仕事の道楽化

 仕事が道楽になることを目指しています。

体育が苦手と感じていた人にこそ、小学校体育の指導をしてほしい

2022年11月08日 | 保健体育

 小学校の教員は、今のところ全ての教科を指導しなければならない。

 教員養成系の大学に通っている方の中には、体育の指導は苦手と感じている若い方もいるかもしれない。

 そんな方に伝えたい。

 「体育が苦手と感じていた人にこそ、小学校体育の指導をしてほしい」と。

 理由は次である。

 

 苦手な人ほど、苦手な子の指導は上手くなるからである。

 苦手な子の気持ちがわかるというのは、大きな武器になる。

 できないという辛さを理解しながら授業作りができるのは大きい。

 できるようにするための指導を習得するには、指導者の運動能力は関係ない。

 運動の仕組みを学べば、指導できるようになる。

 

 

 例えば、以前指導したときのことであるが、1年生で、縄跳びが苦手な子がいた。

 その子の動きを見ていると、手と足の動きが合っていない。

 ジャンプと手の動きがあっていないのである。

 

 そもそも縄跳びという運動は、通常のジャンプと違って、跳ぶ時に腕を下ろす動きになる。

 (思い切り上にジャンプしてみるといい。ジャンプするときに、腕は上方に上げるはずである。)

 (縄跳びの時は、ジャンプする時に腕を下げる必要がある。)

 

 そこで、縄を持たせずに、ジャンプをさせた。リズミカルに。

 リズミカルに飛べるようになったことを褒め、次の運動をさせた。

 

 ジャンプするときに、手で太ももを軽く叩く動きをさせる。

 この動きが、縄跳びの動きに近い。ジャンプしたときに手を下げる動きになる。

 初めはぎこちなかった動きがリズミカルにできるようになる。

 

 その後に初めて縄を持たせる。

 上手に跳べるようになった。

 本人も大喜びだった。

 

 どの運動でも、細分化して指導すれば、できるようになる。

 その指導が上手いかどうかは、指導者の運動能力よりも、どれだけ学んでいるかという点の方が遥かに大きい。

 

 学んでいれば、運動を見る目が養われていく。

 自分ができなくても、できる子にお手本をして貰えば良い。

 お手本になった子も喜ぶし、見た子もできるようになって喜ぶ。

 

 

 もう一度言います。

 

「体育が苦手と感じていた人にこそ、小学校体育の指導をしてほしい」と。

 苦手な子ができるようになる時の喜びを一緒に味わっていただきたい。

 

 苦手な子ができるようになっていく場に立ち会えることで、自分の運動コンプレックスも解消されるはずである。

 (少なくとも私自身はそうでした。)

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跳び箱運動やマット運動では、いまだにこれをしている教師がいる。・・・安全に運動する判断力が育たない行為

2022年02月27日 | 保健体育

 以前、「跳び箱運動で教師がしてはいけない行為・・・これでは子供の判断力が育たない。」というブログを書いた。

 昔の「8時だョ!全員集合」の体操コーナーでは、いかりやさんが笛を吹いてマット運動をさせていた。

 そのような光景がいまだに多くの体育の時間に見られる。

 

 跳び箱運動やマット運動で、児童が技を始める時に、開始合図の笛を吹く教師がいるのである。

 教師の開始合図で技を始めるようでは、児童の安全に運動するための判断力が育たないという意図で書いた。

 また、いちいち笛を吹く教師の時間がもったいない。

 時間のムダがあり、授業がテンポよく進まない。

 さらに、笛を吹く時間は、苦手な子への個別指導にあてるべきである。

 

 小学校学習指導要領解説(体育編)を読むと、安全に気をつける力を育てよと書いてある。

 

(3) 学びに向かう力,人間性等」の項目の中で、「場や器械・器具の安全に気を付けたりす ること」という記述は、どの学年にもある。

 

 

 さらに、その後には具体的な指導事項も書いてある。

 

 

 中学年の場合、

 

