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環境問題を単純に考えてはいけない

不都合な真実とはまさにこの事であろう。中西氏の雑感でマラリアの感染数の推移のグラフがある、DDTの使用で東南アジアではマラリアがいったんはほぼ絶滅していたのだ。ところが様々な問題があり、DDTを使用しなくなるとマラリアは急増した。現在マラリアの死者は百万人/年とのこと。詳しくはLink先本文を読んでください。

環境問題は単純ではない。DDTの禁止はレイチェル・カーソンの「沈黙の春」によって紹介された。環境問題がDDTを禁止に追い込んだ。もちろん環境負荷は実際にあるし当時分かっていなかったことも多かったであろう、さらにDDT耐性菌も出ていた。

しかし、マラリアの感染者数は3億~5億人/年と言われ、死者も百万人/年と言われる。グラフではほぼ絶滅にまで追い込んだのだ。環境問題をヒステリックに叩く事の悪例の1つであろう。土壌への心配も、猛禽類の卵の殻が薄くなっても百万人が助かるなら同って事無いとしか思えない。

池田先生が環境対策に使う金があれば発展途上国に使おうと述べていたが、金を使うどころか環境(蚊)を守って、病気を防げないのではとほほ、、である。

ヒステリックな環境対応、添加物への異常な拒否反応、有機農業・無農薬農法への過度の期待。根っこは同じであろう。「使わなくて済む物は使わない」という単純な思考だ。単純が故に背景の複雑な事への思考停止しか起こらない。そもそも何故添加物を入れるのか、何故消毒するのかという基本を調べる、その物質を禁止した場合どのような悪影響があるかを良く考えて欲しい。

ダイオキシンも環境ホルモンもあれだけ大騒ぎしてなにも出てこなかった。これらはコストだけで済んだかもしれない、正の副産物も生んだかもしれない、でも未だ塩ビは負のイメージがあり、ビスフェノールAは追放され、コストデメリットが大きいのは明白だ。

RoHSREACHだって効果があるかどうかは分からない、負の効果の検討もよく判らない、商売としては対応せざるを得ないのであろうが。REACHについてはもっと勉強してエントリーを上げます。欧州の化学物質規制はヒステリックだという印象がある、環境への規制は遅れてはならずと正義に走りがちだが正義はその時点での正義であり普遍でないところが厄介だ。だからといって、放っておいてもいいというわけでもなく、その負の影響(真の環境負担及び経済コスト)を考えることだと思う。

環境問題を勉強中の私としては非常に嫌な思いをしたが、それを受け入れて同じ間違いが起きないように努力していこうと強く感じた。

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