: "The dumbest reason in the world to buy a stock is because it's going up."

キヨサキは不動産投資も同じで、値段が上がったときに買うのは馬鹿だ
と言っています。

そして,ボラティリティが高いときにこそ、価格でなく価値に
注目すべきだ、とのことです。

Yet, it's one of the toughest things to do -- stop and focus on value -- especially when prices are volatile in either direction. It's difficult to resist the urge to sell when prices are dropping and buy when they're rising.


価値に注目すれば、いいものを買える。
マーケットがクラッシュしたときこそ価値のあるものを見つけやすい。

Take market crashes. I love them because that's the best time to buy -- finding true value is a lot easier during such periods. And since so many people are selling, they're more willing to negotiate and make you a better deal.

今、日本では株がクラッシュしますが、ここで買えなきゃあいけませんな。
これは私の感慨です。儲けの半分がとんでますが、
売らずになお買い増しですか。

金がかつて90年代の終わりに1オンス275㌦の安値だったころ、ボロボロに
言われていたのに、いまや金が500ドルを越えるころになって買えと勧め
られる。どゆこと?

ハハハのハです。全くその通りですね。

I remember buying gold at $275 an ounce in the late 1990s. Although I knew it was a great value at that price, the so-called experts were calling gold a "dog" and advised that everyone should be in high-tech and dot-com stocks. Today, with gold above $500 an ounce, those same experts are now recommending gold as a percentage of a well-diversified portfolio. Talk about expensive advice.

キヨサキの判断としては(ここが肝心ですが)、今は買うにも売るにも難しい
時期だと。何をって不動産をでしょうね。

My point is that this current period is a tough time to buy or sell. Real estate is high, interest rates are still relatively low, the stock market is rising, the U.S. dollar is low, gold is high, oil and gas are high, and there's a lot of money looking for a home.

いい材料と悪い材料が混在しているのですね。

結論。価格ではなく,価値にフォーカスすること。

So the lesson is: Now, more than ever, it's important to focus on value, not price.

今は価格が高い時なので価値は見分けにくくなっている。
だからこそ飛びつき買いはやめてよく見極めて行動せよ。


最後はかっこよくバフェットの言葉でしめてます。
潮がひくまで、誰が裸で泳いでいるかわからない。

A final word from Warren Buffett: "It's only when the tide goes out that you learn who's been swimming naked."

キヨサキは、不動産マーケットで裸で泳いでいる
人が多いとのこと。

In my opinion, there are many naked swimmers, especially in the real estate market.

もうじきクラッシュするって思ってるんですね。

『ファースト住建』4 投資リスクについて

2006-01-24 00:16:50 | 銘柄研究
昨日は企業価値の計算についてご紹介しました。
固定資産を除外して計算していました。

この方法だと余計な判断が入らないだけ確実ですね。
この基準でなおかつ割安なら、まず割安だろうと
言う意味です。

固定資産を資産価値としてみてしまうと
含み損が隠れていてもわかりませんからね。

さてこの方法でかなり良いと評価されたファースト住建ですが、
ここでの投資リスクはどんなところにあるのでしょうか。

今日も随分下げてますな・・・。

投資リスク?
アホクサ。

リスクの話でなくてもう顕在化しとるじゃないか。

その通りでんな。しかし,こうした時こそ勉強せねば。
いつまでも上がり続ける相場は無く、いつまでも下がり続ける相場も無い。

今日、ワールドビジネスサテライトで、
海外投資家の特集をやっていまして
その、投資家の親分は、日本のマーケットで短期の調整さえ
あり得ない、などとおっしゃっておられました。

んなアホな。

さて、今日はリスクについて。
ネットを調べてますと、いろいろ良いことを書いている方が
いらっしゃいます。

長期投資の進め ファースト住建2003年

なんとこれが書かれたのは2003年です。
売上げも利益も随分小さく見えます。
この2年間でも急成長していることがわかりますね。

さてこの方は(当時の段階で)かなり慎重な姿勢です。

”売上高棚卸資産率47.2%、原価棚卸資産率57.5%と、棚卸資産が不良債権 化した場合のリスクは極めて高い水準です。レバレッジも非常に高い比率で掛 かっていますので、ビジネスの優位性(というか他社が弱いだけなんですが)を 信じられない限り、投資するのは心臓に悪いのでやめておいたほうが良いでしょう”

