風に吹かれすぎて

今日はどんな風が吹いているのでしょうか

身を引く

2010年03月02日 | 雑感
今日も花曇って感じの灰色の空です。
今週末頃にゆり戻して少し寒くなるみたいですが。

証券会社に勤めている知人といろいろ話したのですが、日本の経済がかつてのような勢いを取り戻すことはありえなさそうです。
文化度の高い経済二流国という選択をすれば生き残れるような気もしますが、さて、どうでしょうか。

まず金融のグローバリズム化という名のもと、投機的なファンドマネーが世界中を食い荒らしては去っていきます。
そのお金は、企業を育成したりとか、人々の暮らしの豊かさに貢献するとかいうことには一切興味を持ちません。
株価を操作し、売っても買っても儲かる仕組みを最大限に利用し、市場が暴落すれば優良企業を買い漁るだけです。
人々の国や銀行に預けた貯蓄や保険料なども形を変えてはそのようなファンドに流れていくから、始末におえません。
実業が全うに育ち伸びる環境も条件もこれからますます無くなっていきそうです。
なにせ日本国内に豊潤に蓄えられた資産が、実業の世界に流れない仕組みが完成しつつあります。

いったんグローバル経済に組み込まれたら、これはやばいぞと気がついたどこかの国が一国だけで抜け出せるような仕組みではありません。
株価も為替も市況もすべては連動しますから、抜け出すに抜け出せないようになっているのです。
オバマ政権があれだけ批判を浴びたにもかかわらず、金融業界に天文学的な資金を注入したのは、一つの金融機関を潰すと、
連鎖的に世界中に甚大な被害を及ぼすからです。
今の金融商品というのがそういう仕組みになっているのです。
EUがギリシャの破綻財政を救わざるを得ないのも、同様のことです。

こういう時は、こういう時なのだとその目的やら方向性を見極めてさえいれば、儲けようと思えば儲けられます。
これからは穀物と中心とした食料と、金属、資源関係が高騰するはずです。
で、日本は資源がありませんし、食料は輸入頼みです。
外国人参政権法案とか、人権擁護法案とか、日本人にとってないがいいのかさっぱり分からないわけの分からない法案を、
民主党は数の威を借りて密やかに通そうとしていますが、もうそんなのが通ったら日本という国は解体完了です。
どこかの国の国是どおりなんでしょう。

で、たしかにグローバリズムを推し進めるに当っては、今後は日本という国は邪魔な存在でしかないかもしれません。
天皇という歴史上最古の歴史を誇る象徴君主を抱いた、英語すらまともに通じない国。
アメリカが中国と組むとしたら、日本は邪魔なだけでしょう。
それだけではなく、このまま経済が落ち込んで、日本の購買力が落ち続ければ、どの国からも日本の存在感は薄れていきます。

でも、それならそれでいいとぼくは思うのです。
そうしたら、慎ましく、自然とともに、ささやかな日常を最大限に楽しめばいいだけなのだと思います。
100年ほど昔の日本に帰るだけです。
世界中が経済戦争を繰り広げ続けるでしょうが、日本はひっそり身を引けばいいのです。
今の暴力的なファンドマネーに太刀打ちできる人も、企業も、国もありません。
アメリカの現状をまっすぐ見据えれば、自ら生んだ鬼子に、自らが食い荒らされた図です。

無益な戦からは身を引く。
豊かな自然というのが何よりも尊い資源なのだということを淡々と実践すれば、日本は生き残るし、人々の幸福感も増すでしょう。
夢物語みたいな話ですが、今の経済戦争にこれからも勝てると思っていると、立ち直れないほど叩きのめされるだろうとぼくは思います。
相手は独走だけを目的とした怪物です。
すっと身を引くということのできるのも、日本人だとぼくは思いたいです。