あい
2010年03月13日 | 詩
flowerさんへ
吸い込まれそうな青い空に桜が舞い、人々は大きな木の下に集った。
ふだんの憂鬱顔や不平不満顔が鳴りを潜め、みな口元には笑みを浮かべていた。
みな一人ひとりと目と目を交わして挨拶をした。
言葉はいらなかった。
ときおり強い風が吹いて、梢がざわざわと揺れた。
誰かがおおきな敷物を敷いて、誰かが一升瓶と紙コップを取り出した。
みなが坐ると、誰かが重箱にたっぷり詰められたご馳走を座の真ん中にでんと置いた。
一言の挨拶もないまま、みなで乾杯した。
めいめいが、風に舞う花びらをぼんやり眺めたり、酒のお代わりをしたり、ご馳走に箸をつけたりしていた。
肩を組み合う必要もなく、歌を歌う必要もなく、ただ顔を赤くして円座になって坐っていた。
空にはトンビが旋回し、ご馳走を狙っていた。
それをみなで目配せで知ると、みなは一斉に笑った。
その大きな木はみなの座の上にのびのびと腕を広げていた。
誰かがその太い幹に両手を回して頬ずりをした。
するとみなも真似をして、両手を回して頬ずりをした。
そのうちに日も暮れかけ、みなは静かに立ち上がり、ゴミを片付け、めいめいの方向へ立ち去った。
吸い込まれそうな青い空に桜が舞い、人々は大きな木の下に集った。
ふだんの憂鬱顔や不平不満顔が鳴りを潜め、みな口元には笑みを浮かべていた。
みな一人ひとりと目と目を交わして挨拶をした。
言葉はいらなかった。
ときおり強い風が吹いて、梢がざわざわと揺れた。
誰かがおおきな敷物を敷いて、誰かが一升瓶と紙コップを取り出した。
みなが坐ると、誰かが重箱にたっぷり詰められたご馳走を座の真ん中にでんと置いた。
一言の挨拶もないまま、みなで乾杯した。
めいめいが、風に舞う花びらをぼんやり眺めたり、酒のお代わりをしたり、ご馳走に箸をつけたりしていた。
肩を組み合う必要もなく、歌を歌う必要もなく、ただ顔を赤くして円座になって坐っていた。
空にはトンビが旋回し、ご馳走を狙っていた。
それをみなで目配せで知ると、みなは一斉に笑った。
その大きな木はみなの座の上にのびのびと腕を広げていた。
誰かがその太い幹に両手を回して頬ずりをした。
するとみなも真似をして、両手を回して頬ずりをした。
そのうちに日も暮れかけ、みなは静かに立ち上がり、ゴミを片付け、めいめいの方向へ立ち去った。