
Photos by Chishima, J.
(沼の周辺を乱舞するガン類 以下すべて 2016年10月 北海道十勝川下流域)
久しぶりに家族で十勝川下流へ鳥見に出かけました。幼児2人連れなので現地にいたのは2時間程度、その間も砂浜で棒倒しをしながらなど横目での鳥見でしたが、数百羽のハクガンやシジュウカラガンをはじめとするガン類の乱舞は圧巻でした。何人かの知り合い(地元以外の方とも)と出会い、立ち話できたのも楽しかったです。
マガン(左)とヒシクイ(亜種オオヒシクイ)

十勝川下流域のガン類は11月中旬を過ぎると続々南下するので、今がまさに見ごろです。よく問い合わせを受けるのですが、このエリアのガン類は十勝川本流の人がアクセスできない場所などに分散してねぐらを取り、観察地として有名な三日月沼、幌岡大沼などに日の出・日の入り時に行っても伊豆沼や宮島沼のような光景は見られません。それらはあくまでも昼間の休息地で、早朝から夕方まで農耕地(デントコーン畑、コムギ畑、牧草地など)での採餌と湖沼での休息を数時間おきに繰り返します(オオヒシクイは水域でも頻繁に採餌します)。その出入りの時にはこのような乱舞を目の当たりにできます。ですから、沼にいない時は周辺の農耕地を探してみると良いでしょう。ただし、牧草地も含め農地への立ち入りは絶対に控えて下さい。沼の近くで読書でもしながら戻って来るのを気長に待つのも手です。
ヒシクイ(亜種オオヒシクイ:右)とシジュウカラガン

タンチョウやオジロワシはほぼ確実に見られ、11月に入ればオオワシも姿を現わし、11月前半までなら本気を出せば一日で70~80種の野鳥を見るのも難しくありません。ファミリーで、また出張などの移動の際にも十勝川下流域の鳥たちをお楽しみ下さい。
確認種:ヒシクイ マガン ハクガン シジュウカラガン オオハクチョウ オナガガモ クロガモ ドバト タンチョウ ウミネコ カモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ ノスリ コゲラ ハヤブサ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒヨドリ カワラヒワ カシラダカ オオジュリン (沼のチェックやスコープなし)
ハクガンを含む群れ
やや距離はあったものの半年ぶりの再開に胸も高鳴る。

(2016年10月30日 千嶋 淳)