仕事の道楽化

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ちょっとした行動が子供の心に残るものらしい

2022年01月10日 | 学級経営

 学級担任をしていた頃、2ヶ月に1回くらい、百人一首の大会をしていた。

 五色百人一首である。

 帰る前に1試合だけしていた。

 好きな子供達は、優勝目指して一生懸命覚えてくる。

 大会当日、1位争いをしていた子が、決勝戦で負けた。

 悔しくて大泣きしていた。

 普段はおとなしく控えめな子だが、ぼろ泣きしている。

 こちらまで泣きそうになった。

 立派だったのは、優勝したこの表彰の時は、ちゃんと拍手をしていたことである。

 勝った相手をたたえていた。

 

 でも泣いていた。

 

 その子が、家に帰り着く少し前のタイミングで、家に電話をしたところ、お母さんが出た。

 お母さんに次のように言った。

 

 

 〇〇さんは、百人一首の決勝で、負けてしまいました。

 すごく悔しくて泣いていました。

 でも、悔し泣きをするくらい、普段から優勝目指してがんばっていたからこその涙だと思います。

 素晴らしい悔し泣きでした。

 

 そして、泣きながらも、表彰の時は、自分に勝った〇〇さんに拍手をしていました。

 それも素晴らしかったです。

 次の大会では、きっと優勝すると思います。

 もうすぐ、おうちに〇〇さんが帰ってくると思いますので、ほめていただけると有難いです。」

 

  

 お母さんは、この電話を大変喜んで下さった。

 

 (2ヶ月後の大会では、この子が優勝した。)

 

 

 悔し涙の〇〇さんは、先日成人式を迎えた。

 20才の同窓会に私は招待されたのだが、その席で、

 「先生、覚えていますか? 百人一首大会で負けた後の電話は本当に嬉しかったです。今でも忘れません。」

と本人から聞いた。

 

 担任としては、ちょっとした気遣いのつもりでの行動だったのだが、子供の心にはいつまでも残るものらしい。

 

 ちょっとした行動や言葉に、心を配ろうと思った出来事だった。

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