相続税とのからみで、議論になったのだが・・・。彼の主張は富裕層、歴史的には権力者でもあるのだが、その人たちが文化を担ってきたというのである。しかも、彼の主張では文化というものは一丁一石には作ることはできない。長い歴史を必要とするというのだ。だから、文化を衰退させないためにも、ある程度の富裕層の存続は必要で、その意味からも、現行の相続税の軽減は必要であるという主張である。彼との論争とは別に、現在の世界は法人税の引き下げと富裕層への優遇税制へと向かっているようだ。国家の基盤の確保のためにも、法人や富裕層の囲い込みは絶対に必要で、そうしなければ、法人も富裕層も、この国から逃げていくという荒っぽい、脅しのような議論がなされているのである。さて、文化だが、歴史的に見て、富裕層や権力者が育てたとは言いがたい。富裕層や権力者は巷間、優れていると言われる人たちの作品を得たいと望む。だから、その人たちを庇護する。それが伝統文化だと言われればそれまでだが、それ以上ではない。だから、庇護された文化はやがて、光を失い、衰退する。例えば、桃山文化を代表する狩野派も、江戸幕府の御用絵師となって、彼らの描く絵からは勢いが消えた。だから、一般的に江戸時代を代表する文化といえば、町人たちの間でもてはやされた浮世絵の方に、後世の人たちは軍配を上げるのである。つまり、ミケンランジェロを庇護したフィレンチェのメデッチ家のような一瞬の輝きを想像するのかもしれないが、文化とは多くの大衆と呼ばれる人たちの中から生まれてくるもので、それが本物なのだと私は思うのである。
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