そう,当時からそうなんですね。
資産の大部分が流動資産で、その大部分が現金と在庫だと
前回申し上げましたが、その在庫の水準が高すぎると。

実は私もこの足元でもその点を懸念しています。

16年10月の在庫(販売用不動産+仕掛+未成工事支出金)は97億円です。
これが17年になると、155億円まで膨らんでます。

今期の売上げ予想は400億円なんですが。

ウーン。大丈夫か。
地価が上がり,良い土地が手に入らないという風に聞きますが、
既に今期分の土地手配を前倒しで進めているのだ、と解釈することも
できます。

あるいは、不良化しているのでは、と心配することもできますね。

さてどっちか。まあ、在庫といっても土地だと腐ることは
無いわけですが。




『ファースト住建』3 企業価値 割安か

2006-01-23 01:32:50 | 銘柄研究
さて、資産効率が良さそうだ、ということをどう評価するべきか。
投資家してそれを評価するにはどのような指標を使うべきか。

というのが今回のテーマです。

実はネタ本がありまして、

『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』

なのですが、結構売れているようです。

新しい株の本 05年10月11日コメント

この本は、株式価値をPERやPBRや、チャートを基準に考えるのではなく、
企業価値を計算して結果が割安であれば買え,教えています。

著者は5分で計算できる試算方法を紹介しています。
これでファースト住建の企業価値を計算してみましょうか。

企業価値は事業価値と資産価値にわけて考えます。

 事業価値=営業利益×10=40億円×10=400億円
※05年の10月期の数字を使っています。

なぜ10倍するのか疑問を感じるかも知れませんが、
日本の金利や税率を考えてざっと割り出しています。

10%で割るということでもありますが、これ、CPAで出てくる
現在価値の計算と考え方は同じです。

この式は、福利計算で無いなど厳密さにはかけますが、
事業価値は現在価値の割り出しなのですね。

(前提が変わるとこの倍率も変わりますね)

 資産価値=(流動資産+投資その他資産)-(流動負債×1.2+固定負債)

