中国の国有企業で、鉄鋼大手・宝鋼集団と武漢鋼鉄集団が27日、事業統合の協議を正式に始めると発表した。何度も模索を繰り返しながら挫折を繰り返してきた統合話なので実現するかどうかは分からないが、実現すればグループ粗鋼年産量は6千万トンと、粗鋼規模で河鋼集団を抜き中国最大手となり、アルセロール・ミッタルに次ぐ世界2位の鉄鋼メーカーになる。中国の鉄鋼の過剰生産能力は適正市場価格を下回る価格で世界市場に垂れ流されていることで、世界の鉄鋼メ―カーに甚大な影響を与えている。だから、中国政府も、G20などで、生産能力の調整を約束していたところであった。さて、日本でも合併というと銀行の合併でも分かる通り、まず、支店数の減少など、設備を減らすことで経費を浮かせるのだが、当然、人が余る。だから、希望退職者を募集しや新規雇用を減らす。だが、宝鋼集団と武漢鋼鉄集団の従業員数は合わせて12万人にものぼる。人員整理の割会が仮に1割としても1万人以上の人が職を失うことになる。日本の大手企業が数百人の整理をするのとは規模が違う。だが、この1万人程度の人員整理では、会社としての効率アップには繋がらない。だから、人員整理が進まぬままに設備だけの効率化を進めるのであれば、ただ、単に、両社による利益の案分を模索するだけの統合に終わるかもしれない。(2016.9.22)
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