たった一株のピーナッツを掘りました。
なぜ一株なのかというと・・・・・
わたしが植えようと思って乾かしていた種を、いらないものと思った娘が畑の端っこに捨ててしまいました。 これが受難のはじまり。
健気にもピーナッツは生えてきました。 そして草に埋もれながら育っていました。 ところがー
それとは知らずに夫が除草剤をまいてしまったのです。 わたしは除草剤は使わない主義でこつこつと草引きをしていますが、 夫に先を越されないように、大切なものの周りは先手を打って草を引いておかないと、すぐ除草剤をかけられてしまいます。
危うし、ピーナッツ。
けれど、たった一株、枯れずに残りました。
秋になって、ピーナッツの上にハウスを建てることになりました。 一株のピーナッツは行ったり来たりする人の靴に踏まれてしまいました。
それでもしぶとくピーナッツは生きていました。 ピーナッツの真上にハウスが完成し、ピーナッツはそっくりハウスの中に収まって、ぬくぬくと育ちました。
もう掘ってもいいかな?
残念! 少し早かったかもしれません。 まだ小さくて実が入ってないようなのがたくさんありました。
掘って楽しいものー1にピーナッツ、2にジャガイモ、3にさつまいもーと、わたしは思っています。 ピーナッツは落花生というように、花が咲くと地面におりてきて、地中で実をつけます。 そして地中で大きくなるのです。 よくできたピーナッツは、まるでクリスマスのイルミネーションのようにびっしり実がついていて、掘りあげたときは感動的でさえあります。 それに比べるとあまりにも貧相でした。
おまけに、良く太ったおいしそうな実は、こんなふうにー
何者かが穴をあけて中身を食べてしまっているのです。
結局とれたのはこれだけです。
大きなのは、しっかりと豆が出来ています。
これをどうしましょうか。 種としておいておくべきでしょうか。
いや、やっぱり種は、素性のしっかりした良いものを買うことにします。 これは良く乾かしてみんなで味わうことにします。
ところで、これは何でしょうか。 ゴミ捨て場みたいですねえ。
実はこれ、母のピーナッツ畑なんですよ。 実家の方ではカラスの大群が押し寄せて、早くに植えた母のお友だちのピーナッツ畑が全滅したらしいです。 掘り起こして食べてしまうんだそうです。 それを聞いた母は、カラスに食べられないようにトレーでふたをしたり、ありとあらゆるひもを集めてきておどしにしたりと、対策をしたらしいのですがー
涙ぐましい努力にもかかわらず、ピーナッツはほとんど収穫できなかったそうです。
こちらはピーナッツの受難ではなく、母の受難でした。