ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

ファンタジーでの国境線のこと

2012-01-25 11:01:16 | 日記・エッセイ・コラム
小説であれ、マンガであれ、ファンタジーを作る場合には、多分に国境が出てきます。

その際には、国境の線引きに、少し留意して欲しいと思います。素人意見ですけど。

戦いのある国通しの国境線は、通常、戦闘を避けられる地帯の中央線近くに置くものです。つまり両国の住民が、通常では接触できない地帯です。一般的には、山や山脈の稜線や、河川・峡谷の中央、海、断崖、砂漠などです。ただし、断崖は、上の方からは楽に攻撃できてしまうので、恒久的にはなりえません(一例がデカン高原の断崖でしょうか)。砂漠は、それなりの装備で渡れるため、非戦闘地帯とはなりませんが、歴史的な経緯での立派な国境です。

ただの平地の中に国境を置くのは、普通でない場合です。
1:全域に住んでもいないうちに、地図上で分けた:アメリカの州境や、カナダーアメリカの国境、アメリカーメキシコの国境など、直線の国境が目立ちます。

2:強国が、地図上で線引きしてわけたーアフリカのかなりの国境、イラクークゥエートの国境、イスラエル旧国境、北朝鮮ー韓国国境、などなど。住民の種族や言語などをかなり無視して分けたので、強国の重石が取れると、紛争が起き易く、今も紛争が絶えません。おっと、日付変更線の付け替えで1日が消えてしまった国が話題になりましたね。

3:争っていた小国や小領主が、近くの強国とてんでばらばらに結びついたため、込み入った国境になった:日本の現在の都府県境に、それが現れているようです(飛び地が多いのは、地主もかかわったせいかと思います)。

で、ちょっと、間違いのある例を:

A:西洋の中世風の世界で、山に住み山稜地帯を支配する一族がいます。その一族と、国(農民および平地支配者)との境界が、山裾というのです。
住民は、調理するにも暖房するにも熱源となるものが、必要です。山近くに住む者なら、木です。おじいさんは、山に芝刈りに行きましたってのは、山に薪とりに入っていたのです。草原に住む者ならば、飼っている動物の糞が熱源です。肉や乳のためだけに飼っているわけでは、ないのです。燃やすものがなくなったら?多分、その地域は放置されて無人の土地になってしまうはずです。放置されていた遺跡のいくつかは、これが原因ではないのかな?

ともかく、住民は、近くの山を、燃料供給元として、大事に扱います。山の恵みを得るためにも使います。したがって、山裾から他国の領土というのは、無理な設定となります。
どうしてもというなら、山裾から、徒歩2日以上おいた土地に、かなり大きい林か森付きで村を置いてください。

B:山脈を避けて山間地つまり平地に全部の国境を引いてしまった戦国時代ファンタジーとでも呼ぶ小説があります。
自分の国側の山脈を越えた先にある土地なんて、守れないし、兵站を維持するだけでも一苦労です。これは、相手の国にとっても同じです。したがって、自然と、山脈の稜線が国境になって落ち着くのです。2つの山脈が並んでいるなら、どっちかの山脈です。楽したい側が手前の山脈を選ぶでしょう。欲張ったほうは、代わりに砦あるいは、城を築いて守備に当たる苦労をしょいこむことになります。つまり、平地と自国の間に山脈があるなら、平地側に砦ないし出城がないと不自然になります。
国境をそのまま平地におくなら砦か出城がにらみ合う配置でないとおかしいのです。なお、この場合、農地特に水利の問題が発生します。平和だと言われていた江戸時代どころか明治、大正、昭和の時代でさえ、水源の上流と下流の農民通しで水の取り合いがしばしば発生し人死さえ起きていました(村内の隣通しでもあったそうな)。これが他国の村どうしとなると・・・考えたくありませんから、こんな状況になるような設定は避けて欲しいです。

ついでなので:河川をはさんだ場合、両国は、河川をはさんで砦か出城を向き合わせることになります。もちろん、別の城から即日対応できるなら、省けます。両国が相手を信頼できるなら、作らないことも可能です。守備は、当然、一時対応(数日から長くて数ヶ月)できるだけの兵力を置き、事ある場合は応援が駆けつけられる位置に、砦、出城、兵力を配置するはずです。



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