鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

またか、もうウンザリだ

2008-05-18 21:31:21 | 海鳥
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All Photos by Chishima,J.
シロカモメ・第1回夏羽 以下すべて 2008年5月 北海道中川郡豊頃町)


 政治家の汚職や官庁の談合の類ではない(無論、それらにもウンザリではあるが)。釣り糸や漁網に絡んで衰弱する海鳥の多さを先般書いたばかりだが、その舌の根も乾かぬ内にまたそうした海鳥に出会ってしまった。場所は渡り途中のカモメ類で賑わう河口。被害者はシロカモメの幼鳥(第1回夏羽)。
 午後の河口で砂浜に憩う、また周辺を舞うカモメ類を観察していたが、1羽のシロカモメの幼鳥が、私の接近にも臆さず砂浜にじっと座っていたので、「愛想の良い個体だなぁ」とありがたく撮影させてもらっていた。しばらく後、立ち上がったシロカモメは脚の辺りを嘴でつつき始めた。不審に思って双眼鏡を覗いた次の瞬間、口をついて出たのは、「またかよ…」の一言だった。脚には釣り糸がぐるりと絡んで、それが気になるらしく、つついていたのだ。当然、複雑に絡んだ糸はそれくらいで取れる筈もなく、少しばかりの空しい抵抗の後、シロカモメは再び座り込んでしまった。座っていたのも、警戒心の薄さも、衰弱の裏返しということだろう。


被害者(シロカモメ・第1回夏羽)

立ち上がった。
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しきりに脚を気にしている。
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拡大写真。釣り糸が双方の脚に、複雑に絡まっている。
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 この日の午前、付近の別の海岸で、左脚の先端部が欠損したウミネコの成鳥にも出会っている。こちらも釣り糸やテグスが巻きついて当該部分を圧迫し、落ちてしまったものと思われる。去年の9月に、同様に左脚先端の無いウミネコを見た場所から数㎞の距離なので、もしかしたら同じ個体なのかもしれない。嘴や脚の黄色が鮮やかさを増し、眼瞼の赤も艶やかな繁殖期の羽衣を纏った彼(女?)は無事に繁殖できるだろうか?


左脚の先端を失ったウミネコ・成鳥
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 人間の身勝手さが、水鳥たちの生存を危機に晒すような愚行は、断じて繰り返されてはならない。


シロカモメ・若鳥の諸相

第1回夏羽。虹彩は暗色。大きな魚を飲み込もうと悪戦苦闘中。
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第2回夏羽。上に似るが虹彩は明るく、白さも増している。
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第3回以降の夏羽(右)。上面の淡い灰色も出て一見成鳥のようだが、嘴がまだ若鳥のもの。左はオオセグロカモメの亜成鳥(第3回夏羽?)。
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注意(オオセグロカモメ・若鳥)
全身白っぽく、シロカモメのようだがこちらはオオセグロカモメの若鳥(第1回夏羽?)。著しく磨滅した個体がこのように白くなって、シロカモメと間違えられることがあるが、諸特徴はやはりオオセグロ。
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釣り糸・漁網による水鳥の被害については、
「身勝手の犠牲者」
「氷山の一角」
の記事も参照。


(2008年5月18日   千嶋 淳)


発掘された珍鳥‐十勝地方からのボナパルトカモメ初記録

2008-05-17 18:12:35 | 海鳥
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All Photos by Chishima,J.
ボナパルトカモメの第1回冬羽/夏羽 2007年5月 北海道中川郡豊頃町)