「オ 場の危険物を取り除いたり,器械・器具の安全を確かめたりするとともに,試技の開始前の安全を確かめること」(p.86)

 

 

 高学年の場合は、

 

「オ けがのないように,互いの服装や髪形に気を付けたり,場の危険物を取り除いたりするとともに,試技の前後などに器械・器具の安全に気を配ること。」(p.130)

 

 そうなのだ。「試技の前後などに器械・器具の安全に気を配る」技能と態度を児童には身に付けさせなければならない。

 

 そのためには、開始の判断は、児童にさせるべきであろう。

 

 次の点に気をつけ、安全だと判断してから試技を始められるようにしなければならない。

 「跳び箱やマットは、ずれていないか。」

 「前の人はマットから降りているか。」

 「周囲に危険なものはないか。」

 

 そのためには、教師が笛を吹いて合図をするのではなく、児童自身に開始の判断をさせるべきであると考えるのだが、いかがだろう。

 

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このベルトを使えば、逆上がりの練習がしたくなる・・・昨日の続き

2021年03月16日 | 保健体育
 昨日は、「このベルトを使えば、逆上がりの練習がしたくなる。」を書いた。

 昨日紹介した「鉄棒くるりんベルト」を使えば、練習をしたくなるし、逆上がりの感覚もつかめる。

 ただ、このベルトだけでは逆上がりができない子がいる。

 逆上がりができるようになるには、鉄棒を自分の体に引きつける必要がある。

 このベルトのよさは、その引きつける動きを助けてくれるところにある。


 初めのうちは、鉄棒とおへそがかなり近いところから始める。

 レベルが上がるにつれて、鉄棒とおへその間が少しずつ離していく。

 「鉄棒くるりんベルト」で、一番高いレベルになっても(つまりおへその位置が離れても)ベルトをはずしたらできない子が結構いる。


 そこで、考えたのが、別のベルトである。

 ホームセンターなどのお店で売っている「荷締めベルト(2m)」を2本使った。



 2mでは長すぎるので、途中で切る。



 目盛りを書く。



 これで、おへそと鉄棒の間をだいぶ離すことができる。

 今のところ、これを使った子は、全員クリアーできている。

 詳しい使い方は、長くなるので、また後日、気が向いたら書くことにします。 
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このベルトを使えば、逆上がりの練習がしたくなる。

2021年03月15日 | 保健体育
 ときどき、「逆上がりの練習を見て下さい。」と頼まれることがある。

 担任から頼まれることもあるが、子供から直接頼まれることもある。

 喜んで練習を見てあげることにしたいる。

 自分の場合、まず使うのは、「鉄棒くるりんベルト」である。

 アマゾンのサイトはこちら→「鉄棒くるりんベルト

 このベルトのよいところは、自分がどれだけ上達しているかが分かるところである。

 上達するほどに、ベルトの長さを伸ばしていく。

 ベルトには、色の印が付いているので、前よりもレベルアップしたことが分かるようになっている。

 黒→緑→青→白→赤の順にレベルアップしていく。

 上達したことが分かるので、何回も挑戦したくなる。

 どんなに苦手な子も、このベルトを使うと練習したくなる。

 「同じ色のところで、失敗せずに3回できたら次の色ね」

 と伝えながら練習させる。
 
 まめができそうになる前にやめるようにする。1日15分くらいだろうか。


 練習していれば、必ず赤色のレベルに到達する。

 これだけでも、子供は十分満足する。

 ただし、この段階では、ベルト無しでは逆上がりができることは少ない。

 次の段階の練習が必要になる。

 ~この続きはまた後日書きます~
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跳び箱運動で教師がしてはいけない行為・・・これでは子供の判断力が育たない。