 =(210億円+0)-(119億円×1.2+0)=67.2億円

ウーン固定負債も無いんですね。

資産価値を単純に簿価の純資産で求めるのではなく、
土地や建物を中心とする固定資産を除外しています。
投資その他資産だけを評価するのですね。

土地や建物は営業利益を生み出すのに使われるのでそこで
評価されているというのがその理由でしょう。

最近はやりの清算価値、つまり資産をすべて売っぱらった時の
価値を考えないわけです。

企業価値=事業価値400億円+企業価値67.2億円=467.2億円

はい。これが5分で算出した当社の企業価値です。

で、当社の実際の株価と比較しますと,
足元の時価総額は224.8億円です。

これは割安ですね。

ファースト住建はライブドア騒動でまたまた
下がってしまってますが、もし前期並の業績を
維持できるならばこれはかなりお買い得ではないでしょうか。

問題は、前期並の業績さえ維持できないのではないか、
という点ですね。ただ、もし営業利益が30億に減ったとしても
依然として当社は割安ですね。

まあしかし、株は業績変化を買うというし、割安だとしても
ダウントレンドだと売られますね。

とすると、当社が下降傾向となるリスクはどんなところにあるの
でしょうか。






『ファースト住建』2 究極の資産効率

2006-01-18 00:32:41 | 銘柄研究
ライブドア、やってくれましたなぁ。
おかげで大変な思いをしています。

株もしばらく調整ですかね。
こういう時こそしっかり研究すべきでしょう。

さて今日はファースト住建2回目です。

PERは10倍そこそこ。これで割安だと
言われることが多いのですが、確かに安いですね。

今日の時価総額が248.6億円。05年10月期で純利益23.5億円。
これが株主の取り分になるわけですが、利回り9.5%です。

いいですねえ。毎年10%近く回るなら誰も文句いいませんね。
当社の今期予想も24.5億円でまあ横ばい予想です。

横ばいでも10%近くで回るんなら良いじゃないですか。

ここがこれほど安いのは,当社が下方修整したからですが、

下方修正発表

これで株価が暴落したんですね。


これまでものすごい勢いで成長してきておりましたんで、株価はそれをおりこんでいました。成長株として認識されていたんですね。

成長の軌跡

下の方にグラフがでています。

それが下方修正で成長が止まりそう、というショックだったわけですが
もし横ばいでも業績が維持できるならこの株価でも買って損はないですね。

この会社に注目すべきはPERだけではありません。
この会社自身の資産効率が実に良いのです。
資産を実に有効に使っています。具体的に見ましょうか。
株の話だけではここの趣旨に反しますからね。

当社の財務をみてみますと。

決算短信

総資産が216.8億円です。
当社の資産の配分がスゴイ。

このうち流動資産が210億円。

ハアッ!?

97%が流動資産でっせ。

そのうち、現金が51.9億,売掛金と在庫が155億。
合わせて207億円。ほとんど商売に回ってると言う事です。

これはスゴイですね。豪勢な本社ビルも,立派な社用車も、
ムダなゴルフ場もありません。株主から調達した資金や借入金
をほとんど全部を商売の元手につぎ込んでいますね。

変な未収や仮払いも見当たらず、極端なくらいにシンプルですね。

これぞ資産を持たない経営。
究極の資産効率、そんな感じですか。

当社はいろいろなプロセスをアウトソースするなど、
オペレーションの効率について云々されることが多いのですが、
財務も徹底していますね。

こういう良さは企業価値にどう反映するのか。
次回はこのテーマで。







『ファースト住建』・戸建業はどうなる

2006-01-16 01:18:52 | 銘柄研究
景気回復気分が盛り上がっております。
陽はまた上るのか。
何度も調整するでしょうが基本的にのぼり調子を維持するんでしょうね。

住宅投資が気になります。米国はバブル調整が懸念されていますが。日本はどうなんですかね。

というわけで、今回は戸建業者『ファースト住建』について考えます。
このブログでは銘柄のファンダ研究もやるつもりでしたが、全く手がついてませんでした。早速始めたいと思います。

当社は関西を基盤に置く戸建大手~中堅どころです。
ネットで検索すると少し古いですが戸建パワービルダーについてレポートが出てました。04年4月パワービルダーに関するレポート

当社は新興勢力として描かれています。

『単なるパワービルダーとみるか新しいビジネスモデルとみるか見解は分かれるところです』とか。

02年の数字ですが全国建売16位です。この年間585棟という実績ですが05年度1384棟、今期計画は1500棟ですから2年間でいかに規模が急増しているかがわかります。ただ、今期の伸びの予想は随分少ないですね。この辺が気になるところです。

さて評判ですが、ローコスト、低価格、そこそこの品質みたいですね。

さて、当社予想の伸びが小さいと書きましたが、当社は一度下方修正しています。株価も暴落しました。相場感としては、これまたブログに書かれている人がいらっしゃいますね。私も同感です。ブログ05年12月28日

私も暴落後、底値割安だと感じ少しだけ買いました。まもなく上がったので半分売り、残りは持っています。さて、このまま株価は回復するのでしょうか。

戸建住宅の単価が下がっていると聞きますし、
地価が上がり始めているとも。
そのせいで利益も落ちているとか。

いろいろと細部をみてゆけば何かわかるかも。

まず、次回はバリュエーションから。

金持ちとうさん ロバートキヨサキコラムその2

2006-01-13 00:05:33 | 英語情報
今日はキヨサキの続きです。
それにしても、キヨサキの文章は論理を捉えにくいですね。
効果的なたとえや引用でなんとなく納得してしまいますが論理だてては語られていません。結局何を言いたいのか、はっきりさせてませんね。前回の要約もかなり苦労しました。

キヨサキは直感型であり、セールスマンであり、オーナー、先駆者であって、管理者でなく、オーガナイザーでなく、番頭仕事をしないタイプかな。

さて続きを。

『良きビジネスマンたるもの自分のビジネスのコントロールを求めるものである』

A good business person wants control over their business. For example, if sales are down and expenses are up, a good business person knows what to do to correct the situation.