 ボナパルトカモメ Larus philadelphia は、アラスカからカナダにかけての北米で繁殖し、冬はアメリカから中米、南米の一部まで渡る小型のカモメである。日本ではきわめて稀な迷鳥で、1985年12月に茨城県那珂湊市で観察されたのが初記録である。その後同一と考えられる個体が、神奈川県多摩川河口で翌年2月まで観察された。多摩川河口では1987年4月にも記録があり、同年5月には北海道白老郡でも観察されており、尾羽の特徴から同一個体の可能性が指摘されている。茨城県と最初の多摩川の記録、2回目の多摩川と北海道の記録はそれぞれ同一個体と思われるため、国内では2例の渡来記録があると考えるのが妥当であろう。
 本種の第1回冬羽/夏羽と考えられる個体1羽を、2007年5月10日、北海道十勝地方の沿岸部で観察した(冒頭の写真)。場所は中川郡豊頃町大津の大津漁港西側の海岸(北緯42度40分15秒、東経143度37分57秒)である。当日の天気は曇りで、砂浜にはオオセグロカモメやカモメが多数(100羽以上)集まり、また波打ち際近くをユリカモメやカモメが次から次に飛んで行き、その一部は汀線近くで採餌していた。ボナパルトカモメと考えられる個体は、波打ち際付近を飛翔しているのが観察・撮影されており、砂浜ほか地上への降下は確認していない。
 本個体をユリカモメではなく、ボナパルトカモメと考えた理由は以下の通りである。①嘴が細く、また黒い。②初列風切の下面は先端(黒)と、外側数枚の外弁(灰色)を除いて白く、この部分が黒いユリカモメとは異なる。③初列雨覆の外弁に明瞭な黒色部がある(この特徴は、たとえば「The Sibley’s Guide to Birds」等にも示されている)。ボナパルトカモメは全長28~30㎝と、ユリカモメ(同38~44㎝)と比べてかなり小型であるはずだが、現地で認識していなかったため、明瞭な記憶は無い。
 大きさが未確認なものの、上記特徴から本個体はボナパルトカモメであると考えられ、日本では20年ぶり3例目の記録であろう(未発表記録が存在する可能性はあるが)。移動期のユリカモメやカモメと一緒に観察されたこと、87年にも関東と北海道で同一と考えられる個体が観察されていることから、本個体も国内あるいは周辺のどこかで越冬していた可能性がある。


ユリカモメ(第1回夏羽)の飛翔
以下すべて2008年5月 北海道中川郡豊頃町
初列風切下面の黒色ほか、嘴や初列雨覆など冒頭の写真との違いに注目。
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                   *

 ここまで読まれた方は、「2007年?2008年の間違いか?」、あるいは「なぜ今頃?」とお思いかもしれない。何のことは無い。記録は正真正銘の2007年だが、存在に気付いたのが一月余り前なのである。
 4月初め、世間はやれ入学式だ、やれ新入社員だと騒いでいる頃、一向に終わりの見えない年度末の仕事に取り組んでいた私は、一種の現実逃避としてハードディスクに溜まった写真を、あてもなく眺めていた(そんなことばかりしているから一向に終わりが見えないのだという、すごく的を射た非難は、この際無視しておく)。
 ちょうど一年前あたりから見始めたストックは、「こんなのもあったナ」という一抹の感傷が潤滑油となり、いつの間にか5月になっていた(早く仕事をしろ、というありがたい忠告も、この際置いておく)。そして5月10日、薄暗い曇りの日ながら、カモメ類の画像が沢山出てきた。おぼろげな記憶の糸を手繰り寄せる。あぁ、そうだった。海岸にいつになく多くのカモメ類が集まってたんだ。で、波打ち際にもユリカモメとかがひっきりなしに飛んでたっけ。それらを適当に撮っておいたのはいいが、その後の忙しさに感けて整理してなかったなぁ。
 冒頭の写真に行き当たり、はたと違和感を覚えた。「このユリカモメ、変でしょ」。同日に撮影した別のユリカモメの画像を開き、見比べる。と、よく似てはいるが嘴や翼下面の違いを見出した。「別種?」。なんか初列の下面が白い近縁種がいたような、うろ覚えの記憶とともに図鑑を当たる。頁を繰る手が徐々に震えるのを感じた。「どうやら、大変なモノを見ちまったみたいだ…」。しかし、こちとらボナパルトカモメなるものを見たことがない。何しろ子供の頃、「野鳥」誌で国内初記録の記事を見たのと、その後のフィールドガイドの改訂版で新たに掲載された種というくらいの記憶しかないのだから。北米では稀ならぬ鳥らしいので、その方面の図鑑やサイトを眺め、更に数人の友人・知人にも意見を求め、ボナパルトであろうとの結論に達した。