2021年02月04日 | 保健体育
 以前のことである。体育館で4年生が体育をしていた。

 跳び箱運動をしているようだ。

 近づいていくと、「ピッ」という笛の音が響いている。

 何の合図だろう?と思いながら、入っていくと、

 どうやら技のスタート合図らしい。

 思わず「ドリフかっ!」と呟いてしまった。

 昔、「8時だョ!全員集合」の中で、体操をするコーナーがあった。

 いかりや長介さんが、アイドルやドリフのメンバーに、技を始める合図として「ピッ!」と笛を吹いていたのを思い出した。



 跳び箱運動やマット運動の授業で、笛の合図でのスタートなどしない方がよい。

 理由は、

「安全な場で運動するという意識も能力も判断力も育たないから」である。



 説明する。

 笛を吹くということは、教師が場を見て、安全かどうかを判断することになる。

 児童は、自分が運動する跳び箱やマットを見る必要が無い。

 安全かどうかを自分で確かめなくても良いことになる。


 いつまでたっても、子供には、「自分が運動する場所は安全か」「よし、前の子が終わったからいける」という判断をする力が育たない。

 意外と今でも、教師が技のスタート合図をしている体育の授業を見かける。



 自分ならこう言う。

 「安全を確認してから技を始めましょう。」

 「前の人がマットからおりたら、スタートしていいですよ。」

 こう言っておけば、自分で判断して技を始めるようになる。
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医学の常識が変わるか?・・・朝食は必要か不要か

2021年02月01日 | 保健体育
 昔は、赤ちゃんをだっこするのは良くないという主張が医学界にあった。

 また、うつぶせで寝かせる方がよいと主張する医学関係者もいた。

 いずれも赤ちゃんの発達には良くない、危険であるということが分かってきた。



 いまは、「朝食をきちんと食べなさい」と言われている。

 この「朝食きちんと食べなさい」は、いずれ変わると考えている。

 すべての人が朝食を食べなくても良いと考えている。




 育ち盛りの子供や体を酷使している人にとっては、朝食も必要かもしれない。

 体を酷使している人というのは、肉体労働やトレーニングで体を使っている人である。

 そんな人たちには、朝食をしっかり食べた方がよいかもしれない。



 しかし、次の点に当てはまる人には、朝食は必要ない。

 むしろ体に良くないとすら考えている。


 次に当てはまる人である。

○ 朝、食欲がない人

○ 肉体労働をしていない大人

○ 朝食を食べると、午前中眠くなる人

○ 朝食を食べると、おなかが重く感じる人



 こんな人には、朝食をとらない、もしくは少しだけにすることをオススメする。

 少しだけというのは、バナナ1本とか、茹で卵1個である。



 午前中におなかが空いたら、その時に、少しナッツやスープを口にすれば良い。

 きっとおなかが軽くて、頭が働くことを実感するだろう。

 私が尊敬する鍵山秀三郎氏、医師の石原結實氏、タモリ氏は、みな朝食を食べないと聞いている。

 私も朝食を食べなくなってから、体の軽さを感じている。



 ただし、例外もある。

 朝食をとるべき人である。

 それは、朝からおなかが空く人である。

 空腹を感じているのならば、食べた方がよいだろう。

 問題なのは、空腹を感じていないにもかかわらず、習慣として食べている人である。
  


 何年かあとに、次が常識にならないだろうか。

 「大人は朝食をとらない、もしくは、少しだけにする」

 これが、常識になったら、肥満や生活習慣病はだいぶ少なくなる気がする。
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表現運動の第1時ならば、この指導をする

2020年08月28日 | 保健体育
 秋の運動会に向けて、この時期は表現運動(ダンス)の指導が始まりつつある。

 以前、ソーラン節の指導の第1時を見たことがある。

 指導者は、若い先生だった。

 10~20秒で一つのまとまりになりそうなところで区切り、教えていた。

 動き方を説明し、やって見せて、やらせてみてほめる。

 動きがある程度できたら、音楽にのせて学んだところまで踊る。

 その動きが全員できたら、次の動きを付け加えて、はじめから通して練習する。

 まさに、「言って聞かせ、やって見せて、やらせてみて、ほめる」の流れで指導していた。
 
 さらに、10~20秒ほどの動きがある程度できるようになってから、次に進むので、スモールステップで進んでいた。

 しかも、少しずつ動きが加わってくるので、「変化のある繰り返し」で飽きずに習熟ができていた。

 

