つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 久保田君

2021-11-13 06:38:36 | 楽しい仲間
                                

                     先日全日本大学駅伝も終わって、いよいよ本番の箱根駅伝。
                         随分前の出来事ですが、いろいろな出会いがあって、私の箱根駅伝熱はまだ冷めません。



                エッセイ 久保田君 課題【すぎる・迎える】2021.3.26 
 
          五百人近くの選手が一斉に走ってくる。
          夏合宿から体を作ってきた選手たちが目の前を通り過ぎた。
          足音がとても静かだった。

          十月に行われる箱根駅伝の予選会を、自衛隊立川基地で初めて観た。
          長いコースを二周走って市街地に出ていく。
          各大学の応援合戦が盛り上がる。

          息子の母校は、箱根駅伝出場が二年間途絶えていた。
          その為大幅な改革をした。
          キャプテンに、三年生の高知工業高校出身の久保田満君を据え、学生の意識を変えさせた。
          予選会の結果、出場が決まった。
          昭和記念公園の広場に監督と選手が並んだ。
          学生、関係者や父兄の前で、大柄な久保田君がはにかんだ様な表情で挨拶をした。
          その様子をカメラに収め、父母会の新聞の、一面に載せた。

          本選の箱根駅伝は、品川の国道沿いで旗を持って応援した。
          次の年は日本橋で応援し、大手町の報告会に行った。
          この時は四年生の久保田君が堂々と感謝の言葉を述べた。
          話すチャンスがあったので、「卒業したらどうするの?」と聞いた。
          「旭化成に入って、オリンピックを目指します」と言った言葉に、「おー」と思った。
          オリンピック出場は叶わなかったが、北海道マラソンでは準優勝し、引退後は、創価大学のコーチになった。

          何年か後に、夫と昭和記念公園の予選会に行った。
          広場で創価大学の旗を見かけたので、若しかしたららと近づくと、久保田君が居た。       
          「父母会の〇〇です」と言うと、もう一人母校出身者もいて、皆で箱根などの話をした。
          帰りがけ、記念に写真に入って貰い、「コーチ頑張ってね」と言って別れた。

          いつもお正月は箱根駅伝を観る。
          勿論母校が一番気になるが、今年、久保田君の大学が驚くような成績を収めた。
          もうあの頃の久保田君ではなく、大きな仕事をしている土佐のいごっそう、「久保田満氏」になったと思った。

 
               いごっそうとは、「快男児」「酒豪」「頑固で気骨のある男」などを意味する土佐弁。
                   ならびに高知県男性の県民性。      出典: フリー百科事典『ウィキペディア』
  



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