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ファンタジーなど

基本的に、いろいろなことの変なとこに突っ込みます。

日本史の新常識 歴史ミステリー研究会編 彩図社

2020-04-18 11:37:09 | 本と雑誌
2020年3月19日 第一刷 です。

結構改めたようですが、まだまだ足りません。

P14:朝鮮半島から渡来人によって水稲農耕や青銅器・鉄器などの金属の
 道具がもたらされたことで~縄文から弥生に変化する。

 1:このあたりは、旧常識をかきましたということか。
  でも、正したのは、水稲農耕の開始時代だけです。

 2:四大文明にも触れていますが、四大文明を言うのは、今や日本だけだ
  そうです。シナの地に、黄河文明より1000~2000年古い長江文明が
  あったというだけでも四大文明を謳っうてどうよ。
  そうそう、四大文明の全てが、今や完全に砂漠です。砂漠に至って
  滅んでしまった文明を持ち上げるのってどうよという議論も。

 3:縄文の米自体は、その痕跡が東北でも見つかっています。東北では
  縄文時代の水田などの遺構が見つかっていないため陸稲では
  ないかと推測されています。

P20:縄文人と弥生人の復元された顔の件
 4:発掘にあたる方々は、骨の周辺の土などを払いのけて掘り出して
  います。頭の骨の側には、毛髪や皮膚・肉が変質した物質が付着
  しているはずなのですが例外なく落としてしまうのです。
  骨だけにしてから、すさまじい思い込みで、肉・皮・毛・髪の色も
  形も付けているのが実際のようです。
  お願いです。土のかたまりのまま分析して下さい。化学成分で
  少しはわかるはずなのですから。

 5:日本人の顔は、多分ほとんどが食の変化で、大きく変化しています。
  平成間際の子供達の顔も、親たちとは、かなり違っていると思います。
  なお、明示時代に日本を訪れた欧米の人たちが残した日本一般大衆
  の写真を見ると、ほんとに、これ日本人かと思う顔ばかり。通常残って
  いる貴族や侍だった人たちの顔とは、まったく人種が違って見えるの
  です。食い物が、かなり違っていたって事なんでしょう。
  ついでです。江戸時代の人の絵で、全身これ毛だらけという感じの絵
  (例:P161)も出てきますが、今こんな毛深い人いるでしょうか。
  要は、食い物の変化で人種が違って見える程に顔や姿が変わるって
  ことです。

 6:何度も書いたように、渡来人なら、自分たちの言葉を持ってきます。
  これが数人以上のグループを作り、支配者にもなれるなら、その言葉を
  後世にも残せるだろう。でも、一つとして残せていない。
  記紀時代の渡来人も、朝廷内部に入り込めても、言葉は残せていない
  ようです。
  秀吉の朝鮮出兵で連れ帰ってきたとされる高麗人の茶碗職人達も、
  他の地域に言葉を広めることはできなかったようです。
  おっと、戦後の日本に残った方々も半端な数ではありませんが、言葉を
  残せていませんね。(食品も、ずっと後で、どっちかというと本国からで
  しょうね。)

  日本語に影響を及ぼせるほどの人数の渡来人は、来たことが無い
  というのが結論になるかと。

P36:聖徳太子がいないことにしたのは、一部の学者達の反乱。
 7:この反乱は、その後、否定されて収まった筈だが、このグループは、
  反乱グループに属していたらしく、新常識にする気満々。

  肖像については、メガネ掛けられないよという声もあり(鼻などが
  問題)、デッサンが狂った絵です。

P125:火縄銃は点火してから発砲するまでの時間が銃によってまちまちで
 8:火縄銃の仕組みを誤解しているようです。
  火縄は、導火用に撒いた火薬に火を付けるためのものですから、燃や
  しっぱなしです。短くなったら、引っ張り出して調整するというものです。
  導火用の火薬は、撒いているので、風や雨に弱い。つまり屋外では使い
  にくいのです。火縄も雨には弱いです。
  (最初の戦国自衛隊の映画で真田幸村がヘリコプター相手に火縄銃を
   使えなかった理由も風だそうです。)

