この冬は、今野敏氏の隠蔽捜査シリーズを読んだ。
警察小説だが、現場の刑事ではなく、警察のキャリア官僚が主人公である。
読んでいて主人公が度々口にする言葉がある。
「何かあったら、俺が責任を取る。」
そう言って、部下の捜査をフォローするのである。
組織のトップとしての責任のとり方や決断のあり方が学べる。
主人公は、竜崎伸也、警察庁の総務課課長や警察署の署長としてリーダーシップを発揮する。
まさに「官僚」で、原理原則に忠実である。隠蔽捜査というタイトルだが、隠蔽はしない。
しかし、有能で、部下を思いやる優しさもある。
妻からは「唐変木」「役所の仕事が務まっているのが不思議」と呆れられているが、その変人ぶりは、私利私欲とは無縁で、国家公務員としてあるべき姿を示そうとしているからだと思われる。
今野敏氏の著作はおもしろいので結構読んでいる。
任侠シリーズや琉球空手シリーズなどの拳法ものが多かった。(「義珍の拳」は、師弟のあり方を描いた傑作です。)
しかし、隠蔽捜査のシリーズは読んでいなかった。
早く読めばよかったと後悔しているが、これから今野敏氏の警察小説シリーズを読む楽しみが増えたので嬉しい。
まだ読んでいない本があったので、次々に読んでいる。
やめられない、とまらない、かっぱえびせん状態に陥っている。
この冬は、小説を読む楽しさにどっぷりとハマっている。
いい冬だ。
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