Photo by Chishima, J.
(エゾエンゴサク 2008年4月 北海道十勝郡浦幌町)
(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん)
雪こそ消えたものの、まだ草枯れ木色の4月の林に足を踏み入れると、地面に色とりどりの花が咲いて、まるでお花畑のようになっていることがあります。アズマイチゲの白、キバナノアマナの黄色などにくわえ、ひときわ目を引くのが紫色や青色の、筒みたいな花を、茎の上の方にいくつも咲かせるエゾエンゴサクです。
これらは、日当たりの良い早春の林の下で一斉に花を咲かせ、夏には葉や茎といった地上部分を枯らして、地中で休眠状態に入る「春植物」といわれる植物たちです。春の一時期のみ姿を現すことから、英語で「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれます。
エゾエンゴサクの花粉を運ぶのは主に昆虫。マルハナバチの仲間をはじめ、多くの虫が花を訪れます。
毒のあるケシの仲間には珍しく食用となり、花付きでサッと茹でて、おひたしやゴマ和え、酢の物などにします。
(2015年4月14日 千嶋 淳)
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