P204:西郷の銅像は、当初から似ていないことが知られていたから今更
  です。
  反逆者の銅像が作られるようになった理由の方が面白いのでは。
  近代版の平将門、菅原道真かと思ったこともありました。

空白の日本史 本郷和人著 扶桑社新書

2020-03-02 23:00:13 | 本と雑誌
おもしろいかなと買いました。
ちょっと変なとこも多いです。

はじめにも書いています。
「空白」をいかに」科学的な根拠や論理に基づき、埋めていくか。
それこそが、歴史研究家の手腕が問われるものでしょう。
・・・
9つの歴史的空白を取り上げ、僕なりの解釈でその「穴」を埋めていく

としているのですが、「歴史的」な「穴」の話ではありません。
その9つをみましょう。

1:神話の世界ー科学的歴史の空白
2:「三種の神器」の謎ー祈りの空白
3:民衆はどこにいるかー文学史料の空白
4:外交を再考するー国家間交流の空白
5:戦いをマジメに科学するー軍事史の空白
6:歴史学の演繹と帰納ー文献資料の空白
7:日本史の恋愛事情ー女性誌の空白
8:資料がウソをつくー真相の告白
9:先達への本当の敬意ー研究史の空白

章立てで「空白」を謳っているという話です。
そう、本当の「穴」らしく見えるのは、「三種の神器」だけのようです。
他は、どこの国の歴史に当たっても共通項だろうの世界です。
7などは、他の国では絶対に出てこない項目だろうなというものも。
(神話では、でてきますね。インドで少し、ギリシアでいっぱい)

「科学的」の手法に、「帰納法」と「演繹法」は良いとして、なぜか
「アプリオリ」を引っ張り出してきます。
また、解釈が少し変です。
P198:
たくさんの事例を集めて、ひとつの流れをあぶりだすのが帰納。
そして、あぶり出されたひとつの流れから、ひとつひとつの個別の
事件を解釈し直すのが、演繹です。
~定義は、次です。
 Aが正しいなら、Bが蓋然的に正しい というのが帰納法です。
  要は納得感を与えることが主眼で、Aの例を複数使います。
 Aが正しいなら、Bは絶対・必然的に正しい となるのが演繹で、
 Aならば、Bがなり立ち、よってCが成り立つ も三段論法の演繹法です。

帰納や演繹を使ったから科学的って広げすぎないで下さい。

P88、P92:なぜキリスト教は弾圧されたかと「二つの敵」
 勉強が足りません。キリスト教に改宗した大名がキリスト教に改宗して
 いない民衆を奴隷として売り火薬を買おうとしたからです。
 織田信長以下が、これを止めようとしたのですが、ザビエル以下
 は非クリスチャンは人間では無い・当然の扱いだとして直そうとしな
 かったからです。

P91:一向宗弾圧
 ここも勉強が足りません。織田信長が取り締まるまでの仏教集団は
 僧兵を抱えた完全な武装戦闘集団です。戦国大名顔負けの戦闘
 集団だったのです。仏教集団が、日本では戦闘集団で無くなった
 のは、信長様のおかげなのです。
 シナの仏教集団は、ず~っと戦闘集団であり続けました。有名どころは
 少林寺拳法や、旧香港時代の映画にでてくるお寺ですね。
 シナが、宗教団体を規制するのは、昔の名残なのです。

P99:鎮守を靖国で云々
 自分では回答出さずに否定しています。アメリカで聖書に手を置いて
 宣誓する件に文句は言わないの?
 アメリカの集団墓地は、どうなの?