 ただ、こうすると更に意欲が高まるだろうなあという点もあった。

 その時は、第1時の指導である。

 自分なら、かっこよく踊っているモデルを示す。

 しかも、はじめから最後までの踊りを全部見せる。

 そうすることで、

 「かっこいい、自分も踊ってみた」という意欲が高まるだろう。

 踊りの全部を見せることで、全体像がつかめるだろう。ゴールが見えてくる。

 踊りは、動画でも良い。

 昨年度の先輩が踊った動画があれば、なお良い。

 ただ、一番いいのは、先生や先輩、地域の方で上手な方に、ライブで踊ってもらうことである。

 先輩が踊ることによって、伝統を受け継ぐ気持ちが生まれるだろう。

 地域の方が踊ることによって、地域人材の素晴らしさも感じることだろう。
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マット運動や跳び箱運動で、たくさん練習をさせるためのコツ

2020年06月27日 | 保健体育
 昨日は、児童の泳ぎはじめの場面で笛を吹かないという話を書いた。

 マット運動や跳び箱運動の時も、笛を吹いてスタートの合図を出す場面もみたことがある。

 当然自分は笛を吹かない。子供に判断させる。

 では、どうやって指示をするのか?

 次のように指示を出す。

 「前の人がマットからおりたら、始めなさい。」

これで、前の人とぶつかることはない。

 間が開かないので、どんどん練習できる。



 慣れてきたら、次の指示を出すこともある。

 「マットからおりた人は、次に練習する人の動きを横から見ます。いいところ(または直した方がよいところ)を教えなさい。」

 これでアドバイスし合う雰囲気も作れる。
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水泳の授業をみてびっくりしたこと(スタートの場面)

2020年06月26日 | 保健体育
 水泳の授業を見せてもらった時、びっくりして、アドバイスしたくなる場面があった。

 それは、児童の泳ぎはじめの場面である。

 児童は練習のために泳ぎ始める。

 そのスタートのタイミングを教師が笛で知らせているのである。

まるで、昔のドリフのコントをみているようだった。

 (いかりやさんが「はい、次!」「ピッ!」なんて言いながら、マット運動をさせていたような気がする。ひょっとしてそのイメージで、笛を吹いているのかなあ?・・・まさかそんなことはないかな。)


 自分なら次のようにする。笛を鳴らすことはしない。

 児童には、次のように指示する。

 「前の人が泳ぎ始めて、5mくらい先に進んだら、スタートしていいよ。」

こうすれば、自分でスタートする。

 教師は、笛を吹かないかわりに、全体を見たり個別にアドバイスをしたりすることができる。

 スタートの笛の合図だけをするのはもったいない。

練習の仕方に慣れてきたら、次のように言う。

 (プールが狭い場合)
「前の人の泳ぐ速さをみて、調節していいからね。速い人なら、すぐに出てもいいです。自分の方が速ければ、5m以上離れてから出ればいいですよ。スタートするタイミングを自分で調節してね。」

 (プールが広い場合)
 「どんどんスタートしていいですよ。前の人を追い抜く時は、右側を追い抜くようにしようね。」


 マット運動や跳び箱運動の時も、笛を吹いてスタートの合図を出す場面もみたことがある。

 当然自分は笛を吹かない。子供に判断させる。

 では、どうやって指示をするのか?

