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算数科の授業で配慮した点6つ・・・休みがちな子、特性のある子がいる場合

2022年05月20日 | 授業づくり

 本日のブログは長文です。

 算数科の授業についてまとめました。

 

 

 「算数科の授業をやって見せてほしい」という依頼が、学級担任からあったので、させてもらったことがある。

 休みがちな子がいる学級だった。

 また、特性があるため、多動であったり、集中力が続かない児童もいる学級だった。

 

 そのような子たちも、授業に参加し、できる喜びを味わわせるには、どのような工夫が必要か。

「全員参加」と「空白を作らずに授業を進める」を心がけないと、全員参加は難しいと考えていた。

 

 結局、児童全員が、最後まで集中して授業に参加し、その日の課題であった3桁÷1桁の筆算ができるようになった。

 練習問題も10問以上解き、正解だったので、学級担任も喜んでいた。

 

 授業が終わったあとに、配慮した点を6つと改善すべきだった点を1つまとめ、学級担任に渡していたので、ここに記しておきたい。

 

 

1 本時のゴールの明確化

 本時のゴールを「計算ドリル19の①が解ける」と、私は設定しました。このゴールに向けてスモールステップを組んで、活動主体で授業を進めようと考えました。

 このゴールに向けて、児童全員が無理なく学習に取り組めることを重視しました。そのため、一般的にいわれている学習過程は無視してもいいと思っていました。(実際に、かなり違いがあったと思います。)

 児童には、本時はどのページを学習し、計算ドリルはどの問題を解けばよいかも黒板の隅に示しました。児童にもゴールを意識してもらうとともに、学習の見通しを持ってもらうためです。

 

 

2 導入は、短い問いかけから入る  ( ・・・教師の説明はしない)

 既習事項のうち、必要な学習内容を問いかけ、確認する。

 本時の場合は「たてる→かける→引く→おろす」の繰り返し

※ 既習事項を押さえなくてよい場合は、いきなり教科書の問題文を読ませる予定でした。とにかく授業に巻き込むために、「読む」「書く」「発表する」などの活動から入るつもりでした。

 

 

3 教科書を活用する

 教科書ははじめから開いて、見ることができる状態にさせました。理由は3つあります。

 

① 本時の見通しをもたせるため

 教科書のページを見ることができることで、今日は何をすればよいか、どこまですればよいのかというゴールがより分かりやすくなります。

 

② 分からない場合は、ヒントとして活用させるため

 これまで、何時間か授業に参加していない児童がいました。きっとその子は途中で躓くだろうと予想しました。その際に、教科書を見ることで、自分で答えを見つけることができます。(実際、答えだけを見て、写していました)

 躓かないことを重視したので、答えを見て写してもかまわないと考えていました。そのあとの練習でできるようになると考えたからです。

 

③ 教科書活用のスキルを高めるため

 これから先、自学自習をする際も、教科書の構成を理解していれば、自力で学習することも可能になります。

 

 

4 めあてとまとめの簡略化

 めあてとまとめは書かないことも考えていました。要は、ゴールに向かって「何を学ぶのか、前時との違いは何か」が意識されていればよいと考えたので。

 めあて設定には時間をかけず、教科書に書いてある「めあて」を使いました。

 まとめについても、何を学んだのかの言語化が難しいので、言葉でまとめることはしませんでした。

 「商に0が付く場合がある」が理解できればよいと考えたので、めあてと商の0を矢印で結ぶだけにとどめました。(しかし、これだけでも児童は本時の学習内容は理解できたと考えます。そのあとの練習問題も全て解けましたので)

 

 

5 スモールステップでいっしょに解く

 個別に解かせると、解けない場合があると予想しました。(特にこの数時間は授業に参加していない児童)

 そのため、問いかけながら、みんなでいっしょに解くような流れで進めました。この方が空白の時間が生まれません。また、躓く児童も出ることなく、全員が授業に参加すると考えたためです。

 

6 児童の発言やつぶやきを生かす

 めあてやまとめの際には、児童の発言を生かして授業を進めていらっしゃると思います。

 その他の時間でも、児童の発言を生かすように心がけました。

 例えば、「前の時間と違うところは何かな?」「0が立つ」という子の発言を生かして肯定したり、周りの子はいまいち分かっていなかったりすれば「今なんて言った?もう一度周りの友達にも教えてくれるかな?」というように、復唱させたりしました。

 指導者の考えたとおりの発言ではなかったとしても、本時のゴールに近づく言葉であれば取り上げようと考えていました。

(ただし、定義や学習用語に関わる言葉は、その通りに教えます。)

 

 

7 改善点・・・練習問題の精選とタブレットの活用

 教科書の練習問題が9問と多かったので、減らせばよかったかなあとも思いました。(全員がその9問を解け、正解だったことには驚きましたが。)

(H児は、「ゲッ!9問もある。」とつぶやいていました。)

 教科書の練習問題は、3問だけ解かせて、できない場合のみ、もう一問解かせてもよかったかなあと思います。

 解く問題の3問というのは、問題六の①④と七の①です。

 一番左のこれらの3問が、本時の練習問題になっているので。

 

 計算ドリルは、一番上の問題4問だけ解かせましたが、これくらいでよいのではないでしょうか。教科書とドリルを早く終えた分、タブレットを活用した練習に入るとよかったと思いました。

 

 

 

 

 

 校長でも、飛び込み授業をさせていただけるのは有り難いものです。

 授業中は全員に丸をつけて回ったが、「やった」「できた」と喜ぶ顔を見られるのは、幸せです。

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