P111:枕草子 翁丸 には、つづきがあります。
 さいごまで読んでいませんね。
 下衆の項も、その解釈しか無いようですが、私の見方は違います。
 あばら屋に雪って、家の中に雪が積もるんですよ。そんな様子って誰も
 見たくないと思います。悲惨すぎます。同じく月が差し入るって、家の
 中にですよ。壁も屋根もスカスカってことで、雨も漏り邦題で、やっぱり
 悲惨すぎて見たくないです。

P112:伊勢物語の話題を取り上げていますが、通信手段が無い時代。
 移動する人の話でしか知れない話題を、知れという法が無理。
 そもそも伊勢物語という名前の本に、関係ない土地?人?の話題が
 載ることを期待するんじゃ無い!
 貴族と民衆が密接な関係を~ 検証できるわけないんだから、否定
 したくて書いたと思うぞ。

P114:文学史料だけで歴史を語る行為の危険性
 源氏物語~貴族に読まれる作品になったのは室町時代・・・
  どこに根拠があったんでしょうか。源氏物語絵巻なんて平安時代に
  書かれているようですけど。手書き本ですから、コピーを作るのが
  大変というのはわかりますが、読みたい人が書き写していけば、以外と
  早く広まるかも。
 仏像や建造物、美寿品を出してくると思いきや、人の思い出話だって。
 ホラ話や思い間違い記憶違いがいっぱいって思わないとこがすごい。
 ひとが離す内容は、すべて本当って、すごすぎるお人好しです。
 一方で文書はウソが一杯で信用できないって、どんな人間?

P123:貨幣経済が鎌倉時代に・・・
 貨幣って、奈良時代にも使われていますが。
 ついでに、日宋貿易の輸出が全部木材というのは、言い過ぎです。

P126:鉄砲の伝来
 勘違いがあります。人を殺すには鉄砲より弓が向いていますし、弓なら
 速射もできます。
 鉄砲は、何がいいか。それは、訓練抜きで使えるって事です。弓は、長期
 訓練が必要です。そこら辺から引っ張ってきた農民に弓を持たせても
 使えませんが鉄砲なら、すぐ撃てるってワケです。
 鉄砲での死者数が問題になるのは、マスケット銃から、元込銃に進化し
 次に、連射できるように進化してからです。

P128:気候、宗教、政争・・・日本は穏やかなのか
 穏やかでないものを忘れています。自然災害つまり、地震と台風と火山と
 津波です。
 それと、P130:税金をとことん絞り取られた」というのは誤認識でしょう。

P134:そこに皮があるだけで~
 何か読み間違えていませんか。
 日本の川は、大水出ても、せいぜい数日待てば渡れる程度の川ですよ。

P139:コレラ~
 トイレなどの清潔度も違うし、ネコもいっぱいいただろうし。

P144:軍事史のタブー~理由
 ほんとの理由を書く気はないようです。

P162:幕府軍は19万人~
 ここに限らず、全員が、常備軍戦闘員であるとして計算しているように思い
 ます。季節戦闘員というものがいることを忘れています。そう、農作業が
 終わっている農民は、全員、戦闘に参加可能なのですよ。
 刀狩りって、もう戦争が不要になったから、農民が隠し持っている刀を
 取り上げるためにやったものなのです。持たせたままだと一揆に使われ
 ちゃいますから。

P184:吾妻鏡
 日記では無く、北条氏の歴史書というのが正しいようです。
 そこに、頼朝などの死亡記事?自分たちに都合悪ければ絶対書かない。
 歴史書に、公正さを求めちゃいけない。

P206:婿取り婚、招婿婚
 千島などに住む民族に、訪問して来た男に嫁や娘をあてがって子を
 作らせる習慣がありました。多分、その名残もあるんじゃないでしょうか。
 で、日本は、稲作です。家族一体で無いと続けられません。子孫は必須
 です。男が家を継ぐのは少なくとも、古墳時代以後には完成した習慣
 でしょう(儒教より早い?)。だから、皇室の男系で継ぐというのができて
 いるわけで。それが、世間一般の習慣にもなっているわけです。
 一般と、皇室の違いは、皇室は、男系を繋ぐために、かなりの人数を維持
 できたけど、一般人は、無理だったってことで、婿取り、あるいは、子供を
 作らせる程度しかできなかったと。

P220:和歌で、万葉集では、天皇から果ては乞食まで歌ったわけです。
 乞食あるいは、一般人が、読み書きできたのは、奈良時代が最後だと
 でも?

