あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

さよなら釜山ー船中にて

2008-08-03 00:28:12 | 旅行

 いよいよ韓国旅行も終わりです。 なんせ、3泊4日、うち船中泊2日、実質観光2日という超格安ツアーです。 延泊は可能なようなので、時間があればもう一泊してソウルへ行くのがよいかもしれません。 KTX(韓国の高速鉄道)に乗ればなおよし。です。


 釜山の港は下関よりずっと大きく設備も整っています。 今夜の船は「星希号」 。 韓国の船です。 待合室は既に超満員。 座るところがないくらいです。 先生らしい人に引率された子どもたちがたくさんいました。 竹島問題で交流事業が次々とだめになっていると聞きましたがそれでもまだこんなに日本へ出かける子どもたちは多いのですね。



 出航は夜の8時、のはずが9時を過ぎた頃にようやく出航です。 すでに港は真っ暗、夜景がとてもきれいでした。



 甲板から中をのぞくと、ラウンジのほうがなにやら楽しそうです。



 娘たちと女3人で中に入り、ビールを飲みました。 にぎやかなのはカラオケ大会のようで、韓国語で熱唱する人が次々とステージに上がります。
 と?
 景気のいい歌に合わせて次々と席を立つおばちゃんたち。 楽しそうに踊り始めました。 振りは、昔はやったツイストみたいなの。 韓国の女性ってやっぱりパワフルです。



 ところで、行きの船では12人部屋に日本人ばかり6人でゆったり過ごしたわたしたちですが、この船は「はまゆう」よりも大きいにもかかわらず超満員でした。 わたしたちの部屋は、ビジネスで日韓を行き来している高齢の男性と、韓国人の家族で、祖母、母、男の子2人女の子2人が乗っていました。


 夫はすぐ男性となかよしになり、いろいろ教えてもらっていました。 名刺には「李」と書いてあったそうで、多分「イ」と読むんでしょうね。 


 一方子ども4人の家族のほうですが、部屋の真ん中に毛布をしいてゲームを始めました。
 おやおや、わたしたちの寝るところが・・・・・ まあ、寝るにはまだ早いですし、いいか。


 お母さんも加わって盛り上がっています。 4本の棒を放り投げて、裏表の出方で駒を進める、双六のような遊びでした。 



 写真を撮りたかった娘が英語で話しかけましたが通じず、李さんが通訳してくれました。 快くOKをもらってわたしも便乗してパチリ。
 韓国式の座り方をくずすとお母さんのような脚になる?  特にお行儀が悪いわけではなさそうですよ。
 お母さんが指さしているのが双六版です。 鉛筆の手描きです。 きっと船での退屈を予想して作ってきたのだろうと思います。 その素朴さがいいですね。 日本の子どもならさしずめゲーム機で銘々がピコピコしていることでしょう。


 子どもと言えば、一緒に乗ってきた大勢のこどもたち、夜11時頃になっても船内をうろうろ。 コンビニで食べ物を買って食べたり、ゲーム機のおいてあるところをうろうろしたり。  おいおい、そんなにお小遣い使ったら、あとで後悔するぞ、寝てなかったら、明日のバスの中で酔ってぐったりだぞ、 あまり騒いだら他のお客さんのめいわくになるぞ・・・・
 私が修学旅行の引率をしたころは、後のことを心配してついつい口やかましく指導したものですが、ここでは引率者もあまり口やかましくは言ってないようでした。


 李さんは、部屋を占領して遊んでいる家族を苦い思いで見ていたようです。 夫が聞いたところによると、「日本人はこんなとき親や先生が人の迷惑にならないようにきちんと注意する。なのにこの親子は、親までが一緒になって場所を占領している。 それが韓国の良くないところだ。」 と言うようなことを話してくれたそうです。
 そして、ゲームが始まって小一時間も過ぎた頃、突然大きな声で何かをいいました。
 すると、楽しそうに遊んでいた親子があわてふためいて毛布を移動させました。 そしてわたしたちがマットをしくスペースを空けてくれたのです。


 その素早い反応に私のほうがびっくり。


 李さんはマナーの面で韓国は日本よりずっと遅れていると歎いていたようですが、でもね、李さん、そんなに歎くことはないですよ。
 確かに日本人全体としては公共のマナーは良いかもしれません。 それは大半の良識ある親世代が自分の子どもにはきちんと教えているからです。 しかし、他人の迷惑を考えない親に育てられた子はやはり同じように人に迷惑をかけても平気です。 しかも、それを他人が注意しようものなら、逆に親ににらまれたり文句を言われたりすることは今の日本には多々あります。ですから人の子どもにまで注意しようとはしません。 それどころか、大勢の目の前で女性が乱暴されても誰も助けようともしない、そんな国に日本はなりかけています。 
 見ず知らずの老人がまっとうな意見を堂々と言い、言われたほうはそれを素直に受け入れる、 その方がずっと健全な社会だとわたしは言いたいのす。


 翌朝、船を下りてわたしたちは日本人のラインに、李さんたちは外国人のラインに並びました。 順番を待つ間に同室の男の子と目が合いました。「さよなら」と声をかけると、恥ずかしそうに笑って小さく手を振ってくれました。
 李さんもちょうどわたしたちと同じ頃に税関を通り抜けました。 一言あいさつをして分かれようとロビーで待っていましたが、しばらく待っても出てきません。 わたしたちはとうとうあいさつをしないで駐車場へ向かいました。
 
 さわやかな、そしてちょっぴり心残りな旅の終わりでした。  ー韓国の旅終わりー


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コメント (2)
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