 長くなってきたので、続きは明日書きます。
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器械運動(マット、跳び箱、鉄棒)で、本当にできたといえる時の目安

2020年06月12日 | 保健体育
 跳び箱運動の授業に少し参加させてもらった。

 苦手な子がいるというので、何とかできるようにさせたいとのことである。

 4段の開脚跳びは、全員ができるようになった。

 「はじめてできた」と大喜びする子もいる。

 その後の指導をみていて、気になる点があった。

 それは、1回できた後、すぐに次のステップの技に挑戦する子がいるのである。

 小学校体育の器械運動については、「できた。」だけなら、1回でもよいのだが、


 「できた。次のステップにいける。」といえるのは、3回連続成功できた時だと考えている。


 1回できて、2回目ができなければ、安定してその技ができるとは言えない。

 その状態で次のステップに生かせるのは、危険ですらある。

 例えば、4段が1回跳べたからといって、すぐに次の段に挑戦しても難しい。

 だから、児童には次のように言う。


 「3回連続安定して跳べたら、本当にできたと言えるんですよ。」


 もちろん、3回連続して成功しても、次のステップでできなくなることもある。

 その時は、前の段階に戻って練習すればよい。

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この準備運動をさせれば、できる喜びを味わわせることができる(器械運動編)その3

2020年06月10日 | 保健体育
 一昨日 昨日 の続き

 マット運動や跳び箱運動がうまくなる準備運動を5つ紹介しました。

 では、これらの準備運動で、いったいどんな感覚や力が育つのか?

 いったいどんな技の土台となるか?

 まとめると、下の通りです。



 器械運動は、上にある運動で育った感覚や筋力が土台となって上達します。

 これらの準備運動ができれば、上達は速いです。

 逆に、これらの運動ができないまま、指導すれば、苦手意識を更に高めることになります。

 また、無理な挑戦をしてケガをすることにもつながりかねません。

 「準備運動10」を、体育の授業や朝の活動、遊びの中に取り入れることで、どの子も「できた」という喜びを味わえると考えています。
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この準備運動をさせれば、できる喜びを味わわせることができる(器械運動編) その2

2020年06月09日 | 保健体育
 昨日の続き

 私は、年度初めの体育の時間に、準備運動を5つともさせていました。

 そこで、それぞれの技が、どのレベルでできるかを確かめさせます。

 できる技のレベルに丸をつけさせるのです。

 (昨日示したカードの「レベル1」から「レベル3」までのできたレベルに○を付けさせて確かめます。)

 5つの運動すべてが「レベル3」という高いレベルでできる子もいます。

 その子は、殆どの器械運動の技が上手です。

 自信も持っています。

 新しい技を見ても、「できそうだ」という自信がもてます。

 逆に、どの運動もレベル1という子もいます。

 その子は、前転も後転も上手にできません。

 どの技を見ても、「できそうだ」という感覚が持てません。

 逆に、「できそうにない」「恐い」という感覚を持ちます。

 この状態でマット運動の単元に入っても、できる技は殆どありません。

 劣等感を味わうだけで単元が終わってしまいます。

そこで、指導者は、年度当初から少しずつ「準備運動10」を取り入れ、苦手な子を励まし続けます。

 個別指導をします。

 ほんのちょっとの伸びを見つけて褒めるのです。

 そうやって何ヶ月かすると、どの子もレベル2や3で準備運動ができるようになります。

レベル2や3まで高まった子は、マット運動の技を見ると、挑戦したくなります。

 「できそうだ」という感覚も持てます。
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この準備運動をさせれば、できる喜びを味わわせることができる(器械運動編)

2020年06月08日 | 保健体育
マット運動や跳び箱運動等の器械運動は、できた、できないがはっきりしています。

 できるようになった子は、自信がもてます。

 逆に、できなければ、劣等感を味わうことになります。(小学生の頃の自分がそうでした。)

 ぜひ、できるようにさせたい。しかも、無理なく楽しく。

 できる子とできない子の差は、次の1点です。



 技の土台となる感覚や力が身についているか。



  マット運動や跳び箱運動の技の土台となる主な感覚や力とは、次の通りです。

○ 回転感覚(前転や後転のように、体を回転させる感覚)

○ 腕支持感覚(腕で自分の体を支える感覚や筋力)

○ 逆さ感覚(頭よりも腰の位置が逆さになるような状態でも恐くない)

