鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

161030 十勝川下流域ファミリー鳥見

2016-10-31 22:35:52 | 鳥・秋

Photos by Chishima, J.
沼の周辺を乱舞するガン類 以下すべて 2016年10月 北海道十勝川下流域)

 久しぶりに家族で十勝川下流へ鳥見に出かけました。幼児2人連れなので現地にいたのは2時間程度、その間も砂浜で棒倒しをしながらなど横目での鳥見でしたが、数百羽のハクガンやシジュウカラガンをはじめとするガン類の乱舞は圧巻でした。何人かの知り合い(地元以外の方とも)と出会い、立ち話できたのも楽しかったです。

マガン(左)とヒシクイ(亜種オオヒシクイ


 十勝川下流域のガン類は11月中旬を過ぎると続々南下するので、今がまさに見ごろです。よく問い合わせを受けるのですが、このエリアのガン類は十勝川本流の人がアクセスできない場所などに分散してねぐらを取り、観察地として有名な三日月沼、幌岡大沼などに日の出・日の入り時に行っても伊豆沼や宮島沼のような光景は見られません。それらはあくまでも昼間の休息地で、早朝から夕方まで農耕地(デントコーン畑、コムギ畑、牧草地など)での採餌と湖沼での休息を数時間おきに繰り返します(オオヒシクイは水域でも頻繁に採餌します)。その出入りの時にはこのような乱舞を目の当たりにできます。ですから、沼にいない時は周辺の農耕地を探してみると良いでしょう。ただし、牧草地も含め農地への立ち入りは絶対に控えて下さい。沼の近くで読書でもしながら戻って来るのを気長に待つのも手です。

ヒシクイ(亜種オオヒシクイ:右)とシジュウカラガン


 タンチョウやオジロワシはほぼ確実に見られ、11月に入ればオオワシも姿を現わし、11月前半までなら本気を出せば一日で70~80種の野鳥を見るのも難しくありません。ファミリーで、また出張などの移動の際にも十勝川下流域の鳥たちをお楽しみ下さい。

確認種:ヒシクイ マガン ハクガン シジュウカラガン オオハクチョウ オナガガモ クロガモ ドバト タンチョウ ウミネコ カモメ オオセグロカモメ トビ オジロワシ ノスリ コゲラ ハヤブサ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒヨドリ カワラヒワ カシラダカ オオジュリン (沼のチェックやスコープなし)

ハクガンを含む群れ
やや距離はあったものの半年ぶりの再開に胸も高鳴る。


(2016年10月30日   千嶋 淳)

150930  渡り観察(池田町)

2015-12-11 16:56:47 | 鳥・秋

Photo by Chishima, J.
ヒシクイ(亜種オオヒシクイ  2015年9月 北海道中川郡池田町)


確認種:ヒシクイ(亜種オオヒシクイ)3 ガン類12 マガモspp.70 ドバト アオサギ タンチョウ トビ オジロワシ1 オオタカ2 ノスリ1 コゲラ アカゲラ カケス ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ コガラ シジュウカラ ヒヨドリ メジロ ゴジュウカラ トラツグミ ビンズイ カワラヒワ シメ ホオジロ アオジ ホオジロsp.1

*展望台へ行く途中の林道でトラツグミ1
*昨日までいなかったコガラが数羽。山から降りてきたか?
*シメが群れで動き始めた。
*ホオジロsp.はカシラダカより強く、アオジよりは低い地鳴き。サイズは 普通で色は不明。


(2015年9月30日   千嶋 淳)

150929 渡り観察後半スタート(池田町)

2015-12-11 16:50:43 | 鳥・秋

Photo by Chishima, J.
風に乗るノスリ 2015年9月 北海道中川郡池田町)


 朝方の冷え込みが厳しい予報だったため、ツグミなどの冬鳥を狙って夜明け直後から展望台に上ったのですが、風が強く、小鳥は低調でした。それでもアトリを初認し、シメやカラ類が群れで動いているのも観察できました。

 水鳥の移動も盛んで、ガン類やカモ類、カワウが続々渡りました。カワウは4群41羽が通過し、40羽はオホーツク方面からの移動と思われる動きでした。

 猛禽はノスリやハイタカがぱらぱらという感じで、風の更に強まった9時頃からは渡りを諦めたらしいノスリがそこかしこでホバリングや採餌に勤しんでいました。

 夜明け直後の冷え込みや風の冷たさは完全に初冬のもので、時折姿を現す東大切のウペペサンケやニペソツの頂部は雪を抱いていました。

 渡り観察もいよいよ後半戦に突入です。


確認種:ヒシクイ7 マガン13 マガモ10 コガモ2 カモ類(カワアイサ?)10 ドバト キジバト アオバト カワウ41 タンチョウ ハチクマ1 トビ オジロワシ2 ハイタカ7 オオタカ2 ハイタカ属sp.1 ノスリ15 コゲラ アカゲラ チゴハヤブサ2 カケス ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ メジロ ゴジュウカラ ツグミsp. ハクセキレイ ビンズイ アトリ カワラヒワ ベニマシコ シメ ホオジロ アオジ


