ギリシャの総選挙が２５日、投開票され、最大野党の急進左派連合（ＳＹＲＩＺＡ）が単独で過半数に迫る勢いの勝利をおさめたもようだ。問題はＳＹＲＩＺＡの主張である。ＳＹＲＩＺＡはこれまでの与党のとってきた緊縮財政策に反対してきた。これが国民の圧倒的な支持を得たのであるが、ＳＹＲＩＺＡの選択肢は狭い。すでにドイツなどは、これまでのギリシャ政府との合意を変更するつもりはないと言明している。新政府の後押しとなるのは、国民の熱気とユーロの下落、さらにはギリシャ国債の暴落である。ドイツなどは、ギリシャ国民の熱気など、“へ“とも思わない。ユーロの下落は、同時期に起こったＥＣＢのＱＥによるものと思われている。最後に残るのはギリシャ国債の暴落だが、新政権が腰が引けているのが見えてしまえば、それもおさまる。もともと、ＥＣという別々の国家に、単一通貨ユーロを導入したことに無理があるのである。道は、大胆な統一国家への歩みか、再び、軍事面だけの緩やかな共同体にするかの二つも道しかないのである。(2015.1.26)