P223:漢詩
 漢詩で立身出世って、ものすごい昔です。日本と付き合いのあったシナって
 地域というか時代によって、漢字の読みが違うじゃ無いですか。
 (随の時の読みが伝わってないのは、万葉読みにしちゃったから?)

女王と海賊と披露宴 茅田砂胡著 中央公論新社

2020-02-13 17:10:02 | 本と雑誌
2019年11月の出版のシリーズ最新作です。
もっとも、披露宴編は2011年5月の画集用に発表したものだそうです。
新作は新婚旅行編です。

宇宙を舞台のファンタジーです。サイエンスは相変わらずありません。
まあ、おもしろいから、いいか。

1:恒星間宇宙船が惑星から飛び立ち、惑星に着陸する。
 ただし、搭載艇で着陸・離陸するケースも書かれている。

2:宇宙船に無重力も加速度も無い。軌道上の通常なら無重力状態でも
 加速時も等速時も減速時も、常に同じ重力と・常に同じ上下がある。
 滝が有り、水泳場があり、雪山があり、ドリンクバーにはボトルやグラスが。
 (人口重力場があるとしても、加減速を吸収しきるというのはやりすぎだし、
  人口重力場を稼働させ続けないといけないのは問題。)
 旧作のどれかに、宇宙嵐の様な異常重力場で宇宙船が振り回される話が
 ありましたが、その対策のある宇宙船は一つとして無い。
 P201/加速でよろめく場面も。船内の全体が悲惨な状態になるはず。
 これほどの加速が可能なエンジンは、今なら核爆発利用エンジンくらい。
 ともかく、これほどの加速が可能なエンジンを乗せている船に、その対策が
 無いんだというアホなお話も。

3:銀河間の通信にタイムロスが無い。

4:ワープするための門(ゲート)が恒星系の中にある。
 場合によっては惑星のすぐ近くにある?~惑星からゲート、あるいは
 ゲートから惑星への日数がやたらと短い。船が高速すぎる?
 惑星の公転、恒星系の移動に合わせて、ゲートも公転・移動している?

5:旧作でケリーは既知のゲートは、ほとんど飛んだことになっていて、未知のを
 見つけ出すのが趣味となっていたはず。それでも、飛んだことがない既知の
 ゲートが残っていた?
 P125/さて、昔使っていたゲートであり、ゲートをくぐると瞬時に別の恒星系
  であっても同一の宇宙空間に出るのだが、未知の空域を通過すると?
  (ショウドライブの方は、到着するのに時間が掛かるようなので、別の空域を
   通過していると考えても良いけど)

6:クライミングのホールドの生成・消去・形状変更
 未来らしいかも。

7:宇宙線は考慮されていない。

8:P158/光より観測が早い。
 光より早く動ける宇宙船。光の攻撃を避けられるとは、そういうこと。
 基本的に、宇宙船が、やたらと高速すぎる。

9:P168/飛んですぐ、居場所がわかる自動計器というのは、すごい。

10:P176/対エネルギー防御。
 未来になら見つかるかも?
 でも、物理攻撃防御が無いって?惑星軌道上のデブリ対策が無い、
 宇宙間に漂う小石や氷塊の対策も無いってことに。
 P201/対物防御を張っている。同時には張れないってこと?