ユリカモメ(成鳥夏羽)の飛翔
やはり初列風切下面の黒色部は顕著。
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 きわめて稀な迷鳥に出会え、一年近く後とは言え自ら同定のスリリングな過程を楽しめたのは勿論嬉しいのだが、反面、現地で気付けなかった情けなさ、気付いていればもう少しマシな写真が撮れたかもしれないという悔しさもあり、複雑な心持ちである。

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 先週末、その多くが黒い頭巾の夏羽に衣替えしたユリカモメの一群が、長い旅の途上、河口に降り立った。昨年のボナパルト出現時期と重なったこともあって、降りている個体は目を皿のようにして粗を探し、飛翔個体は片っぱしから撮影してパソコンの画面上で拡大して確認したが、すべてユリカモメであった。やはり、アレは相当の幸運、云わば宝くじに当たったようなものだったようだ。


羽を休めるユリカモメ(左:成鳥夏羽、右:第1回夏羽)
第1回夏羽の個体は、雨覆、三列風切等に幼羽を残し、頭の黒もゴマ塩状で不明瞭。
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 珍鳥こそ出なかったものの、国内ではごく短い時期しか見ることのできない、夏羽のユリカモメたちが、賑やかに鳴き交わしては水面に飛び込んで餌を取り、あるいは汀に羽を休め、時にデイスプレイのような行動を示して遠い北の繁殖地を彷彿とさせるのを日がな一日眺めているのは、実に楽しいものであった。また、ちょうど移動期に重なったようで他のカモメ類の姿も多く、まるで飽きることの無い、充実した時間であった。


河口の水面に群がる(ユリカモメ・ウミネコ・カモメ
小~中型のカモメ類が群がり、水面に飛び込んでは何かの稚魚らしいものを捕えていた。
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ディスプレイの片鱗?(ユリカモメ・成鳥夏羽)
手前にいる4羽のうち、最手前の個体は「前進の姿勢」を示している。これはディスプレイ、攻撃のいずれにも用いられる基本的な姿勢。右側の2羽はペアなのか、鳴き交わしている。
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 3日後、河口にはオオセグロカモメの若鳥軍団はまだ多数残っていたが、あれほどいたユリカモメの姿は殆ど消えていた。北上は着実に進行しているようだ。
 ナポレオンの甥の鳥類学者に献名された北米産の小さなカモメに、再び出会える日は来るだろうか?


ユリカモメ・成鳥夏羽
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飛び立ち(ユリカモメ・成鳥夏羽)
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(2008年5月17日   千嶋 淳)


北帰行

2008-05-12 01:48:41 | 水鳥(カモ・海鳥以外)
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All Photos by Chishima,J.
編隊を組んで飛翔するマガン 2008年5月 北海道十勝郡浦幌町)


 5月1日、海岸近くでの用事に託け、少しだけ早く家を出た。そろそろ渡りのシギ・チドリが舞い降りているのではないかとの目論見と共に。午前8時、晴れ渡って暑くなりそうな内陸部とは異なり、靄が掛かって涼しそうな海岸に到達せんとした時、やや高空に無数の豆粒がV字型の編隊を作って飛んでいるのを認めた。「マガンだっ!」。慌てて路傍に車を停め、飛び出す。「カハン、カハハン」。数多の甲高い声が、唖然として立ち尽くす私の耳元に降り注ぐ。「元気でな。9月にまた会おうな。」。届くはずもないエールを送りつつ目頭を熱くする男を尻目に、300羽強の編隊は一路東の空に溶けていった。

