市原市議会議員 小沢美佳です

市政や議会の報告、日々の活動や想いを綴ります。
一番身近な地方政治の面白さが、皆さんに伝わりますように・・・

先日、市議会で決まったこと

2019-09-21 | 議会
激甚災害に指定された台風15号。これにより国庫補助が1~2割引き上げられることになるそうです。
また、総務省が被害を受けた自治体に普通交付税を前倒しで配るそうですが(千葉市約10億円など)、市原市はそもそも不交付団体なのでこれには当たりません。
一方で、ふるさとチョイスを通じての寄付では、現在約450件、約775万円の善意が市原市に寄せられています。本当にありがとうございます。
できれば姿が見えないお一人お一人にお会いして、直接感謝を伝えたいという想いで一杯になりました。

ところで・・・
市原市議会では、一昨日開かれた会派の代表者会議で、来年度から議会にタブレットを導入することが決まりました。

もともと、ペーパーレス化や議会活動の活性化などを目的に、議長からの諮問で議会内のプロジェクトチームで2ヶ月間ほど検討を行っていました。
議会のムードは(私の感覚では)最初から導入ありきでしたが、私は「決して反対ではないが、デメリットも想定して慎重に検討が必要」と主張してきました。
確かに、ペーパーレス化で紙代や印刷コストは削減され、重たい資料を何冊も持ち歩くこともなく、出先で素早く資料を検索できるという利点はあります。
しかし、複数の資料を同時に見比べることが難しくなり、議員の操作スキルによっては、かえって手間がかかることになります。

そして何と言っても経費の問題は無視できません。
試算では、導入(イニシャルコスト)に約1100万円。その後の維持費(ランニングコスト)で毎年700万円とのこと。
一方、ペーパーレス化による紙代や印刷コスト等の削減分は、多く見積もっても約200万円。
初年度は差引900万円を余計に市に要求することになりますが、費用対効果をどう考えるか?

そんな中で、今回の台風災害は起こりました。
市内では電波の基地局もやられて、携帯も通じない事態になりました。
議会資料のほとんどがタブレットに格納されていた場合、災害後の活動に支障が生じないのだろうか?
そして、全国各地から寄付が寄せられているこの状況下で、逆に議会が900万円を要求するのはいかがなものか?

私は会派代表者会議で、今回の被害状況も鑑みて引き続き慎重に検討する必要があると主張しましたが、議員間討議もなく、多数決であっさり導入が決まりました。

被災されて困っている市民や不眠不休で対応に追われる職員をよそに、議会ではこんなことが起こっています。
来年度、一人当たり概算経費12万のタブレットを手にした議会は、その分で何を市民に返すことができるのでしょうか。

皆さんの応援が励みになっています


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