ユグドラシルの樹の下で paiちゃん著 宝島社

2020-02-04 21:19:46 | 本と雑誌
なろうコン大賞受賞作のようです。
1が2014年10月、5が2015年12月。
6も2016年に出ているようですから、今更ですけど。

剣と魔法と呪い、獣人+エルフ他、魔物の西洋の中世より少し前
くらいの世相のファンタジーです。

ただし、実年代は、地球の遙か未来、世界大戦を乗り越えた先
となっています。

で、変なとこを

主人公達が住むことになる別荘の仕掛け:
 鍵で別荘を囲む森の障壁?がオン・オフすることになっていますが、
 魔法でも魔術でも呪術でもない分類不能の、トンデモしかけになって
 います。
 機械仕掛けなら可能そうですが、描写は機械仕掛けに見えません。
 生えている木立が移動するし、360度どころか空中からもアクセス
 できなくなるという仕掛けですから。

魔物の生態:
 弱肉強食は守られていて、食物連鎖も考えられているようです。
 残念ですが、繁殖のことが忘れられています。
 ある獣ないし魔獣がいたら、それ1匹とか2匹とかで終わっちゃ
 だめでしょというツッコミが随所で可能なのです。
 ゴキブリが1匹いたら、30匹(だっけ?)いるはずというあれです。
 親が必ず雄雌の2匹は必要でしょうとか、子供1匹じゃすぐ絶滅
 するでしょうとか。
 絶滅せずに存続するためには何匹必要かという論文もあるようです。

魔法や武器の届く範囲の注意:
 ゲームなどの影響が出ているように感じます。
 魔法をターゲット限定や、仲間あるいは敵限定の効果にしてしまった
 のは、初代のドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのゲーム
 で、歴代のゲームは、それらに準じたのです。
 まあ、効果を限定しなければ、魔法なんて敵味方が分かれている戦場でしか
 使えないシロモノです。そのままじゃ戦略ゲームの序盤=対峙している時に
 しか使えないのですから。
 ついでに?、ゲームでは、武器も敵にしか効果を及ばせないものになったの
 でした。位置取りや、武器の振り回しをきちんとしないと味方を殺してしまう
 ことになり、それに気を遣うようじゃゲームにならないというのが理由でしょう。
 この本では、一応考えられてはいますが、まだ抜けています。
 当たらなかった遠隔武器・魔法の行方です。取り囲んで戦う場面では、投擲
 武器や、弓矢、魔法は当たらなかった時こそ危ないのです。

武器のメンテナンス
 使った後のメンテナンスは省けないのです。
 時代劇が、刀などの虚像を広げてしまいました。時代劇では暗黙の了解で
 見ているのがほとんどですが、世界に広げちゃうと違和感がタップリです。

  1:切った後、武器を振るえば、血糊が取れる:紙や布で拭うことが必須です。
   そのまま収納してしまったら、血糊で抜けなくなります。包丁を使ったことが
   ある方なら、振った、水や熱水を掛けただけでは、汚れが取れないことは
   ご存じでしょう。スシを手作りする場合、濡れた布巾で汚れ=油を落とし
   ながらでないとスシネタを切り続けられないこともご存じでしょう。

  2:刀で切っても、打ち合っても曲がらない、刃こぼれしない:
   人を一人でも切ったら、よほどの名人であっても曲がる、骨に当たったら
   刃こぼれするそうです。刃で打ち合ったら確実に刃こぼれし、戦闘中すぐ
   にも折れるのです。現代に残る名刀で半分の長さになったのがあるのも
   当然の結果なのです。基本、刀は戦場の主武具にはならないってことに。
   塚原卜伝の水を張った盥に刀を一杯浸けておいて戦ったという話は実話か
   どうかはともかく多人数相手は、こうしなければいけないということなのです。
   (血は水に溶けます。油脂は残ってしまいますが、用意した刀の数以上の敵が
    襲ってきた場合は、とりあえずの処置ってことです。)