一路東へ!(マガン
2008年5月 北海道十勝郡浦幌町
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 結局その後一時間ほどの間に、周辺では数十から数百のマガンの群れが幾つも幾つも、遠く近く、また低く高く、V字や鍵型の編隊を組みながら、東を目指して飛び去って行った。4月から5月という暦の変わり目、数日ぶりの好天、程好く強い南寄りの風…、そうした要素が丁度、ガンたちに都合良く重なったのだろう。2ヶ月近くに渡って中継地の十勝平野に滞在したマガンは、この朝概ね去ったように感じた。


高空を飛ぶマガンの群れ
2008年5月 北海道十勝郡浦幌町
数十年前まで子供達に「鍵になれ、竿になれ」と謳われた雁行も、今では限られた場所でしか見られなくなってしまった。
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 4月下旬の晴れた日に、縁あって知床半島の沖で船に乗った時、海上を飛翔する本種の群れを二つ見かけた。いずれも40~60羽程の規模で、一つは高空をV字に、もう一つは海上すれすれを一列になって北東に向かっていた。朝早く十勝を飛び立ったマガンも、上手いこと風に乗って早々と知床や根室の先まで達せば、そこから海上に出て一気にオホーツク海や千島列島を北上し、遥かなる極北の繁殖地を目指すのだろうか。そんな身震いするような想像を搔き立てられた朝だった。


海上を渡るマガン
2008年4月 北海道知床半島羅臼沖
小さいが、画面の中央を一列になって飛んでゆく。背後は国後島。
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マガン
2007年4月 北海道広尾郡大樹町
全国的な個体数の回復と同期して、十勝地方でも渡来数は大幅に増加した(「増えたマガン」の記事参照)。
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 ガンたちの北帰行を見送った後、ノビタキの爽やかな囀りが心地良い海岸で、遅い朝の光に射られた3羽のチュウシャクシギに出会う。


チュウシャクシギ
2008年5月 北海道中川郡豊頃町
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(2008年5月10日   千嶋 淳)


氷山の一角

2008-05-09 22:32:12 | カモ類
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All Photos by Chishima,J.
ビロードキンクロのオス・若鳥 2008年4月 北海道浦河郡浦河町)


 10日ほど前、用事があって浦河まで出かけた。天馬街道の頂上部では湿った雪も舞っていたが、日高側を下り始めてじきに、冬枯れて褐色の山腹の所々を彩るキタコブシの白やエゾヤマザクラの淡紅の花に、今春のスピードの速さを実感しながらの道中であった。到着後、少し時間ができたので、港を覗いてみた。港は思いのほか大きく、冬は海ガモ類をはじめ海鳥で賑わいそうだったが、時既に遅く、少数のスズガモやカモメ類が残っている程度だった。そんな中、見落としてしまいそうなくらい岸壁の真下に浮いていた1羽のカモは、ビロードキンクロであった。一見メスぽいが、嘴に赤や黄色の部分が出かけて来て、顔も黒色みを帯びていることからオス若鳥のようだ。
 あまり多い鳥ではなく、至近距離で観察する機会は更に少ないので、しばらく観察・撮影を楽しんだが、何か腑に落ちない気配を察していた。擬人的な言い方をするなら、覇気が無いもしくは血色が悪い感じで、どこか不自然なのである。右側をこちらに見せていた体を反転させ、左側面を見せた瞬間、思わず「あっ」と声が出た。左翼の、風切羽が不自然に磨滅してほぼ羽軸だけになっているか、欠落しているのである。ビロードキンクロもその部位が気になるようで、しきりに羽づくろいを施している。しばしの羽づくろい後に羽ばたいて両翼を開くと、左右の風切のギャップは、より明白になった。