これらの感覚や力は、すぐには身につきません。時間がかかります。ただし、少しずつ練習し続ければ、必ず身につくようになります。

いくらスモールステップを組んで指導をしても、10時間程度の単元の中では、身に付きにくいです。だから、できない児童がいます。

どの子にもできるようにさせるためには、長期計画を立てて、少しずつ、楽しく身につけさせる手立てをとることが必要になります。そのための手立ては、次です。

 「準備運動10」を、体育の準備運動の中で、毎時間どれか1つだけ行う。

  1つだけなら1分もかかりません。

 しかし、毎時間行うことで、児童には必ず必要な感覚や筋力が身に付いていきます。

 毎時間やることで、伸びていくのが児童にも分かります。

「準備運動10」は、次の5つの運動です。(いずれも10回やるか10数えるかなので、「準備運動10」という名前にしました。)



 つづく

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感染拡大を防止するために、子供達にはこのように伝える

2020年03月27日 | 保健体育
 昨日は、「感染拡大を防止する理由」について書いた。

 昨日は百日咳の場合だが、現在感染拡大防止に努めている新型コロナウイルスでも、同じことがいえる。

 重症化する人や致死率の高い人が居る。

 高血圧に糖尿病、心臓病等の基礎疾患を抱えている人や高齢者である。

 もちろん若い人でも重症化する場合はあるが、致死率は今のところ低い。

 

 春休みが終わったら、学校生活が再開されることになっている。

 感染拡大防止の行動がとれるようになってほしい。

 例えば、手洗いをする子になってほしい。

 早寝早起きをして、抵抗力を維持できるような生活を送ってほしい。



 自分が学級担任だったら、次のように話すかもしれない。

 「今、新型コロナウイルスによる病気が広がっていますね。

 そのために、3月は休校になりました。

 新型コロナウイルスに罹ると、重症化したり、亡くなったりする人が居ます。

 若い人にとっても危険な病気ですが、特に危険なのは、お爺ちゃんやお婆ちゃんたちです。

 そして、心臓や血管の病気に罹っている人たちです。

 お年寄りや病気に元々罹っている人の場合、病気が重くなったり、亡くなったりする可能性がとても高くなります。


 もし、君たちが罹ってしまったら、君たちのお爺ちゃんやお婆ちゃん、近所の人たちも罹る可能性がとても高くなるのです。

 自分の身を守るためだけでなく、君たちの周りの人を守るためにも罹らないでほしいのです。

 そのために何ができるかは、分かっていますね。

 何をするとよいのですか?

 (「手洗い」「マスクの着用」「睡眠をとる」などが子供達から発言されるだろう)

 (①換気をする ②密集しない ③近距離での会話や発声を避けるなどが出れば素晴らしい。)

 そうですね。そういうことに気をつけて過ごしましょう。」



 自分を守るためだけでなく、周りの人、特に高齢者や基礎疾患を守るために行動するのである。

 こう伝えることで、子供達の意欲はもっと高まる気がする。
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感染拡大を防止する理由

2020年03月26日 | 保健体育
 以前、百日咳にかかった子供がいた。

 その子は出席停止となる。

 出席停止期間は、次の通り。

 「特有のせきが消える、または5日間の抗菌性物質製剤による治療終了まで」

 ただ、百日咳に罹った場合、重病化する小学生は、かなり少ないと聞いた。

 なぜ出席停止にするのか?

 それは、「乳児を守るため」だそうである。

 百日咳に罹った場合、小学生以上の子供が重病化することがまれだとしても、

 「感染力が強い」「乳児の死亡率が高い」

 という特徴があるため、流行させてはいけない。

 

 罹った小学生以上の人は、重症化しないとしても、

 感染力が強い百日咳を広げてしまう可能性が高い。


 よって、感染者を減らし、乳児に感染する可能性を下げるためにも「百日咳で出席停止」は重要である。



 そして、今は新型コロナウイルスの感染拡大防止が重要な課題になっている。

 なぜ感染拡大防止を目指すのか、百日咳の場合とも共通している。
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