  3:人を切っても返り血を浴びない
   そもそも、血がドビューと飛ぶというのは時代劇が作りました。
   ニワトリの首を落とすというのは少年時に結構やらされました。血が出ますが、
   ドクドクという感じです。飛びません。人間も同じ動物ですから、それほどの
   違いは無いと思います。現代の殺人場面でも、壁への飛び血は少ないよう
   ですからドビューは無いでしょう。
   向き合って切って、元に戻って対峙したままなら、相手も動きますから、その
   動作で血が飛ぶことになり、結局、血を浴びることになります。血を浴びない
   ためには、一刀で切り捨てて離れるということを繰り返し続けることです。

数千年以上を経たオートマタが動く
 全部が金属なら可能かもですが、絶縁体のための合成繊維無しで作れるかは、
 かなり疑問です。カーボン繊維で何かできるかもですが、カーボンには核分裂
 する同位体があり、これを除く技術は未だありません。核分裂すということは、
 カーボン繊維を維持できなくなるってことです。
 ふぁんたじーでは、ここは手抜きでいいかもです。
 核分裂物資が存続して発電を続けていては、かなりまずいかもです。
 レールガンが登場しますが、現在では、電力の関係で連発できず、レールも
 1発撃てば補修しないと使えず、数発撃てば使えなくなる消耗品です。
 将来は使えるって事でいいでしょう。

機械?仕掛けの鳩時計
 歯車が木製って無茶設定です。機械仕掛けなら、ゼンマイ近くの歯車は金属で
 ないと持ちません。その前に、木は伸びる方向と太る方向=年輪を重ねる方向が
 あります。チークや樫などのオモチャに使うような堅い木はともかく、日本にある
 木材のほとんどはどんな板にしようが幼児でも簡単に割る・折ることができます。
 要は年輪間が育ちが早いだけにもろいのです。木製でもいいですけど、小さい
 のはだめなのです。(木製時計というのがありますが、外側が木というだけです。
 中身はしっかり金属ないし、合成樹脂です。)
 以前のブログでも触れましたが時代の違いですね。時計に機械仕掛けの雰囲気が
 ありません。機械仕掛けは、振り子かテンプルで定時性を維持しますからチクタクと
 表現される音が出ます。(機械式腕時計の壊れたのがあれば、開けて見て下さい。
 テンプルを使っています。)
 機械仕掛けの鳩時計は、ほとんどが振り子が付きものです。テンプルだけでは、
 鳩を動かせないのが理由でしょう。
 挿絵にも振り子がありませんから、デジタル+電動が一般認識になってしまった
 ようです。
 電気式時計でも、振り子かテンプルの定時性を使うのものが多分全部だったので、
 小さい音ながらチクタクします。

ノコギリのこと
 現代のノコギリは、結構メンテナンスをサボっても切れます。とりあえずの昭和40年
 代までのノコギリは、頻繁なメンテナンスが必要でした。父親もノコギリ屋だった兄も、
 使った後は、必ず、トンカチで目立ての修正を行い、ヤスリでノコの歯を研いで
 いました。鉄や、鉄鋼・鋼鉄程度の素材なら、メンテナンスが必須なのです。

ブーメラン
 ゲームではドラゴンクエストが採用しています。敵の多人数に当たっても戻ってくる
 という無茶仕様です。摩擦ゼロってことになります。ゲームでは受け止めるのは絶対
 無理だろうというような外側が全部刃の円月輪や、ペンタクルスなど戻るの無理だろ
 うというのも一杯登場します。
 基本のブーメランだけで、当たったら戻れないか戻り位置が変わるという形で採用
 されていますが、刃付きのブーメランですから、当たっても戻り位置が変わって戻る
 というのは危険すぎです。戻るコースに誰かがいたら、ぶっ飛ばさないと助けられな
 いし、戻るコースに複数いたら助けられません。
 刃付きのブーメランは、オートマタだけが扱えるというのは納得です。
 回転して飛んでくる刃物を素手で受け止めるのって、人には無理スジですから。
 まあ、忍者なら可能ってファンタジーも。