(2015年9月29日   千嶋 淳)

150928 十勝川下流域

2015-12-11 16:44:26 | 鳥・秋

Photo by Chishima, J.
カンムリカイツブリの幼鳥 2015年9月 北海道十勝川下流域)


 海上調査の日は疲れて河口のカモメ類だけ見て帰ったので、久しぶりにじっくり、このエリアを回りました。

 最初に訪れた沼ではカイツブリ、オオバンに加えて最近記録の増えているカンムリカイツブリの姿も。カンムリは今年生まれの幼鳥でしたが、なぜかカイツブリを追い回し、最終的にカイツブリは飛び立ち同様の助走で必死に逃げていました。

 高台に上るとハイタカ属やノスリだけでなく、小鳥類が次々と渡ります。特にカワラヒワは数~数十羽の群れがいくつも通過していったほか、オオジュリン、タヒバリなどが小群で渡っているのも海岸らしい光景。シマエナガやカラ類も群れがひっきりなく行き過ぎます。こうした何気ない海岸でも多くの鳥が渡っているのですから、風力発電の影響評価はしっかり行わないといけませんね。

 河口でカモメ類と戯れ、午後になると天候が急変。暗雲が広がり、雷を伴う驟雨に襲われましたが、そんな中、タシギやムナグロは晴れている時より熱心に採餌していました。なぜ…。

 雨上がりの眩しい日差しが差し込む牧草地には200羽を超えるシジュウカラガンが群れ、観察に夢中になっていると、いつの間にかすっかり短くなった秋の陽は沈み、帰宅する頃にはねぐらへ急ぐカラスが上空を舞っていました。野帳に記されたのは70種以上。改めてこのエリアのポテンシャルを感じました。

確認種:ヒシクイ マガン シジュウカラガン オシドリ ヨシガモ ヒドリガモ マガモ カルガモ オナガガモ コガモ ホシハジロ キンクロハジロ スズガモ クロガモ カワアイサ カイツブリ アカエリカイツブリ カンムリカイツブリ ハジロカイツブリ ドバト キジバト アオバト カワウ ウミウ アオサギ ダイサギ タンチョウ オオバン ハリオアマツバメ ムナグロ ダイゼン タシギ ツルシギ アオアシシギ キアシシギ ウズラシギ ユリカモメ ウミネコ セグロカモメ オオセグロカモメ 「タイミレンシス(heugliniかもしれない1羽含む)」 トビ オジロワシ チュウヒ ツミ ハイタカ オオタカ ノスリ アカゲラ モズ ハシボソガラス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒヨドリ エナガ メジロ コヨシキリ ムクドリ ノビタキ スズメ キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ タヒバリ カワラヒワ ベニマシコ ホオジロ アオジ オオジュリン


(2015年9月28日   千嶋 淳)

150923 十勝が丘展望台タカ渡り観察会

2015-12-11 16:16:49 | 鳥・秋

All Photos by Chishima, J.
観察会の様子 以下すべて 2015年9月 北海道河東郡音更町)


 朝から快晴に恵まれ、7時過ぎに展望台に到着するとすでに数名の方が観察を始めておられました。ひんやりした早朝の空気の中、カケスやメジロ、エナガなどが木々を行き交い、見下ろす平野にはいくつもの気球が飛んでいます。 

 観察を始めて1時間足らずの8時4分。1羽のハイタカが現れたのを皮切りに、ノスリやハイタカがぽつぽつと飛び出し、上昇気流の現れる9時頃からはあちこちにトビ柱が見られました。陽光が燦々と照り付け始めると、朝の冷気はどこへやら。夏のような暑さの中、川沿いに移動するヒシクイやカワウの群れもちらほら。


ハイタカ


 鳥の出現の少ない時間帯にはお茶やコーヒーを片手に果物、菓子類などつまみながらの鳥談義は、身近なフィールドから遠く外国にまで及びます。11時に一応の鳥合わせを済ました後もツミやオオタカが現れ、全員が解散したのは正午を回った後でした。

トビ(左)とノスリのバトル


 今年も好天の下、優雅なひと時を満喫することができました。また、写真家の宮本昌幸さんが飛んでいるタカの見つけ方や、トビ、カラスなどとの見分け方など丁寧にレクチャーしてくれたので、渡り観察に慣れていない方も楽しめたのではないかと思います。良い午前でした。

確認種:ヒシクイ マガモ キジバト アオバト カワウ タンチョウ オオセグロカモメ トビ オジロワシ ツミ ハイタカ オオタカ ノスリ コゲラ アカゲラ チゴハヤブサ カケス ハシブトガラス ハシブトガラ ヒガラ シジュウカラ ヒヨドリ エナガ メジロ ゴジュウカラ キバシリ キセキレイ ハクセキレイ ビンズイ タヒバリ カワラヒワ ベニマシコ ホオジロ アオジ (34種) 番外:エゾリス 参加者:24名

ホオジロ(♀または幼鳥)



(2015年9月23日   千嶋 淳)