分かりにくい障害者虐待
「魚沼市人権講演会」(主催=魚沼市)が9月8日、魚沼市小出郷文化会館小ホールで開催され、来場した市民ら約130人が毎日新聞論説委員の野澤和弘氏の講演に耳を傾けた。
講師の野澤氏は、毎日新聞社社会部記者として、若者の引きこもり・いじめ・薬害エイズ・障害者虐待などの現場取材のほか、全日本手をつなぐ育成会権利擁護委員長として障害者の人権を守る活動に尽力している。
「障害者の人権を守る~すべての人が暮しやすい時代に~」と題した講演で野澤氏は、水戸「アカス」事件など障害者虐待の事例を紹介、「福祉に熱心な優良企業と見られていたから虐待を受けていた女性が警察、労働基準監督署、福祉事務所に駆け込んだが対応してもらえなかった。このほかにも障害者のためにと親が残した30億円ものお金を取られる事件もあった。生命保険を14口もかけられていた障害者もあった。受取人は債務を抱えた父親。障害者の虐待は、障害者自身が虐待されていることを分らなかったり、障害があるために外からは分かりにくい」と現状を報告。
10月1日から施行される障害者虐待防止法については「大切なのは国民は虐待がわかったら通報することと、早期発見の義務があるということ」と指摘していた。