翼の帰る処上・下 妹尾ゆふ子著 幻冬舎コミックス

2020-01-15 10:40:10 | 本と雑誌
2013年2月出版の本で、次の5巻上下もあり、今更なのですが。

買って読み始めて、理由が何かは忘れましたが、放置していました。

さて、読み直し始めての今更のコメントです。

1:本文相当は、主人公などのキャラクター視点でお話が進行していきますが、
  通常なら「私」となるところを、名前の表記にしています。
  (私小説形式でも、架空の第三者視点でもないのが当時は新しかったかも)

  その名前が出てくることで、誰の視点かがわかる仕組みです。ただし、主
  キャラ以外の発言もありますから、誰の視点かは、場面転換時は、必ず、
  最初に考えないといけないことがらになっています。
  見方を替えると、幼女や少女の数人が「私」と言うところに「自分の名前」
  を言うあれです。

2:場面記述は、言ってみれば、劇場で中心になるべき役者に光があたり、その
  役者の行動・考慮・発言が記述され、その後、順々に、別のキャラに光があ
  たっていき、行動・発言をする感じです。第三者視点は無いので、主キャラ
  以外のキャラの考慮はあり得ないのです。場所の説明は、後回しが多いです。
  よって、イメージしながらの読書は、まず、不可能です。

  最初の登場人物は、もちろん、場所も登場人物もわからない状態で開始され
  少しづつわかってくるという形式ですから、すごく辛いです。

3:初めて、神らしき存在が登場します。世界を作った邪神(唯一神)と呼ばれる
  母神の堕天後の神は対で生まれるとします。例えばオルムスト、ターンで、
  ここに隠れているのは、シュラヤらしいですが、対の神は不明なまま。
  (ともかく、神様は一杯いるようです・・・)
  全知かもだけど、絶対に全能とは言えそうに無い神で、異世界から渡って
  きたらしい魔王どころか、魔王配下の魔物からも逃げ回る立場なようです。
  帝王の龍声や、小鬼の転移魔法などのほうが、よっぽど強力かもです。
  このような設定では、魔王に勝てる存在は無理・・・

4:唯一神が作った世界ですから、会話が、精霊や亜人も含めて共通というのは、
  正解です。魔王と魔物は別世界のものだそうなので、別言語でしょう。
  さて、神は話すだけだから、文字を作ったのは、人間というのは、当然良い
  でしょう。古代文字があるというのもいいんですが、発音がわからないみた
  いなのはいただけません。(漢字も時代で変化してきています)。
  神か精霊かなんかが石版に文字を残すってありますが、実在の神なら、自動
  でしゃべる物残せって言わせて。

  さて、ユダヤ教では神が十戒を石版に彫り込んだことになってました。
  ユダヤの神だから、多分ヘブライ語で語り、ヘブライ文字で掘ったって理解
  でいいのかな。

5:さて、神が隠れた場所には、普通に行けるのに、日数が掛かるからという
  理由なのか、瞬間移動が使える亜人を見つけに行く話になっています。
  探しに行く前に、「番人」の老人は、なんと、地上経由で、しかも一人で
  行き、主人公達より先に着いているのであります。水も食料も持ってです。

  探しに行く先は、地下の遺跡・迷宮みたいな場所です。そこに小鬼がいる
  (この小鬼は世界のどこにでも多人数を一瞬で転送できるという超能力者
   なのです。行ったことの無い場所にも送れるっぽい?)
   問題1:なぜ、そこにいけば、小鬼に会えるとわかっていたか。
    答え:預言者が、そこで会ったという未来を見たことがあるから。
   問題2:預言者は、そこに言ったことがあるか。
    答え:無い。単に行った未来を見たから。
   問題3:そこへ行く途中では、モンスター、幽霊などとの戦闘が必須。
       罠もある。戦闘での負傷者だけでなく、死者もでたっぽい?
       なんで、そんなとこへ、わざわざ行くの。
       さらに、単独行動の小鬼がなぜ、そんな場所の先にいられるの。
    答え:多分、話がおもしろいと思った。亜人のことは考えなかった?
   問題4:小鬼が、神の居場所に転送できると知っていたのか。
    答え:預言者が、送られた未来を見たから。
   問題5:預言者は、ヤエトを「救い主」と呼びますが、巻4でも
      「救い主」相当の功績はありませんし、神の居場所にいる魔物
       から逃げようという時点で預言者は退場します。
       預言者は、自分が見る未来しか見られないことになっています。
    答え:「救い主」と呼ぶのは神らしい。ただし何を救うのかは、不明
       のママ。

