
一瞬「仏足石が手になったのか」と思ったけど、これは「ファティマの手」と呼ばれる、イスラム世界のお守り。アラブでは「ハムサの手」、インドでは「フムサの手」とも呼ばれるという。

ファティマというのは、預言者ムハンマドの娘で第4代正統カリフ(シーア派では初代イマーム)アリーの妻。イスラムでは理想の女性とされ、聖女とされる。(ちなみにシーア派の一派、イスマーイール派が北アフリカに建国したイスラム王朝である「ファーティマ朝(909年 - 1171年)」の王朝名の由来もこの人である。)
ファティマの手は、災いや病魔を防ぐ護符として、ドアのノッカーやアクセサリーなどに用いられているそうだ。だがそのデザインは極めてさまざまで、どう見ても普通の手にしか見えないもの、大雑把な模様が書かれているもの等、色んなものがある。この仏足石のようなものが標準ではないようである。
ファティマの手のすべてにこの写真のように大きな目が描かれているわけではないが、WEBで調べると、確かにこのように大きな目の描かれた一群もあるようだ。この目が描かれているファーティマの手は、トルコでの「メドゥーサの目」に相当する「邪視(じゃし)よけ」にもなるのである。中東には、妬みなど悪い感情を持った人に見られると災いが訪れるという考え方があるため、こうした目をモチーフにしたお守りが使われるのだ。ユダヤでも「ミリアムの手」と呼ばれるらしいので、この「邪視よけ」はイスラム教以前の、土着の宗教の影響だろう。
そもそも偶像崇拝禁止のイスラム教の中でも生きているお守りだ。人間は宗教を問わず、こうしたものを求めるものなのかもしれない。

ファティマというのは、預言者ムハンマドの娘で第4代正統カリフ(シーア派では初代イマーム)アリーの妻。イスラムでは理想の女性とされ、聖女とされる。(ちなみにシーア派の一派、イスマーイール派が北アフリカに建国したイスラム王朝である「ファーティマ朝(909年 - 1171年)」の王朝名の由来もこの人である。)
ファティマの手は、災いや病魔を防ぐ護符として、ドアのノッカーやアクセサリーなどに用いられているそうだ。だがそのデザインは極めてさまざまで、どう見ても普通の手にしか見えないもの、大雑把な模様が書かれているもの等、色んなものがある。この仏足石のようなものが標準ではないようである。
ファティマの手のすべてにこの写真のように大きな目が描かれているわけではないが、WEBで調べると、確かにこのように大きな目の描かれた一群もあるようだ。この目が描かれているファーティマの手は、トルコでの「メドゥーサの目」に相当する「邪視(じゃし)よけ」にもなるのである。中東には、妬みなど悪い感情を持った人に見られると災いが訪れるという考え方があるため、こうした目をモチーフにしたお守りが使われるのだ。ユダヤでも「ミリアムの手」と呼ばれるらしいので、この「邪視よけ」はイスラム教以前の、土着の宗教の影響だろう。
そもそも偶像崇拝禁止のイスラム教の中でも生きているお守りだ。人間は宗教を問わず、こうしたものを求めるものなのかもしれない。