イスラム国への対応というのが、とても難しいようだ。例えば、どんなに対立していようが、例えば、北朝鮮とアメリカの間には、外交チャンネルがある。それが国というものだ。国家として承認しないということと、国として、存立していることを認めていることとは別である。しかし、各国内に存在するテロ組織は国家ではない。存在も認めていない。だから、外交チャンネルはない。密かなルートは持っているかもしれないが、ナイジェリア政府が武装勢力ボコ・ハラムの代表と思って交渉した相手が実は、そうではなかったなどということは良くある話である。相手が信用できると確信するまでには、相当な長い時間を要するだろう。こうして、西側軍事筋の緊張は強まる。それでなくても、今年はウクライナの問題やガザの軍事衝突、さらにはリビアの内部衝突など、危機は荒波のように押し寄せ続けているのである。たぶん、誰もが一息つきたいと願っているのだが、そうはいかない年末を迎えることになるだろう。(2014.11.14)