キヨサキ自身も金利低下局面ではリファイナンスによって金利支払いを減らした経験を語っています。自分のチームがやったと書いてます。他人をうまく使って自分は何もしなくていい状態が望ましいと自著で書いてますからね。

In my real estate investments, as soon as interest rates began to drop around 2000, our team immediately refinanced our debt (liabilities) on our properties, which reduced expenses, increased income, and boosted the intrinsic asset value of the property.

キヨサキは投信や401Kを批判してます。他人任せでリスクをヘッジできないからです。

When I invest in real estate, I have lots of insurance. If a building burns or a tenant falls, I have insurance to cover those risks. A mutual fund has no insurance. That is why $7 trillion to $9 trillion were lost when the market crashed in 2000. Today, in spite of not having any insurance against losses, millions of employees happily deposit their money in their 401(k).

自分が何をやっているのか理解していること。
Know What You're Doing

他人任せや受身な投資家にとって悪いことは、彼らが選ぶ投資対象が最もコントロールしにくいものに向かってしまうこと。実際そうした投資家は、投資家がコントロールの及ばない預金や株、債券、投信に向かっている。

The bad news for most non-investors and passive investors is they pick investments that don't welcome investor control. In fact, most non-investors and passive investors invest in the riskiest of all investments -- savings, stocks, bonds, and mutual funds -- all dangerous picks since investors lack control.

キヨサキは自著で不動産投資のコントロールしやすさを説いていますが,この文章はそのことを念頭において読むべきですね。

キヨサキ自身は株も債券も投信も持っているが、ほとんどは自分でコントロールできるところにおいている、と。

While I do have some money in stocks, bonds, and mutual funds, most of my resources are in investments I control.

投資アドバイザーを信じてはいけないというのは、多くの人が書いてますね。分散投資、長期投資が最後には勝つ、というやつですが。キヨサキも否定派です。

In other words, asking most financial advisors for investment advice is like a asking a taxi driver who's driving a car without a steering wheel, gas pedal, brakes, or insurance to take you to the airport.

このコラムは次の文章で終っています。

That's why investing is risky for most non-investors and passive investors. As Warren Buffett says, "Risk comes from not knowing what you're doing."

ウーンこのコラムもキヨサキの特徴が出てますな。
あれ、結局何を言いたいんだっけ、との読後感。

ビジネスに秀でたものが投資にも秀でる,というテーマのはずですが、
自分のコントロールできるものに投資しろ,というところですかね。
ビジネスと投資との関係はあんまり関係なさそうですね。

プロ野球の選手はゴルフもうまい,くらいのネタですね。
ゴルファーであるために野球選手である必要はないわけで、
まあつかみとして持ってきたたとえですね。

どうやって投資をコントロールするか、には触れてませんね。
それは『金持ち父さん』を読んでくれ、ってとこですか。

商魂が見えないところで燃えているようで。
著書でも金持ちになるための訓練用ゲームとやらをそれとなく宣伝してましたね。








金持ち父さん ロバートキヨサキのコラムその1

2006-01-13 00:03:10 | 英語情報
『貧乏父さん金持ち父さん』のロバートキヨサキ氏がヤフーUSAにコラムを載せています。

父さんシリーズは私も何冊か読みました。中々魅力的な本です。

 さて、そのキヨサキ氏のコラムです。ロバートキヨサキ06年1月20日

Why Business Smarts Are Investing Smarts

『ビジネスに秀でるものが投資にも秀でる』

ウーン、何とも勝ち組な表題ですな。

特に目新しいものはありませんが、ウォーレンバフェットを引き合いに出しています。日本ではかなりな知名度ですがバフェットには適いません。

A great quote from Warren Buffett goes: "I'm a better investor because I'm a businessman, and I'm a better businessman because I'm a better investor."

私はビジネスマンであるおかげでマシな投資家となった。そして、マシな投資家であるおかげでマシなビジネスマンでもある。

この言葉の意味をキヨサキはこの後、説明してゆきます。

要約すると、

1.良き投資家たるにはActive Investerでなければならない

Active Investors: These people tend to manage their own portfolios and assets, as well as hand-picking their advisors, who are not brokers or sales people. To be a successful active investor requires a higher financial IQ, more real world entrepreneurial business experience, and a very smart advisory team.