6:迷宮図書館の入り口では、番人が、問答を仕掛け、うまく答えられないと
  入れない。
  問答は、神のものらしいです。でも、この番人は、神とは通じ合えない
  らしい。設定が変です。

7:索引を引く方法を知るものが調べれば、とけない謎はない。
  ある文化が、ある名称の概念や物を作り出すとして、それも索引に載って
  いるなら、いやはやです。
  神が作っているわけではないそうですから、神では無いが「全知の何か」が
  いると。悪魔の名前を書くようでもありますから、その名前を、こっちの
  世界の読み方で読んでも悪魔にはちゃんと通じると。
  (これって、無理じゃ無かったか?ミカエルがミハイルとかミッシェルとか
   マイケルとかになる世界もあるんだから)

8:番人の才能というか特殊能力はすごいです。後継者がいないようですけど
  いいのか?まだ、神は存在しているよ?
  番人は、教会とは独立の存在みたいなのも、なんかなんだが。

9:雪鳩は、転移先からでも、帰れるようです。伝書鳩より有能です。
  自分が、世界の・大陸のどこにいるのかを認識できているって事ですから。
  役立てるまでは、籠や小屋に閉じ込めて水もエサも世話してやらないといけ
  ないのです。放鳥したら、どこかに行くか、帰って行っちゃうのです。
  長く飼いすぎると帰れなくなります。伝書鳩での限界は1年程度かな。

10:P196:王から預かった書き付けが出てきます。
  これ誰が・何がもってきたんでしょうか。まだ、到着した人間はいません。
  雪鳩が持ってくると言うのは、無茶です。ハリーポッターに出てくる連絡用
  の鳥ならいいんです。逃亡中の人にも届けられるという優れものですから。

11:鳥の搬送可能重量のこと:
  大人二人を乗せて飛べるとしています。通常の鳥は、進化して飛べるように
  なったわけなので、エサの重量までしか運べません。
  神が作った鳥なので、トンデモ機能でも良いのですが、ラノベに多い、
  魔法で飛んでいるという方が説得力があります。

12:P251:難民受け入れの話
  現世の難民キャンプを参考にして欲しかったです。
  「土地が痩せているから、大人数を受け入れられない」:農業って
  植えて食えるようになるまでに早い葉物野菜でも100日は、用します。
  開墾からとすると、さらに日数が増えます。つまり、100日以上の水や
  食料x人数分の補給を続ける体制が、まずは必要なのです。
  余剰物資の無い世界では、難民に食べさせるというのは、自分たちの食べる
  分を減らす=自分たちも飢えるですから、少なくとも他国からの難民は入れ
  るな殺せという非情な世界になりがちです。

13:P291(3節):階段を降りていった:~レイランド退場
  P295(4節):(場面変わって、皇妹がやってきた後)
         レイランドを手招きした。
   レイランドいつ来たの、場面変わってるからいいのかみたいな。

14:魔物を呼ぶのに、女の体というか、こどもの形を取る必要性ってなかった
  ように思うんだけど。
  この魔物の名前が、図書館の索引にすでに出ているって、少し無茶では。


 この本は、最初は、別の社から宣伝が出ていまして、上巻はそちらの方でも
発売されたかと。なんか、どたばたがあったようで、その後、上下ともに
幻冬舎から発売されました。ただし、タイトルにコミックスとありますから、
急ぎの間に合わせでしょう。でも、5巻もコミックスですね。