鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

十勝の自然8 エゾエンゴサク

2015-05-12 15:46:32 | 自然(全般・鳥、海獣以外)

Photo by Chishima, J.
エゾエンゴサク 2008年4月 北海道十勝郡浦幌町)


(FM JAGAの番組 KACHITTO(月-木 7:00~9:00)のコーナー「十勝の自然」DJ高木公平さん)


 雪こそ消えたものの、まだ草枯れ木色の4月の林に足を踏み入れると、地面に色とりどりの花が咲いて、まるでお花畑のようになっていることがあります。アズマイチゲの白、キバナノアマナの黄色などにくわえ、ひときわ目を引くのが紫色や青色の、筒みたいな花を、茎の上の方にいくつも咲かせるエゾエンゴサクです。
 これらは、日当たりの良い早春の林の下で一斉に花を咲かせ、夏には葉や茎といった地上部分を枯らして、地中で休眠状態に入る「春植物」といわれる植物たちです。春の一時期のみ姿を現すことから、英語で「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれます。
 エゾエンゴサクの花粉を運ぶのは主に昆虫。マルハナバチの仲間をはじめ、多くの虫が花を訪れます。
 毒のあるケシの仲間には珍しく食用となり、花付きでサッと茹でて、おひたしやゴマ和え、酢の物などにします。


(2015年4月14日   千嶋 淳)

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