・他人にまかせっきりなひと
・他人の意見に従うだけの人 はだめ

2.良き投資家は次の6つをコントロールせねばならない

Income
Expenses
Asset value
Liabilities
Financial education/management
Insurance

ブレーキやアクセルをコントロールできないで運転できていように、この6つをコントロールできないでうまく投資を行うことはできない。



3. この6つはビジネスでマネジメントに求められることでもある

The reason Warren Buffett says he's a better investor is because he's a businessman who has control of those six levers of a business.

バフェットが投資をうまくできるのはビジネスにおいて6つのレバーをコントロールする力があるから。

In other words, he can tell how good an investment is by how well management manipulates these basic controls.

うまい投資というのはマネジメントがこれら基本的なコントロールをうまく行っている結果だということでもある。

In most of his investments, Buffett doesn't just buy an equity position, he does his best to buy control of the business.

バフェットは単に投資するでけでなく、ビジネスのコントロールまで買う。

ちょっと長くなったので後半は次で。






ソニー復活の兆し? ストリンガーCEO

2006-01-10 23:46:37 | 英語情報
Businessweek06年1月9日

ソニーのストリンガーさんがCEOになってまだ一年経ってなんいですね。
ソニーの建て直し、外人にそんなんできるんかいな、というのが一般の反応だったでしょうか。

So when Sir Howard Stringer took over as CEO of the struggling Japanese consumer-electronics giant in March, few outsiders felt he had much chance of quickly reversing Sony's fortunes.

ところが結構良くやっているという評判のようです。
ブラビアは液晶テレビで世界3位とか。

プレステ2とPSPはマイクロソフトのXBOX360に勝っているとか。プレステ2も出て5年も経つんですね。

Meantime, both Sony's PlayStation 2 and its PlayStation Portable (PSP) game machines outsold Microsoft's new Xbox 360 game console over the important holiday shopping season. The feat is even more amazing considering that the PS2, at more than five years old,

株が上がってます。私も持ってましたが4,400円あたりで売ってしまいました。その後一時5,000円を越える位まで行ったんですね。サウジの王子が日経で買うかも知れないとかインタビューで答えたのがきっかけでしたかね。ソフトバンクしかり、みずほしかり,私が売ると株は上がるんですね。ウーン残念。

Investors applaud the improvement. Sony's stock price on the Nikkei soared 30% over the past three months,

ストリンガーのセリフが振るっています。うまく行過ぎてソニーが自己満足に陥るのが怖い。あっちゃんかっこいい、というところでしょうか。

"The worst thing that can happen to you," Stringer says, "is for things to go too well too soon. I'm slightly nervous because I don't want Sony to fall back into any form of complacency."


さて、これからのソニーの行く末を決めるもの。これはプレステ3とブルーレイだそうです。ブルーレイは日経の記事にも出てましたが、結構優勢なようですね。
記事からストリンガーの自信が伺えます。

Stringer says he's confident Blu-ray will prevail, since it has more manufacturers and about 90% of the content that will be made available to next-generation players

とは言え、ストリンガー改革はこれからなわけで、一年も経っていないうちに出てくる成果は、出井さんの成果とみるべきなのかも知れませんがね。まあこれは記事ではなく私の疑問です。

In September, Stringer pledged to cut 10,000 jobs, or 6.6% of Sony's workforce, by March, 2008, and trim 200 billion yen of costs through a three-year restructuring plan. It includes closing 11 factories and reducing the number of new electronics products by 20%

この記事ではストリンガーのナイスキャラについても触れています。

Komiyama says Stringer has charmed engineers in China, executives in Japan, and movie stars in Hollywood. "Howard's personality and his character and the way he communicates have been good for the company," says Komiyama.

かつての出井さんは工場現場などにあまり足を運ばず現場軽視だったような言い方をされていました。結果としてコスト削減も進むわけがない、とかいう文脈で。

チャーミングなトップのもとでソニーに一体感が生まれれば、それだけでかなり盛り返すということなのかも知れませんね。なんせもともと圧倒的に強い会社ですからね。