不自然な左翼(ビロードキンクロ・オス若鳥)
2008年4月 北海道浦河郡浦河町
著しく欠損した風切を気にしている。
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羽ばたき(ビロードキンクロ・オス若鳥)
2008年4月 北海道浦河郡浦河町
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 極度の磨滅で風切羽がほぼ羽軸だけになっていることや換羽でごそっと抜けて欠落していることはあるが、その場合、左右対称に進行しているはずであり、これはどう考えても何らかの事故によるものであろう。その事故は、例えば猛禽類に襲われたものの脱出して九死に一生を得たということも考えられるが、体の他の部分に目立った外傷も無く、左翼だけが傷んでいることを考慮すると、どうもこの部分に釣り糸や漁網が絡んだのではないかと推測される。
 その数日後、今度は地元十勝の漁港で、鮮やかな夏羽が多くなってきたハマシギやトウネンを観察していると、目の前に1羽の大型水鳥がぬっと浮上した。これが何とアビである。先日、岸近くで観察できて喜んだ海鳥であるが、今度の近さはその比でない。呆気に取られながらも数枚の写真を撮影している間に、アビは離れていった。そういえば、この港では少し前に釣り糸に絡まったアビが観察・撮影されている。もしかしてその個体か。


目の前に浮上してきたアビ
2008年4月 北海道中川郡豊頃町
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 シギの観察をひとしきり終え、気になったのでアビの姿を探すと、港内の砂浜部分に上陸していた。先ほどの近さと言い、上陸と言い、常態ではまず考えられない。身を低くして接近すると、かなり寄ることができた。やはり衰弱しているようだ。そして、胸部から腹部にかけて釣り糸もしくは漁網のようなものが絡まっていた。


上陸中のアビ
2008年4月 北海道中川郡豊頃町
写真ではわかりづらいが、胸から腹にかけて釣り糸か漁網が絡んでいる。繁殖期以外にアビ類が上陸するのは、衰弱したか余程海が荒れた時以外にまず無い。
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 もう少しで保護・収容かという距離まで近付くと、さすがに地面を這いずって海に入った。遊泳には特に問題無いようだが、頻繁な羽ばたきとその間の羽づくろいは先日のビロードキンクロと共通している。鳥にとって羽毛がライフラインとしていかに重要で、その損傷が鳥にとって物理的・心理的圧迫になっているかを物語っている。


頻繁な羽ばたき(アビ
2008年4月 北海道中川郡豊頃町
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 この港では、3月にもおそらく刺し網の漁網が胸に絡み、というか網の目自体に胴体が刺さり、衰弱して上陸していたクロガモを観察している。このように弱って人間の目に触れる個体は、実際に被害に遭っている鳥のごく一部でしかないと考えられる。にも関わらず、昨秋の「身勝手の犠牲者」以降も、釣具や漁具に絡んで負傷・衰弱している海鳥を幾度も観察している。これが多少の規模の違いこそあれ全国で起きていて、実際にはその何倍もの数が負傷、更には死亡していると考えると空恐ろしささえ覚える。


上陸したクロガモ・オス
2008年3月 北海道中川郡豊頃町
手前の個体の背中から腹にかけて、網がしっかりと絡んでいる。
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 漁業活動中の混獲に関しては難しい問題もあり、時間をかけて解決の糸口を探ってゆく必要があろうが、故意による漁具・釣り具の放置は厳しく規制してゆかねばなるまい。いっそのこと、発覚したら放置した物の重さ(100g単位か)×10㎞の沿岸清掃くらいの罰則を義務付けてくれないものかと思っている。そうでもしないと、海鳥たちの将来は決して楽観できるものではないはずだ。


左脚先端の欠如したウミネコ
2007年9月 北海道十勝郡浦幌町
釣り糸・テグスが巻きついて脱落したものと思われる。
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哀れ!(オオセグロカモメ・幼鳥)
2007年11月 北海道十勝郡浦幌町

電線に引っ掛かって残置された釣り具を餌と勘違いして飲み込もうとしたのだろう。発見時はまだ生きており、時折羽ばたいていたが、当然逃れることは敵わない。
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上の遠景。このカモメの後日は、敢えて確認に行っていないが、御想像の通りであろう。
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(2008年5月9日   千嶋 淳)